1980年JSL(第16回日本サッカーリーグ1部および第9回日本サッカーリーグ2部)は、1部が1980年4月19日から11月3日まで、2部が4月5日から11月2日まで行われた。

優勝は、1部がヤンマーディーゼルサッカー部、2部が本田技研工業サッカー部であった。

JSL1部ではヤンマーディーゼルが開幕から快進撃を続け、2位フジタ工業に勝ち点7差を付けての独走優勝となった。なお、監督の釜本邦茂プレーイングマネージャー就任3年目での初優勝となった。

JSL1部 編集

日本サッカーリーグ(JSL)1部
シーズン 1980(第16回)
優勝 ヤンマー
降格 日産自動車JSL2部
試合数 90
ゴール数 263 (1試合平均2.92)
1試合平均
ゴール数
2.92[1]
得点王 碓井博行(日立)
合計観客動員 196,630人
平均観客動員 2,184人[1]
1979
1981

大会概要 編集

  • 開催期間:前期 1980年4月19日-5月18日、後期 9月6日-11月3日
  • 第13回 (1977) より3シーズン実施されていた引き分けの場合に行うPK戦が廃止され、勝ちに2、引き分けに1ポイントが与えられる以前の勝点制度に戻った[2]
  • これまでは下位2チームいずれも2部との入れ替え戦を行なっていたが、このシーズンより最下位チームが自動降格、9位チームが入れ替え戦に進む形に変更された[2]
  • チームに登録できる外国籍選手の数が、従来の3人から5人に拡大された。1試合に出場できる選手は従来と同じく3人のまま[2]
  • 各チームに審判員の登録を義務化[2]

参加クラブ 編集

チーム名 所在
都道府県
前年成績
フジタ工業クラブサッカー部 東京都 JSL1部 01位優勝
読売サッカークラブ JSL1部02位
日立製作所サッカー部 JSL1部03位
ヤンマーディーゼルサッカー部 大阪府 JSL1部04位
古河電気工業サッカー部 神奈川県 JSL1部05位
東洋工業サッカー部 広島県 JSL1部06位
三菱重工業サッカー部 東京都 JSL1部07位
新日本製鐵サッカー部 福岡県 JSL1部08位
日産自動車サッカー部 神奈川県 JSL1部010位
ヤマハ発動機サッカー部 静岡県 JSL2部02位

成績 編集

年間順位 編集

[2]

順位 クラブ 勝点 勝利 引分 敗戦 得点 失点 得失差
1位 ヤンマー 30 13 4 1 29 13 +16
2位 フジタ工業 23 10 3 5 33 19 +14
3位 古河電工 22 9 4 5 26 21 +5
4位 三菱重工 20 7 6 5 24 20 +4
5位 日立製作所 19 8 3 7 32 28 +4
6位 読売クラブ 17 8 1 9 37 29 +8
7位 東洋工業 15 6 3 9 22 26 -4
8位 新日本製鐵 15 6 3 9 21 27 -6
9位 ヤマハ発動機 13 5 3 10 28 39 -11
10位 日産自動車 6 2 2 14 11 41 -30
優勝
JSL2部との入替戦
自動降格

得点ランキング 編集

[2]

順位 選手名 所属クラブ 得点数
1   碓井博行 日立製作所 14
2   釜本邦茂 ヤンマー 10
3   カルバリオ フジタ工業 9
4   前田秀樹 古河電工 8
  中野重富 東洋工業
  望月一仁 ヤマハ発動機
7   ラモス 読売クラブ 7
8   西野朗 日立製作所 6
  和後昭司 読売クラブ
  横山正文 新日鐵


アシストランキング 編集

[2]

順位 選手名 所属クラブ アシスト数
1   ジョージ与那城 読売クラブ 9
2   釜本邦茂 ヤンマー 8
  碓井博行 日立製作所
4   永井良和 古河電工 7
  鏑木康夫 新日鐵
6   早稲田一男 古河電工 6
  野村大介 日立製作所
  横山正文 新日鐵
9   上西一雄 ヤンマー 5
  松永章 日立製作所
  橋下好章 読売クラブ
  石川操 ヤンマー

表彰 編集

[3]

