BITTERSWEET SAMBA

アメリカのハーブ・アルパートの楽曲

Bittersweet Samba」(ビタースウィート・サンバ)とは、トランペット奏者で音楽プロデューサーであるハーブ・アルパート(Herb Alpert)による「ハーブ・アルパート&ザ・ティファナ・ブラス」の1965年のアルバム『ホイップド・クリーム&アザー・ディライツ』に収録されている、ジャズインストゥルメンタル曲である。曲の演奏時間は、実際には1分43秒。作曲 : ソル・レイク (Sol Lake)、演奏 : ハーブ・アルパート&ザ・ティファナ・ブラス (Herb Alpert & The Tijuana Brass)[1]

Bittersweet Samba
Herb Alpert & The Tijuana Brassの楽曲
収録アルバムWhipped Cream & Other Delights
リリース1965年
規格レコード
ジャンルジャズ
時間1分43秒
レーベルA&M Records
作曲者Sol Lake
プロデュースハーブ・アルパート
音楽・音声外部リンク
全曲を試聴
Bittersweet Samba - Herb Alpert & The Tijuana Brassの演奏、The Orchard Enterprises提供のYouTubeアートトラック

オールナイトニッポンとの関係 編集

日本では、1967年にスタートしたニッポン放送系のラジオ深夜番組オールナイトニッポン』シリーズのテーマ曲として使われているため、ラジオリスナーには大変馴染み深い曲である。

1973年、『オールナイトニッポン』はそれまでニッポン放送のアナウンサーらがラジオDJラジオパーソナリティ)を務めていたが、この頃よりパーソナリティをタレント歌手芸人らが担当するようになった。当時『ビバ・カメショー』制作を担当した亀渕昭信はオールナイトニッポンの転機を図るべく、スタジオ・ミュージシャンモータウンファンクギタリストデニス・コフィーに依頼して新アレンジのテーマ曲(演奏:デニス・コフィー&ザ・デトロイト・ギター・バンド(Dennis.Coffey & The Detroit Guitar Band))[2]作成し番組に採用した[3]。しかし、レーティング聴取率があまりよくなかったため、その後オリジナルの“ハーブ・アルパート版”に戻すようになった。最後に使用されたのは1974年末頃の土曜深夜『笑福亭鶴光のオールナイトニッポン』のみで、他曜日のオールナイトニッポンのテーマ曲は随時オリジナルに戻された。

通常、オープニングトークの後にすぐ1曲目が始まるため、最後まで聴けることは少ないが、『Adoのオールナイトニッポン』(2023年度月曜25:00-27:00)、『ナインティナインのオールナイトニッポン』(木曜25:00-27:00)、『オードリーのオールナイトニッポン』(土曜25:00-27:00)ではオープニングトークが長くなるため、最後まで聴ける[注 1]

以前は1部(『オールナイトニッポン』)のオープニングと2部(『オールナイトニッポン0(ZERO)』)のエンディングのみで使用されていた[注 2]が、現在は1部(月曜-土曜25:00-27:00)、『オールナイトニッポンGOLD』(金曜22:00-24:00)、土曜2部(土曜27:00-28:50[注 3])のオープニング、月曜から金曜の2部(月曜-木曜27:00-28:30、金曜27:00-29:00)のエンディングで使用されている。なお、『オールナイトニッポン MUSIC10』(月曜-木曜22:00-23:50)では流れることはない。また、『オールナイトニッポンサタデースペシャル』(土曜23:30-25:00)枠で放送されていた『魂のラジオ』『大倉くんと高橋くん』でも流れなかった。

スペシャルウィークの放送分でちわきまゆみが当楽曲を強制停止させた。また、『ピストン西沢のオールナイトニッポンGOLD』ではパーソナリティのピストン西沢が「BGMとして邪魔」という理由で度々強制停止させている。

2010年秋から2011年春まで文化放送とのリレー形式で『セイ!ヤング』との合同番組である『セイ!ヤング・オールナイトニッポン Are you ready? Oh!』を放送していたが、ニッポン放送制作の回のオープニングでこの曲が、エンディングは『セイ!ヤング』テーマ曲の「夜明けが来る前に」が流れ、文化放送制作の回ではそれが逆となっていた。

