用賀駅

東京都世田谷区用賀にある東急電鉄の駅

用賀駅(ようがえき)は、東京都世田谷区用賀二丁目にある、東急電鉄田園都市線である。駅番号DT 06副駅名は「GMOインターネットTOWER」。

用賀駅
駅入口
ようが
Yōga
(GMOインターネットTOWER前[1]
DT05 桜新町 (1.3 km)
(1.8 km) 二子玉川 DT07
地図
所在地 東京都世田谷区用賀二丁目39番
北緯35度37分35秒 東経139度38分2秒 / 北緯35.62639度 東経139.63389度 / 35.62639; 139.63389座標: 北緯35度37分35秒 東経139度38分2秒 / 北緯35.62639度 東経139.63389度 / 35.62639; 139.63389
駅番号 DT06
所属事業者 東急電鉄
所属路線 田園都市線
キロ程 7.6 km(渋谷起点)
駅構造 地下駅
ホーム 2面2線
乗降人員
-統計年度-
[東急 1]60,422人/日
-2022年-
開業年月日 1977年昭和52年)4月7日[2]
備考 駅カラーは「みず色」
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バスターミナル側駅名標
バスターミナル側駅名標
バスターミナル側
バスターミナル側
世田谷ビジネススクエア タワー棟(GMOインターネットTOWER)
世田谷ビジネススクエア タワー棟(GMOインターネットTOWER)

歴史 編集

東急玉川線・用賀停留場時代 編集

新玉川線(現・田園都市線)の開通前、1969年までは、現在の上りホーム先端付近の地上に東急玉川線(玉電)の用賀停留場があった。用賀の前後区間600メートルの専用軌道上にあった停留場には相対式ホーム2面が存在した。上りホームには出札窓口を備えた駅舎があり、上下ホームの間には構内踏切があった。駅南方には渡り線があり、渋谷からの折り返し列車も設定されていた。そして、上りホーム南端からは新玉川線車両基地予定地への側線・引込線が敷かれていた。新玉川線起工式もこの予定地で実施されたが、着工後に同線の直通先が営団地下鉄(現・東京地下鉄銀座線から半蔵門線へと規格変更され敷地面積が不十分となったことから、車両基地は建設されることなく後に世田谷ビジネススクエアの用地となっている。

年表 編集

  • 1907年明治40年)4月1日 - 玉川電気鉄道(後の東急玉川線)用賀停留場開業。
  • 1969年昭和44年)5月10日 - 玉川線廃止にともない用賀停留場廃止。
  • 1977年(昭和52年)
    • 4月7日 - 新玉川線の駅として開業[2]
    • 11月16日 - 日中に田園都市線直通快速を運転開始。
  • 1978年(昭和53年)8月1日 - 半蔵門線開業により半蔵門線と直通運転開始。
  • 1979年(昭和54年)8月12日 - 各駅停車も含め終日にわたって田園都市線と直通運転を開始。
  • 1993年平成5年) - 世田谷ビジネススクエア竣工に合わせ北口を改良。エスカレータ・エレベーターを設置。バスターミナルが整備される。
  • 1994年(平成6年)1月17日 - 用賀中町通り - 用賀駅間の東京都道427号瀬田貫井線(旧玉電専用軌道)の開通により、用賀中町通りを経由するバスの用賀駅バスターミナルへの乗り入れを開始、同時に用賀付近のバス路線再編成を実施。
  • 2000年(平成12年)8月6日 - 新玉川線が田園都市線に編入される[3]
  • 2001年(平成13年)
    • 3月 - 下りホームエレベーター使用開始。
    • 10月 - 上りホームエレベーター使用開始[4]
  • 2006年(平成18年)
    • 6月22日 - 東京地下鉄8000系電車使用の上り急行電車が用賀駅を通過する際、10両編成中4両の車体とホームが接触し、車体とホームの双方に傷が付いた[5]。通過速度を通常の時速75kmから時速50kmへ抑制[5]
  • 2007年(平成19年)
    • 3月18日 - ICカードPASMO」の利用が可能となる[6]
    • 4月5日 - 上記の事故を契機にして発覚した、梶が谷駅でのホームと電車の接触事故に対する処置完了に合わせ、前年から続けられた用賀駅での速度制限を解除[7]
  • 2009年(平成21年)10月1日 - 管内再編により、当駅は三軒茶屋管内から二子玉川管内に移管される。
  • 2018年(平成30年)3月11日 - ホームドアの使用を開始。
  • 2022年令和4年)4月19日 - 副名称を「世田谷ビジネススクエア前」から「GMOインターネットTOWER前」に変更[1]

