座標: 北緯43度44分4.74秒 東経7度25分16.8秒 / 北緯43.7346500度 東経7.421333度 / 43.7346500; 7.421333

1958年モナコグランプリ (1958 Monaco Grand Prix) は、1958年のF1世界選手権第2戦として、1958年5月18日モンテカルロ市街地コースで開催された。

モナコ 1958年モナコグランプリ
レース詳細
1958年F1世界選手権全11戦の第2戦
モンテカルロ市街地コース(1929-1972)
モンテカルロ市街地コース(1929-1972)
日程 1958年5月18日
正式名称 XVI Grand Prix Automobile de Monaco
開催地 モンテカルロ市街地コース
モナコの旗 モナコ モンテカルロ
コース 市街地コース
コース長 3.145 km (1.954 mi)
レース距離 100周 314.5 km (195.4 mi)
決勝日天候 晴(ドライ)
ポールポジション
ドライバー ヴァンウォール
タイム 1:39.8
ファステストラップ
ドライバー イギリス マイク・ホーソーン フェラーリ
タイム 1:40.6
決勝順位
優勝 クーパー-クライマックス
2位 フェラーリ
3位 フェラーリ

レース概要 編集

 
チーム・ロータスが「12」でF1デビュー(2010年撮影)

前戦アルゼンチンGPを欠場したヴァンウォールBRMクーパーのイギリス勢が出揃った。ヴァンウォールは前年と変わらずスターリング・モストニー・ブルックススチュアート・ルイス=エヴァンズの3台体制、BRMはジャン・ベーラハリー・シェルマセラティから移籍した。クーパーはロイ・サルヴァドーリが加わり、ジャック・ブラバムとの2台体制となった。そしてロータスが当レースからF1への参戦を開始し、クリフ・アリソングラハム・ヒルの新人2人がクライマックスエンジンをフロントに搭載した超軽量(370kg)の「12」をドライブする[1]。アルゼンチンGPで優勝したロブ・ウォーカー・レーシングチームはベテランのモーリス・トランティニアンを起用し、ワークス同様クーパー・T45を使用する。

この他、前年途中でF1から撤退したコンノートのマシンを買い取ったバーニー・エクレストンが自らF1に参戦したが、あえなく予選落ちを喫した。58歳を迎えた地元出身のルイ・シロンも予選落ちを喫して引退した。マリア・テレーザ・デ・フィリッピスはF1初の女性ドライバーとして当レースに参加したが予選落ちとなった。

レース前半をリードしたベーラ、ブルックス、マイク・ホーソーン、モスらが次々とリタイアしていき、トランティニアンがルイジ・ムッソピーター・コリンズフェラーリ勢を抑えて優勝し、ロブ・ウォーカーのクーパーは2連勝を果たした[1]

