AFCチャンピオンズリーグ2012

AFCチャンピオンズリーグ2012 (AFC Champions League 2012)は、2002-2003年に第1回大会が行われて以来、10回目のAFCチャンピオンズリーグである (前身も含めれば31回目)。 蔚山現代が初優勝を果たした。

AFCチャンピオンズリーグ2012
AFC Champions League 2012
大会概要
日程 2012年2月11日 - 11月10日
チーム数 37 (11連盟)
大会結果
優勝 大韓民国の旗 蔚山現代 (1回目)
準優勝 サウジアラビアの旗 アル・アハリ
大会統計
試合数 122試合
ゴール数 352点
(1試合平均 2.89点)
総入場者数 1,652,546人
(1試合平均 13,545人)
得点王 ブラジルの旗 リカルド・オリヴェイラ(12点)
最優秀選手 大韓民国の旗 イ・グノ
 < 20112013

概要 編集

グループステージ参加クラブ数は前回大会と同じ32チームである。各4チーム、A~H組の8組に分かれる。原則として、A~D組は西地区、E~H組は東地区と東西に分かれてのグループ分けとなる。2011年11月24日、AFCより前回大会からの出場枠の変更がアナウンスされ[1]ウズベクリーグより1チームが東地区に参加することが明らかになった (便宜上、原則にのっとり、A~D組は西地区、E~H組は東地区と記述する)。 各グループの上位2チームがノックアウトステージに進出する。

ノックアウトステージは、ラウンド16をグループステージ1位チームのホームで一発勝負。ここまでが東西に分かれての試合となる。準々決勝・準決勝はホーム・アンド・アウェー方式で2試合行われる。 前回大会同様決勝戦は、中立地での一発勝負ではなく、決勝に勝ち進んだ2チームのどちらかのホームスタジアムでの一発勝負となる[2]。どちらのホームになるかは事前の抽選によって決められる。

優勝チームには、2012年12月に日本で開催したFIFAクラブワールドカップ2012への出場権が与えられた。

出場枠 編集

2009年11月30日、AFCは2011年と2012年のシーズンの参加基準を承認し[3] 、参加している10の協会に加えて、ACLへの参加を希望している12の協会を発表した。シンガポールは後に辞退した。候補協会のリストは以下の通りである。

AFCチャンピオンズリーグ2011に参加した11の協会が2012年のAFCチャンピオンズリーグへの参加について評価された[4]。2011年のACLプレーオフでのインドは評価されず、AFCカップへの参加となった。 その他の協会は2012年のACL参加基準を満たさなかった。

東地区
西地区

協会ランキング 編集

2011年12月1日、AFC実行委員会は2012年版のAFCチャンピオンズリーグ各国出場枠を承認した[7]。当初はACL2012の出場枠は失格となったベトナムを除いて前3シーズンと同じままであると発表され、プレーオフ枠はカタールに割り当てられていた.[6]

各国協会の評価
出場枠あり
基準を満たさず、出場枠無し
出場枠についての注釈
  1. ^ AFCカップ:AFCカップ2011優勝及び準優勝クラブにもプレーオフ出場権が与えられる[8] が、AFCカップ2011優勝クラブのナサフ・カルシは国内リーグ枠で既に出場権を得ており、また準優勝クラブのアル・クウェートはACL出場規定を満たしていなかったためプレーオフ不参加となった。
  2. ^ ウズベキスタン(UZB): ウズベキスタンの3つの自動出場チームの内、1チームは東地区へと回る。

参加クラブ 編集

以下のリストでは、出場回数と前回出場年はAFCチャンピオンズリーグへと名称変更された2002-03シーズン以降のシーズンのみで算出している。 (予選参加も含む)

  1. ^ インドネシア(IDN): ペルシプラ・ジャヤプラはAFCより参加不適格とされ出場不可能であったが、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に訴えを出し、2012年2月1日にCASはペルシプラ・ジャヤプラのACL参加を認めるよう裁定を下した[9]。これにより、プレーオフを経ずに直接グループステージに参加可能とされていたアデレード・ユナイテッドもプレーオフを戦うことになった。
  2. ^ ウズベキスタン(UZB): ウズベクリーグよりプレーオフを介さずACLに出場するクラブの内、1クラブは東地区に割り振られる。抽選の結果、ブニョドコルが東地区に割り振られることになった。
  3. ^ 中国(CHN): 中国スーパーリーグ3位の遼寧宏運はプレーオフ出場を辞退した[10]

予選プレーオフ 編集

プレーオフ 編集

2012年2月11日・16日・18日に行われた。

チーム #1 スコア チーム #2
西地区
エステグラル   3 - 1   アル・イテファク
アル・シャバーブ   3 - 0   ネフチ・フェルガナ
東地区
アデレード・ユナイテッド   3 - 0   プルシプラ・ジャヤプラ
浦項スティーラース   2 - 0   チョンブリーFC

グループステージ 編集

組み合わせ抽選会は2011年12月6日にクアラルンプールのAFCハウスにて行われた[11]

