王様の仕立て屋

王様の仕立て屋〜サルト・フィニート〜』(おうさまのしたてや サルト・フィニート)及び『王様の仕立て屋〜サルトリア・ナポレターナ〜』(おうさまのしたてや サルトリア・ナポレターナ)『王様の仕立て屋〜フィオリ・ディ・ジラソーレ〜』(おうさまのしたてや フィオリ・ディ・ジラソーレ)は、大河原遁による日本漫画作品(原案協力・監修:片瀬平太)。

王様の仕立て屋
ジャンル 青年漫画職人漫画ファッション漫画
漫画:王様の仕立て屋〜サルト・フィニート〜
作者 大河原遁
出版社 集英社
掲載誌 スーパージャンプ
レーベル SJ
発表号 2003年14号 - 2011年21・22合併(最終)号
巻数 全32巻
漫画:王様の仕立て屋〜サルトリア・ナポレターナ〜
作者 大河原遁
出版社 集英社
掲載誌 グランドジャンプPREMIUM
発表号 2012年創刊号 - 2013年15号
その他 グランドジャンプへ移籍
漫画:王様の仕立て屋〜サルトリア・ナポレターナ〜
作者 大河原遁
出版社 集英社
掲載誌 グランドジャンプ
レーベル GJ
発表号 2013年7号 - 2016年6号
巻数 全13巻
漫画:王様の仕立て屋〜フィオリ・ディ・ジラソーレ〜
作者 大河原遁
出版社 集英社
巻数 既刊4巻
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目次

概要編集

イタリアナポリを舞台に、伝説の仕立て職人の弟子・織部悠の活躍を描く作品。服飾(主に紳士服)を題材にしており、靴や腕時計など服飾に関係する小物やアンティークを扱うことも多い。一話完結の短編形式の話と、一貫したストーリーを展開する長編形式の話で構成されているが、近年では単行本収録話数に合わせて、計7話でひとつの章「○○○編」とする長編が多い。

2003年に増刊『オースーパージャンプ』(集英社刊)MARCH号に読切として掲載された後、2003年14号より2011年21・22合併(最終)号まで本誌『スーパージャンプ』(同社刊)にて連載。スーパージャンプ誌の休刊に伴って『グランドジャンプPREMIUM』へ移籍し、『王様の仕立て屋〜サルトリア・ナポレターナ〜』と一部改題して2011年12月21日発売の創刊号から2013年2月27日発売の第15号まで連載された後、2013年3月6日発売の2013年7号から『グランドジャンプ』本誌に移籍し、2016年6号まで連載。2016年8号から第3部として『王様の仕立て屋〜フィオリ・ディ・ジラソーレ〜』を連載している。

単行本は『王様の仕立て屋〜サルト・フィニート〜』が全32巻にて完結。また、本編の短編エピソードを再収録した傑作選集『王様の仕立て屋〜サルト・フィニート〜The Special Edition』が計4巻まで刊行された。2009年8月に刊行された単行本第23巻の帯や広告などには、単行本の販売累計が200万部を突破したことが記されていた。2ndシーズンとなる『王様の仕立て屋〜サルトリア・ナポレターナ〜』は全13巻。

話数の単位は「Order(注文書)」。各話タイトルは「○○の××」という形式で、映画、舞台、文学作品の題名から取られていることが多い。落語歌舞伎浪曲をモチーフ・題材としたストーリーや演出がたびたび挿入され、また手塚治虫水木しげる藤子不二雄などの往年の漫画作品のパロディ的な描写も多用される。

ストーリーが展開される舞台はナポリが基点となるが、長編ではミラノフィレンツェなどのイタリア国内の他都市に赴くこともあり、イギリス、フランス、日本などイタリア国外にて仕事を行うことも少なくない。また、長編では「ミラノ編」や「フィレンツェ編」など舞台になった地名を冠される場合や、「欧州時計戦争編」「仕立て屋入門編」などテーマによって名付けられる場合もある。

