第12回日本フットボールリーグ

2010年に開催された日本フットボールリーグのリーグ戦
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第12回日本フットボールリーグは、2010年3月14日から同年11月28日にかけて行われた日本フットボールリーグ(JFL)のリーグ戦である。ガイナーレ鳥取が初優勝を果たした。

第12回日本フットボールリーグ
シーズン 2010
優勝 ガイナーレ鳥取
昇格 ガイナーレ鳥取
降格 流通経済大学FC
試合数 306
ゴール数 847 (1試合平均2.77)
得点王 御給匠 (27得点)
最大差勝利ホーム試合
SAGAWA 7-0 流経大
(後期第15節・11月13日)
最大差勝利アウェー試合
栃木U 0-6 鳥取
(前期第17節・6月27日)
最多得点試合
佐川印刷 8-2 MIO
(前期第5節・4月11日)
2009
2011

参加クラブ 編集

第12回JFLの参加クラブは以下の通りである。このうち松本山雅FC栃木ウーヴァFCおよびツエーゲン金沢が前シーズンの全国地域サッカーリーグ決勝大会からの昇格クラブである。

※前年度成績=特記なきものは第11回JFL(2009年)の成績である。
チーム名称
(正式名称)
監督 所在都道府県 主なホームゲーム会場 前年度成績 備考
SAGAWA SHIGA FC   滋賀県 佐川急便守山運動場陸上競技場 1位
横河武蔵野FC
(横河武蔵野フットボールクラブ)
  東京都 武蔵野市立武蔵野陸上競技場 2位
ソニー仙台FC
(ソニー仙台フットボールクラブ)
  宮城県 ユアテックスタジアム仙台
七ヶ浜サッカースタジアム
3位
ガイナーレ鳥取   鳥取県 とりぎんバードスタジアム 5位
町田ゼルビア
(FC町田ゼルビア)
  東京都 町田市立陸上競技場 6位
Honda FC
(本田技研工業株式会社フットボールクラブ)
  静岡県 ホンダ都田サッカー場 7位
MIOびわこ草津   滋賀県 東近江市布引グリーンスタジアム 8位
佐川印刷SC
(佐川印刷株式会社サッカークラブ)
  京都府 京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場 9位
ブラウブリッツ秋田   秋田県 仁賀保グリーンフィールド
秋田市八橋運動公園陸上競技場
10位 TDKサッカー部からチーム移管
V・ファーレン長崎   長崎県 長崎県立総合運動公園陸上競技場 11位
ジェフリザーブズ
(ジェフユナイテッド市原・千葉リザーブズ)
  千葉県 市原臨海競技場 12位
ホンダロックSC
(株式会社ホンダロック サッカー部)
  宮崎県 宮崎市生目の杜運動公園陸上競技場 13位
アルテ高崎   群馬県 高崎市浜川競技場 14位
流通経済大学FC   茨城県 龍ケ崎市陸上競技場たつのこフィールド 15位 流通経済大学サッカー部のクラブ化[1]
FC琉球   沖縄県 沖縄市陸上競技場
沖縄県総合運動公園陸上競技場
16位 Jリーグ準加盟申請審議中
松本山雅FC
(松本山雅フットボールクラブ)
  長野県 松本アルウィン 北信越1部4位
地域決勝1位
全社1位で出場権)
自動昇格
栃木ウーヴァFC
(栃木ウーヴァフットボールクラブ)
  栃木県 栃木市総合運動公園陸上競技場 関東1部1位
地域決勝2位
自動昇格
「日立栃木ウーヴァSC」から名称変更
ツエーゲン金沢   石川県 石川県西部緑地公園陸上競技場
津幡運動公園陸上競技場
北信越1部3位
地域決勝3位
入替戦勝利
2010年4月9日に準加盟申請したが継続審議
色付のチームは2010年シーズン開幕時において、
  •   のクラブはJリーグ百年構想クラブを申請中・または継続審議中のクラブ

レギュレーション 編集

リーグ・試合形式 編集

  • 年間2回戦総当り、1チーム34試合(全306試合)を行い、勝ち点により順位を決定する。全34節を17節ごとに前期・後期に分けて行う。
  • 試合は前後半90分で行い、決着がつかなければ引き分けとなる。勝利には勝ち点3、引き分けには勝ち点1、敗北には勝ち点0が与えられる。
  • Jリーグ準加盟クラブのJリーグ加盟の成績面の条件は「年間順位4位以上」かつ「準加盟チームの中で上位3チーム」[2]。その上でJリーグ臨時理事会の承認を得られれば次年度からJ2に参入することができる。新たに後者の条件が加わったのは、この年は準加盟チームが4チームあり、JリーグがJ2のチーム数(2010年時点で19チーム)を最大22チームと想定していたため[3]
  • JFLの17位・18位は所属する地域リーグに自動降格し、全国地域サッカーリーグ決勝大会の1位・2位はJFLに自動昇格する。JFLの16位と全国地域サッカーリーグ決勝大会の3位が入れ替え戦を行う。なお、Jリーグに加盟するチームが出た場合、ならびにJFL加盟チームの廃部、合併等があった場合には条件が変更される(後述)。

