1959年フランスグランプリ

1959年フランスグランプリ (1959 French Grand Prix) は、1959年のF1世界選手権第4戦として、1959年7月5日ランス・サーキットで開催された。

フランス 1959年フランスグランプリ
レース詳細
1959年F1世界選手権全9戦の第4戦
ランス・サーキット(1954-1972)
ランス・サーキット(1954-1972)
日程 1959年7月5日
正式名称 XLV Grand Prix de l'ACF
開催地 ランス・サーキット
フランスの旗 フランス ランス
コース 公道コース
コース長 8.348 km (5.187 mi)
レース距離 50周 417.383 km (259.350 mi)
決勝日天候 晴(ドライ)
ポールポジション
ドライバー フェラーリ
タイム 2:19.4
ファステストラップ
ドライバー イギリス スターリング・モス BRM
タイム 2:22.8 (40周目)
決勝順位
優勝 フェラーリ
2位 フェラーリ
3位 クーパー-クライマックス

37回目のフランスグランプリは50周、417kmのレースで行われた。

当レースには「ヨーロッパグランプリ」の冠がかけられた[1]

レース概要 編集

前戦オランダGPまでロブ・ウォーカー・レーシングチームから参戦していたスターリング・モスは、父親のアルフレッド・モスがマネージャーのケン・グレゴリーとともに設立したブリティッシュ・レーシング・パートナーシップ(BRP)からBRM・P25で参加した[2]

レースは炎天下で行われ[3]フェラーリトニー・ブルックスが優勝し、チームメイトのフィル・ヒルが27秒差の2位でワン・ツー・フィニッシュを飾った。パワーサーキットのランスではクーパージャック・ブラバムでも1分半遅れの3位がやっとだった。地元出身のジャン・ベーラはスタートでグリッドに取り残され、猛追の末に3位まで上がったがエンジントラブルでリタイアした。フェラーリの新エースとして迎えられたはずのベーラだったが、後輩格のブルックスやフィル・ヒルを優遇していると感じ、ピットでマシンを降りるとチームマネージャーのロモロ・タボーニを殴打してフェラーリから離脱した[4]。モスは中盤以降3位を走行していたが、スピンしてストップしてしまう。マシンを押して必死にレース続行を試みたが、押しがけと判断され失格となった[3]

ドライバーズランキングは優勝したブルックスが首位のブラバムに5点差と迫り、フィル・ヒルが3位に上がった。

エントリーリスト 編集

No. ドライバー エントラント コンストラクター シャシー エンジン
2   スターリング・モス   ブリティッシュ・レーシング・パートナーシップ BRM P25 BRM P25 2.5L L4
4   ヨアキム・ボニエ   オーウェン・レーシング・オーガニゼーション BRM P25 BRM P25 2.5L L4
6   ハリー・シェル
8   ジャック・ブラバム   クーパー・カー・カンパニー クーパー T51 クライマックス FPF 2.5L L4
10   マステン・グレゴリー
12   ブルース・マクラーレン
14   モーリス・トランティニアン   RRC ウォーカー・レーシングチーム クーパー T51 クライマックス FPF 2.5L L4
16   ロイ・サルヴァドーリ   ハイ・エフィシエンシー・モータース クーパー T45 マセラティ 250S 2.5L L4
18   イアン・バージェス   スクーデリア・セントロ・スッド クーパー T51 マセラティ 250S 2.5L L4
20   コリン・デイヴィス
22   オリビエ・ジャンドビアン   スクーデリア・フェラーリ フェラーリ 246 フェラーリ Tipo155 2.4L V6
24   トニー・ブルックス
26   フィル・ヒル
28   ダン・ガーニー
30   ジャン・ベーラ
32   グラハム・ヒル   チーム・ロータス ロータス 16 クライマックス FPF 2.5L L4
34   イネス・アイルランド
36   アズドルバル・フォンテス・バヤルド   スクーデリア・セントロ・スッド マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6
38   フリッツ・ドーリー
40   ジョルジオ・スカルラッティ   スクーデリア・ウゴリーニ マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6
42   カレル・ゴダン・ド・ボーフォール
44   ロン・フロックハート   オーウェン・レーシング・オーガニゼーション BRM P25 BRM P25 2.5L L4
ソース:[5]
追記

