遊川和彦

日本の脚本家、映画監督

遊川和彦(ゆかわ かずひこ、1955年10月24日 - )は、日本テレビドラマ脚本家映画監督

ゆかわ かずひこ
遊川 和彦
プロフィール
誕生日 (1955-10-24) 1955年10月24日(68歳)
出身地 日本の旗 日本広島県大竹市
主な作品
テレビドラマ真昼の月
GTO
魔女の条件
オヤジぃ。
女王の教室
家政婦のミタ
過保護のカホコ
同期のサクラ
35歳の少女
となりのチカラ
家庭教師のトラコ
映画恋妻家宮本
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東京都生まれ[1][2]、広島県大竹市育ち[1][2][3]修道中学校・高等学校を経て、広島大学政経学部卒業[1][2]。既婚[4]

経歴 編集

東京都で生まれ、小学校1年から母親の郷里・広島県大竹市で育った[1][2][5][6][7][8]。姉で女優の柳谷ユカ[9]や妻の村上麗奈は、「35歳の少女」など遊川が手掛ける作品に多く出演している[10]

修道高等学校在学中に文化祭で脚本を書いた喜びが、この仕事を始めた契機[8][11][12]。大学時代は広島市内の映画館を回りアイスクリームを売るアルバイトをした[8][2]。映画を見続けるうち、すっかり映画の虜になり、「好きな道で生きて行こう」と決めた[2]

大学卒業後上京。子どもの頃から目立ちたがり屋で[2]、最初はスターを志望し[2]無名塾の試験も受けた[12]。映画の専門学校に短期間在籍後[2][12]、テレビ制作会社ディレクターを経て[2][13]、1987年(31歳の時)に『うちの子にかぎって…スペシャルII』で脚本家としてデビュー[1][5][14]。1990年前後のTBSコメディドラマを八木康夫プロデューサーと共に作り上げた[14][12]。また、ドラマのノベライズ本も多数出版している。

1991年『ADブギ』、1992年『十年愛』で、ダウンタウン浜田雅功の役者としての才能を開花させた[15]

1998年の『GTO』では原作、主演人気もあり平均視聴率28.5%、最終回には35.7%という驚異的な視聴率を叩きだした。

2003年、スペシャルドラマ『さとうきび畑の唄』の脚本を担当し、同作品が文化庁芸術祭大賞(テレビ部門)を受賞する[1]

2005年、涙そうそうプロジェクト広島 昭和20年8月6日』(2005年8月29日、TBS)が、2006年日本民間放送連盟賞番組部門・最優秀作品に選ばれた[1]。同年、日本テレビの連続ドラマ『女王の教室』を発表。同作品で、第24回向田邦子賞受賞[1]

TBSの日曜劇場では、田村正和が主演を務めるドラマの脚本を多数手がけている。

他にも松嶋菜々子が主演した作品を手掛けることも多く、それらの多くがヒットしている。特に2011年に彼女が主演した日本テレビの『家政婦のミタ』は、最終回でドラマ視聴率史上歴代4位タイ(放送当時は3位タイ)となる40.0%(21世紀のドラマでは歴代2位、放送当時1位)という、ドラマとしては11年ぶりの高視聴率を記録した[1]。この作品では、2012年東京ドラマアウォード 脚本賞を受賞した[1][16]

2012年下半期に放送のNHK連続テレビ小説純と愛』の脚本を手がけた。プロデューサーの山本敏彦は2年越しで脚本を遊川に依頼しており[17]、遊川の提案であった「これまでの連続テレビ小説っぽくないもの」「演出家や役者にもロを出す」が了承され、脚本を執筆した経緯がある。脚本家としては珍しく週1で撮影現場に足を運ぶ等をし、朝ドラ初主演となった夏菜に演技指導を行う姿が『プロフェッショナル 仕事の流儀』で放送された[18]

2016年、テレビ朝日の『はじめまして、愛しています。』で第5回コンフィデンスアワード・ドラマ賞 脚本賞を受賞[19]

2017年公開の映画『恋妻家宮本』で初監督を務めた[20]。同年、『過保護のカホコ』の脚本を担当した[21]

