酒居知史

日本のプロ野球選手

酒居 知史(さかい ともひと、1993年1月2日 - )は、大阪府枚方市出身のプロ野球選手投手)。右投右打。東北楽天ゴールデンイーグルス所属。

酒居 知史
東北楽天ゴールデンイーグルス #28
2021年7月8日 京セラドーム大阪
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 大阪府枚方市
生年月日 (1993-01-02) 1993年1月2日(31歳)
身長
体重
178 cm
80 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2016年 ドラフト2位
初出場 2017年4月25日
年俸 5600万円(2024年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
派遣歴

経歴 編集

プロ入り前 編集

枚方市立樟葉南小学校時代に楠葉ウイングスで野球を始める。枚方市立招提北中学校時代は枚方シニアでプレー[2]

高校は龍谷大学付属平安高等学校に進学。2年時の夏の甲子園に出場するも、堂林翔太擁する中京大中京高校に敗れ一回戦敗退。高校の2学年後輩に高橋大樹がいた。

卒業後は大阪体育大学へ進学。阪神大学リーグで通算35試合登板し、15勝7敗、防御率1.42。3回生秋のリーグ戦で5勝1敗の成績で最優秀選手に選ばれた。以後3季連続で最優秀投手に選ばれた。

大学卒業後は社会人野球大阪ガスへ入社した。

2016年10月20日に行われたドラフト会議では、千葉ロッテマリーンズから2位指名を受け、契約金8000万円・年俸1500万円(いずれも金額は推定)で契約した[3]背番号23

ロッテ時代 編集

2017年春季キャンプを一軍でスタートしたが[4]、開幕は二軍で迎えた。4月22日に出場選手登録されると[5]、同25日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦でプロ初登板[6]。5月6日の福岡ソフトバンクホークス戦ではプロ初ホールドを記録したものの、同18日に登録抹消となった[7]。その後は二軍で先発調整となり、8月4日の楽天戦でプロ初先発[8]。勝利投手とはならなかったが、8回1失点と好投すると[9]、同18日のオリックス・バファローズ戦でプロ初勝利を初完投で飾った[10]。シーズン全体では19試合の登板で5勝1敗1ホールド・防御率3.13を記録し[11]、特に先発転向後は9先発で5勝1敗・防御率2.86と好成績を残した[12]。オフに750万円増となる推定年俸2250万円で契約を更改した[13]

2018年は開幕ローテーション入りを果たすも、5先発で防御率7.36と結果を残せず、4月30日に登録抹消[14]。6月17日に一軍再昇格となったが[15]、その後も不安定な投球が続いて一軍と二軍を行き来し、最終成績は15試合(14先発)の登板で2勝6敗・防御率5.59にとどまった。オフにはオーストラリアン・ベースボールリーグオークランド・トゥアタラへ派遣された[16]。契約更改では100万円減となる推定年俸2150万円でサインをした[17]

2019年は開幕を一軍で迎えると[18]、楽天との開幕戦にリリーフ登板し、1球で打者1人を打ち取った。その直後にチームは逆転し試合に勝利したため、プロ野球史上初となる開幕戦1球勝利を記録した[19]。この年は2度の登録抹消があったものの[20][21][22]、1年間中継ぎとして起用され、54試合の登板で5勝4敗・防御率4.37、チーム2位の20ホールドを記録[23]。オフに1450万円増となる推定年俸3600万円で契約を更改した[24]

楽天時代 編集

2019年12月19日、東北楽天ゴールデンイーグルスからFA権を行使してロッテへ移籍した美馬学の人的補償として、酒居の楽天への移籍が発表された[25]。なお、酒居は初めて人的補償で楽天へ移籍した選手及び、令和初の人的補償選手であった。12月23日に公示された。

 
2020年9月16日
ほっともっとフィールド神戸

2020年は新型コロナウイルスの影響で120試合制の短縮シーズンではあったが、開幕から一度も登録抹消されることなく中継ぎとしてフル回転し、チーム2位タイとなる46試合に登板[26]。3勝2敗12ホールド・防御率3.65という成績を残し[27]、オフに400万円増となる推定年俸4000万円で契約を更改した[28]

2021年も開幕一軍入りを果たし[29]、前年はチーム1・2位のホールド数を記録した牧田和久アラン・ブセニッツの不調もあり、セットアッパーとして起用された。9月4日の埼玉西武ライオンズ戦では5点リードの9回表に牧田が登板するも乱調で3点差まで追い上げられ、酒居が緊急登板。最後は2死満塁のピンチを凌いでプロ初セーブを挙げた[30]。この年もシーズンを通して一軍のブルペンを支え、54試合の登板で4勝3敗3セーブ・防御率2.28、リーグ2位タイの28ホールドと好成績を残し[31]、オフに3000万円増となる推定年俸7000万円で契約を更改した[32]

