犯罪による収益の移転防止に関する法律
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犯罪による収益の移転防止に関する法律(はんざいによるしゅうえきのいてんぼうしにかんするほうりつ)は、金融機関等の取引時確認、取引記録等の保存、疑わしい取引の届出の義務など、資金洗浄及びテロ資金供与対策のための規制を定める法律である。通称、犯罪収益移転防止法(はんざいしゅうえきいてんぼうしほう)または犯収法(はんしゅうほう)。
犯罪による収益の移転防止に関する法律 | |
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![]() 日本の法令 | |
通称・略称 | 犯罪収益移転防止法、ゲートキーパー法 |
法令番号 | 平成19年3月31日法律第22号 |
種類 | 行政手続法 |
効力 | 現行法 |
主な内容 | 金融機関等の取引時確認等の義務 |
関連法令 | 本人確認法(廃止)、組織的犯罪処罰法、麻薬特例法 |
条文リンク | e-Gov法令検索 |
概要編集
従来、日本における資金洗浄対策の柱となる法律は、「本人確認法」と「組織的犯罪処罰法」の2つであった。
しかし、2003年(平成15年)に改訂されたFATF「40の勧告」において、金融機関のみならず、非金融業者(不動産・貴金属・宝石等取扱業者等)、職業的専門家(弁護士・公認会計士等)についても「規制すべき対象」として追加される。そこで、日本国政府の国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部は、「本人確認法」と「組織的犯罪処罰法」第5章を一本化し、対象業種を拡大する法案を作成すること、FIUを金融庁から国家公安委員会に移管することなどを決定する。
2007年4月1日に一部施行され、翌年3月1日の全面施行により「本人確認法」と「組織的犯罪処罰法」を置き換える形となったが、金融機関との取引に際して行われる本人確認の内容は基本的に変わらないが、宅地建物取引業などが、新たに確認対象業者とされた。
2013年4月1日に改正法が施行。確認が必要となる取引や、取引者の個人特定情報のほか、職業・事業内容、取引目的、支配的株主など確認事項が追加される。
2016年10月1日に改正法が施行。本人確認の身分証明書に証明写真のないもの(健康保険証など)を使用する場合は、証明する書類を2点以上提示することを義務づけられた。
関連項目編集
外部リンク編集
- 警察庁JAFIC - 犯罪による収益の移転防止に関する法律