登場人物編集

サルトリア・オリベ編集

織部悠(おりべ ゆう)
主人公。ナポリの泥棒市で仕立て屋を開く日本人。年齢は連載開始時点で26歳。連載中の時間経過は明確でないが、概ね20代後半から30代前半の男性として描かれている。縁のない丸眼鏡をかけている。
東京都台東区にある自転車屋の生まれで、3人兄弟の末っ子。幼い頃に実家の近くに住む足袋屋のお辰婆さんから裁縫の基礎を学び、お辰から紳士服の仕立ての道を勧められたことをきっかけに高校卒業後イタリアへ渡り、「ミケランジェロ」と称されたナポリの伝説の仕立て職人マリオ・サントリヨの生涯唯一の弟子[1]となった。
仕立て屋としては若輩ながらその力量は非常に高く、服飾に対する知識も深い。他の職人と比べ仕事のスピードが異常なほど早く、またマリオがコーディネート一式を全て一人で作る流儀だったことから、ジャケットからシャツ、スラックス、靴下まで幅広く仕立てることができる。洋の東西を問わず古典から雑学まで服飾以外の広範な見識も備えており、それを駆使してコーディネートの演出を行うことで、顧客の服飾への価値観や人生観などを一変させてしまうことも少なくない。
わずか数週間、時に数日の納期で高品質な仕事を納める代わりに、「特急料金」と称して相場より圧倒的に高額な報酬を請求する。だが、特に納期の設定されていない依頼には格安で応えているという。連載当初は自分の気に入らない仕事は受けないようにしていたが、マルコやセルジュが居候するようになってからは仕事の選り好みが少なくなった。仕立ての仕事がない普段は、骸骨磨きのバイトや他のサルトの下職で生計を立てており、ジラソーレ社からヘルプやアドバイザーとして呼ばれることも多い。
基本的に穏やかな性格だが職人気質が非常に強く、不遜、挑発的で気性の激しい一面も持ち合わせている。語学に明るく、日本語イタリア語だけでなく英語フランス語でも会話ができる。好きで懐柔のネタにされることもあるが、泥酔する描写はない。カモッラなど裏社会の大物を相手に仕事を重ねた経験からか、度胸も据わっている。
周囲の女性からの評価は決して悪くないが、職人気質や挑発的な性格などのために怒りを買うことが多く、また本人も女性に媚びたり言い寄ったりしないため、女性運にはあまり恵まれていない。唯一エレナから積極的なアプローチを受けたことはあったが、互いの仕事に打ち込むために交際を断り、そのことを激しく後悔している様子もうかがえた。
連載初期はナポリの一部とカモッラなど裏社会で名前が知られ、ペッツオーリと半ば個人的な付き合いがあるだけの存在だったが、特急仕事や、イタリアを始めとして各国の仕事を請け負っている内に人脈が広がり、現在はイギリス貴族やフランスの服飾ブランドなどにも顔が利くようになっている。特急仕事の繰り返しのため独自性が確立できず、ベリーニ伯爵から「師匠の猿真似」と指摘されたこともあったが、後に伯爵から請け負った仕事を成功させたことで独自性を確立し、伯爵からも一目置かれる存在となった。またパウエル親方から指導を受けた経験から、特にウェストコートに関して自信を深めている様子である。
25歳の時に師匠のマリオが病に倒れ、間もなく死亡した際、カモッラに治療費・入院費の借金の肩代わりを申し出たことから、開業と同時に日本円にして累計約1億円の借金を背負ってしまったが、ペッツオーリの保証の下、8巻の時点で約3000万円まで返済。その後、確かな伝統技術を持ちながら金銭的に裏社会に関与せざるを得なくなってしまっている状況をベリーニ伯爵に危惧され、伯爵からの残りの借金の肩代わりと追加融資の申し出を受け入れ、これまでの自宅兼仕事場とは別に店舗を借りサルトリア・オリベを開店した。
マルコ・ジュリアーニ
ナポリの靴職人見習いの少年。普段は修行も兼ねて、道端の靴磨きで生計を立てている。靴磨きの仕事で悠と知り合い、その後TVゲーム目当てで強引に悠の家に居候を始め、どこへ行くにも一緒について回るようになった。悠からは「小動物」と呼ばれている。悠と行動を共にしていない時は、ペピーノ親方や妹弟子であるヴィレッダ、同居人となったセルジュと一緒にいることが多い。
まだ10代前半と思しき外見・言動だが、靴と皮革に関する造詣が非常に深い。行動力と情報収集力も非常に高いが、誰に対しても物怖じせず茶々を入れたがる性格のため、トラブルを呼び込むことも少なくない。
悠の家では炊事を担当しており、時を経るごとに料理に対する技術や知識が深くなっている。更に悠について各国を回った経験からイタリア以外の料理にも詳しくなり、現在では靴や皮革関係にも劣らないこだわりを持っている。
セルジュ・リヴァル
フランスのモード服の大ブランド「リヴァル」の総帥アラン・リヴァルの次男。修行の厳しさで悪評高いリヴァルの工房に入ることを嫌がり、端正で童顔な顔立ちからフランスでモデルとして成功・活躍していた。しかしエレナにまつわる悠への対抗心から起こした行動が父の怒りを買い、工房に叩き込まれるもその厳しさから逃走、フランスから夜逃げしてナポリの悠の家に転がり込んだ。形の上は、服飾留学でイタリアに渡ったことになっている。
お坊っちゃま育ちでややナルシスト、大言壮語的な性格をしているが、気が弱く臆病な面もある。幼い頃から父の気性の激しさと工房の厳しさを目の当たりにしてきたことから、冗談でも「パリへ帰す」「工房へ入れる」などと言うと、周囲が心配するほど動揺する。
普段は悠やマルコと行動を共にしており、マルコからは漫才の掛け合いのようなやりとりを持ちかけられたり、本格的に料理を叩き込まれたりしている。モデル時代からエレナに想いを寄せているが、男性として見てもらえていないことから半ば諦めている一方で、エレナから本気でアプローチされながらそれを振った悠と、エレナの話題で衝突することもある。
ナポリに居候してからは悠の仕事を手伝っており、その才能については悠からも高い評価を受けていた。その後、ギルレーズハウスの所属職人として再出発した兄エリックとの再会や、モデル時代の恩義ある先輩の再起のために奮闘する姿に触発される形で、仕立て職人として本格的に服飾に携わる決意を固め、正式に悠に弟子入り。マダム・ロスタン立ち会いの下で行われた父アランの試験では、不合格になったもののその実力に高い評価を下され、またナポリ式の仕立て技術が矯正不可能と言われるほどまで身に着いてしまったことから、父にリヴァル工房入りを断念させた。
悠のサルト開店前後から、弟子として悠の仕事を手伝うだけでなく、サルトの経理や悠の営業方針に対して積極的に助言を行うようになった。特急仕事に対しても「普通の来店者に対応できなくなる」と今後のために控えるように意見しているが、借金が莫大であることなどもあり聞き入れられていない。