2022年は春季キャンプを一軍でスタートするも[33]、3月18日の中日ドラゴンズとのオープン戦を最後に実戦登板が無く、右太ももの筋損傷により開幕を二軍で迎えた[34]。5月5日の二軍戦で実戦復帰を果たし[35]、同13日に出場選手登録[36]。7月9日に登録抹消となるも[37]、同20日に再登録され[38]、シーズン終了まで一軍に帯同した。ただ、この年はホールドが付かない場面での登板が大半であり、34試合の登板で1勝1敗1ホールド・防御率3.31という成績であった。オフに1400万円減となる推定年俸5600万円で契約を更改した[39]

2023年は開幕を二軍で迎えたものの、二軍では7試合の登板で防御率0.00を記録し、4月21日に出場選手登録されると[40]、同30日の西武戦で2年ぶりのセーブを挙げるなど[41]、開幕から13試合連続無失点を記録[42]。6月8日の阪神タイガース戦でシーズン初失点を喫して[43]以降は調子を落とし[44][45]、前半戦終了時点では30試合に登板し、2勝3敗15ホールド1セーブ・防御率3.76という成績であった[46]。ただ、後半戦は17試合の登板のうち、失点を喫したのは2試合のみ[47][48]。一軍昇格後は登録抹消されることなくシーズンを終え、この年は47試合の登板で5勝3敗20ホールド1セーブ・防御率2.98を記録した[49]

選手としての特徴 編集

最速150km/h[50]のストレートとスライダーフォークカーブを投げる[51]。2018年ではパワーのある外国人打者にストレートでも負けない力ある投球を目指していた[52]

詳細情報 編集

年度別投手成績 編集





















































W
H
I
P
2017 ロッテ 19 9 2 0 1 5 1 0 1 .833 315 74.2 75 11 20 0 3 48 0 0 28 26 3.13 1.27
2018 15 14 0 0 0 2 6 0 0 .250 373 83.2 91 12 35 0 4 55 0 2 57 52 5.59 1.51
2019 54 0 0 0 0 5 4 0 20 .556 248 57.2 51 9 25 4 1 60 1 0 28 28 4.37 1.32
2020 楽天 46 0 0 0 0 3 2 0 12 .600 188 44.1 38 4 18 2 3 34 1 0 20 18 3.65 1.26
2021 54 0 0 0 0 4 3 3 28 .571 206 51.1 33 3 24 1 0 44 1 0 15 13 2.28 1.11
2022 34 0 0 0 0 1 1 0 1 .500 141 32.2 23 4 17 0 4 32 2 0 12 12 3.31 1.22
2023 47 0 0 0 0 5 3 1 20 .625 184 42.1 36 1 25 2 0 30 1 0 17 14 2.98 1.44
通算:7年 269 23 2 0 1 25 20 4 82 .556 1655 386.2 347 44 164 9 15 303 6 2 177 163 3.79 1.32
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績 編集



投手












2017 ロッテ 19 3 11 0 1 1.000
2018 15 3 13 0 0 1.000
2019 54 2 5 0 0 1.000
2020 楽天 46 2 5 2 2 .778
2021 54 2 3 0 0 1.000
2022 34 2 7 0 0 1.000
2023 47 1 3 0 0 1.000
通算 269 15 47 2 3 .969
  • 2023年度シーズン終了時

記録 編集

初記録
その他の記録
  • 1球勝利:2019年3月29日、対東北楽天ゴールデンイーグルス1回戦(ZOZOマリンスタジアム) 42人目43度目 ※開幕戦では初

背番号 編集

  • 23(2017年 - 2019年)
  • 28(2020年 - )