選手名 所属クラブ 受賞回数
得点王   碓井博行 日立製作所
アシスト王   ジョージ与那城 読売クラブ 2
得点王 ゴールデンボール賞   碓井博行 日立製作所
アシスト王 シルバーボール賞   ジョージ与那城 読売クラブ
新人王   名取篤 三菱重工 _
年間優秀11人賞   田口光久 5
  菅又哲男 日立製作所
  古前田充 フジタ工業 4
  今井敬三
  落合弘 三菱重工 9
  ジョージ与那城 読売クラブ 2
  前田秀樹 古河電工
  副島博志 ヤンマー
  碓井博行 日立製作所
  カルバリオ フジタ工業 4
  釜本邦茂 ヤンマー 13

JSL2部 編集

日本サッカーリーグ(JSL)2部
シーズン 1980(第9回)
優勝 本田技研工業
昇格 本田技研工業JSL1部
降格 大協石油東海リーグ
試合数 90
ゴール数 255 (1試合平均2.83)
得点王 樋口士郎(本田技研)
1979
1981

JSL2部大会概要 編集

JSL2部参加クラブ 編集

このシーズンから東芝堀川町サッカー部が東芝サッカー部に名称を変更した。

チーム名 所在
都道府県
前年成績
日本鋼管サッカー部 神奈川県 JSL1部09位
東芝サッカー部 JSL2部 01位優勝
富士通サッカー部 JSL2部03位
本田技研工業サッカー部 静岡県 JSL2部04位
田辺製薬サッカー部 大阪府 JSL2部06位
トヨタ自動車工業サッカー部 静岡県 JSL2部07位
甲府サッカークラブ 山梨県 JSL1部08位
帝人サッカー部 愛媛県 JSL2部09位
住友金属工業蹴球団 茨城県 JSL2部010位
大協石油サッカー部 三重県 東海 02位

JSL2部成績 編集

JSL2部年間順位 編集

[4]

順位 クラブ 勝点 勝利 引分 敗戦 得点 失点 得失差
1 本田技研工業 28 13 2 3 43 17 +26
2 富士通 25 10 5 3 25 12 +13
3 東芝 22 8 6 4 30 17 +13
4 日本鋼管 20 7 6 5 23 17 +6
5 トヨタ自工 18 7 4 7 29 34 -5
6 田辺製薬 17 6 5 7 19 22 -3
7 帝人 17 7 3 8 20 24 -4
8 住友金属 13 4 5 9 22 33 -11
9 甲府クラブ 10 4 2 12 17 33 -16
10 大協石油 10 5 0 13 27 46 -19
自動昇格
JSL1部との入替戦
JSL2部との入替戦
自動降格

JSL2部表彰 編集

[5]

選手名 所属クラブ 備考
得点王 樋口士郎 本田技研 11得点
アシスト王 秋山三好 本田技研 8アシスト

JSL1部・2部入替戦 編集

参加クラブ

JSL1部 第1戦 第2戦 JSL2部
ヤマハ発動機 1-0 1-1 富士通
  • ヤマハ発動機はJSL1部残留。
  • 日産自動車はJSL2部へ自動降格。
  • 本田技研(JSL2部優勝)は自動昇格。

JSL2部・地域リーグ入替戦 編集

参加クラブ

JSL2部 第1戦 第2戦 地域リーグ
甲府クラブ 1-2 4-1 古河電工千葉
  • 甲府クラブはJSL2部残留。
  • 大協石油は地域リーグへ自動降格。
  • 名古屋サッカークラブ(地域リーグ優勝)はJSL2部へ自動昇格。

出典 編集

  1. ^ a b 「観客動員数/総得点数」『日本サッカーリーグ全史』 259頁。
  2. ^ a b c d e f g 「1980 第16回大会」『日本サッカーリーグ全史』 152-153頁。
  3. ^ 「歴代ベスト11」「歴代表彰選手」『日本サッカーリーグ全史』262-263頁。
  4. ^ 『日本サッカーリーグ全史』 218頁。
  5. ^ 『日本サッカーリーグ全史』 217頁。

参考文献 編集

  • 『日本サッカーリーグ全史』日本サッカーリーグ、1993

関連項目 編集