ジラソーレ社編集

元々は若者向けカジュアル服ブランド。フィレンツェのバザーで服を売っていた女子大生の服飾サークルが事業化したもので、設立後わずか数年でイタリア国内外に支店を構えるほどに急成長を遂げた(ジラソーレ社史も参照)。ジラソーレ (girasole) とはイタリア語でひまわりを意味しており、社章もひまわりをモチーフにしている。ナポリ進出を機に、紳士服の分野にも手を広げるようになった。

社長以下12人の創立メンバーは全員が20代の女性で、その連帯感は非常に強い。しかし、社長の方針と支店間の方向性の食い違いから、最近では軋轢が生じることも少なくない。若い女性が立ち上げた新興企業だけに対外的な苦労も多いようで、資金繰りなどを内輪で解決しようとする傾向がある。

第3部『王様の仕立て屋〜フィオリ・ディ・ジラソーレ〜』では、ジラソーレ社を訪れた客から話が始まるストーリーとなる。

創立メンバー編集

ユーリア・ペルッツィ
ジラソーレ社社長。ナポリ本店勤務。ジャコモ・ペッツオーリの実娘だが、今際の際の母を置いて、ペッツオーリ社のファッションショーで晴れやかに笑っている父の様子をテレビで目の当たりにしてから、父に対して心を閉ざすようになり、ペッツオーリ家と一方的に絶縁、母方の苗字であるペルッツィを名乗っている。
ウェーブがかかったロングヘア、長身、巨乳(Gカップ)でスタイルの良い美女。年齢は20代後半、作中のやりとりから悠よりは年下と見られる。非常に強気な性格で、社の強引な経営方針にもその性質が現われている。そのために対外的な問題や社内幹部との軋轢を引き起こすことも多いが、創立メンバーからはリーダーとして全幅の信頼を置かれている。その一方で、プライベートではマリエッタに対して別人のように甘えて弱気な姿を見せることもある。
父に対する敵愾心から、社の経営方針には常にペッツオーリ社への対抗意識が織り込まれており、派手な宣伝をぶちあげた結果、注文が工房のキャパシティを越えてしまうなど、それが経営上の問題となることも少なくない。そういった態度について、サンドラは「父親を憎悪しているのではなく、振り向いて欲しくてダダこねているだけ」と指摘している。
プレゼンティのピッツェリアの常連で、仕事帰りなどに頻繁にピッツァを食べに行っている。そのためにカロリーオーバーになって体型が変化していることを、自分でもしばしば気にしている。そういった体型の変化に伴う自分の服の仕立て直しや、抱え込み過ぎた注文を捌くための工房の手伝いを繰り返していたことから、仕立ての腕も高くなった。
悠の仕立ての腕を非常に高く評価しており、社の工房にヘルプとして呼ぶことが多く、自社へ高待遇でスカウトしようとしたこともある。一方で悠に対する対抗心も強く持っており、難題に直面する度に悠を頼らざるを得なくなっている状況に、しばしばやり場のない怒りを覚えている。ストレスが溜まると、解消のためにサンドバッグを殴る。
マリエッタ・カルドゥッチ
社長第一秘書。ナポリ本店勤務。創立時は副社長だったが、ナポリ進出に伴って第一秘書となった。悠からは「秘書さん」と呼ばれている。
ユーリアと同い年だが雰囲気が落ち着いており、眼鏡をかけたあまり目立たない装いが多く、実年齢より上に見られてしまうこともある。またその外見や仕事の内容からユーリアの引き立て役に見られがちで、本人も一時そのことに悩んでいた。
ユーリアの無二の親友で、プライベートでも行動をともにすることが多く、ユーリアも他人には見せない弱気な面を見せることがある。暴走したユーリアを止める際に、よくプロレス技を用いる。
読書家で、純文学や経済学を初め各分野の知識に精通している。
アンナ・ミノッティ
ナポリ本店総務課所属。時に店に出て接客を担当する。童顔、お下げ髪で背が低く、悠からは「お下げのお嬢ちゃん」と呼ばれている。創立メンバーの中では年齢が若い方にあたる。
大人しい性格で若干行動が鈍く、自身もそのことにコンプレックスを抱いている節があるが、社を守るためにユーリアの方針に逆らって悠に協力を頼みこんだり、ナポリ中のサルトに取材に回って秘伝の技術を修得したりするなど、意志が強く積極的な面もある
コンスタンツェ・ゼルビーニ
社長第二秘書。ナポリ本店勤務。ジェノヴァの海運王・ゼルビーニ家の長女。お嬢様育ちで物腰が柔らかく、性格は弱気。黒髪で髪型はセミロング。
会社創立時に筆頭株主となって資金を出資し、設立後も幹部として自ら経営に関わるだけでなく、立場を生かした資金調達も行なっていた。しかしお家騒動に付け込まれる形で兄マッシモに筆頭株主の座を奪われてしまい、現在は株主としての立場は弱くなっている。
