Apache Ant

オペレーティングシステム (OS) など特定の環境に依存しにくいビルドツール

Apache Ant(アパッチ アント)は、ビルドツールソフトウェアである。

Apache Ant
Apache Ant Project
開発元 Apacheソフトウェア財団
最新版
1.10.13 / 2023年1月10日 (15か月前) (2023-01-10)[1]
リポジトリ ウィキデータを編集
対応OS クロスプラットフォーム
種別 ビルドツール
ライセンス Apacheライセンス
公式サイト http://ant.apache.org
テンプレートを表示

GNU makeJava版ともいえるものであり、オペレーティングシステム (OS) など特定の環境に依存しにくいビルドツールである。XML文書でビルド(ソフトウェア構築)のルールを記述することが特徴である。統合開発環境EclipseにはAntプラグインが標準で内蔵されている。元々 Apache Tomcat をビルドするために開発されたものである。

Antはタスクと呼ばれる何種類ものXML要素をビルドファイル (デフォルトではbuild.xml) 上に記述してビルドのルールを作る。このタスクは、Antのプラグインとして提供されているものを外部から採り入れることで、追加することもできる。また、このタスクをAntのアプリケーションプログラミングインタフェース (API) に従ってJavaで記述することにより、自作することもできる。

また近年[いつ?]では、Javaのみならず、IKVM.NETプロジェクトによりAnt task for IKVMCとしてMono/.NET Frameworkでの利用も促進されている。

主なAntタスク 編集

javac
Javaソースコードコンパイルする。
javadoc
JavaソースコードからJavadocドキュメント(Java APIドキュメント)を生成する。
java
Javaプログラムを実行する。
junit
テストフレームワークJUnitを使ってJavaプログラムをテストする。
junitreport
junitタスクで出力した結果ファイルを用いてHTMLフォーマットなどに対応したレポートを生成する。
copy
ファイルをコピーする。
delete
ディレクトリやファイルなどを削除する。
mkdir
ディレクトリを作成する。
ftp
FTP接続を開始して、ファイルのアップロードダウンロードなどを可能にする。
scp
SCPSFTP接続を開始して、ファイルのアップロード、ダウンロードなどを可能にする。
cvs
CVS接続を開始して、CVSリポジトリからのチェックアウト、コミットアップデートを可能にする。
genkey
署名つきJARファイルを作成するために必要な証明書を生成する。
signjar
JARファイルに署名する。
native2ascii
Javaソースコードなどに含まれるマルチバイト文字の文字列部分をJDKに付属している変換ツールを使ってASCIIコードに変換する。
setproxy
ネットワークに接続するタスクを実行する際に、プロキシサーバのアドレスを設定する。
tstamp
タイムスタンプを更新しAntで使われている変数 DSTAMP、TSTAMP を更新する。
zip
指定したディレクトリやファイルをZIP形式で圧縮アーカイブする。
echo
コンソール(コマンドライン環境)に文字列を出力する。
splash
実行時に指定した時間だけスプラッシュを表示する。画像を指定することもできる。
buildnumber
ビルドナンバーを更新する。デフォルトでは同じディレクトリにbuild.numerという名前のファイルが自動生成され、そのファイルにビルドナンバーが記録される。
ant
別のAntビルドファイルにあるタスクを読み込んで実行する。

脚注 編集

  1. ^ Apache Ant Project News”. 2021年10月7日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集