.io

イギリス領インド洋地域に割り当てられているドメイン

.io国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)の一つであり、イギリス領インド洋地域(Indian Ocean Territory)に割り当てられている[1]

.io
イギリス領インド洋地域の旗
施行 1997年
TLDの種類 国別コードトップレベルドメイン
現在の状態 利用可
管理団体 NIC.IO(インターネット・コンピュータ・ビューロー英語版が運営)
後援組織 IO Top Level Domain Registry(ケーブル・アンド・ワイヤレス
利用地域 イギリス領インド洋地域の旗 イギリス領インド洋地域に関係する団体・個人
使用状況 イギリス領インド洋地域に関係するサイトはほとんどない。スタートアップ企業でよく使われている。
登録の制限 第2レベルには制限がはない。第3レベルへの登録はイギリス領インド洋地域に居住していることが条件。
階層構造 登録は第2レベルドメインに直接か、第2レベルドメインの下の第3レベルに行われる。
関連文書 Terms & Conditions; Rules
紛争解決方針 Dispute Resolution Policy
ウェブサイト NIC.IO
DNSSEC 有効
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.ioドメインは、イギリスに本拠地を置くレジストリであるインターネット・コンピュータ・ビューロー英語版によって管理されている[2]

Googleの広告ターゲティングでは、.ioをジェネリックトップレベルドメイン(gTLD)として扱っている。その理由として、「ユーザやウェブマスタが、(このドメインを)ccTLDというよりもgTLDとして見ることが多いから」としている[3]

歴史 編集

.ioドメインは1997年に導入された。最初に取得されたサブドメインは、1998年にリーバイ・ストラウスが取得したlevi.ioである[4]

仕様 編集

.ioドメインのサブドメインで使用できる文字は英数字ハイフンのみであり、長さは3文字以上63文字以内でなければならない。ドメイン名の最初と最後にハイフンを使用することはできず、2文字以上連続したハイフンを使用することもできない。ドメイン名全体で253文字を超えることはできない[5]

管理 編集

ドメイン名を管理する権利は、Internet Assigned Numbers Authority(IANA)によって承認された組織に与えられている。.ioドメインはインターネット・コンピュータ・ビューロー(ICB)が管理している。このレジストリはイギリスの会社で、NIC.IOの名称で.ioドメインの管理を行っている。同社はまた、セントヘレナ島.shドメイン、アセンション島.acドメインを販売する権利も持っている[6]

登録と制限 編集

.ioドメインは、個人や組織が登録することができる。

.ioドメインの登録申請者は、イギリス領インド洋地域に居住または登記している必要はない。ただし、"xyz.com.io"のような第3レベルドメインは、イギリス領インド洋地域の住民のみ登録することができる(イギリス領インド洋地域には合法的な永住者がいないため、理論上は第3レベルドメインは登録されない)。NIC.IOで使用している第2レベルドメインやトップレベルドメインは、第3レベルドメインとして使用することはできない。例えば、"com.com.io"、"org.com.io"、"biz.com.io"は全て制限されている[7]

.ioのドメイン名は、性的な目的や、いかなる国の法律に違反する目的で使用してはならない。この要件に違反した場合、NIC.IOは違反した登録を直ちに無効化する権利を有する[8]

.ioドメインの登録期間は、最低1年、最長5年である[9]

.ioのドメイン名の登録料は、他のTLDよりも価格が高い。2019年9月29日現在、利用可能な.ioドメインの登録には年間90米ドルがかかる[8]

利用 編集

.ioドメインは、イギリス領インド洋地域と関係のあるサイトでの利用はごくわずかである。

計算機科学では、"IO"または"I/O"は一般的に入出力(input/output)の略語として使用されているため、.ioドメインは技術に関連するサービスでよく使用される。.ioドメインは、オープンソースプロジェクト、APIスタートアップ企業、コンピュータゲーム、およびその他のオンラインサービスによく使用されている[10][11]。2013年4月にGitHubはプロジェクトページの全ドメインを「github.io」に移行した[12]

また、"io"で終わる英語の単語が多数あることから、ドメインハックにも使われている。例えば、マルコ・ルビオ2016年アメリカ合衆国大統領共和党予備選挙に副大統領候補として出馬したときに、短縮URL用にRub.ioを取得した。

"io"はイタリア語の一人称単数代名詞(「私」)であり、このドメインは個人のウェブサイト用に適したものとなっている。エスペラントでは、"io"は断言的な実存不定代名詞(英語の"something")である。

多人数参加型オンラインゲーム英語版Agar.ioの成功により、同様のMMOゲームが多数生まれたが、それらのほとんどが.ioドメインを使用している(Diep.ioSurviv.ioHole.ioSlither.ioなど)。

論争 編集

ギガオム英語版でのICBのポール・ケイン会長に対するインタビューによると、ドメイン名レジストリは、その利益の一部を、イギリス領インド洋地域の管理のためにイギリス政府に提供することが義務付けられている[13]

後の取材で、イギリス政府は.ioドメインの販売による資金の受け取りを否定し、イギリス政府によって強制的に追い出された元住民であるチャゴシアン人英語版と利益を共有することはできないと主張した[14][15]

脚注 編集

  1. ^ IDN Code Points Policy for the .IO Top Level Domain, NIC.IO, オリジナルの2005-12-18時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20051218074147/http://www.nic.io/IO-IDN-Policy.pdf 2005年12月11日閲覧。 
  2. ^ IANA — .io Domain Delegation Data”. iana.org. 2020年4月19日閲覧。
  3. ^ Managing multi-regional and multilingual sites”. 2019年10月5日閲覧。
  4. ^ whois-search.com - domain name search - Whois Search”. 2017年12月31日閲覧。
  5. ^ RFC 1035, Domain names--Implementation and specification, P. Mockapetris (Nov 1987)
  6. ^ Internet Computer Bureau”. 2020年4月19日閲覧。
  7. ^ RULES for the .IO Domain and Sub-Domains”. 2005年10月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2005年7月30日閲覧。
  8. ^ a b NIC.IO - The Indian Ocean .IO Domain Registry and Network Information Centre”. nic.io. 2020年4月19日閲覧。
  9. ^ .IO Domain Name Registration price list”. nic.io. 2017年1月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年10月2日閲覧。
  10. ^ Beattie, Russell (2013年2月12日). “The rise of .io domains for well crafted web services”. 2014年4月24日閲覧。 “There's lots of open source projects (Redis, Brackets, Launcher), a few mobile-app landing pages (Avocado, X-Ray), a ton of new web apps and services, several conference pages (Lightning, Renaissance, Resonate) and a few older companies or organizations who've changed their name to take advantage of a cleaner .io name.”
  11. ^ “IO Domains in Alexa Top 1 Million.”. http://techslides.com/io-domains-in-alexa-top-1-million 2015年5月27日閲覧。 
  12. ^ GitHub、プロジェクトページの全ドメインを「github.io」に移行
  13. ^ David Meyer (2014年6月30日). “The dark side of .io: How the U.K. is making web domain profits from a shady Cold War land deal”. gigaom.com. 2020年4月19日閲覧。
  14. ^ House of Lords Summer Recess 2014 Written Answers and Statements”. parliament.uk (2014年8月11日). 2019年4月4日閲覧。
  15. ^ David Meyer (2014年7月11日). “UK government denies receiving .io domain profits”. gigaom.com. 2020年4月19日閲覧。

外部リンク 編集