韓国リーグカップ(かんこくリーグカップ)は、大韓民国におけるサッカーリーグカップである。1992年に開始され、2011年に廃止となった。

韓国リーグカップ
開始年 1992
終了年 2011
主催 大韓サッカー協会
加盟国 大韓民国の旗 韓国
最多優勝 水原三星ブルーウィングス (6回)
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歴史 編集

1992年にアディダスの協賛を受けて「アディダスカップ」(아디다스컵)としてスタートした。1997年から2000年にかけては、アディダスカップの他にさらにもうひとつリーグカップ戦が開催されていた。2004年から2008年までは、サムスン電子の白物家電ブランド「ハウゼン」の名前を冠していた。2009年はスポンサー探しが難航し、最終的に韓国プロサッカー連盟会長の郭錠煥が委員長を務める、ピースカップ組織委員会が協賛についた[1]

2010年はポスコの協賛を受けて「ポスコカップ」(포스코컵)が公式な大会名となっていた[2]。2011年は消費者金融を営むA&Pフィナンシャルがタイトルスポンサーとなり、「ラッシュ&キャッシュカップ」として行なわれた。

Kリーグがまだプロ・アマチームの混成だった1986年に、アマチュアを除いた5クラブが参加して開催されたプロサッカー選手権大会프로축구선수권대회)もリーグカップの歴史の中に位置づけられている[3]。2011年10月、韓国プロサッカー連盟は2013年より導入される2部制への移行策として、スコティッシュ・プレミアリーグで採用される「スプリット・システム」をリーグ戦に一時的に導入し、総試合数が増やされることなどからKリーグカップを廃止すると決定した[4]

大会形式 編集

リーグカップで採用されてきた大会形式は、その殆どが総当たり戦方式(ラウンドロビン)か、グループステージとノックアウトステージからなる複数ステージ制に分類される。1999年と2000年のアディダスカップのみ、ノックアウトトーナメント方式が採用された。

2010年のポスコカップはグループステージとノックアウトステージから構成される。グループステージでは15クラブを5チームずつ3つのグループへと分け、それぞれのグループ内で1回総当たり戦を行う。各グループの上位2チームと、各グループ3位の中から成績上位2チームの合計8チームがノックアウトステージへと進む。ノックアウトステージは準々決勝、準決勝、決勝からなり、いずれも1試合制で行われる。

年度 ラウンドロビン グループ+
ノックアウト
ノックアウト
1992 アディダス
1993 アディダス
1994 アディダス
1995 アディダス
1996 アディダス
1997 アディダス プロスペック
1998 フィリップモリス アディダス
1999 大韓火災 アディダス
2000 大韓火災 アディダス
2001 アディダス
2002 アディダス
2003
2004 三星ハウゼン
2005 三星ハウゼン
2006 三星ハウゼン
2007 三星ハウゼン
2008 三星ハウゼン
2009 ピースカップ
2010 ポスコ

大会名 編集

  • アディダスカップ(아디다스컵、1992-2002)
  • プロスペックカップ(프로스펙스컵、1997)
  • フィリップモリスコリアカップ(필립모리스 코리아컵、1998)
  • 大韓火災カップ(대한화재컵、2000-2001)
  • 三星ハウゼンカップ(삼성 하우젠컵、2004-2008)
  • ピースカップコリア(피스컵 코리아、2009)
  • ポスコカップ(포스코컵、2010)
  • ラッシュ&キャッシュカップ(러시앤캐시컵、2011)

