Django

Pythonで実装されたWebアプリケーションフレームワーク

Django(ジャンゴ)は、Pythonで実装されたWebアプリケーションフレームワークMVCデザインパターンに緩やかに従う。もともとはアメリカ合衆国カンザス州ローレンスにあるWorld Company[8]のために、ニュース系のサイトを管理する目的で開発され、2005年7月にBSD Licenseで公式にリリースされた。フレームワークはジプシー・スウィングのギタリストであるジャンゴ・ラインハルトにちなんで命名された。

Django
Djangoのデフォルトページ
作者 エイドリアン・ホロバティ英語版サイモン・ウィリソン英語版
開発元 ジャンゴソフトウェア財団[1]
初版 2005年7月21日 (18年前) (2005-07-21)[2]
最新版
4.1.3 / 2022年11月1日 (17か月前) (2022-11-01)[3]
リポジトリ Django Repository
プログラミング
言語
Python[4]
サイズ 9.5 MB[5]
種別 Webアプリケーションフレームワーク[6]
ライセンス 3-clause BSD[7]
公式サイト www.djangoproject.com
テンプレートを表示

Djangoの第一の目的は、複雑なデータベース主体のウェブサイトの構築を簡単にすることであり、コンポーネントの再利用性と'pluggability'、素早い開発、Don't repeat yourselfの原則に力点を置いている。ファイルやデータのモデルにいたるまで、Pythonが一貫して用いられている。Djangoはまた、動的に生成され、データモデルの定義を通じて完全に構成することができる、データベース管理CRUDインターフェイスをオプションで提供する。Python3系統にはDjango 1.5バージョンで実験的に対応し、Django 1.6より本格的に対応した[9][10]。Python2系統への対応は、バージョン1.11(3年サポートのLTS、2020年4月まで)が最後となり、2.0でPython3.4以降、2.1でPython3.5以降にのみの対応となった[11]

Djangoを使用している有名なサイトには、PBS英語版[12]Instagram[13]Mozilla[14]Disqus[15]Bitbucket[16]Nextdoor英語版[17]などがある。

Djangoのコンポーネント 編集

Djangoフレームワークのコア部分はデータモデル(Pythonクラスとして定義される)と関係データベースとの間を仲介するO/Rマッパー正規表現に基づくURLディスパッチャ、要求を処理するビューシステム、テンプレートシステムから構成される。

そのほか、下記のものがコアのフレームワークに含まれる:

  • 開発とテストのための軽量のスタンドアロンWebサーバ
  • HTMLフォームをデータベースに格納できる値に変換するフォームのシリアル化と検証システム
  • 複数のキャッシュ方法に対応したキャッシュフレームワーク
  • 要求を処理するさまざまな段階に挿入し、カスタムの処理を実行できるミドルウェアクラスのサポート
  • アプリケーションのコンポーネントがあらかじめ定義されたシグナルを用いてイベント通信できるようにする内部ディスパッチャシステム
  • 国際化の機構(Django自身のコンポーネントも多数の言語へ翻訳されている)
  • Django モデルのインスタンスをXMLおよびJSONに対して入出力可能なシリアル化機構
  • テンプレートエンジンの機能を拡張する機構

バンドルされるアプリケーション 編集

Djangoの公式配布物は、"contrib"パッケージ内に多数のアプリケーションを含んでいる。

サーバ構成 編集

Djangoは、ウェブアプリケーションインタフェースとしてWSGIとASGIに対応しているため、それらに対応したウェブアプリケーションサーバを使って(必要に応じてNginxApacheなどのWebサーバとも組み合わせて)動作させられる。WSGI/ASGIサーバの例としては、Gunicorn、uWSGI、Uvicorn (ASGI)、mod_wsgiやmod_python (Apache) などがある。また、FastCGIサーバとして起動して、FastCGIをサポートする任意のWebサーバのバックエンドとして使用することもできる。

Djangoが公式にサポートしている関係データベース (RDBMS) の例としては以下が挙げられる。

さらにサードパーティから、Microsoft SQL Server用のアダプターDjango MSSQLIBM DB2用のアダプターibm_dbに加え、SAP SQL Anywhere、ODBCFirebirdへのアダプターも提供されているほか、NoSQL系のデータベースと接続するための拡張なども存在する。

The Django Book 編集

The Django Bookは、DjangoについてのGNU Free Documentation Licenseでライセンスされたフリーの書籍である。2007年12月、Apressによって出版された。書籍はhttp://www.djangobook.com/で入手できる。

脚注 編集

  1. ^ django/README”. GitHub. 2020年9月8日閲覧。
  2. ^ Django FAQ”. 2019年3月27日閲覧。
  3. ^ [1] - Release 4.1.3
  4. ^ django/README”. GitHub. 2020年9月8日閲覧。
  5. ^ Django Download”. 2021年12月15日閲覧。
  6. ^ django/README”. GitHub. 2020年9月8日閲覧。
  7. ^ django/LICENSE”. GitHub. 2020年9月8日閲覧。
  8. ^ LJWorld.com / About us
  9. ^ DjangoかPyramidか!? 火花散るパネルに注目のPyCon JPレポート” (2012年9月24日). 2014年3月11日閲覧。
  10. ^ Django 1.6, Python 3 & PostGIS” (2013年11月18日). 2014年3月11日閲覧。
  11. ^ FAQ: Installation”. 2018年12月27日閲覧。
  12. ^ 20 Creative Websites Running Django”. 2020年10月1日閲覧。
  13. ^ What Powers Instagram: Hundreds of Instances, Dozens of Technologies”. 2020年10月1日閲覧。
  14. ^ Python”. Mozilla Developer Network. 2016年4月30日閲覧。
  15. ^ Scaling Django to 8 Billion Page Views”. 2020年10月1日閲覧。
  16. ^ DjangoSuccessStoryBitbucket – Django”. 2016年4月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月30日閲覧。
  17. ^ The anti-Facebook: one in four American neighborhoods are now using this private social network”. The Verge. 2016年6月16日閲覧。

外部リンク 編集