爬形類(はけいるい、Reptiliomorpha)[1]あるいは爬虫形類(はちゅうけいるい)[2]爬虫様類(はちゅうようるい)[3]は、脊椎動物の一群である。爬虫類に類似した両生類、または有羊膜類とそれに関連する四肢動物を指す分類学上の名称。

爬形類
Reptiliomorpha
爬形類
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordates
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
上綱 : 四肢動物上綱 Tetrapoda
階級なし : 爬形類 Reptiliomorpha
和名
爬形類
下位分類群

この言葉は1934年にスウェーデンの古生物学者Gunnar Säve-Söderberghによって、ペルム紀の爬虫類に似た迷歯類の総称として造られたが、結局アメリカの古生物学者アルフレッド・ローマー (Alfred Sherwood Romer) が提唱した炭竜類 Anthracosauria という学名に取って代わられた。

リンネ式分類学を取り入れた考え方では上目のランクを与えられ、絶滅種である爬虫類的両生類のみを含む。爬形上目は石炭紀に現れ、石炭紀中期には真の爬虫類が生まれていたにもかかわらず、ペルム紀中期までは陸上でも繁栄し続けた。陸生種が絶滅した後も生存した水生種もほとんどがP-T境界を越えることができず、クロニオスクス科が三畳紀初期まで生き延びたのみである。

1990年代分岐学が盛んになると、再びこの用語が使われるようになる。ファイロコードでは、更にそれから進化した有羊膜類全てを含む、非常に大きな単系統群である。

下位分類 編集

以下はLaurin & Reisz (1997) による。

出典 編集

  1. ^ スティーヴ・パーカー編、日暮雅通・中川泉 訳『生物の進化大事典』養老孟司 総監修、三省堂、2020年、173頁。
  2. ^ 松井正文「脊椎動物の多様性と進化」、松井正文 編『バイオディバーシティ・シリーズ 7 脊椎動物の多様性と系統』岩槻邦男・馬渡峻輔 監修、裳華房、2006年、2-43頁。
  3. ^ 中井穂瑞領・川添宣広『ワニ大図鑑』誠文堂新光社、2023年、59頁。