矢内原伊作

日本の哲学者、評論家

矢内原 伊作(やないはら いさく、1918年5月2日 - 1989年8月16日)は、日本哲学者評論家法政大学名誉教授。

矢内原 伊作
やないはら いさく
人物情報
生誕 (1918-05-02) 1918年5月2日
日本の旗 日本愛媛県
死没 (1989-08-16) 1989年8月16日(71歳没)
東京都
胃癌
国籍 日本の旗 日本
出身校 京都帝国大学文学部哲学科
両親 父:矢内原忠雄
学問
研究分野 哲学評論家
研究機関 法政大学など
称号 法政大学名誉教授
主な業績 哲学の研究
造形芸術の研究
主要な作品 『ジャコメッティとともに』(毎日出版文化賞(1969年))
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来歴 編集

矢内原忠雄の長男として愛媛県に生まれる[1]聖書イサクに因んで名づけられた。東京府立一中第一高等学校理科を経て、1941年京都帝国大学文学部哲学科卒業[1]。1942年海軍予備学生

復員後サルトルカミュに惹かれ、本格的に実存主義の立場で哲学を研究。また造形芸術に関心が深く、渡仏し彫刻家ジャコメッティと深い親交を持ち、多くの肖像画や胸像が製作されている。1948年宇佐見英治らとともに文芸誌『同時代』を創刊し[1]、ジャコメッティのアトリエでの対話をはじめとする数々のエッセイを発表する。1969年、『ジャコメッティとともに』で毎日出版文化賞受賞。

交遊関係も幅広く、日本洋画家の堀内規次と親友であった。

1951年大阪大学文学部助教授、1966年に同志社大学文学部助教授、学習院大学助教授を経て、1970年に法政大学文学部哲学科教授に就任[1]。1989年3月定年退職し、名誉教授となったが、同年夏に没した。墓所は多磨霊園

著書 編集

単著 編集

1海について、2現代人生論ノート
3文学論集、4芸術論集、5芸術家との対話
  • 『若き日の日記 われ山にむかひて』現代評論社 1974
  • 『リルケの墓 ヴァレー紀行』創文社 1976
  • 『人生の手帖 生きる智慧についての11章』じゃこめてい出版 1976
  • 『歩きながら考える』みすず書房 1982
  • 『古寺思索の旅』時事通信社 1983
  • 『たちどまって考える』みすず書房 1984
  • 『話しながら考える』みすず書房 1986
  • 矢内原伊作の本』全5冊 みすず書房 1986-1987
1顔について、2終末の文学、3芸術と芸術家
4人生の手帖、5モンマルトル便り
  • 『矢内原伊作詩集 1941-1989』思潮社 1994
  • 『ジャコメッティ』みすず書房 1996。宇佐見英治・武田昭彦編
  • 『矢内原忠雄伝』みすず書房 1998 遺作(未完)
  • 『完本 ジャコメッティ手帖』全2巻 みすず書房 2010。酒井忠康序文、武田昭彦解題、菅野洋人・澤田直・李美那編

共編著 編集

  • 『ジャコメッティ GIACOMETTI』 みすず書房 1958。編・解説
  • 『京都の庭』淡交新社 1962、新版1977。入江泰吉写真
  • 室生寺』淡交新社 1964。井上博道写真
  • 神護寺高山寺』淡交新社 1965。井上博道写真
  • 『石との対話』淡交新社 1966。井上博道写真
  • 『古寺巡礼京都13 広隆寺淡交社 1977。他は清瀧英弘(住職)
  • 宇佐見英治『対談ジャコメッティについて』用美社 1983
    • 新版『見る人 ジャコメッティと矢内原』みすず書房 1999。他にエッセー、追悼回想
  • 『ジャコメッティとの日々 写真集』 用美社 1986
  • 『アルバム ジャコメッティ』撮影・テクスト みすず書房 1999

翻訳 編集

脚注 編集

  1. ^ a b c d 東京国立文化財研究所「矢内原伊作」『日本美術年鑑』(平成2年版)大蔵省印刷局、東京都、1991年3月。ISBN 978-4173104659https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10254.html2015年2月3日閲覧 
  2. ^ モディリアニとジャンヌ・エビュテルヌとの娘。

外部リンク 編集