参加する32チームは4チームずつ8組に分かれる。同一協会に所属するチームが同じグループに入ることはない。グループステージはラウンドロビン方式で6試合を戦う。


括弧内の打ち消しされたクラブは抽選時のクラブである

地区 グループ 1 2 3 4
西地区 A   アル・ラーヤン   アル・ジャジーラ   ナサフ・カルシ   エステグラル(PO1勝者)
B   アル・イテハド   アル・アラビ   バニーヤース   パフタコール
C   セパハン   アル・アハリ   レフウィヤ   アル・ナスル
D   アル・シャバーブ(PO2勝者)   ペルセポリス   アル・ヒラル   アル・ガラファ
東地区 E   ガンバ大阪   アデレード・ユナイテッド (PO1勝者)   ブニョドコル   浦項スティーラース (PO2勝者)
F   蔚山現代   FC東京   ブリスベン・ロアー   北京国安
G   天津泰達   城南一和天馬   名古屋グランパス   セントラルコースト・マリナーズ
H   ブリーラム・ユナイテッド   広州恒大   全北現代モータース   柏レイソル


グループA 編集

チーム







  アル・ジャジーラ 6 5 1 0 18 10 +8 16
  エステグラル 6 3 2 1 8 3 +5 11
  アル・ラーヤン 6 2 0 4 9 12 −3 6
  ナサフ・カルシ 6 0 1 5 4 14 −10 1

グループB 編集

チーム







  アル・イテハド 6 5 1 0 13 4 +9 16
  バニーヤース 6 3 2 1 9 2 +7 11
  パフタコール 6 2 1 3 6 10 −4 7
  アル・アラビ 6 0 0 6 4 16 −12 0

グループC 編集

チーム







  セパハン 6 4 1 1 9 4 +5 13
  アル・アハリ 6 3 1 2 10 6 +4 10
  アル・ナスル 6 2 0 4 6 11 −5 6
  レフウィヤ 6 2 0 4 5 9 −4 6

グループD 編集

チーム







  アル・ヒラル 6 3 3 0 10 7 +3 12
  ペルセポリス 6 3 2 1 14 5 +9 11
  アル・ガラファ 6 1 3 2 7 10 −3 6
  アル・シャバーブ 6 0 2 4 5 14 −9 2

グループE 編集

チーム







  アデレード・ユナイテッド 6 4 1 1 7 2 +5 13
  ブニョドコル 6 3 1 2 8 7 +1 10
  浦項スティーラース 6 3 0 3 6 4 +2 9
  ガンバ大阪 6 1 0 5 5 13 −8 3

グループF 編集

チーム







  蔚山現代 6 4 2 0 11 7 +4 14
  FC東京 6 3 2 1 12 6 +6 11
  ブリスベン・ロアー 6 0 3 3 6 11 −5 3
  北京国安 6 0 3 3 6 11 −5 3

グループG 編集

チーム







  城南一和天馬 6 2 4 0 13 5 +8 10
  名古屋グランパス 6 2 4 0 10 4 +6 10
  セントラルコースト・マリナーズ 6 1 3 2 7 11 −4 6
  天津泰達 6 0 3 3 2 12 −10 3

グループH 編集

チーム







  広州恒大 6 3 1 2 12 8 +4 10
  柏レイソル 6 3 1 2 11 7 +4 10
  全北現代モータース 6 3 0 3 10 15 −5 9
  ブリーラム・ユナイテッド 6 2 0 4 8 11 −3 6

ラウンド16 編集

  • グループステージが始まった当時は東地区、西地区共に2012年5月29日、30日に開催される予定だったが、西地区のクラブ及びサッカー協会が2014 FIFAワールドカップ・アジア4次予選に向け日程の前倒しを要求したため、西地区は1週間早い2012年5月22日、23日に実施されることになった[12][13][14]
  • 東西に分かれ、グループ1位クラブと他グループ2位クラブとの対戦。グループ1位クラブのホームでの一発勝負。
  • アウェーゴールルールは適用されない。

西地区 編集





東地区 編集





準々決勝 編集

組み合わせ抽選は2012年6月14日にマレーシアクアラルンプールのAFCハウスで行われた。第1戦は2012年9月19日に、第2戦は2012年10月2、3日に開催される[15]

チーム #1 合計 チーム #2 第1戦 第2戦
アル・イテハド   5 - 4   広州恒大 4 - 2 1 - 2
セパハン   1 - 4   アル・アハリ 0 - 0 1 - 4
アデレード・ユナイテッド   4 - 5   ブニョドコル 2 - 2 2 - 3 (延長)
蔚山現代   5 - 0   アル・ヒラル 1 - 0 4 - 0

第1戦 編集



第2戦 編集



準決勝 編集

第1戦は2012年10月24日に、第2戦は2012年10月31日に開催される[15]。ただし、サウジアラビアのクラブが準決勝に進出した場合、10月24日がハッジの期間内にあたるため、予定を前倒しして10月22日に第1戦が開催される[16]

