象山県(ぞうざん-けん)は、中華人民共和国浙江省寧波市の管轄下にある東シナ海に浮かぶ漁山列島韭山列島などを含む。県政府所在地の南西にがしゃがんだ形の象山があることにちなむ[1]

中華人民共和国 浙江省 象山県
銅瓦門大橋から望む石浦漁港
銅瓦門大橋から望む石浦漁港
銅瓦門大橋から望む石浦漁港
寧波市中の象山県の位置
寧波市中の象山県の位置
寧波市中の象山県の位置
簡体字 象山
繁体字 象山
拼音 XiŠàngshān
カタカナ転写 シアンシャン
国家 中華人民共和国の旗 中華人民共和国
浙江
副省級市 寧波市
行政級別
建置 706年
面積
総面積 1,175 km²
人口
総人口(2008) 53.3 万人
経済
電話番号 0574
郵便番号 315700
行政区画代碼 330225
公式ウェブサイト http://www.nbxs.gov.cn/
石浦バスターミナル(石浦汽車站)
漁港古城の道路標識

地理 編集

象山県は西は寧海県、北は鄞州区と接し、奉化区とは象山港の対岸に位置する。主要部は半島上にあり、三方が海に面している。山がちな地形で、山地面積は71%、森林カバー率は59%を占める。バビショウクロマツなどの針葉樹林と、クスノキ科の木を主とする広葉樹林モウソウチクなどの竹林が混じる。県内の最高峰は東搬山(海抜810.8メートル)。平地は東部の南荘平原と西南部の定山平原に大きく分かれ、「上八万(畝)」、「下八万(畝)」と称され、このような県全体の地形は「七山一水二分田」と称される[1]

半島の南及び東海上に、漁山列島(13島)・韭山列島(27島)・泗礁列島・三岳列島・半招列島がある。

アリソフの気候区分亜熱帯海洋性モンスーン気候地域に属する。年平均気温は約17℃と温暖湿潤で、四季がはっきりしており、平均降雨量1463ミリメートルと雨量も十分にあるが、梅雨台風時期に集中している。山がちですぐに海に流れ込むため、水資源の利用はしづらい。東側には入り組んだ海岸線と島が多く、海洋資源が豊富で、古来漁業が(かつては製塩も)盛んに行われているが、21世紀になってからは海浜観光保養地としての開発も行われている。島嶼部には韭山列島国家級海洋生態自然保護区と漁山列島国家級海洋生態特別保護区が設置されている。

行政区画 編集

  • 街道:丹東街道、丹西街道、爵渓街道
  • :石浦鎮、西周鎮、鶴浦鎮、賢庠鎮、牆頭鎮、泗洲頭鎮、定塘鎮、塗茨鎮、大徐鎮、新橋鎮
  • :東陳郷、暁塘郷、黄避嶴郷、茅洋郷、高塘島郷

歴史 編集

産業 編集

伝統的に優勢を持つ漁業の他、臨港地区における造船業発電等の産業が大きく、メリヤス製品、金型自動車部品、水産加工などの工業と建築業も一定の規模を有している。新たに海洋生物資源開発、IT関連の産業を推進している。

農業総生産額は浙江省トップレベルで、経済作物は水稲綿花カラムシ大豆など、山中にはクワアブラギリユチャチャノキかんきつ類ヤマモモビワモモなどの経済用樹が植えられている。

水産物総生産量は全国的に上位にあり、タチウオマナガツオワタリガニ類、アキアミの水揚げやマガキマテガイの養殖で有名。海洋レジャーなどを中心とした観光業も伸びている。

2014年の県内総生産額は388.7億人民元、公共財政収入は54.8億人民元で、都市部住民の一人当たり可処分所得は40,175人民元、農漁民一人当たりの純収入は18,127元であった[2]

観光 編集

県南部に位置する港町石浦鎮には、清代の町並みを観光用に保存した「石浦古城」という一角があり、中国歴史文化名鎮に指定されている。石浦漁港から船で漁山列島に行くことが出来る。

交通 編集

出身有名人 編集

脚注 編集

  1. ^ a b 象山県志編纂委員会 編、「概述」『象山県志』pp1-7、1988年、杭州、浙江人民出版社。
  2. ^ 区域概况” (中国語). 象山县人民政府. 2016年2月21日閲覧。