「オールナイトニッポン」ブランド内でのアレンジ 編集

その他の使用例 編集

  • オールナイトニッポンにおける局独自での使用
    • CBCラジオでは、オールナイトニッポンを3時で飛び降りる時に、前述の1973年前後にオープニングで採用された「デニス・コフィー&ザ・デトロイト・ギター・バンド」演奏のバージョンが流されていた(2時58分30秒頃から、約1分20秒程)。1986年までは『ビバヤング、オールナイトニッポン。この番組は○○...』のように協賛スポンサーの読み上げも流されていたが、1987年頃は『ビバヤング、オールナイトニッポン。それでは今日はこの辺で。』のみのナレーションが入っていた。1988年頃から使用されなくなり、現在のように各CMが流れて3時を迎えている。
    • TBCラジオでは、オールナイトニッポンを3時で飛び降りるときオリジナルのエンディングのBGMとして流れる。
    • 2008年1月 - 2月には、オールナイトニッポン40周年記念の告知の一環として、朝・夕方などに放送されるニッポン放送の交通情報のBGMにも使われていた。
  • 『オールナイトニッポン』以外での使用
  • 2012年7月22日、文化放送で制作、ネットされていた『ミュージックギフト〜音楽・地球号』の中で、この曲にリクエストがあった。「他局の象徴でもある曲であり、文化放送さんでは絶対に流してもらえないと思いますが、あえてリクエストします。」というリクエストカードが届いていたが、これに対して「文化放送は寛大だから」という理由でフルでこの曲が流れた[注 4]
    • 2015年10月24日、TBSラジオで放送された『サタデー大人天国!_宮川賢のパカパカ行進曲!!』は、スペシャルウィークのテーマとして『すっぱだかで大失敗!オールヌードニッポン!』と称して放送された。オープニングテーマとしてこの曲が流れた。TBSラジオで流れるこの曲は、ミキサー担当者が異なる為か、ヘッドホンで聞くと聞き慣れた曲とは違って聞こえるとの事[注 5]
  • CM
  • カバー
    • 1998年GTSのアルバム『BRAND NEW WORLD』の1曲目でハウスのアレンジカバーされる。
    • 2002年吉本興業のユニット「Re:Japan」により、オールナイトニッポン35周年記念企画で歌詞がついた歌謡曲「bittersweet samba〜ニッポンの夜明け前〜」としてカバーされた。同曲はシングル発売の週の『オールナイトニッポン』でオープニングテーマとして使われた[8]ほか、『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』(フジテレビ)のエンディングテーマにも起用された[9]。作詞は「オールナイトニッポン リスナーズ」の名のもとに、リスナーからの公募を中心とし、放送作家としてオールナイトニッポンも担当している藤井青銅が補作詞という形で携わった。吉本興業所属で当時オールナイトニッポンでパーソナリティを務めていた藤井隆ロンドンブーツ1号2号はこのユニットに参加していたものの、木曜パーソナリティのナインティナインは参加していない。
    • 熱帯ジャズ楽団2004年リリースしたアルバム『熱帯ジャズ楽団VIII -The Covers-』に、マンボ風のアレンジが施されたカバーバージョンが収録された。ただし、タイトルが「Bitter Sweet Bomba(ビタースウィート・ボンバ)」と改題されている。
  • その他
    • 1970年代の人気テレビドラマ『時間ですよ』(TBS)の音楽を担当した作曲家、山下毅雄の晩年の述懐によると、同番組のテーマ曲は本曲をモチーフに更に明るい曲調にして作ったものという。
  • 2012年に放送されたアニメ『あっちこっち』第4話にて、この曲によく似た曲が校内放送のBGMとして使用されていた(ちなみに作曲者は横山克で、曲名は「放送室」。同アニメのサウンドトラックにも収録)。

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ この内『ナインティナインのオールナイトニッポン』と『オードリーのオールナイトニッポン』はメインフレーズの部分を5回繰り返した4分15秒バージョン。
  2. ^ 川村かおりのオールナイトニッポン』・『浅草キッドのオールナイトニッポン』・『電気グルーヴのオールナイトニッポン』のように、2部でもエンディングに流さず、オープニングに流していたパーソナリティもいた。
  3. ^ ニッポン放送での放送時間。
  4. ^ MCを務めている竹内靖夫アナも、現在は文化放送に携わりながらも実は学生時代はオールナイトニッポンをいつも聞いており、「夜が明けるまで聞いており、放送の内容はいつも翌日の学校の中で話題になったが、とにかく眠かった」と語っていた。
  5. ^ 宮川によれば、この曲のおかげで深夜放送っぽくなるので、エッチな話がそんなに罪深さにならず、良心の呵責に苛まれることが無いと語っている。

出典 編集

  1. ^ 日本では1969年8月1日にシングルカットされている(45cat - Herb Alpert And The Tijuana Brass - Bittersweet Samba / Lollipops And Roses - A&M - Japan - TOP-1415)が、アメリカではエドムンド・ロス盤が『毒蝮三太夫のミュージックプレゼント』のテーマ音楽になっている"Whipped Cream"とともに、ジュークボックス用6曲入りEPが制作されているのみである(45cat - Herb Alpert's Tijuana Brass - Whipped Cream & Other Delights - A&M - USA)。
  2. ^ ビタースウィート・サンバ
  3. ^ Dennis Coffey - Bittersweet Samba
  4. ^ DJ松永 ニッポン放送「SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル」にて使用される”ビタースウィートサンバ”のREMIXを担当!”. Creepy Nuts. Sony Music (2020年4月4日). 2020年12月17日閲覧。
  5. ^ “YOASOBI、『オールナイトニッポンX』パーソナリティに。Ayaseによる「Bitter Sweet Samba」リミックスが番組共通OPテーマ”. BARKS. (2021年3月16日). https://www.barks.jp/news/?id=1000198418 2021年3月16日閲覧。 
  6. ^ “YOASOBI、『オールナイトニッポンX』火曜日パーソナリティ担当&OP曲をAyaseがアレンジ”. Billboard JAPAN. (2021年3月16日). https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/98036/2 2021年3月16日閲覧。 
  7. ^ “YOASOBI『ANNX(クロス)』火曜担当 「ビタースウィート・サンバ」アレンジも”. ORICON NEWS. (2021年3月16日). https://www.oricon.co.jp/news/2187390/full/ 2021年3月16日閲覧。 
  8. ^ 【1】「bittersweet samba 〜ニッポンの夜明け前」いよいよ発売、LF+R-MailnightNippon Vol.63(オールナイトニッポン.com)、2002年3月10日。
  9. ^ Re:Japan第2弾シングル発売「bittersweet samba-」オールナイトニッポンテーマスポーツ報知、2002年2月3日。(インターネットアーカイブのキャッシュ)

関連項目 編集