天皇杯への出場枠 編集

前期終了時の上位3チームに第90回天皇杯の出場権が与えられる。

強化費 編集

各試合において勝利チームに勝利チーム賞5万円を支払う。

年間順位 編集

順位 クラブ名 得点 失点 勝点 備考
1 ガイナーレ鳥取 34 24 5 5 64 31 +33 77 J2加盟
2 SAGAWA SHIGA FC 34 17 11 6 69 35 +34 62
3 町田ゼルビア 34 19 4 11 71 44 +27 61
4 Honda FC 34 18 5 11 52 43 +9 59
5 V・ファーレン長崎 34 15 8 11 50 38 +12 53
6 佐川印刷SC 34 15 8 11 54 46 +8 53
7 松本山雅FC 34 15 7 12 48 41 +7 52
8 ブラウブリッツ秋田 34 14 9 11 54 41 +13 51
9 ツエーゲン金沢 34 14 8 12 46 41 +5 50
10 FC琉球 34 14 6 14 51 51 0 48
11 MIOびわこ草津 34 13 7 14 51 56 -5 46
12 横河武蔵野FC 34 12 8 14 34 38 -4 44
13 ホンダロック 34 10 12 12 36 39 -3 42
14 ソニー仙台FC 34 11 9 14 34 42 -8 42
15 栃木ウーヴァFC 34 7 10 17 41 75 -34 31
16 ジェフリザーブズ 34 7 9 18 31 55 -24 30
17 アルテ高崎 34 7 8 19 28 51 -23 29 入れ替え戦
18 流通経済大学FC 34 5 4 25 33 80 -47 19 地域リーグ自動降格

備考 編集

  • クラブ名太字Jリーグに準加盟し、かつ2011年度からのJリーグ加盟意思を表明していたクラブ
  • 斜体は、前期終了時に上位3位に入ったことにより第90回天皇杯本戦出場シード権を獲得したクラブ

個人記録 編集

得点ランキング 編集

選手名 得点 所属
得点王 御給匠 27 SAGAWA SHIGA FC
2 松田正俊 24 ブラウブリッツ秋田
3 勝又慶典 18 町田ゼルビア
4 木島良輔 16
5 有光亮太 13 V・ファーレン長崎
高橋駿太 栃木ウーヴァFC

個人表彰・ベスト11 編集

Pos 選手名 所属
最優秀監督 松田岳夫 ガイナーレ鳥取
GK 小針清允
DF 旗手真也 SAGAWA SHIGA FC
喜多靖 ガイナーレ鳥取
石井雅之 Honda FC
MF・MVP 服部年宏 ガイナーレ鳥取
MF 美尾敦 ガイナーレ鳥取
山根伸泉 SAGAWA SHIGA FC
中村元
FW 勝又慶典 町田ゼルビア
松田正俊 ブラウブリッツ秋田
FW・得点王 御給匠 SAGAWA SHIGA FC
新人王 奈良輪雄太 SAGAWA SHIGA FC
敢闘賞 実信憲明 ガイナーレ鳥取
  • 優秀レフェリー賞:篠藤巧
  • フェアプレー賞 :佐川印刷SC

ハットトリック 編集

JFL
選手 所属 対戦相手 試合結果 日付 出典
塩沢勝吾4 佐川印刷 前期 5節 MIOびわこ滋賀 8 - 2 (H) 4月11日 [4]
田中靖大 FC琉球 前期 7節 栃木ウーヴァFC 5 - 2 (A) 4月25日 [5]
御給匠 SAGAWA SHIGA FC 後期 3節 佐川印刷 3 - 0 (H) 7月17日 [6]
柿本倫明4 松本山雅FC 後期 5節 ジェフリザーブズ 5 - 1 (H) 7月31日 [7]
御給匠(2)4 SAGAWA SHIGA FC 後期 15節 流経大FC 7 - 0 (H) 11月13日 [8]
高橋駿太4 栃木ウーヴァFC 後期 16節 ソニー仙台FC 4 - 1 (H) 11月20日 [9]
Note: 4 1試合4得点 (H) – ホーム (A) – アウェイ

入れ替え 編集

JFL→J2 編集

2011年度からのJリーグへの加盟申請を行っていた準加盟クラブについて11月29日のJリーグ臨時理事会で審議が行われ、1位となったガイナーレ鳥取のJリーグ加盟が正式に承認された。7位の松本山雅FCについては成績面での不備から加盟は見送られた。

