袁隆平

中国の生物学者、工学者、発明家 (1930-2021)

袁 隆平(えん りゅうへい、1930年9月7日[1] - 2021年5月22日)は、中華人民共和国の農学者。ハイブリッド米英語版の研究者であり、世界に広めたことから「ハイブリッドイネの父」と呼ばれている[2]

袁 隆平
プロフィール
出生: (1930-09-07) 1930年9月7日
死去: (2021-05-22) 2021年5月22日(90歳没)
職業: 研究者
籍貫地 中国江西徳安
出生地: 中華民国の旗 中華民国 河北省北平市
死没地: 中華人民共和国の旗 中華人民共和国 湖南省長沙市
各種表記
繁体字 袁隆平
簡体字 袁隆平
拼音 Yuán Lóngpíng
和名表記: えん りゅうへい
発音転記: ユエン・ロンピン
英語名 Yuan Longping
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略歴 編集

1930年,北京協和醫院に生まれる。5人兄弟の次男[3]重慶復興初級中学校、贛江中学校、博学中学校に経て、1949年8月に重慶相輝学院農学部に入学。遺伝育種学を専攻。1952年院系調整中国語版により、西南農学院に移り、1953年卒業[3]

その後、湖南省安江農学校の植物遺伝育種学教師として、サツマイモやトマトなどの育種と栽培に従事[3]。中国の大躍進政策での飢饉を見て、衝撃を受ける。1964年からハイブリッドイネの9年間にわたる研究を始めた[4]

1973年に3種類の交雑パターンを開発し、うち生産過程で大規模な応用が可能の「南優2号」品種を選び、栽培を行った。1981年に中国初の国家特等発明賞を受賞[4]。袁隆平は、その成功に満足することなく、国家のキープロジェクトを指導する主任研究員となり、多くの試行錯誤の末、1995年ついに新たなハイブリッドイネの理論と技術の開発に成功した。これにより、それまでの同種類イネに比べ、さらなる収量増加と品質の向上を実現した。1996年にスーパーライス交配計画を始めた[5]。袁隆平の努力もあって中国は世界最大のコメ生産国となり[6]、同じ食糧問題に悩むアジアアフリカなどの農業にも袁隆平は貢献した[2]

1999年に、小惑星8117は「袁隆平星」と命名された。2006年に、中国農業分野で初のアメリカ科学アカデミー会員に選出された[7]

 
竜崗区深圳市)の隆平路

2021年5月22日、湖南省長沙市で死去。90歳没[8](中国で91歳没と報道)。

受賞歴 編集

脚注 編集

  1. ^ 中国では1929年8月13日生まれと報道された。
  2. ^ a b "Dr. Monty Jones and Yuan Longping". World Food Prize. 2004.
  3. ^ a b c 朱継東 (2007年5月22日). “大功至偉袁隆平:我是人民農学家” (中国語). 新華網. 2009年5月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年12月22日閲覧。
  4. ^ a b 「ハイブリッド米の父」袁隆平氏プロフィール”. 人民網 (2008年10月30日). 2019年10月15日閲覧。
  5. ^ a b 第一回食の新潟国際賞受賞者紹介”. 食の新潟国際賞財団 (2010年7月7日). 2019年10月15日閲覧。
  6. ^ globalreach.com, Global Reach Internet Productions, LLC - Ames, IA -. “A World-Brand Name: Yuan Longping, The Father of Hybrid Rice” (英語). www.worldfoodprize.org. 2018年5月2日閲覧。
  7. ^ 袁隆平中国工学アカデミー会員がアメリカ科学アカデミー会員に”. 中国網 (2006年4月28日). 2019年10月15日閲覧。
  8. ^ 袁隆平逝世-中新网”. www.chinanews.com (2021年5月22日). 2021年5月22日閲覧。
  9. ^ 袁隆平氏が中国農業分野初のアメリカ科学アカデミー会員に”. Record China (2006年6月26日). 2019年10月15日閲覧。
  10. ^ イスラエルのウルフ賞 袁隆平院士が農業賞を受賞”. 人民網 (2004年5月10日). 2019年10月15日閲覧。
  11. ^ ハイブリッドイネの父・袁隆平氏がマレーシアの科学賞受賞”. 科学技術振興機構 (2011年9月29日). 2019年10月15日閲覧。
  12. ^ 矢板明夫 (2016年10月8日). “中国、対抗意識むき出しに次々と独自の世界賞創設”. 北京: 産経新聞. 2019年10月15日閲覧。
  13. ^ 「ハイブリッド米の父」袁隆平氏の研究チーム、中国の未来科学大賞を受賞”. AFPBB News (2018年12月4日). 2019年10月15日閲覧。

関連項目 編集