2019年、テレビ朝日の『ハケン占い師アタル』の脚本と演出を担当。今作がテレビドラマ初演出となった。

作品 編集

連続テレビドラマ 編集

単発テレビドラマ 編集

映画 編集

出演番組 編集

受賞 編集

1996年

脚注 編集

  1. ^ a b c d e f g h i j 脚本家・遊川和彦が『過保護のカホコ』で高畑充希にガッカリしたこと”. ニッポン放送 NEWS ONLINE (2018年9月24日). 2020年7月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月6日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j 先輩インタビュー 脚本家 遊川和彦さん (PDF) 広島大学校友会だより 第23号(平成30年3月1日発行)11-12頁 広島大学
  3. ^ 角田陽一郎×遊川和彦(脚本家・映画監督)「坂元裕二のドラマを見て鳥肌が立った」”. 週プレNEWS (2020年3月25日). 2020年3月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月6日閲覧。
  4. ^ 遊川和彦氏インタ…映画監督デビュー作「恋妻家宮本」 スポーツ報知、2017年1月26日
  5. ^ a b 今秋の朝ドラは「純と愛」、“ミタ”の遊川和彦が人々の絆を描く
  6. ^ 連続テレビ小説 | ドラマトピックスブログ:NHKブログ 2012年01月19日
  7. ^ TBS「TBSテレビ放送50周年 涙そうそうプロジェクトドラマ特別企画『広島・昭和20年8月6日』」文化活動【向田邦子賞】/受賞者 第24回:遊川 和彦 | 東京ニュース通信
  8. ^ a b c 井川樹『男たちの修道』南々社、2012年、19-26頁
  9. ^ 週刊女性2013年4月23日号「人間ドキュメント」
  10. ^ 「35歳の少女」結人(坂口健太郎)と別れた望美(柴咲コウ) 別人のような姿に豹変し...”. 日テレ. 日本テレビ放送網 (2020年11月24日). 2022年3月29日閲覧。
  11. ^ プロフェッショナル 仕事の流儀「ぶつかりあって、愛が生まれる 脚本家・遊川和彦」』(2012年9月24日、NHK)
  12. ^ a b c d 成馬零一『キャラクタードラマの誕生 テレビドラマを更新する6人の脚本家河出書房新社、2013年、109-121頁
  13. ^ 脚本家・遊川和彦氏が語る今のドラマ事情 演出に口を出す“危険人物”の真意とは 1/2 - ORICON NEWS 2017年1月20日
  14. ^ a b 『キャラクタードラマの誕生 テレビドラマを更新する6人の脚本家』90-108頁
  15. ^ 日刊スポーツ2010年1月24日16面
  16. ^ 島村幸恵 (2012年10月22日). “「家政婦のミタ」がグランプリで5冠! 東京ドラマアウォード2012発表”. シネマトゥデイ. 2012年10月23日閲覧。
  17. ^ 脚本家スペシャル対談[前編]
  18. ^ 夏菜、5年ぶりの連ドラ主演で「バッシング女優」の異名を返上できるか? - アサジョ(2018/12/10 10:15更新)2018年12月16日閲覧
  19. ^ “「家売るオンナ」がコンフィデンス賞、主演賞は波瑠”. ORICON STYLE. (2016年10月21日). http://www.oricon.co.jp/article/31345/ 2016年10月21日閲覧。 
  20. ^ a b 脚本家・遊川和彦氏が映画初監督 阿部寛と天海祐希が初の夫婦役で重松清氏『ファミレス』実写化”. ORICON STYLE (2015年11月30日). 2015年11月30日閲覧。
  21. ^ “「過保護のカホコ」最終回の平均視聴率は14.0% 有終の美を飾る”. ORICON STYLE. (2017年9月14日). https://news.livedoor.com/article/detail/13610183/ 2017年9月14日閲覧。 
  22. ^ 『ミタ』脚本家・遊川和彦氏、テレ朝の連ドラ初執筆 尾野真千子×江口洋介とタッグ”. ORICON STYLE (2016年5月31日). 2016年5月31日閲覧。
  23. ^ “高畑充希:「過保護のカホコ」制作チームで主演新ドラマ 脚本家・遊川和彦と再タッグ”. MANTANWEB (MANTAN). (2019年8月6日). https://mantan-web.jp/article/20190805dog00m200066000c.html 2019年8月6日閲覧。 
  24. ^ 『家政婦のミタ』のキーワードは「宇宙飛行士」だった?! 脚本家と長谷川博己の対談
  25. ^ プロフェッショナル仕事の流儀

関連項目 編集

外部リンク 編集