王将フードサービス

京都府京都市山科区に本社を置く外食企業

株式会社王将フードサービス[1](おうしょうフードサービス、: OHSHO FOOD SERVICE CORP.[3])は、中華料理チェーン店餃子の王将を経営する会社である。

株式会社王将フードサービス
OHSHO FOOD SERVICE CORP.
Ohsho Food Service Corporation headquarters.jpg
王将フードサービス本社
種類 株式会社
機関設計 監査役会設置会社
市場情報
東証プライム 9936
2013年7月16日上場
本社所在地 日本の旗 日本
607-8307[1]
京都府京都市山科区西野山射庭ノ上町237番地[1]
本店所在地 607-8307
京都市山科区西野山射庭ノ上町294番地の1
設立 1974年昭和49年)7月3日
(株式会社王将チェーン)[1]
業種 小売業
法人番号 3130001012441 ウィキデータを編集
事業内容 料理飲食店業 他
代表者 代表取締役社長 渡邊直人[広報 1]
資本金 81億6600万円
(2020年3月31日現在)
売上高 連結:855億7100万円
(2020年3月期)
営業利益 連結:76億9800万円
(2020年3月期)
純利益 連結:53億1100万円
(2020年3月期)
純資産 連結:503億500円
(2020年3月期)
総資産 連結:675億3800万円
(2020年3月期)
従業員数 連結:2,232名(5,962名[2]
(2020年3月31日現在)
決算期 3月31日
会計監査人 有限責任監査法人トーマツ
主要株主 アサヒビール 8.81%
ジャパンフードビジネス 6.01%
アリアケジャパン 4.72%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 4.24%
加藤梅子 2.62%
加藤ひろみ 2.58%
日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口) 2.52%
BBH FOR FIDELITY LOW-PRICED STOCK FUND 2.31%
公益財団法人加藤朝雄国際奨学財団 2.26%
(2016年3月31日現在)[広報 2]
関係する人物 大東隆行(元社長)
外部リンク https://www.ohsho.co.jp/
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餃子の王将四条大宮店(直営1号店)
京都府京都市中京区
直営1号店の記念碑(同上)

沿革編集

新人研修制度編集

2013年まで[5]スパルタ教育的とも評される[6][7]内部研修が行われていた。

テレビでの紹介、反響編集

具体的には山中の施設で外界と隔離され、社訓を覚える、3分間のスピーチで絶叫する、オリジナルの体操といった審査項目に合格しなければ卒業できないというもので[6][7]、王将フードサービスではこれを当時「時代に逆行するのではないかと捉えられるが、をされる機会が少ない若者を、学生気分から脱却させるために必要な内容だ」とした[8]。その様子が日本テレビ「TheサンデーNEXT2010年(平成22年)4月11日の放送で紹介された際には[6][7][9]、ゲストコメンテーターの弁護士・北村晴男は自身の高校時代の野球の部活経験と照らし合わせ「眠っている魂を引き出す」と絶賛[信頼性要検証]。さらに「感動した」という内容の投書が新聞に複数寄せられ掲載された[10]

一方で、インターネット上では研修の内容に対し「ブラック企業」などを想起させるなどといった否定的なコメントも[6][7][9] J-CASTによると多勢を占め[7]、実際に同社はこの方針で上手く行っているのだから、研修について部外者がとやかく言うべきではない、といった趣旨の意見も寄せられている一方、不当な厳しさは真の意味での人材育成に結びつかないという批判もあるなど、議論を呼んだ[6]

この放送に対する反響に対して同社も公式コメントを発表したが[8][7]、そのコメントの内容にも「社会って怖い」のような批判的なコメントや苦言を含む賛否が寄せられた[9]。王将フードサービスの新入社員教育を批判的に取り上げたダイヤモンド社の記事に対して、中には「育ててもらえるのをありがたく思え」といった同社を擁護する意見もあったというが、多くは社員教育に対して批判的なものであったという[11]

王将フードサービスの売上高は、2010年(平成22年)6月に2年11か月ぶりで前年割れするまで増収を続け[12][13]、2010年3月期決算時点で9年連続で過去最高益を更新し、売上高も7年連続の増収と発表[14]された。番組放送後に発表された2010年4月期の決算でも前年同月比を上回る過去最高益を記録しており[広報 6]、売り上げの向上は同社の料理の質や接客サービスが年々向上していることを示している[14]が、研修の成果か否か明らかでない。

2000年頃にゴルフ場開発など本業以外の投資が失敗して経営が危ぶまれたが、2002年に社長に就任した大東隆行は営業本部長を兼務し、現場の立て直しと前述の本業に無関係の関連事業から撤退を断行して一年で黒字化した[15]。大東は「自分を切磋琢磨しなければ研修にならない。愛情を持って育てたいからこそ厳しく指導している」と主張しており、実際厳しい研修を終えた後にはハワイでの楽しい研修が待っている、細かい心遣いがあるから厳しい研修にも耐えられるのであり、この厳しい研修制度が功を奏し、従業員から次々と新しいサービスや商品が提案されているとしている[16]