一方、予備申請を行っていた3位の町田ゼルビアに関してはホームスタジアムの不備[10] が、5位のV・ファーレン長崎に関してはホームスタジアムの不備と財務面の問題[11] が指摘されており、結果的に2011年度からの本申請を見送ったため、審議対象とはされなかった。町田は「成績面でのJ2昇格条件を満たしながら昇格できなかった準加盟クラブ」の第1号となった。

レギュレーション変更 編集

Jリーグ加盟により1チーム減少したため、JFLと地域リーグ間の昇降格のレギュレーションが以下のように変更された。

順位 チーム 変更前 変更後
JFL16位 ジェフリザーブズ 入れ替え戦(vs地域決勝3位) JFL残留
JFL17位 アルテ高崎 地域リーグ自動降格 入れ替え戦(vs地域決勝3位)
JFL18位 流通経済大学FC 地域リーグ自動降格
地域決勝1位 カマタマーレ讃岐 JFL自動昇格 JFL自動昇格
地域決勝2位 AC長野パルセイロ
地域決勝3位 三洋電機洲本 入れ替え戦(vsJFL16位) 入れ替え戦(vsJFL17位)

JFL→地域リーグ 編集

レギュレーション変更により、JFL18位チームのみが地域リーグへ自動降格する事となった。これにより、流通経済大学FCの地域リーグ(関東サッカーリーグ1部)自動降格が決定した。自動降格が適用されたのは、2002年シーズン以来となる。

地域リーグ→JFL 編集

第34回全国地域サッカーリーグ決勝大会の結果、1位・カマタマーレ讃岐と2位・AC長野パルセイロのJFL自動昇格が決定した。

入れ替え戦 編集

 
2010年のJFL/地域リーグ入替戦(第1戦、三洋電機洲本(赤)対アルテ高崎(白))

レギュレーション変更により、JFL17位のアルテ高崎と第34回全国地域サッカーリーグ決勝大会3位の三洋電機洲本が入れ替え戦を行う事となった。

  • ホーム・アンド・アウェー方式で2試合行う。
  • 各試合ごとに勝利チームに勝点3、引分の場合は両チームに勝点1を与え、2試合の勝点合計が多いチームを勝利チームとする。
  • 2試合の勝点で並んだ場合は得失点差の多いチームを勝利チームとする。
  • 得失点差でも並んだ場合は第2戦終了後に15分ハーフの延長戦を行い、それでも勝敗が決しない場合はPK戦で勝利チームを決定する(アウェーゴールルールは採用されない)。

2010年12月11日
13:00
第1戦
三洋電機洲本
(地域決勝3位)
0 - 3 アルテ高崎
(JFL17位)
公式記録 (PDF) 川里光太郎   38分
岩間雄大   44分
吉田明生   64分
五色台運動公園(アスパ五色)メイングラウンド

2010年12月19日
13:00
第2戦
アルテ高崎 1 - 1 三洋電機洲本
吉田明生   90+1分 公式記録 (PDF) 太田晃一   19分

この結果、対戦成績を1勝1分としたアルテ高崎のJFL残留、ならびに三洋電機洲本の地域リーグ(関西サッカーリーグ1部)残留が決定した。JFLチームが入れ替え戦でJFL残留を決めたのは2002年シーズンのジヤトコサッカー部以来8年ぶり2チーム目である。

脚注 編集

  1. ^ 規約改正で大学生チームが大学リーグと社会人リーグの二重登録をすることができなくなったため
  2. ^ 2010Jリーグ規約 (PDF) 第20条②(3)より
  3. ^ J2リーグの将来像を決定”. 日本プロサッカーリーグ (2008年7月22日). 2012年10月24日閲覧。
  4. ^ 佐川印刷 vs. MIOびわこ滋賀公式記録
  5. ^ 栃木ウーヴァFC vs. FC琉球公式記録
  6. ^ SAGAWA SHIGA FC vs. 佐川印刷公式記録
  7. ^ 松本山雅FC vs. ジェフリザーブズ公式記録
  8. ^ SAGAWA SHIGA FC vs. 流通経済大学FC公式記録
  9. ^ 栃木ウーヴァFC vs. ソニー仙台公式記録
  10. ^ 9月1日にJリーグから、ゼルビアに対して、入会予備審査で町田市立陸上競技場の整備が2010年に改定されたJ2開催基準を一部満たしていないと指摘を受けた。
  11. ^ 9月16日にクラブが会見し、Jリーグから入会予備調査で長崎市総合運動公園かきどまり陸上競技場の改修の目処が立っていないなどのスタジアム整備、及び財政面の課題が解決していないと指摘を受けたことを明らかにしている。

関連項目 編集

外部リンク 編集