駅名の由来 編集

駅名は「用賀」の地名に由来する。この地名は仏教とも関わりの深い「ヨーガ」 (Yoga) に由来するとの説がある。

駅構造 編集

東京都道427号瀬田貫井線の地下に相対式ホーム2面2線を有する地下駅である。地上の道路の形状に合わせ、ホームは下り線から見て進行方向の左側へカーブする部分に設置されている。上りホーム渋谷方・二子玉川方と下りホーム二子玉川方にそれぞれ非常出口が設けられており、渋谷方の非常口からは直接地上に、また二子玉川方の非常口からは南口につながる地下通路に出られる。各ホームに発車標が設置されている。

ホーム階から改札階まで、改札階から地上までの間でそれぞれエスカレータエレベーターが設置されており、利用し移動することができる。改札階改札内には発車標が設置されている。定期券は専用の自動券売機のみで発売している。

非常用に、二子玉川駅方に渡り線を設けている。この渡り線の使用例としては、二子玉川周辺で実施される世田谷区と川崎市の花火大会時に長津田方面からの臨時列車の折り返し(ただし客扱いは二子玉川まで)に使用された例や2005年7月23日に発生した千葉県北西部地震により渋谷駅から先の東京メトロ半蔵門線が不通になり、二子玉川行きとなった電車が当駅で折り返したというものがある。そのほか事故や荒天の折り返し、深夜の試験列車の転線に使われた事例がある。開業以来、左分岐の片渡り線であったが、2018年3月27日に発表された東急の2018年度を初年度とする中期3カ年経営計画の中で、渡り線の増設(両渡り化)が発表され、両渡り化された[8]

トイレは改札口を出て正面にあり、多機能トイレも設置されている。

駅カラーは「みず色」で、ホーム壁の一部にみず色の線が引かれている。ただし、実際に使用されている色は、日本産業規格(JIS)が定めたJIS慣用色名での水色 () よりも青色に近くなっている。ホームの階段に近いほど壁に塗装してある駅カラーの幅は太くなり、ホームの端に行くほど白のタイルの割合が多くなる。これは、渋谷を除く旧・新玉川線地下駅共通のデザイン(駅カラーは各駅異なる)で、旅客の乗降の利便性向上のため、階段がどこに設置されているのかを表している。

当駅は北口と東口と南口の三か所の出入口があり、北口は世田谷ビジネススクエアと用賀駅バスターミナルに、東口は用賀商店街に、南口は平成ビル用賀に繋がっている。駅の地下1階は世田谷ビジネススクエア地下1階と直結している。

上りホームの非常口地上出口はほぼ旧玉川線用賀駅駅舎があった位置で、地域団体により玉電用賀駅跡の石標が脇に設けられている。

2013年末(公式には2014年1月1日)に「世田谷ビジネススクエア前」という副駅名標広告がホーム駅名標に掲出された[9]。更に2022年4月19日より「GMOインターネットTOWER前」に変更されている[1]

のりば 編集

番線 路線 方向 行先
1   田園都市線 下り 二子玉川長津田中央林間方面[10]
2 上り 渋谷押上〈スカイツリー前〉春日部方面[11]

利用状況 編集

2022年度の1日平均乗降人員60,422人である[東急 1]