社長交代、取りやめ編集

王将社長射殺事件で大東隆行の死去により、渡辺直人常務が2013年に社長となった。渡辺もかつては研修で教官を務めていたが[6][17]、批判をきっかけに、2013年をもって「スパルタ研修」を取りやめた[5][17]

「真剣な気持ちを持たせることが、顧客満足につながるという思い」のもと行っており、番組放送後に受けた批判は予想外だったという。「誤解を招いては会社だけでなく社員や顧客、取引先にとってもマイナスになる」と考え、廃止したとしている。2016年現在、新入社員向けには挨拶やマナーの講座が、店長・副店長に昇格するためには、座学による研修がある[5]

不祥事編集

  • 2012年11月、餃子の王将の大阪府寝屋川市内の店舗で、客の40歳代の女性が、床にこぼれていた油で滑り左膝を打ち、左膝を骨折し、最終的に左膝が動かしにくくなる障害が残った[18]。女性は、滑る原因となった油が、調理場から飛び散ったものであるとし、「インターネットなどで滑りやすさが指摘されていたのに、店は予防措置を怠った」などとして、大阪地方裁判所に提訴[18]2015年3月6日付で、王将フードサービス側が女性に解決金100万円を支払うことで和解が成立[19][18]
  • 2013年12月、社員とパート従業員に対し実際の労働時間に見合った残業手当を支給していないとして、京都下労働基準監督署から是正勧告を受けた[20]。王将フードサービスは2014年7月、2013年7月から社員とパート従業員計923名に対し、合計2億5500万円分の賃金の未払いがあったと発表[20]。2013年7月から2014年2月までの間、全国の直営店で残業時間を適正に管理せず、残業手当の一部を支給していなかったという。未払い分は同月中に支払うといい、その費用を2014年4~6月期に計上した[21][20]
  • 2014年9月25日、大阪市内の同社フランチャイズ店舗が、中国人6人を不法就労させていたことが明らかとなり、大阪府警察はこのフランチャイズ店を運営する企業の代表者を出入国管理及び難民認定法違反容疑で逮捕した[22][広報 7]
  • 2016年(平成28年)3月29日、反社会勢力との関係の有無を調べていた第三者委員会による調査報告書が発表され、創業家との関係が深い福岡県内の不動産会社経営男性が率いる企業グループとの不適切な取引があり[23]、約200億円が流出し、約170億円余が未回収になっていたことが明らかになった[24]。同社はこれらの取引を巡って2012年から社内調査を実施し、報告書をまとめていたが、公表は見送られ、社長だった大東隆行と総務部がそれぞれ1冊ずつ保管していた。また関係企業の1社とは同年1月まで取引があったことも確認された[25]。王将側は、調査報告書についての記者会見で、この経営者の素性について質問を受けたが、「ご想像にお任せします」「男女にかかわらず、この人とは取引しない」として、個人情報を理由に、かたくなにその公開を拒んだ[26]

関連項目編集

脚注編集

[脚注の使い方]