ジラソーレお家騒動の際にベアトリーチェに誘拐され、箱根の旅館に隔離されて働かされるなど、育ちに反して苦労が多く、そのためか接客にも如才がない。プライベートではゼルビーニ家の娘として社交界に出るシーンが多くあり、イザベッラとも知り合いだった。家同士で付き合いのあるシモーネに言い寄られて困る場面も多い。
時計編では騒動の中心人物として最前線で奮闘、数々の難題を切り抜けるうちに性格が若干攻撃的になった様子が見られた。
ソフィア・ドルチーノ
ナポリ本店総務課所属。長身でスタイルの良いショートヘアの美人。フィレンツェ出身でシスターだった経歴を持ち、クリスマスにはかつてシスターをしていた教会で手伝いをしている。悠からは「ノッポの姉ちゃん」と呼ばれている。
会社の創成期、パリに拠点を構築するため、エレナ、サンドラとともにパリでスーパーモデルとして名を馳せていた。しかし本人は至って地味な性格の持ち主で、モデルのような目立つ仕事に大きな抵抗を感じており、モデルの仕事をやらされる度に必死で抵抗しては押し切られ、終わると羞恥心から酷く落ち込むことを繰り返している。
劇中ではモニカと一緒にいるシーンが多く、残業などでともに苦労している。
モニカ・マルピーギ
ナポリ本店総務課所属。ボーイッシュな外見で、胸は小さい(Bカップ)。我慢強い性格とクラリッサに評されている。
両親のいない孤児で、幼少時はスリ窃盗で生計を立てていた。収監された更生施設で服飾の資格を得て、大学のサークル時代のジラソーレで縫製を担当、会社が拡大した現在も工房で仕立てを担当しており、時に店に出て接客も行う。
その出自や過去を知りながらも分け隔てなく接してくれる創立メンバーのことを、深く尊敬している。身が軽く、その手先の器用さから手品師のアシスタントにスカウトされたこともある。劇中ではソフィアと一緒にいるシーンが多いが、ラウラとともに突貫仕事を行うこともままある。
胸が小さいことにコンプレックスを抱いており、度々ラウラからそのことを弄られるが、スタイルが悪いという訳ではなく均整のとれた体型で、ビアッジオの作る衣装ではバニースーツなど脚線美を見せる物が多い。
サンドラ・デストーニ
フィレンツェ支店長兼ジラソーレ社チーフデザイナー。初登場時は副社長だった。スタイルが良く、エレナ、ソフィアとともにパリで売れっ子モデルとして活動していたこともある。黒人トスカーナ人との混血で、褐色の肌をしている。
社のナポリ進出に伴って副社長に昇格し、フィレンツェ本店を任されていたが、経営の行き掛かり上ベアトリーチェとともに独断でペッツオーリ社との提携を進め、お家騒動を引き起こしてしまった。それによってナポリに本店が移り、現在は支店長としてフィレンツェ支店の経営に当たっている。
褐色の肌のため、小さい頃から差別などで辛酸を舐めてきた。そのような心の傷を支え、強く育ててくれた父親のことを深く尊敬している。そのような考え方から、ユーリアがペッツオーリを憎悪していることについては批判的なスタンスをとっている。
凛々しく勝ち気そうな外見をしているが心労を溜めやすい性格で、経営方針の衝突やベアトリーチェの過激な行動で胃を痛める場面も多い。
ベアトリーチェ・パスコリ
フィレンツェ支店長補佐。経理担当で、状況に応じて企画・広報・営業など様々な活動を行うが、工房で仕立てを行うことはない。髪型がショートボブであることから、悠からは「オカッパ」、ヴィレッダからは「上司」と呼ばれている。ヴェネツィア出身。経済学部卒。
冷徹かつ行動的な性格で、経営のために非情な決断をためらいなく行うだけでなく、人の心の隙を見つけて弱点を容赦なく突き、必要ならば非合法的な手段を活用することも厭わないため、内外から恐れられている。しかしその行動は全て会社の安定や成長のために向けられており、また一方で「つまらない見栄や虚勢で嘘だけはつかないのが私の主義」とも公言している。何事にも綿密な計画を立てたがる点については、アドリブに滅法弱い性質で勝てる戦しかしたくないためと自己分析している。
表情は少ないが、状況に応じて笑顔も振りまくこともできる。策略を巡らす時には頭に悪魔のような角が描かれることが多い。本能と勘に頼って動きの読めないフェデリカのことを唯一苦手にしている。
ジラソーレお家騒動の際は社長派に対抗するため、お家騒動後は社全体の戦力として、ペッツオーリから一目置かれている悠を社員にしようと様々な策を巡らせていた。それが無理だと判断してからは、捏造した書類を用いての脅迫で、手早く安価な随時契約スタッフとして度々ヘルプに呼んでいた。その後、ペッツオーリ社のナポリ進出を機に、ベリーニ伯爵の威光を借りて正社員としてジラソーレへ引き込もうとしたが、伯爵の指摘によりジラソーレでは悠とカモッラとの関係を清算できないと悟り、悠の囲い込みから手を引くことを宣言した。
エレナ・フォルミキーニ
パリ支店長。ショートヘアで長身、やや中性的な外見をしている。