結果 編集

予選 編集

順位 No. ドライバー コンストラクター タイム
1 24   トニー・ブルックス フェラーリ 2:19.4
2 8   ジャック・ブラバム クーパー-クライマックス 2:19.7 + 0.3
3 26   フィル・ヒル フェラーリ 2:19.8 + 0.4
4 2   スターリング・モス BRM 2:19.9 + 0.5
5 30   ジャン・ベーラ フェラーリ 2:20.2 + 0.8
6 4   ヨアキム・ボニエ BRM 2:20.6 + 1.2
7 10   マステン・グレゴリー クーパー-クライマックス 2:20.8 + 1.4
8 14   モーリス・トランティニアン クーパー-クライマックス 2:21.3 + 1.9
9 6   ハリー・シェル BRM 2:21.5 + 2.1
10 12   ブルース・マクラーレン クーパー-クライマックス 2:21.6 + 2.2
11 22   オリビエ・ジャンドビアン フェラーリ 2:21.7 + 2.3
12 28   ダン・ガーニー フェラーリ 2:21.9 + 2.5
13 44   ロン・フロックハート BRM 2:23.4 + 4.0
14 32   グラハム・ヒル ロータス-クライマックス 2:23.7 + 4.3
15 34   イネス・アイルランド ロータス-クライマックス 2:24.2 + 4.8
16 16   ロイ・サルヴァドーリ クーパー-マセラティ 2:26.4 + 7.0
17 20   コリン・デイヴィス クーパー-マセラティ 2:32.3 + 12.9
18 38   フリッツ・ドーリー マセラティ 2:34.0 + 14.6
19 18   イアン・バージェス クーパー-マセラティ 2:35.2 + 15.8
20 42   カレル・ゴダン・ド・ボーフォール マセラティ 2:35.4 + 16.0
21 40   ジョルジオ・スカルラッティ マセラティ 2:35.6 + 16.2
22 36   アズドルバル・フォンテス・バヤルド マセラティ No Time
ソース:[6]

決勝 編集

順位 No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア原因 グリッド ポイント
1 24   トニー・ブルックス フェラーリ 50 2:01:26.5 1 8
2 26   フィル・ヒル フェラーリ 50 + 27.5 3 6
3 8   ジャック・ブラバム クーパー-クライマックス 50 + 1:37.7 2 4
4 22   オリビエ・ジャンドビアン フェラーリ 50 + 1:47.5 11 3
5 12   ブルース・マクラーレン クーパー-クライマックス 50 + 1:47.7 10 2
6 44   ロン・フロックハート BRM 50 + 2:05.7 13
7 6   ハリー・シェル BRM 47 + 3 Laps 9
DSQ 2   スターリング・モス BRM 42 失格(押しがけ) 4 1 1
8 40   ジョルジオ・スカルラッティ マセラティ 41 + 9 Laps 21  
9 42   カレル・ゴダン・ド・ボーフォール マセラティ 40 + 10 Laps 20
10 38   フリッツ・ドーリー マセラティ 40 + 10 Laps 18
11 14   モーリス・トランティニアン クーパー-クライマックス 36 + 14 Laps 8
Ret 30   ジャン・ベーラ フェラーリ 31 エンジン 5
Ret 16   ロイ・サルヴァドーリ クーパー-マセラティ 20 エンジン 16
Ret 28   ダン・ガーニー フェラーリ 19 ラジエーター 12
Ret 34   イネス・アイルランド ロータス-クライマックス 14 ホイール 15  
Ret 18   イアン・バージェス クーパー-マセラティ 13 エンジン 19
Ret 10   マステン・グレゴリー クーパー-クライマックス 8 体調不良 7
Ret 32   グラハム・ヒル ロータス-クライマックス 7 ラジエーター 14
Ret 20   コリン・デイヴィス クーパー-マセラティ 7 オイル漏れ 17
Ret 4   ヨアキム・ボニエ BRM 6 エンジン 6
DNQ 36   アズドルバル・フォンテス・バヤルド マセラティ 予選不通過
ソース:[7]
追記
  • ^1 - ファステストラップの1点を含む

第4戦終了時点のランキング 編集

  • : トップ5のみ表示。ベスト5戦のみがカウントされる。

脚注 編集

  1. ^ 当時は毎年各国の持ち回りにより、その年の最も権威のあるレースに対して「ヨーロッパGP」の冠がかけられていた。
  2. ^ (林信次 1999, p. 78)
  3. ^ a b (林信次 1999, p. 82)
  4. ^ (林信次 1999, p. 79)
  5. ^ France 1959 - Race entrants”. statsf1.com. 2018年2月26日閲覧。
  6. ^ France 1959 - Qualifications”. statsf1.com. 2018年2月26日閲覧。
  7. ^ 1959 French Grand Prix”. formula1.com. 2014年2月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月16日閲覧。

参照文献 編集

  • 林信次『F1全史 1956-1960』ニューズ出版、1999年。ISBN 4-938495-27-9 

外部リンク 編集

前戦
1959年オランダグランプリ
FIA F1世界選手権
1959年シーズン
次戦
1959年イギリスグランプリ
前回開催
1958年フランスグランプリ
  フランスグランプリ 次回開催
1960年フランスグランプリ
前回開催
1958年ベルギーグランプリ
  ヨーロッパグランプリ
(冠大会時代)
次回開催
1960年イタリアグランプリ