荒海山

福島県南会津町と栃木県日光市の境界にある山

荒海山(あらかいさん、あらかいざん、あらかいやま)は、福島県南会津郡南会津町栃木県日光市の境界に位置する標高1,581 mの山である。二等三角点「太郎岳」(標高1,580.4 m)は山頂の東北東約90 mに位置するピーク東峰にある。福島県側では荒海山、栃木県側では太郎岳(たろうだけ)と呼ばれる。江戸時代の文献『新編会津風土記』では荒貝嶽(あらかいがだけ)と表記されている。

荒海山
標高 1,581 m
所在地 日本の旗 日本
福島県南会津郡南会津町
栃木県日光市
位置 北緯37度02分10秒 東経139度38分37秒 / 北緯37.03611度 東経139.64361度 / 37.03611; 139.64361座標: 北緯37度02分10秒 東経139度38分37秒 / 北緯37.03611度 東経139.64361度 / 37.03611; 139.64361
山系 帝釈山地
荒海山の位置(日本内)
荒海山
荒海山の位置
プロジェクト 山
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日本三百名山東北百名山、新・うつくしま百名山、会津百名山に選定されている[1]

概要 編集

福島県と栃木県両県の境界を画する帝釈山地の東側に位置する(県境尾根の一角[1])。日本海側と太平洋側を分ける中央分水嶺上に位置し[1]、南側は太平洋に注ぐ利根川支流鬼怒川水系の支流群、北東側は日本海に注ぐ阿賀川、北西側は阿賀川支流の伊南川の支流群の、それぞれの源流部となっている。山頂部は緩やかな三角錐状をなしており、山頂の南西約800 mには、次郎岳とも呼ばれる1,560 mのがある。

地質 編集

山頂の東側は古生代に形成された砂岩粘板岩の互層から成り、西側は花崗岩が露出している。福島県側山麓には八総鉱山跡があり、亜鉛硫化鉄を産出していた。

登山 編集

ルート 編集

一般登山道は福島県側からつけられており、福島県側から登られることが多い。八総鉱山跡入口から荒海川沿いにつけられた林道をたどるコースである[1]。八総鉱山跡入口へは国道352号国道121号からの分岐点より4.2 kmでさらに林道へ分岐し、八総鉱山跡前の駐車場まで4.2 km進む。会津鉄道会津高原尾瀬口駅からは駐車場まで5.5 kmである。

八総鉱山跡入口から荒海山登山口までの間には竜神滝や釜滝がある[1]。八総鉱山跡入口から荒海山登山口を通って治山ダムまで約30分である[1]。赤テープを目印に川を渡り急な沢を登ると尾根に出る。治山ダムから尾根登山道に出るまで約40分である[1]。そこから展望のきかない尾根道をアップダウンし、山頂直下の急坂を登りきれば山頂につく。尾根登山道に出てから山頂まで約1時間50分である[1]。山頂から東峰の三角点までは多少の藪漕ぎを要する。

山頂付近の花 編集

山頂付近および尾根道は春から初夏にかけて、ショウジョウバカマイワカガミアズマシャクナゲヤマグルマが咲く。

山頂からの眺望 編集

山頂は360度の眺望がきき、南東に高原山、東に大佐飛山男鹿岳那須連峰、北に七ヶ岳、北西に浅草岳、西に会津駒ヶ岳燧ヶ岳田代山帝釈山、南西に日光白根山男体山女峰山が見渡せる。

ギャラリー 編集

出典 編集

  1. ^ a b c d e f g h 南会津からはじまる山歩き はいとれ”. 南会津町. 2022年9月23日閲覧。

参考文献 編集

  • 『角川日本地名大辞典』7 福島県、角川書店、1981年
  • 奥田博、渡辺徳仁『福島県の山』〈新・分県登山ガイド6〉、山と渓谷社、2004年