BMD-3

ソ連が開発した歩兵戦闘車

BMD-3: БМД-3)は、ソビエト連邦歩兵戦闘車。"BMD"とは、ロシア語で空挺戦闘車Боевая машина десанта)を意味し、この型の車両は空中投下が可能なように設計されている。

BMD-3
基礎データ
全長 6.36m
全幅 3.114m
全高 2.45m
重量 12.9t
乗員数 3名
乗員配置 乗員3名・歩兵5名
装甲・武装
装甲 砲塔スチール
車体:アルミニウム合金
主武装 2A42 30mm機関砲
9М113 コンクールス対戦車ミサイル
AGS-17 プラミヤ自動擲弾銃
副武装 PKT 7.62mm機関銃
RPK-74 5.45mm機関銃
機動力
速度 70km/h整地
45km/h(不整地)
10km/h(水上)
エンジン 2B-60-2
液冷ディーゼル
331kW
行動距離 500km
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BMD-3は、1980年代中盤、A.シャバリン主任設計師により開発され、1990年ソビエト連邦軍の装備として採用された。BMD-3では、空挺兵を内部に収容したまま空中投下が可能なように設計されている。

概要 編集

BMD-3は車体設計が根本的に見直され、車体容積が増大し、BMP-2砲塔が搭載できるようになった。車体正面右側にはRPK-74 5.45mm機関銃が、左側にはAGS-17 プラミヤПламя)30mm自動擲弾銃が設置される。これらの副武装は取り外して、下車戦闘に使うこともできる。

砲塔には主武装として、2A42 30mm機関砲PKT 7.62mm機関銃が設置されている。砲塔には安定装置が付いており、走行間射撃が可能である。最大仰角は75度まで取れる。

戦車戦闘用に、対戦車誘導装置9P135Mと射程4,000mの9M113 コンクールスКонкурс対戦車ミサイル4発が搭載されている。砲塔の周りには、902V トゥーチャ(Туча発煙弾発射装置2基が設置されている。砲塔の背後には2人の空挺兵が座ることができる兵員室があり、銃眼を通して射撃を行うことができる。その外、3人までの予備スペースが存在する。NBC防護は、兵員室を密閉・フィルター式換気装置を作動させ、車内を陽圧にすることによって保障される。

2B-60-2液冷ディーゼルエンジンは出力331kWで、エンジン予熱機と非噴射式予熱システムが設置され、-25℃の環境下で5分、-45℃では20分で発進することを可能にしている。

BMD-3用に、プラットフォームを必要としない新型降下装置PBS-950が開発され、空挺兵を乗せたまま投下し、着地後直ちに戦闘に移ることが可能となった。

弾薬搭載数は、9M113対戦車ミサイル×4発、2A42 30mm機関砲弾×500発、AGS-17 30mm擲弾×290発、PKT 7.62mm機関銃弾×2,000発、RPK-74 5.45mm機関銃弾×2,160発。

派生型 編集

BMD-3M バフチャー-U(Бахча-У
BMD-3K バフチャー-K(Бахча-К
指揮車型。
2S25 スプルート-SD(Спрут-СД
125mm対戦車自走砲
オブジームカ(Обжимка
120mm自走砲
オブジームカ-K(Обжимка-K
120mm自走砲指揮車。
RHM-5 ポヴォースカ-D-1Повозка-Д-1)
化学偵察車
ラクーシュカ(Ракушка
多目的車。
トラヴマティズム(Травматизм
衛生車。
ミラージュ-2002(Мираж-2002
ZPRK ロマーン(Роман
対空ミサイル対空機関砲を搭載した自走式対空砲型。

関連項目 編集