歴代優勝クラブ・得点王 編集

年度 大会名 優勝 準優勝 得点王 アシスト王
1986 プロサッカー選手権大会 現代 大宇   ハム・ヒョンギ(現代)   チョン・ヨンス(現代)
1992 アディダスカップ 一和天馬 LGチータース   ノ・スジン(油公)   イ・キグン(浦項製鉄)
1993 アディダスカップ 浦項製鉄アトムス 現代ホランイ   崔文植(浦項製鉄)   ルベン(大宇)
1994 アディダスカップ 油公コッキリ LGチータース   イム・ジェソン(現代)
  ラデ(浦項製鉄)
  チョ・ジョンヒョン(油公)
1995 アディダスカップ 現代ホランイ 一和天馬   金鉉錫(蔚山)   尹晶煥(油公)
1996 アディダスカップ 富川SK 浦項製鉄アトムス   イ・ウォンシク(富川)   尹晶煥(富川)
1997 アディダスカップ 釜山大宇ロイヤルス 全南ドラゴンズ   徐正源(安養)   高宗秀(水原)
プロスペックカップ 釜山大宇ロイヤルス 浦項スティーラース   マニッチ(釜山)   オレグ(安養)
1998 アディダスカップ 蔚山現代ホランイ 富川SK   金鉉錫(蔚山)   チャン・チョルミン(蔚山)
フィリップモリスコリアカップ 釜山大宇ロイヤルス 富川SK   金鐘建(蔚山)   尹晶煥(富川)
1999 大韓火災カップ 水原三星ブルーウィングス 釜山大宇ロイヤルス   金鐘建(蔚山)   チョ・ソンファン(富川)
アディダスカップ 水原三星ブルーウィングス 安養LGチータース   デニス(水原)   デニス(水原)
2000 大韓火災コップ 富川 SK 全南ドラゴンズ   イ・ウォンシク(富川)   全慶峻(富川)
アディダスカップ 水原三星ブルーウィングス 城南一和天馬   高宗秀(水原)   デニス(水原)
2001 アディダスカップ 水原三星ブルーウィングス 釜山アイコンス   金度勲(全北)   マニッチ(釜山)
2002 アディダスカップ 城南一和天馬 蔚山現代ホランイ   サーシャ(城南)   アンドレ(安養)
2003 非開催
2004 三星ハウゼンカップ 城南一和天馬 大田シチズン   カルロス(蔚山)   タヴァレス(浦項)
2005 三星ハウゼンカップ 水原三星ブルーウィングス 蔚山現代ホランイ   サンドロ(大邱)   セザル(全北)
2006 三星ハウゼンカップ FCソウル 城南一和天馬   崔成國(蔚山)   ドゥドゥ(城南)
2007 三星ハウゼンカップ 蔚山現代ホランイ FCソウル   ルイジーニョ(大邱)   李菁龍(ソウル)
2008 三星ハウゼンカップ 水原三星ブルーウィングス 全南ドラゴンズ   エニーニョ(大邱)   卞盛煥(済州)
2009 ピースカップコリア 浦項スティーラース 釜山アイパーク   柳昌鉉(浦項)   趙傑鎬(浦項)
2010 ポスコカップ FCソウル 全北現代モータース   デヤン
2011 ラッシュ&キャッシュカップ 蔚山現代FC 釜山アイパーク   金信煜(蔚山)   崔在洙(蔚山)

クラブ別優勝回数 編集

クラブ名 優勝回数 (優勝年度)
水原三星ブルーウィングス 6回 (1999ア, 1999大, 2000ア, 2001, 2005, 2008)
蔚山現代FC 5回 (1986, 1995, 1998ア, 2007, 2011)
釜山アイパーク 3回 (1997ア, 1997プ, 1998フ)
城南一和天馬 3回 (1992, 2002, 2004)
済州ユナイテッド 3回 (1994, 1996, 2000大)
FCソウル 2回 (2006, 2010)
浦項スティーラース 2回 (1993, 2009)
  • 1997年から2000年にかけてはリーグカップが2つ存在したため、頭文字でそれぞれを表した。「ア」はアディダスカップ、「プ」はプロスペックカップ、「フ」はフィリップモリスコリアカップ、「大」は大韓火災カップの略。

脚注 編集

  1. ^ [시선집중 25일 개막하는 리그컵의 모든것]” (韓国語). sportsseoul.com (2009年3月24日). 2010年12月21日閲覧。
  2. ^ <프로축구> 리그컵대회 타이틀스폰서에 포스코” (韓国語). NAVER NEWS (2010年5月13日). 2010年12月21日閲覧。
  3. ^ 한국 프로축구 리그컵 역대성적(韓国プロサッカーリーグカップ歴代成績)
  4. ^ 【Kリーグ】2012年からスプリット・システム導入、カップ戦は廃止に - 大韓サッカー協会、2011年10月5日

参考文献 編集

外部リンク 編集