出典編集

  1. ^ a b c d e f g h 流通会社年鑑 2003年版, 日本経済新聞社, (2002-12-20), pp. 2016 
  2. ^ 括弧内はパートタイム等の臨時従業員数を記載。
  3. ^ 株式会社王将フードサービス 定款 第1章第1条
  4. ^ “「餃子の王将」社長が襲われ死亡 本社前で銃撃か”. 日本経済新聞 電子版 (日本経済新聞社). (2013年12月19日). http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1901T_Z11C13A2CC0000/ 2018年9月30日閲覧。 
  5. ^ a b c 早川麗; 大淵将一; 石森ゆう太 (2016年1月25日). “「ブラック」決別の時 王将フード 「スパルタ」研修に批判 渡辺直人社長 労働集約の時代は終わった”. 日経MJ (日本経済新聞社): p. 1 
  6. ^ a b c d e f “餃子の王将「スパルタ新人研修」やりすぎなのか”. J-CAST会社ウォッチ (ジェイ・キャスト). (2010年4月14日). http://www.j-cast.com/kaisha/2010/04/14064474.html 2010年5月2日閲覧。 
  7. ^ a b c d e f “新入社員「スパルタ研修」に批判 「餃子の王将」が釈明文掲載”. J-CAST会社ウォッチ (ジェイ・キャスト). (2010年4月27日). http://www.j-cast.com/2010/04/27065521.html 2010年5月4日閲覧。 
  8. ^ a b 弊社新入社員研修について”. 餃子の王将. 2018年7月1日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2010年5月1日閲覧。
  9. ^ a b c “「餃子の王将」の新人研修にネットで反響、公式コメントにもまた賛否両論”. ITmedia News (ITmedia). (2010年4月28日). http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1004/28/news079.html 2010年5月1日閲覧。 
  10. ^ “放送塔”. 読売新聞 (読売新聞社). (2010年4月24日) 
  11. ^ 間杉俊彦 (2010年6月7日). “若手をつぶす?“スパルタ式”新入社員研修 「厳しさ」と「理不尽さ」の曖昧な境界線”. ダイヤモンド・オンライン. ダイヤモンド社. 2010年6月15日閲覧。
  12. ^ “「餃子の王将」、6月売上高が前年割れ 35カ月ぶり”. asahi.com (朝日新聞社). (2010年7月12日). オリジナルの2010年7月15日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20100715071432/http://www.asahi.com:80/business/update/0712/OSK201007120214.html? 2010年7月21日閲覧。 
  13. ^ “「餃子の王将」も息切れ 6月既存店売上高2年11カ月ぶりマイナス”. MSN産経ニュース (産経新聞社). (2010年7月12日). オリジナルの2010年7月15日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20100715074729/https://sankei.jp.msn.com/economy/business/100712/biz1007121209004-n1.htm 2010年7月21日閲覧。 
  14. ^ a b “絶好調「餃子の王将」成功の秘訣 ファミレスにない「出来立て」「手作り感」”. J-CASTニュース (ジェイ・キャスト). (2010年5月25日). http://www.j-cast.com/2010/05/25066938.html 2010年6月2日閲覧。 
  15. ^ 日経キーワード重要500 2011年度版
  16. ^ 飯泉梓 (2010年7月5日). “地獄からの34か月間増収”. 日経ビジネス (日経BP社). 
  17. ^ a b “電通事件の衝撃(2)コストではなく投資だ”. 日本経済新聞朝刊 (日本経済新聞社): p. 2. (2016年12月1日). http://www.nikkei.com/article/DGKKZO10145220R01C16A2EA1000/ 2016年12月2日閲覧。 
  18. ^ a b c “「よく滑るとネットで有名」…「餃子の王将」床転倒の重傷客と和解”. 産経新聞. (2015年4月8日). https://www.sankei.com/article/20150408-2WPDY4MKRFLOZDQXF6DUF2THA4/ 2021年1月10日閲覧。 
  19. ^ 「油で転び骨折…「王将」客に100万円払い和解」読売新聞 2015年4月8日
  20. ^ a b c “餃子の王将、残業代など2億5500万円を未払い”. ハフィントンポスト. (2014年7月14日). https://m.huffingtonpost.jp/2014/07/14/gyoza-ohsho_n_5583330.html 2021年1月10日閲覧。 
  21. ^ 「王将フード、賃金2億5500万円未払い 労基署が是正勧告」『京都新聞』2014年7月14日
  22. ^ INC, SANKEI DIGITAL (2014年9月26日). “中国人不法就労、「餃子の王将」でも”. 産経ニュース. 2022年4月27日閲覧。
  23. ^ 王将の第三者委員会「調査報告書」を読む~福岡センチュリーゴルフクラブの上杉昌也氏とのズブズブな関係(前)|NetIB-News” (日本語). 王将の第三者委員会「調査報告書」を読む~福岡センチュリーゴルフクラブの上杉昌也氏とのズブズブな関係(前)|NetIB-News. 2021年12月26日閲覧。
  24. ^ 2016.03.30(水) 王将社長射殺 200億円流出 企業と不正取引…第三者委(ニュース) - ラジオ福島” (日本語). www.rfc.jp. 2021年12月26日閲覧。
  25. ^ 王将、209億円流出 創業家知人らと不適切取引” (日本語). 日本経済新聞 (2016年3月29日). 2021年12月26日閲覧。
  26. ^ 「餃子の王将」が調査報告書でひた隠しにする260億円不正取引の相手は“部落解放同盟のドン”の弟だった!”. 2021年12月26日閲覧。

広報資料・プレスリリースなど一次資料編集

  1. ^ 代表取締役の異動に関するお知らせ (PDF) 王将フードサービスプレスリリース 2013年12月19日付
  2. ^ 第42期有価証券報告書”. 株式会社王将フードサービス (2016年6月28日). 2016年11月26日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x 沿革”. 王将フードサービス. 2018年9月30日閲覧。
  4. ^ 『王将ファミリーマガジン ぎょうざ倶楽部』第77号(2014年5月号)、pp.9-10
  5. ^ 『王将ファミリーマガジン ぎょうざ倶楽部』第80号(2015年1月号)、pp.7-8
  6. ^ “王将4月期決算”. 餃子の王将. オリジナルの2016年3月4日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160304220135/http://www.ohsho.co.jp/company/pdf/getsuji_201004.pdf 2010年6月6日閲覧。 
  7. ^ 本日の一部報道に関するお知らせ (PDF)”. 餃子の王将 (2014年9月26日). 2016年3月4日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2022年4月28日閲覧。

外部リンク編集