ソフィア、サンドラとともにパリでスーパーモデルとして活躍したこともある。支店の長として外国で奮闘しているだけでなく、大学を首席で卒業し、各種スポーツ、社交、家事などもそつなくこなし、更に裏表なく男性に尽くす優しい性格という、非の打ち所のない人間性をしている。その一方で貧しい農村の生まれであるため、交際する上流階級の男性はその完璧さに対する劣等感を出自に対する優越感で埋めようとしてしまい、交際はいずれも長続きしない。
生まれ故郷は無医村で、当初は医者になって村を救うことを志していたが、学費の問題で断念。ジラソーレ社設立当初は事業に熱心ではなかったが、会社が大きくなってくると、村を丸ごと買い上げたある大ブランドを手本に、寂れる一方の故郷を自分の手で買い取って保護するという大きな目標を持って仕事に励むようになった。
リヴァルとの関係改善のためにパリに派遣され問題を簡単に解決した悠に、職人としてだけでなく男性としても惹かれていった。その後、自身との交際をかけたシモーネ、チャールズとの勝負を制した悠に、公私に亘るパートナーとしての正式な交際を申し込んだが、悠は目標を持って支店長業務に励むエレナの意志を尊重し、またあくまで自分は一介の職人に過ぎないという立場を曲げなかったため、交際は成立しなかった。しかし悠への思慕がなくなった訳ではなく、クラリッサが悠のサルトに入り浸っていると聞きつけた時には、リヴァルの工房に入れられそうになっていたセルジュを無理矢理奪還し、パリの仕事を放り出してナポリの悠の下に押しかけていた。
クラリッサ・レオーネ
ロンドン支店長。ロンドン支店ではカジュアル服を主に扱っているが、技術の研鑽も兼ねてサヴィル・ロウのテーラーの下職を手伝っている。仕立て屋の家に生まれ、サークル時代には裁断を担当するなど、会社創設時点で既に高い仕立ての技術を持っていた。
幼い頃から家に閉じ篭って針子修行をしていたために内向的で悲観的な性格になり、また世間やおしゃれに疎いため同年代の子達と話が合わず、暗い少女時代を過ごした。大学でユーリア達と知り合ってからは、彼女らの助けもあって自分の容姿にやや自信を持てるようになり、また自分の得意分野で自分の道を開けるようになったことからある程度前向きな性格になったが、根本の内向きな人間性は変わっておらず、精神的許容量を超える事態が発生するとパニックを起こして暴走する。
幼少期から仕立て仕事をしていたために極度の近視になってしまい、作業中はレンズの分厚いいわゆる瓶底眼鏡をかけている。そのことに激しいコンプレックスを抱いており、創立メンバー以外の人間にそれを見られると極度のパニック状態に陥る。
仕立て職人としては一本気だが素直な面もあり、職人として貪欲に技術を吸収しようとしながら、行き詰まると意地を張らずに悠にアドバイスを求めたりもする。しかし一本気なあまり周りが見えなくなることがあり、修行のために悠の自宅兼サルト(つまり若い男の部屋)に住み込もうとして周囲を大騒動に巻き込んでしまったこともある。性格が正反対のラウラに懐いている。
ジュリア・ヴィスコンティ
ロンドン支店所属の海外営業担当。ポニーテール八重歯が特徴で、常に異様なほどテンションが高く、神経が図太く物怖じしない性格で、周囲を常に振り回し続けている。現地人でも酸欠で倒れるほどの高地でも平然としているなど、超人的な体力も持っている。
服飾に関しての高度な知識はなく縫製も全くできないが、営業担当としての行動力は高く、したたかで機転も利く。実家はヴィスコンティ家の傍流で、本家からあまりに遠く立場が一般人とさほど変わらない一方で、その家名を上流階級に対する営業の武器として活用する場面も見られる。似たような性格のフェデリカと仲が良い。
すぐに携帯電話の電波の届かないところに行ってしまうため、非常に連絡が取りづらい。
フェデリカ・テッサリーニ
ニューヨーク支店長。髪型はストレートで瞳が大きく、勝気でさばけた性格をしている。非常にグラマラスなスタイルの持ち主。
幼少期をアメリカ合衆国で過ごしていたためアメリカの流行・経済などに詳しく、性格もアメリカ人に近い。ベアトリーチェとは同じ経済学部、同じゼミ出身の同期だが、ベアトリーチェが論理やデータを重視するのに対し、フェデリカは勘や感覚を重視した経営を行うため、ベアトリーチェが苦手としている唯一の人間でもある。
利益誘導のためには強引な手も厭わず、ユーリアらからの抗議にも自分の都合だけを主張して後は無視するといった点から、仲間内ではやや浮いた存在となっている。ニューヨークに配属された理由も、アメリカに詳しいという以外に、その経営方針が悪影響を与えかねないと判断されて本店から遠ざけられたという一面がある。
アメリカ編では、姉御肌な性格でヴィレッダらに慕われる一方、芸能界志望のロドリーゴに対して現実的かつ辛辣な言葉をぶつける場面も多かった。