近年の1日平均乗降乗車人員の推移は下記の通り。

年度別1日平均乗降・乗車人員[* 1]
年度 1日平均
乗降人員[* 2]
1日平均
乗車人員[* 3]
出典
[備考 1]1977年(昭和52年) 21,141 10,707 [東京都統計 1]
1978年(昭和53年) 24,170 12,738 [東京都統計 2]
1979年(昭和54年) 27,535 14,468 [東京都統計 3]
1980年(昭和55年) 29,423 15,450 [東京都統計 4]
1981年(昭和56年) 31,312 16,274 [東京都統計 5]
1982年(昭和57年) 32,696 17,007 [東京都統計 6]
1983年(昭和58年) 34,082 17,899 [東京都統計 7]
1984年(昭和59年) 36,234 19,218 [東京都統計 8]
1985年(昭和60年) 37,919 20,382 [東京都統計 9]
1986年(昭和61年) 41,222 21,683 [東京都統計 10]
1987年(昭和62年) 35,899 22,191 [東京都統計 11]
1988年(昭和63年) 45,074 23,447 [東京都統計 12]
1989年(平成元年) 46,374 24,342 [東京都統計 13]
1990年(平成02年) 47,116 25,417 [東京都統計 14]
1991年(平成03年) 50,563 26,272 [東京都統計 15]
1992年(平成04年) 51,820 26,820 [東京都統計 16]
1993年(平成05年) 51,548 27,954 [東京都統計 17]
1994年(平成06年) 57,129 30,680 [東京都統計 18]
1995年(平成07年) 60,615 31,462 [東京都統計 19]
1996年(平成08年) 59,332 31,724 [東京都統計 20]
1997年(平成09年) 59,087 31,488 [東京都統計 21]
1998年(平成10年) 56,905 30,405 [東京都統計 22]
1999年(平成11年) 55,494 29,730 [東京都統計 23]
2000年(平成12年) 54,979 29,254 [東京都統計 24]
2001年(平成13年) 54,348 28,419 [東京都統計 25]
2002年(平成14年) 54,215 28,214 [東京都統計 26]
2003年(平成15年) 54,061 28,010 [東京都統計 27]
2004年(平成16年) 55,418 28,357 [東京都統計 28]
2005年(平成17年) 56,330 28,695 [東京都統計 29]
2006年(平成18年) 57,790 29,399 [東京都統計 30]
2007年(平成19年) 60,264 30,736 [東京都統計 31]
2008年(平成20年) 60,661 30,747 [東京都統計 32]
2009年(平成21年) 60,897 30,791 [東京都統計 33]
2010年(平成22年) 61,072 30,840 [東京都統計 34]
2011年(平成23年) 60,732 30,678 [東京都統計 35]
2012年(平成24年) 61,750 31,151 [東京都統計 36]
2013年(平成25年) 61,099 30,765 [東京都統計 37]
2014年(平成26年) 61,348 30,856 [東京都統計 38]
2015年(平成27年) 63,204 31,792 [東京都統計 39]
2016年(平成28年) 64,114 32,227 [東京都統計 40]
2017年(平成29年) 66,948 33,619 [東京都統計 41]
2018年(平成30年) 67,710 33,997 [東京都統計 42]
2019年(令和元年) [東急 2]67,550 33,866 [東京都統計 43]
2020年(令和02年) [東急 3]48,985
2021年(令和03年) [東急 4]55,631
2022年(令和04年) [東急 1]60,422
備考
  1. ^ 1977年4月7日開業。

駅周辺 編集

官公庁・公共施設 編集

教育機関 編集

郵便局・金融機関 編集

史跡・自然 編集

ビジネス 編集

交通 編集

バス路線 編集

周辺は世田谷区の中核的拠点の一つであり、旧・新玉川線の中間5駅では唯一、バスターミナルを備えている。上用賀・世田谷通り・用賀中町通り・駒沢通り方面への輸送を担うバス路線が当駅を中心に形成されている。

全路線が東急バス東急トランセに委託)により運行され、担当の営業所は渋22系統・恵32系統・用賀駅 - 弦巻営業所系統が弦巻営業所、それ以外はすべて瀬田営業所である。

乗場 系統 主要経由地 行先 備考
1番 用21 関東中央病院
用22 関東中央病院 美術館
2番 用01 農大前千歳船橋 祖師ヶ谷大蔵駅
3番 用06
等12
桜丘三丁目・成育医療研究センター前 成城学園前駅
4番 渋22 農大前・三軒茶屋 渋谷駅
番号なし 桜新町駅 弦巻営業所 土曜日ダイヤ1往復のみ
5番 等12 中町五丁目・深沢不動前 等々力操車所
中町五丁目 瀬田営業所
番号なし 岡本三丁目・成育医療研究センター前 成城学園前駅 土曜日ダイヤ1往復のみ
6番 恵32 東京医療センター前・三谷 恵比寿駅
7番 降車専用

その他 編集

東名高速方面からの高速バスの乗り継ぎ 編集

2010年5月21日から6か月間、東名ハイウェイバスなどの東名高速道路からの各ルートの上り便で、駅に近接する首都高速3号渋谷線用賀パーキングエリアから当駅へ徒歩で乗り換え、田園都市線上り方向へ乗り継ぎができる実証実験を行った。用賀パーキングエリアに降車専用のバス停を設置し、そこから徒歩で当駅まで行き、田園都市線で渋谷方面へ向かうことによる、東京都心方面への到達時間短縮を期待したものである。この実験では、当駅から渋谷駅までの田園都市線が通常大人200円・ICカード195円のところ、大人・小児とも100円で乗車することができた[12]。ただし、夜行バスについては対象外となっていた。

