羊部ようぶは、漢字部首により分類したグループの一つ。 康熙字典214部首では123番目に置かれる(6画の6番目、未集の6番目)。

𦍌
康熙字典 214 部首
网部 羊部 羽部
1 丿 2
3
广
4
5
6
7
8
9
10 11 鹿
12 13 14 15
16 17

概要 編集

 

羊部には「羊」または「𦍌」を筆画の一部として持つ漢字を分類している。

単独の「羊」字はヒツジを意味する。また「」に仮借して「めでたい」「よい」の意味もある。

ヒツジは中国で古くから飼育されている家畜であり、六畜(馬・牛・羊・鶏・犬・豚)の一つに挙げられている。そのは織物に使われ、肉は食用、乳は飲用されたり加工されて食用される。現在でも中国は世界一の羊飼養国であり、羊乳羊肉はごく一般的な食材である。特にイスラム教徒豚肉を食べないので、回族の多い西北部では羊肉が主菜として食されている。このようにヒツジは身近な動物であり、部首にもなる独自の字をもつに至っている。

「羊」は字源としては、角を持った羊の頭部を象る象形文字である[1][2]。『説文解字』では頭・角・足・尾といった全体の象形とするが、甲骨文字の形を見ればわかるように、これは誤った分析である。

「羊」は意符としては羊や家畜、食品に関する文字に含まれる。

部首の通称 編集

  • 日本:ひつじ・ひつじへん
  • 中国:羊字旁・羊字頭
  • 韓国:양양부(yang yang bu、ひつじの羊部)
  • 英米:Radical sheep

部首字 編集

例字 編集

脚注 編集

  1. ^ 季旭昇 (2014), 説文新証, 台北: 芸文印書館, p. 298, ISBN 978-957-520-168-5 
  2. ^ 林志強等 (2017), 《文源》評注, 北京: 中国社会科学出版社, p. 10, ISBN 978-7-5203-0419-1