開発第二課編集

各支店に問題が発生した時に助っ人として派遣される、遊撃隊的な役割を担っているチーム。元々は社と関係ない場面で個人的に仲良くなった3人組で、ペッツオーリ社との業務提携騒ぎの際に社の株を収得し、株主特権で入社した。当初は閑職だったが、やがてそれぞれが個性を発揮し、次第に存在感が高まっていった。ベアトリーチェからは「その気になれば独立してブランドを立ち上げられるだけの人材の集まり」と評されている。

ヴィレッダ・インパラート
マルコの妹弟子の靴職人見習い。元々は修復師だったが、言い寄ってきた靴マニアの同僚に感化され、ペピーノ親方に弟子入りし靴職人に転向した。美術品やアンティーク、その背景にある歴史に詳しく、悠から「物知り姉ちゃん」と呼ばれている。
好奇心と行動力が旺盛で悪ノリしやすい性格をしており、マルコとともに余計な事件を引き起こしてしまうことが多い。しかし頭の回転が早く思慮深い策士的な一面もあり、その手腕についてはベアトリーチェも高く評価している。開発第二課においては、ラウラとイザベッラを引っ張る司令塔としての役割を担っている。策略を巡らすシーンでは、白羽扇を手に持った諸葛孔明を模した姿で描かれることが多い。
靴職人としては未熟な面が見られるが、ペピーノ親方から「若い内は色々見て回れ」と勧められている。骨董品漁りの際には、『かおす寒鰤屋』の法被を羽織っていることがある。
ラウラ・フォンターナ
開発第二課専属の仕立て職人。代々ミラノ貴族に仕える仕立て職人の家の生まれで、アンドレア・フォンターナの一人娘。年齢は初登場時点で17歳。その髪型から「ツインテール」というあだ名で呼ばれている。金髪で胸が大きく(Fカップ)スタイルも良い。
14歳にして自分の「究極の型紙」を完成させた自他ともに認める仕立ての天才で、ペッツオーリ社の服飾学校の秘蔵っ子だった。しかし自信満々で悠に仕立て勝負を仕掛けて敗北し、その屈辱を雪ぐため学校を辞めてナポリへ移住、ユーリアの家に無理矢理同居し、ジラソーレ社にも強引に入社した。そういった経緯から悠のことを激しくライバル視しており、悠の仕事の話題になると条件反射的に対抗意識をむき出しにする。
登場当初は才能には高い評価を下されていたものの、社会的常識や実戦経験の少なさから顧客に満足を与えられない場面が多々見られ、悠に挑む度に圧倒的な実力差を見せつけられていた。その後、ビアッジォに弟子入りしたり、悠不在のサルトを一時引き継いだりと様々な経験を積み、やがて開発第二課に配属。その後は、職人として危うい面はまだ残っているものの、確かな手腕で内外から高く評価されるようになっている。
与えられた仕事は体を壊してでも確実にこなす一方で、自分のノルマが終わって余裕がある時でも他人を手伝わない場面が多く、悠の仕事に対抗するために平気で会社を休むこともままある。ジラソーレ幹部達の神経を逆撫でするのを楽しんでいる節もあり、周囲からやや疎まれている様子も見られる。パウエル親方の一連の騒動後、腕の良さとノルマ以外手伝わない態度のせいで、親方の遅れた作業を取り返すためのヘルプとしてイギリスに送られ、コート編までずっとイギリスに滞在させられていた。漸く帰国しても特急仕事を振られ続けていたが、思いつくままにフランスに渡ってしまう。現在はパリに滞在しており、リヴァルの工房の下職などをしている。
野心的でエネルギーのある男性が好みだと公言しており、当初はアンドレアの希望通りペッツオーリと結婚することを目標としていたが、時を経るごとにその様子は見られなくなってきている。一方、悠のことは一貫してライバル視し続けているが、様々な意味で好意を抱き慕っていると示唆されるような描写も度々見られる。
プライドの高い完璧主義で強気一辺倒の性格だが、単純で流されやすく、ヴィレッダやマルコ、母エミリアに振り回されることも多い。クラリッサを苦手にしている様子も見られる。性的な話題や色恋沙汰にも弱く、ビアッジォのパスタ店でコスプレウェイトレスをさせられる度に過度なストレスを溜めこんだり、クラリッサが悠のサルトに住み込むと言い出した時には思わず卒倒していた。ただしビアッジォのパスタ店でのコスプレウェイトレスは慣れたらしくジラソーレで不満が溜まったりして仕事をボイコットした時は自らビアッジォのパスタ店へコスプレウェイトレスをやりに行っている。
イザベッラ・ベリーニ
ナポリの実力者・ベリーニ伯爵の令嬢。家出した時に酒場でヴィレッダと知り合い、ジラソーレお家騒動の時に父の後見のもとジラソーレ社の大株主となり、開発第二課に入社した。通称「お嬢」。大学の馬術サークルの同窓会でカルロと知り合って以来、カルロと交際している。
服飾に関しては見識はあるものの飛び抜けた技能はなく、開発第二課ではヴィレッダやラウラの補佐に回ることが多い。しかし伯爵令嬢であるが故の豊富な人脈を持っており、しばしばそれを活かした立ち回りを見せる。相手の気持ちを汲んだ思いやりのある発言も多い。
おっとりした気品のある性格だが時に大胆な行動を起こすこともあり、特にカルロが絡むと思い込みが激しくなりしばしば暴走する。父に似て健啖家でもある。日本で触れたおたく文化を趣味にしている模様。