この実証実験は、首都高速道路では2008年から2009年にかけて実施され、本施策は2011年10月13日から本格運用に移行した[13]。本乗り継ぎ策は八潮パーキングエリア首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス八潮駅への乗り継ぎに次いで2例目となる。

用賀パーキングエリアでの乗り継ぎ乗車券の販売は2019年9月30日をもって終了することとなった[14]が、販売終了後も渋滞時における用賀パーキングエリアでの降車は引き続き可能となる。

隣の駅 編集

東急電鉄
  田園都市線
急行
通過
準急・各駅停車
桜新町駅 (DT05) - 用賀駅 (DT06) - 二子玉川駅 (DT07)

脚注 編集

  1. ^ a b c 東急田園都市線・用賀駅の副名称が「GMOインターネットTOWER前」に駅構内での看板掲示開始、4/22より順次車内アナウンスをスタート』(プレスリリース)GMOインターネット株式会社、2022年4月20日https://www.gmo.jp/news/article/7769/2022年4月25日閲覧 
  2. ^ a b 東急の駅、p.160。
  3. ^ 目蒲線の運行系統変更による線名変更などを実施 平成12年8月6日(日)から』(PDF)(プレスリリース)東京急行電鉄、2000年3月28日。 オリジナルの2019年10月29日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20191029104951/https://www.tokyu.co.jp/file/000328.pdf2020年5月3日閲覧 
  4. ^ 用賀駅にエレベーターを設置します” (PDF). HOT ほっと TOKYU. 東京急行電鉄 (2001年11月1日). 2017年2月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年1月21日閲覧。
  5. ^ a b 東急田園都市線用賀駅における列車とホームの接触について』(PDF)(プレスリリース)東京急行電鉄/東京地下鉄、2006年6月26日。 オリジナルの2018年6月30日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20180630133112/http://www.tokyu.co.jp/file/060626.pdf2020年5月3日閲覧 
  6. ^ PASMOは3月18日(日)サービスを開始します ー鉄道23事業者、バス31事業者が導入し、順次拡大してまいりますー』(PDF)(プレスリリース)PASMO協議会/パスモ、2006年12月21日。 オリジナルの2020年5月1日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20200501075147/https://www.tokyu.co.jp/file/061221_1.pdf2020年5月12日閲覧 
  7. ^ 梶が谷駅における「ホームと車体の接触」に関する詳細調査結果について - 東急電鉄 2007年4月3日(2007年9月30日時点でのアーカイブ
  8. ^ “東急田園都市線で「渡り線」追加 トラブル発生時の折り返し運転を強化”. 乗りものニュース. (2018年3月28日). https://trafficnews.jp/post/80086 2020年6月13日閲覧。 
  9. ^ 副駅名標広告に関するお知らせ、2015年6月2日閲覧。
  10. ^ 田園都市線標準時刻表 用賀駅 中央林間方面”. 東急電鉄. 2023年3月19日閲覧。
  11. ^ 田園都市線標準時刻表 用賀駅 渋谷方面”. 東急電鉄. 2023年3月19日閲覧。
  12. ^ 用賀PAで高速バスから東急田園都市線への乗り継ぎ実証実験 - 首都高速道路(2010年5月16日時点でのアーカイブ)
  13. ^ 「高速バスから田園都市線への乗り継ぎ」に引き続き協力します - 東京急行電鉄
  14. ^ 用賀 PA 高速バス&レールライド 乗り継ぎ乗車券の販売終了について - 国土交通省関東運輸局

注釈 編集


出典 編集

東急電鉄の1日平均利用客数
  1. ^ a b c 東急電鉄株式会社. “2022年度乗降人員 |東急電鉄”. 2023年6月17日閲覧。
  2. ^ 東急電鉄株式会社. “2019年度乗降人員 |東急電鉄”. 2023年6月17日閲覧。
  3. ^ 東急電鉄株式会社. “2020年度乗降人員 |東急電鉄”. 2023年6月17日閲覧。
  4. ^ 東急電鉄株式会社. “2021年度乗降人員 |東急電鉄”. 2023年6月17日閲覧。
私鉄の統計データ
  1. ^ 世田谷区統計書 - 世田谷区
  2. ^ レポート - 関東交通広告協議会
  3. ^ 東京都統計年鑑 - 東京都
東京都統計年鑑

参考文献 編集

  • 宮田道一『東急の駅 今昔・昭和の面影』JTBパブリッシング、2008年9月1日。ISBN 9784533071669 

関連項目 編集

外部リンク 編集