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玉山古墳(たまやまこふん、玉山1号墳)は、福島県いわき市四倉町玉山にある古墳。形状は前方後円墳。福島県指定史跡に指定されている。

玉山古墳
別名 玉山1号墳/金光寺古墳[1][2]
所属 玉山古墳群
所在地 福島県いわき市四倉町玉山字林崎[3]
位置 北緯37度6分53.98秒
東経140度56分37.78秒
座標: 北緯37度6分53.98秒 東経140度56分37.78秒
形状 前方後円墳
規模 墳丘長112m
高さ10m(後円部)
埋葬施設 不明
出土品 土器片
築造時期 4世紀中葉
史跡 福島県指定史跡「玉山古墳」
特記事項 東北地方第4位/福島県第3位の規模
地図
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福島県では第3位、東北地方では第4位の規模の古墳で[注 1]4世紀中葉(古墳時代前期)頃の築造と推定される。

目次

概要編集

福島県東部の浜通り地方、仁井田川北岸の支丘陵先端の平坦面に築造された大型前方後円墳である[4]。現在は山麓に建立された至宝山金光寺の裏山になり、墳丘南側は墓地利用されて大きく改変を受けている[5]。これまでに2004-2007年度(平成16-19年度)にいわき市教育委員会による発掘調査が実施されている[2]

墳形は前方後円形で、前方部を西方に向ける。墳丘は後円部では3段築成であるが、前方部では旧状不明瞭で段築不明[6]。墳丘長は112メートルを測り、福島県では第3位、東北地方では第4位の規模になる[注 1]。墳丘表面では葺石が認められる一方[6]埴輪は認められず、墳丘周囲では周溝も認められていない[6]。主体部の埋葬施設は未調査のため明らかではない。出土遺物としては二重口縁壺(底部穿孔壺)等の土器片がある[6]

この玉山古墳は、出土土器より古墳時代前期後葉-末葉の4世紀中葉頃の築造と推定される[6]。当時は東北地方南部で古墳が大型化する時期とされ、時期差はあるが本古墳と同等規模の会津大塚山古墳福島県会津若松市、114メートル)・遠見塚古墳宮城県仙台市、110メートル)との関連性が指摘される[6]。また梵天山古墳茨城県常陸太田市)から本古墳の地域までは大型古墳の空白地であるとともに、本古墳は大型・3段築成・葺石という要素を持つことから、被葬者はヤマト王権と結びついて交通の要衝である当地を押さえ、一帯を広域的に支配した様子が示唆される[6]

古墳域は1980年昭和55年)に福島県指定史跡に指定されている[3]

来歴編集

  • 宝暦年間の『至宝山金光寺縁起』に、金光寺北山に開山上人ゆかりの品の埋葬の旨の記述。墳丘上には宝暦13年(1763年)銘の供養塔が所在[2]
  • 1940年昭和15年)、佐久良春彦による紹介[2]
  • 1979年(昭和54年)、測量調査[2]
  • 1980年(昭和55年)3月28日、福島県指定史跡に指定[3]
  • 2004-2007年度(平成16-19年度)、範囲確認の測量調査・発掘調査(いわき市教育委員会、2009年(平成21年)に報告書刊行)[2]

構造編集

古墳の規模は次の通り(2004-2007年度(平成16-19年度)の調査値)[6]

  • 墳丘長:約112メートル
  • 後円部 - 3段築成。
    • 直径:約60メートル
    • 高さ:約10メートル
  • 前方部 - 段築不明。
    • 長さ:約54メートル
    • 高さ:約6メートル

墳丘長に関してはかつて118メートルという数字が知られたが、発掘調査による葺石基底石を押さえた規模としては上記の値に修正される[6]。ただし墳丘の造作は葺石の外側にも延びていることから、墳丘は上記の値よりも大きくなる可能性がある[6]。また現在は墳丘の南側が墓地化して詳細不明であるほか、北側でも特に前方部で旧状から大きく改変を受けていることが判明している[5]

なお、墳丘裾部では1間×2間の建物状遺構が検出されており、これはモガリ(殯)儀礼を行う喪屋的施設の可能性があるとして注目される[6]

文化財編集

福島県指定文化財編集

  • 史跡
    • 玉山古墳 - 1980年(昭和55年)3月28日指定[3]

脚注編集

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注釈

  1. ^ a b 東北地方における主な古墳は次の通り。
    1. 雷神山古墳(宮城県名取市) - 墳丘長168メートル
    2. 亀ヶ森古墳(福島県河沼郡会津坂下町) - 墳丘長129メートル。
    3. 会津大塚山古墳(福島県会津若松市) - 墳丘長114メートル。
    4. 玉山古墳(福島県いわき市) - 墳丘長112メートル。
    5. 遠見塚古墳(宮城県仙台市) - 墳丘長110メートル。
    6. 青塚古墳(宮城県大崎市) - 墳丘長100メートル。
    7. 稲荷森古墳(山形県南陽市) - 墳丘長96メートル。
    また近年の調査では、規模全容は未判明ながら次の古墳が大型古墳と推定される。
    • 南森古墳(山形県南陽市) - 墳丘長150-168メートル。
    • 塚前古墳(福島県いわき市) - 墳丘長95-120メートル。

出典

参考文献編集

(記事執筆に使用した文献)

  • 地方自治体発行
  • 事典類
    • 川崎純徳「玉山1号墳」『日本古墳大辞典東京堂出版、1989年。ISBN 4490102607
    • 「玉山古墳群」『日本歴史地名大系 7 福島県の地名』平凡社、1993年。ISBN 4582490077

関連文献編集

(記事執筆に使用していない関連文献)

  • 『玉山古墳 -平成16年度範囲確認調査概報-』財団法人いわき市教育文化事業団編、いわき市教育委員会、2005年。
  • 『玉山古墳 -平成17年度範囲確認調査概報-』財団法人いわき市教育文化事業団編、いわき市教育委員会、2006年。
  • 『玉山古墳 -平成18年度範囲確認調査概報-』財団法人いわき市教育文化事業団編、いわき市教育委員会、2007年。
  • 『玉山古墳 -平成19年度範囲確認調査概報-』財団法人いわき市教育文化事業団編、いわき市教育委員会、2008年。

関連項目編集

  • 塚前古墳(いわき市小名浜林城) - 墳丘長95-120メートルの前方後円墳。後期古墳としては東北地方で最大規模。
  • 石城国造