服飾系職人編集

イタリア編集

マリオ・サントリヨ
ミケランジェロ」の異名で内外にその名を知られた、ナポリの伝説の仕立て職人。悠の仕立て屋の師匠であり、またマリオにとって悠は唯一の正式な弟子でもある。物語開始時点ですでに故人。
職人気質の非常に強い極端に偏屈な性格で、家庭を顧みず収入も一切考慮せずに仕事を続けていたことから、家族に逃げられ多額の借金を抱えていた。弟子入りに当たって課した地下墓地での骸骨磨きの修行を8ヵ月やり通し、貪欲かつ天才的に技術を吸収し続ける悠を「自分の遺産を受け継げる」とまで評していたが、志半ばでクモ膜下出血に倒れ、帰らぬ人となった。
生前残した日本円にして累計約1億円にも上る借金は悠が引き継ぎ、現在も返済し続けている。
ジャコモ・ペッツオーリ
世界的ブランド「ペッツオーリ」の総帥兼デザイナー。ユーリアの実父。ミラノ貴族の生まれで、一代にして大ブランドを築き上げた。
経営者、デザイナーとして優れているだけでなく、職人として一流の腕を誇る。仕立て技術の習得に貪欲で、当時既にミラノのファッション界のカリスマとして確固たる地位を築いていたにも関わらず、生前のマリオに一時弟子入りしたことがある。そのため形式上は悠の弟弟子に当たり、マリオが逝去し悠が独立した後はその借金の保証人となり、必要に応じて仕事を依頼するなど、間接的にバックアップを行っている。悠の才能を高く買っており、自社に勤めないかと誘ったこともある。
会社の都合を優先して妻の死の際に傍にいなかったことから、娘のユーリアから絶縁され、現在も激しく憎まれている。しかしそれを知りながら今なお父としてユーリアに愛情を注いでおり、ジラソーレ社に対して遠回しな手助けや様々な試練を与えている。
社内でも服飾学校を催しているなど後進の教育には熱心だが、「向上心の続かない人間には早めの転職を勧める」など、自身にも他人にも厳しい人物。常に新しいデザイン、それも「去年を超える」と言われるようなものを生み出し続けなければならない重圧は尋常のものではなく、作中では一度ひどいスランプに陥ったことがあった。そのスランプ時の行動もアラン・リヴァルのように大暴れするわけでなくひっそりと失踪するというもので、場合によっては失踪したままの引退を覚悟するなど自身への厳しさを窺わせるものであった。
アンドレア・フォンターナ
ラウラの実父で、エミリアの夫。ペッツオーリ社幹部。スーツ部門統括、附属服飾教室教頭、日本支店長を経て、現在はナポリ支店長。日本語にも堪能である。
代々貴族に仕える職人の家系に生まれ、ミラノ式の高い仕立ての技術を持っているが、デザインのセンスはないとエミリアに評されている。性格は高慢な面が目立つと同時に、気が小さい。いつかペッツオーリブランドを乗っ取ろうという野心を抱いてはいるものの、ラウラをペッツオーリ総帥と結婚させる作戦はラウラにその気がなくなり頓挫、ペッツオーリの失踪に伴うお家騒動の時も気の小ささから保身に終始してしまい、結局幹部の座に収まり続けている。
その一方で、冷静に人物の本質を見抜く洞察力と、年長の職人に対して敬意を払う礼儀正しさを備えている。また、任された日本支店も不況の中で軌道に乗せるなど、経営面でも一定の手腕を見せている。
ペッツオーリとナポリ仕立てに対する対抗心から悠に対して邪険に接することが多いが、悠の実力それ自体については高く評価している。天才肌の娘ラウラに対しては、自分に教えられる技術がもうないことなどからその奔放さに手を焼いているが、職人・人間として一人前になれるよう温かく見守っている。ペッツオーリとは、互いの父娘関係を羨む間柄でもある。
ペピーノ親方
ナポリの靴職人。マルコとヴィレッダの師匠。ベリーニ伯など有力者の靴も手がけたこともあり、靴マニアからも絶賛されるほどの腕を持つ。良い靴を造るためなら水虫の足に触れることも辞さない。マルコによると「進化論も信じてないガチガチのクリスチャン」だという。
ジャンニ・ビアッジォ
マリオの兄弟子に当たる仕立て職人。礼服をフルオーダーで仕立てられるほどの技術を持っている。現在はカサルヌオボに隠居し、息子の経営するパスタ問屋に身を寄せ、パスタ料理店を経営して生計を立てている。悠からは「叔父貴」、マルコからは「ご隠居」と呼ばれることも。
老齢などのため一見ボケているように見えるが、職人として鋭い言動を見せることもあり、その技術は老いてなお磨かれ続けている。技術の研鑽も兼ねてメイド服を始めとする様々な女性用コスチュームを仕立てており、弟子入りしてきたラウラや仕事の相談に来たジラソーレ社のメンバーにそれを着せて、ウエイトレスとしてパスタ店で接客させることを趣味にしている。仕立てたコスチュームはいわゆる「アキバ系」で際どいデザインだが、見た目に反して見えそうで見えない絶対領域を死守した高い技術をつぎ込んだ代物。またモニカに仕立てたバニースーツなどはバストが自然な感じで大きくサイズアップしたように見えるように仕立てられており、その事に感嘆したモニカはビアッジォに弟子入りをお願いしている。
生前のマリオに、悠の将来を思うなら破門して別の職人に弟子入りさせるよう諭していた。
ロドリーゴ・サンチェス
ナポリ旧市街にサルトを構えるパンツ職人。パンツの仕立ての腕は悠をして自分では敵わないと言わしめ、悠やマリオから何度となく下職を受けていた。パンツだけでなく他の分野の仕立ても一通りこなせる。マルコやセルジュからは、長髪と口周りのヒゲからフック船長になぞらえて「船長」と呼ばれている。