脚注 編集

  1. ^ 楽天 - 契約更改 - プロ野球”. 日刊スポーツ. 2023年12月6日閲覧。
  2. ^ 酒居知史”. 侍ジャパン. 2021年4月14日閲覧。
  3. ^ ロッテD2・酒居、年俸1500万円で入団合意”. SANSPO.COM(サンスポ) (2016年11月30日). 2017年5月31日閲覧。
  4. ^ “ロッテ春季キャンプ、佐々木ら新人六人一軍スタート”. 日刊スポーツ. (2017年1月25日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/1770068.html 2017年1月25日閲覧。 
  5. ^ ロッテドラ2酒居 1軍初合流 まずは中継ぎで起用へ”. Sponichi Annex (2017年4月22日). 2023年2月16日閲覧。
  6. ^ ロッテドラ2酒居、初登板で「初めて出た球速」計時も…プロの洗礼”. Full-Count (2017年4月26日). 2023年2月16日閲覧。
  7. ^ ロッテ・益田、平沢などが抹消 中日は高橋周平を抹消 18日のプロ野球公示”. BASEBALL KING (2017年5月18日). 2023年2月16日閲覧。
  8. ^ ロッテ・D2酒居、プロ初先発!2人の同期に続き初白星なるか 4日の予告先発”. BASEBALL KING (2017年8月3日). 2023年2月16日閲覧。
  9. ^ プロ初先発で快投を見せたロッテドラ2ルーキー・酒居。変幻自在の投球で先発ローテ定着なるか”. ベースボールチャンネル (2017年8月11日). 2021年9月15日閲覧。
  10. ^ a b “ロッテ 酒居がプロ初完投で初勝利”. スポニチ Sponichi Annex (スポーツニッポン). (2017年8月18日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2017/08/18/kiji/20170818s00001173305000c.html 2017年8月18日閲覧。 
  11. ^ ロッテ酒居、50%増の2250万円で更改 林球団本部長も評価「内容大変よかった」”. Full-Count (2017年11月29日). 2021年9月15日閲覧。
  12. ^ 先発転向で覚醒!“配置転換”がハマった投手たち”. BASEBALL KING (2017年10月12日). 2021年9月15日閲覧。
  13. ^ ロッテ酒居50%増2250万 後半先発5勝で貢献”. 日刊スポーツ (2017年11月29日). 2021年9月15日閲覧。
  14. ^ 抹消のロッテ酒居は復調へ「ミニキャンプっぽいことを」 井口監督が明かす”. Full-Count (2018年4月30日). 2023年2月16日閲覧。
  15. ^ ロッテ・酒居知史 1年目の夏の輝きを再び/夏男の季節”. 週刊ベースボールONLINE (2018年6月30日). 2021年9月15日閲覧。
  16. ^ ロッテ 平沢、酒居、種市の3選手を豪州へ派遣”. デイリースポーツ (2018年10月17日). 2021年9月15日閲覧。
  17. ^ ロッテ酒居100万減で更改、ボルシンガー超え誓う”. 日刊スポーツ (2018年11月17日). 2021年9月15日閲覧。
  18. ^ 藤原、小園らがメンバー入り!プロ野球2019年シーズン「開幕一軍」全選手まとめ”. BASEBALL KING (2019年3月28日). 2023年2月16日閲覧。
  19. ^ “史上初!ロッテ酒居開幕1球勝利「何かしました?」”. 日刊スポーツ. (2019年3月29日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/201903290001314.html 2019年3月29日閲覧。 
  20. ^ 【3日の公示】広島 長野、中村恭、バティスタを抹消”. Sponichi Annex (2019年7月3日). 2023年2月16日閲覧。
  21. ^ 【15日の公示】広島・小園、バティスタが再昇格”. Sponichi Annex (2019年7月15日). 2023年2月16日閲覧。
  22. ^ 【14日の公示】オリックス・太田、ロメロ ロッテ・大谷を登録”. Sponichi Annex (2019年9月14日). 2023年2月16日閲覧。
  23. ^ ロッテ、酒居1450万増3600万円で更改「野球をよく知ることができた」”. サンスポ (2019年12月3日). 2021年9月15日閲覧。
  24. ^ ロッテ酒居1450万円増、来季に向け新球習得挑む”. 日刊スポーツ (2019年12月3日). 2021年9月15日閲覧。
  25. ^ 【ロッテ】酒居「切り替えて自分の野球をするだけ」美馬の人的補償で楽天移籍”. スポーツ報知 (2019年12月19日). 2020年7月22日閲覧。
  26. ^ 2020年のリリーフ登板ペースに変化は? 成績を143試合に換算してみた”. パ・リーグ.com (2021年1月27日). 2021年9月15日閲覧。