エントリーリスト 編集

No. ドライバー エントラント コンストラクター シャシー エンジン タイヤ
2   キース・キャンベル 1   キース・キャンベル マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 P
4   パコ・ゴディア   パコ・ゴディア マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 P
6   ジャン・ベーラ   オーウェン・レーシング・オーガニゼーション BRM P25 BRM P25 2.5L L4 D
8   ハリー・シェル
10   ロン・フロックハート 2
12   バーニー・エクレストン 3
  ブルース・ケスラー
  バーニー・エクレストン コンノート B アルタ GP 2.5L L4 A
14   ポール・エメリー
16   ジャック・ブラバム   クーパー・カー・カンパニー クーパー T45 クライマックス FPF 2.0L L4 D
18   ロイ・サルヴァドーリ
20   モーリス・トランティニアン   RRCウォーカー・レーシングチーム クーパー T45 クライマックス FPF 2.0L L4 D
22   ロン・フロックハート 2 T43
24   クリフ・アリソン   チーム・ロータス ロータス 12 クライマックス FPF 2.0L L4 D
26   グラハム・ヒル
28   スターリング・モス   ヴァンダーヴェル・プロダクツ・リミテッド ヴァンウォール VW5 ヴァンウォール 254 2.5L L4 D
30   トニー・ブルックス
32   スチュアート・ルイス=エヴァンズ
34   ルイジ・ムッソ   スクーデリア・フェラーリ フェラーリ 246 フェラーリ Tipo143 2.4L V6 E
36   ピーター・コリンズ
38   マイク・ホーソーン
40   ヴォルフガング・フォン・トリップス
42   ホレース・グールド   スクーデリア・セントロ・スッド マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 D
44   マリア・テレーザ・デ・フィリッピス   マリア・テレーザ・デ・フィリッピス マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 P
46   ジョルジオ・スカルラッティ   ジョルジオ・スカルラッティ マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 P
48   ジェリーノ・ジェリーニ   スクーデリア・セントロ・スッド マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 P
50   ルイジ・タラマッツォ 3
  ケン・カバナ
  ケン・カバナ マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 P
52   ジュリオ・ガビアンカ   オスカ・オートモビリ オスカ F2 オスカ 372 1.5L L4 P
54   ルイジ・ピオッティ
56   アンドレ・テスツー
  ルイ・シロン 4
  アンドレ・テスツー マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 P
58   ヨアキム・ボニエ   ヨアキム・ボニエ マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 P
ソース:[2]
追記
  • ^1 - エントリーしたが出場せず
  • ^2 - フロックハートはBRMとロブ・ウォーカーの2チームでエントリーしたが、ロブ・ウォーカーから参加した
  • ^3 - 予選で交代
  • ^4 - リザーブドライバー

結果 編集

予選 編集

順位 No. ドライバー コンストラクター タイム
1 30   トニー・ブルックス ヴァンウォール 1:39.8
2 6   ジャン・ベーラ BRM 1:40.8 + 1.0
3 16   ジャック・ブラバム クーパー-クライマックス 1:41.0 + 1.2
4 18   ロイ・サルヴァドーリ クーパー-クライマックス 1:41.0 + 1.2
5 20   モーリス・トランティニアン クーパー-クライマックス 1:41.1 + 1.3
6 38   マイク・ホーソーン フェラーリ 1:41.5 + 1.7
7 32   スチュアート・ルイス=エヴァンズ ヴァンウォール 1:41.8 + 2.0
8 28   スターリング・モス ヴァンウォール 1:42.3 + 2.5
9 36   ピーター・コリンズ フェラーリ 1:42.4 + 2.6
10 34   ルイジ・ムッソ フェラーリ 1:42.6 + 2.8
11 40   ヴォルフガング・フォン・トリップス フェラーリ 1:43.7 + 3.9
12 8   ハリー・シェル BRM 1:43.8 + 4.0
13 24   クリフ・アリソン ロータス-クライマックス 1:44.6 + 4.8
14 46   ジョルジオ・スカルラッティ マセラティ 1:44.7 + 4.9
15 26   グラハム・ヒル ロータス-クライマックス 1:45.0 + 5.2
16 58   ヨアキム・ボニエ マセラティ 1:45.0 + 5.2
17 22   ロン・フロックハート クーパー-クライマックス 1:45.9 + 6.1
18 4   パコ・ゴディア マセラティ 1:46.0 + 6.2
19 50   ケン・カバナ マセラティ 1:49.0 + 9.2
20 48   ジェリーノ・ジェリーニ マセラティ 1:49.8 + 10.0
21 12   ブルース・ケスラー コンノート-アルタ 1:50.5 + 10.7
22 14   ポール・エメリー コンノート-アルタ 1:50.8 + 11.0
23 44   マリア・テレーザ・デ・フィリッピス マセラティ 1:50.8 + 11.0
24 56   アンドレ・テスツー マセラティ 1:51.4 + 11.6
25 52   ジュリオ・ガビアンカ オスカ 1:52.0 + 12.2
26 54   ルイジ・ピオッティ オスカ 1:52.4 + 12.6
27 42   ホレース・グールド マセラティ 1:54.0 + 14.2
28 12   バーニー・エクレストン コンノート-アルタ 6:05.0 + 4:25.2
29 50   ルイジ・タラマッツォ マセラティ No Time
30 56   ルイ・シロン マセラティ No Time
ソース:[3]
追記
  • 上位16台が決勝進出