チーム #1 合計 チーム #2 第1戦 第2戦
アル・イテハド   1 - 2   アル・アハリ 1 - 0 0 - 2
ブニョドコル   1 - 5   蔚山現代 1 - 3 0 - 2

第1戦 編集



第2戦 編集



決勝 編集

決勝戦は対戦する2チームの内一方のホームスタジアムで開催される。どちらのホームスタジアムを使用するかは事前の抽選で決定された[17][18]


 
 
 
 
 
 
 
 
蔚山現代
 
 
 
 
 
 
アル・アハリ
GK 1   キム・ヨングァン
DF 2   イ・ヨン
DF 4   カン・ミンス   31分
DF 5   カク・テヒ  
DF 14   キム・ヨンサム   68分
MF 8   イ・ホ   46分
MF 13   キム・スンヨン
MF 20   フアン・エステバン
FW 9   キム・シンウク
FW 11   イ・グノ
FW 19   ラフィーニャ   79分   88分
サブメンバー
GK 18   キム・スンギュ
DF 3   イ・ジェソン   68分
DF 22   チェ・ボギョン
MF 7   コ・チャンヒョン
MF 17   コ・スルギ   46分
FW 10   マラニョン   88分
FW 21   イ・スンヨル
監督
  キム・ホゴン
GK 22   アブドゥラー・アル=マイウフ
DF 2   カメル・アル=モル
DF 4   ワリード・バクシュウィーン   71分
DF 16   ハイデル・アル=アーメル
DF 21   アギール・バルギース
DF 47   ムスタファ・アル=バサース   90+2分
MF 3   ハイロ・パロミノ
MF 5   モアタズ・アル・ムサ   66分   72分
MF 8   タイシール・アル=ジャーシム     86分
FW 7   ヴィクトル・シモンス
FW 20   イマド・アル・ホサニ
サブメンバー
GK 1   ヤーセル・アル=モサイレム
DF 28   ジュファイン・アル=ビシ
MF 10   ディエゴ・アルベルト・モラレス   86分
MF 14   モハメド・マサード
MF 24   アブドゥルラヒム・ジャイザウィ   71分
MF 26   モフセン・アル=エイサ   72分
FW 11   エイサ・アル=メヒアニ
監督
  カレル・ヤロリーム

AFCチャンピオンズリーグ 2012 優勝
 
蔚山現代
初優勝

得点ランキング 編集

順位 選手名 クラブ 得点数
1   リカルド・オリヴェイラ   アル・ジャジーラ 12
2   ナイフ・ハザジ   アル・イテハド 8
3   ヴィクトル・シモンス   アル・アハリ 7
T4   キム・シンウク   蔚山現代 6
  ダリオ・コンカ   広州恒大

脚注 編集

  1. ^ 今回の変更は暫定的なものであり、2013、14シーズンに関しては改めて協議される。
  2. ^ AFC Champions League 2011 Competition Regulations - 25. Technical Rules for the Competition: Knockout Stage (PDF)
  3. ^ Criteria for Participation in AFC Club Competitions for 2011–2012 seasons”. AFC. 2012年8月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年11月30日閲覧。
  4. ^ a b c Decision by Competitions Committee & Executive Committee for AFC Club Competitions” (PDF). AFC. 2018年7月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年11月28日閲覧。
  5. ^ Singapore seek to pull out of ACL”. AFC. 2010年10月4日閲覧。
  6. ^ a b ACL slots maintained”. AFC. 2012年9月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年11月21日閲覧。
  7. ^ ACL 2012 slots confirmed”. AFC. 2012年12月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年12月1日閲覧。
  8. ^ ACL 2012 Slots Decision by Exco (pt2)- AFC(PDF)
  9. ^ FOOTBALL ー PERSIPURA (INDONESIA) PROVISIONALLY REINSTATED IN THE AFC CHAMPIONS LEAGUE 2012
  10. ^ 辽宁宏运正式宣布退出亚冠联赛资格赛 - 中文
  11. ^ ACL 2012 - Group Stage draw”. AFC. 2012年9月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年12月6日閲覧。
  12. ^ 日本協会、ACL日程変更に反対 SANSPO.com、2012年3月30日掲載、2012年5月17日閲覧。
  13. ^ 日本のACL日程変更なし W杯予選への影響消える nikkei.com、2012年4月6日掲載、2012年5月17日閲覧。
  14. ^ ACL Round of 16 matches rescheduled afc.com、2012年4月8日掲載、2012年5月17日閲覧。
  15. ^ a b AFC Competitions Calendar 2012 AFC.com、2012年5月24日閲覧。
  16. ^ Oman to host U-22 finals AFC.com、2012年7月18日掲載、2012年7月22日閲覧。
  17. ^ AFC Competitions Committee decisions”. AFC (2010年7月31日). 2012年5月24日閲覧。
  18. ^ SF2 winners to host ACL Final”. AFC (2012年6月14日). 2012年11月1日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集