王国 (国歌)
王国(Nokor Reach)は、カンボジアの国歌。『国旗・国歌の世界地図』では名称をBat Nokor Reach(王国の詩)としている[1]。歌詞は三部構成で、第一部はカンボジア国王を、第二部は古代カンボジアの宮殿の美しさを、第三部は仏教を信奉するカンボジア人を褒め称えている[2]。
Nokor Reach | |
---|---|
和訳例:王国 | |
![]() | |
| |
作詞 | Chuon Nat |
作曲 | F. Perruchot、J. Jekyll |
採用時期 | 1941 |
試聴 | |
|
歴史編集
この曲はチュオン・ナート[3]によって書かれたカンボジア民謡を元としており、1941年に国歌に制定され、1947年のフランスからの独立時に改めて独立国の国歌に採用された。1970年、シアヌーク国王がロン・ノルによるクーデターによって追放されクメール共和国が成立すると、クメール共和国の歌が『王国』に代わって国歌とされた[1]。1975年、クメール・ルージュがロンノル政権を打倒して権力を握ると一時的に『王国』が国歌として復活したものの、翌1976年にはシアヌークの国家元首辞任に伴い栄光の4月17日によって置き換えられた。和平協定後の1993年、王党派であるフンシンペック党が選挙に勝利すると、『王国』も再び国歌として復活した[4]。
歌詞編集
クメール語歌詞とローマ字転写編集
クメール語歌詞 បទនគររាជ |
ALA-LCのローマ字転写 Pad Nagar Rāj |
IPAのローマ字転写 IPA: [ɓɑt̪ n̪ɔkɔː rɨəc] |
英語訳編集
訳例1 | 訳例2 | 訳例3 |
---|---|---|
1. |
1. |
1. |
フランス語版編集
1番 | 2番 | 3番 |
---|---|---|
Que le ciel protège notre Roi |
Les temples dorment dans la forêt, |
Les chants montent dans le pagodes |
脚注編集
- ^ a b 文春新書 21世紀研究会編『国旗・国歌の世界地図』カンボジアp.19-21
- ^ 上田広美「僧王チュオン・ナートと正書法」/ 上田広美・岡田知子編著『カンボジアを知るための60章』明石書店 2006年 40ページ
- ^ チュオン・ナート(1883-1969)は上座仏教モニーカイ派のサンガ長、最高の文化人として幅広く活躍した。多くの著書を残す。(上田広美「僧王チュオン・ナートと正書法」/ 上田広美・岡田知子編著『カンボジアを知るための60章』明石書店 2006年 40ページ)
- ^ “Cambodia "នគររាជ" "Nokoreach" (Royal Kingdom)”. nationalanthems.info. 2011年10月25日閲覧。
参考文献編集
- 上田広美・岡田知子編著『カンボジアを知るための60章』明石書店、2006年