決勝 編集

順位 No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア原因 グリッド ポイント
1 20   モーリス・トランティニアン クーパー-クライマックス 100 2:52:27.9 5 8
2 34   ルイジ・ムッソ フェラーリ 100 +20.2 10 6
3 36   ピーター・コリンズ フェラーリ 100 +38.8 9 4
4 16   ジャック・ブラバム クーパー-クライマックス 97 +3 Laps 3 3
5 8   ハリー・シェル BRM 91 +9 Laps 12 2
6 24   クリフ・アリソン ロータス-クライマックス 87 +13 Laps 13
Ret 40   ヴォルフガング・フォン・トリップス フェラーリ 91 エンジン 11
Ret 58   ヨアキム・ボニエ マセラティ 71 アクシデント 16
Ret 26   グラハム・ヒル ロータス-クライマックス 69 ハーフシャフト 15
Ret 18   ロイ・サルヴァドーリ クーパー-クライマックス 56 ギアボックス 4
Ret 38   マイク・ホーソーン フェラーリ 47 燃料ポンプ 6 1 1
Ret 28   スターリング・モス ヴァンウォール 38 エンジン 8
Ret 6   ジャン・ベーラ BRM 29 ブレーキ 2
Ret 46   ジョルジオ・スカルラッティ マセラティ 28 エンジン 14
Ret 30   トニー・ブルックス ヴァンウォール 22 エンジン 1
Ret 32   スチュアート・ルイス=エヴァンズ ヴァンウォール 11 オーバーヒート 7
DNQ 22   ロン・フロックハート クーパー-クライマックス 予選不通過
DNQ 50   ケン・カバナ マセラティ 予選不通過
DNQ 48   ジェリーノ・ジェリーニ マセラティ 予選不通過
DNQ 12   ブルース・ケスラー コンノート-アルタ 予選不通過
DNQ 14   ポール・エメリー コンノート-アルタ 予選不通過
DNQ 44   マリア・テレーザ・デ・フィリッピス マセラティ 予選不通過
DNQ 56   アンドレ・テスツー マセラティ 予選不通過
DNQ 52   ジュリオ・ガビアンカ オスカ 予選不通過
DNQ 54   ルイジ・ピオッティ オスカ 予選不通過
DNQ 42   ホレース・グールド マセラティ 予選不通過
DNQ 10   ロン・フロックハート BRM 予選不通過
DNQ 12   バーニー・エクレストン コンノート-アルタ 予選不通過
DNQ 50   ルイジ・タラマッツォ マセラティ 予選不通過
DNQ 56   ルイ・シロン マセラティ 予選不通過
DNQ 4   パコ・ゴディア マセラティ 予選不通過
ソース:[4]
追記

第2戦終了時点のランキング 編集

  • : トップ5のみ表示。ベスト6戦のみがカウントされる。

脚注 編集

  1. ^ a b (林信次 1999, p. 57)
  2. ^ Monaco 1958 - Race entrants”. statsf1.com. 2018年1月29日閲覧。
  3. ^ Monaco 1958 - Qualifications”. statsf1.com. 2018年1月28日閲覧。
  4. ^ 1958 Monaco Grand Prix”. formula1.com. 2014年10月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月16日閲覧。

参照文献 編集

  • 林信次『F1全史 1956-1960』ニューズ出版、1999年。ISBN 4-938495-27-9 

外部リンク 編集

前戦
1958年アルゼンチングランプリ
FIA F1世界選手権
1958年シーズン
次戦
1958年オランダグランプリ
前回開催
1957年モナコグランプリ
  モナコグランプリ 次回開催
1959年モナコグランプリ