  27. ^ 楽天・酒居は400万円増の4000万円でサイン 人的補償で移籍1年目「もっとできたのかな」”. スポニチ Sponichi Annex (2020年12月2日). 2021年3月23日閲覧。
  28. ^ 楽天酒居400万円増、移籍1年「貢献できたかな」”. 日刊スポーツ (2020年12月2日). 2021年9月15日閲覧。
  29. ^ 2021パ・リーグ開幕一軍メンバー登録公示 楽天ドラ1・早川隆久ら新人7選手が登録”. SPAIA (2021年3月25日). 2023年2月16日閲覧。
  30. ^ 【楽天】酒居知史9回しのいだ…プロ5年目で初セーブ”. スポーツ報知 (2021年9月8日). 2021年9月15日閲覧。
  31. ^ 【2021主力選手通信簿|楽天】田中将大は負け越しでも最高評価。10年目で初の打点王獲得の島内にも「よくできました」<SLUGGER>”. THE DIGEST (2021年12月9日). 2022年1月22日閲覧。
  32. ^ 楽天酒居、3000万円増「競争に勝って来季またいいところで投げたい」”. 日刊スポーツ (2021年11月27日). 2022年1月13日閲覧。
  33. ^ 楽天が1、2軍キャンプ振り分けメンバー発表 マー君、則本、西川らは1軍 涌井、オコエらは2軍スタート”. Sponichi Annex (2022年1月20日). 2023年2月16日閲覧。
  34. ^ 楽天・酒居、右太ももの筋損傷”. サンスポ (2022年3月25日). 2023年2月16日閲覧。
  35. ^ 2022年5月5日 【ファーム】 試合結果 (東北楽天vs埼玉西武)”. 日本野球機構. 2023年2月16日閲覧。
  36. ^ 新型コロナ感染の楽天・茂木&右太腿痛が完治した酒居が1軍に合流”. Sponichi Annex (2022年5月13日). 2023年2月16日閲覧。
  37. ^ 【9日の公示】巨人・アンドリース登録、楽天は酒居、松井友を抹消”. Sponichi Annex (2022年7月9日). 2023年2月16日閲覧。
  38. ^ 【20日の公示】日本ハムは骨折の松本剛ら10人入れ替え 巨人は新外国人・クロールを登録”. Sponichi Annex (2022年7月20日). 2023年2月16日閲覧。
  39. ^ 楽天・酒居知史「自分の責任、非常に悔しいシーズン」 大幅1400万ダウンで更改”. デイリースポーツ (2022年11月20日). 2023年2月16日閲覧。
  40. ^ 【楽天】酒居知史と村林一輝が今季初めて1軍合流”. 日刊スポーツ (2023年4月21日). 2023年10月14日閲覧。
  41. ^ 楽天、ようやく今季初の連勝 ドラ1荘司の初勝利消えるも延長10回に西川V打”. BASEBALL KING (2023年4月30日). 2023年10月14日閲覧。
  42. ^ 則本昂大の好投で東北楽天が連敗ストップ 太田光は2打席連続適時打”. パ・リーグ.com (2023年6月6日). 2023年10月14日閲覧。
  43. ^ 【楽天】小深田大翔がサヨナラ3ラン 石井一久監督「小郷のことも救ってくれた」”. スポーツ報知 (2023年6月8日). 2023年10月14日閲覧。
  44. ^ 楽天・酒居 9回に逆転サヨナラ3ラン被弾 守護神・松井裕の代役登板も…石井監督「しょうがない」”. Sponichi Annex (2023年6月17日). 2023年10月14日閲覧。
  45. ^ 2023年6月23日 【公式戦】 試合結果 (東北楽天vs埼玉西武)”. 日本野球機構. 2023年10月14日閲覧。
  46. ^ ロッテ9-7楽天(終了) - パ・リーグ - スコア速報”. 朝日新聞DIGITAL. 2023年10月14日閲覧。
  47. ^ 2023年8月5日 【公式戦】 試合結果 (東北楽天vs千葉ロッテ)”. 日本野球機構. 2023年10月14日閲覧。
  48. ^ 2023年9月12日 【公式戦】 試合結果 (千葉ロッテvs東北楽天)”. 日本野球機構. 2023年10月14日閲覧。
  49. ^ 2023年度 東北楽天ゴールデンイーグルス 個人投手成績(パシフィック・リーグ)”. 日本野球機構. 2023年10月14日閲覧。
  50. ^ ロッテドラ2酒居、初登板で「初めて出た球速」計時も…プロの洗礼”. Full-Count (2017年4月26日). 2021年9月15日閲覧。
  51. ^ 最下位ロッテに差すふたつの光。佐々木千隼と酒居知史の奮闘で来季こそ浮上を!”. 野球太郎 (2017年10月13日). 2021年9月15日閲覧。
  52. ^ “ロッテ 平沢、酒居、種市の3選手を豪州へ派遣”. デイリースポーツ online (株式会社デイリースポーツ). (2018年10月17日). https://www.daily.co.jp/baseball/2018/10/17/0011738352.shtml 2022年12月24日閲覧。 

関連項目 編集

外部リンク 編集