代々パンツ職人の家系で、それ故に突出した技術と才能を持っているが、それで得られる収入の乏しさに嫌気が差し、若い頃からアイドルになることを目指し続け、40歳手前になっても未だに歌やダンスのレッスンを続けている。その夢のために方々から借金をしており、生活は常に苦しい。モデルとして成功していたセルジュに対して対抗心を抱いている。
悠の顧客となったアメリカ上院議員が、20年程前に出世払いの約束を踏み倒して役者から政治家に転向したアメリカ人の友人と知り、借金取りのためにフェデリカの誘いに乗る形で渡米。そこでひょんなことからハリウッド映画への主演が決まってしまい、紆余曲折を経て撮影は成功し作品は大ヒット、一躍全米に名前の知られる存在となり、借金も完済した。しかし件の友人との和解の席で、銃に否定的な意見[2]を述べて同席していた全米ライフル協会幹部の不興を買ってしまい、アメリカから逃げ出すようにしてナポリに帰り、再びパンツ職人となった。ただし現在でも芸能界に復帰する夢は捨てておらず、大部屋俳優の溜まり場などにも顔が利く。
職人らしい生真面目な性格で、鋭い観察眼や洞察力も持ち合わせているが、芸能界へデビューするにはその生真面目さが足枷となっていた面があり、アメリカから逃げ帰った時もフェデリカから同様の指摘をされている。ヒゲを剃り落として髪型を整えると、別人のように精悍になる。
リッカルド・サントリヨ
マリオ・サントリヨの息子。父譲りの天賦の才能と並外れた技術を持ちマリオの再来とまで謳われる仕立て職人だが、作中屈指のダメ人間としてあらゆる方面から「ナポリの白アリ」「油虫」と呼ばれ忌避されており、特に直接的に多大な被害を受けた悠(彼がマリオから引き継いだ借金の内、三割はリッカルドの物)からは蛇蝎のごとく嫌われている。それでもなおその得難い職人としての腕を求められ、なんだかんだで仕事をし続けている。
幼いころから父であるマリオの指導を直接受けていたが、マリオが家庭を顧みなかったため母と共に一時ナポリを離れる。その後ナポリに戻りサルトを開業するも、その人間性が災いしあっという間にサルトを潰すハメになる(悠がマリオに弟子入りした際には既に人手に渡っていた)。元々酒好きで放浪癖があったため、失踪しても誰にも探されることはなかった。その間外国を放浪していたのだが、その最中政情不安定な国においてスパイ容疑をかけられ長期に渡って投獄され、融和政策によって釈放された後、ナポリ仕立て屋協会革新派の招聘を受ける形で帰郷。悠らを下職に使ってベリーニ伯の注文を10日で完成させ、その先見性や実力を再び認められてジラソーレにモデリストとして雇用された。協会の内部分裂が終息した後はイタリアを離れ、フランスに渡ってリヴァルのチーフデザイナーとなったが、あまりに怠惰かつ完璧な仕事ぶりにアランも頭を痛め、ジョナタとの勝負をさせている間に工房の引き締めを果たした後穏便に退職させられる。その後、今度はペッツオーリ社に転がり込み、ジラソーレ・フィレンツェ店を通して悠と「デニムとナポリファッションの組み合わせ」を競った。この際、悠は相手がリッカルドとは知らずに仕事を絶賛していたが、リッカルドは噂話のクシャミで病気にでも罹ったかとうろたえていた。途中で相手がリッカルドだったと知った悠はひどく落ち込んでいた。その後、大手ネット通販サイト・サービスジャングルの新ブランド「ナルチーゾ(水仙)」の工房に転がり込み、雇い主の注文を煙に巻きながら居座っている。
悠よりも長くマリオの指導を受けていただけあってその腕前は本物。さらに放浪期間中の長い収容所生活では仕立て仕事を繰り返していたため、縫製の腕は昔よりも上がっているという。仕事に取り掛かり始めると全力を尽くし、時には客の要望を無視してでも「その客に真に必要なもの」を提供できるなど、作中で幾度となく語られる「職人の条件」は満たしている。問題はその人格ただ一点で、前金を呑んで納期は守らない、他所の店の貴重なデッドストックをちょろまかして自分の飲み代に充てる、会社に所属すれば経費と称して飲み歩く、借金や堕落の道に他人も巻き込むなど、「職人として100点の腕前を持つが-200点の人格であらゆる信用を失っている」人物。一見するといかなる重圧や権威、義理や義務にも屈さない世間を超越した世捨て人のようだが、その実際は納期や評価、子供の頃からかけられ続けてきた期待がプレッシャーになって逃げ出したくなったために仕事ができなかっただけと自身で振り返っている。リッカルドの存在は悠の肩書きの一つ「マリオの生涯唯一の弟子」と矛盾するようだが、これは実父マリオにすら迷惑をかけ続けたリッカルドをマリオの弟子の勘定から外そうという業界の配慮によるもの。修業時代に厳しくしごかれたドラゴネッティ親方を唯一苦手にしている。
ジョナタ・ジャイオッティ
ナポリ職人若手の有望株。実家が貧乏だったため幼い頃から仕立て屋に奉公に出されており、そのため若手の中では群を抜いて高い技量を誇っている。強面で気性が激しく、口調が独特(有体に言えば荒木飛呂彦風のキャラクター)。貧乏にコンプレックスを抱いている。
仕立て屋協会の技術養成所の一期生として協会からスカウトされ、当初はカモッラに入って成り上がりたいからと拒否していたが、カモッラの幹部に納める悠の仕事を間近に見たことをきっかけに本格的に職人を目指すようになり、養成所に入学した。その後、モード服の仕立てで世に出たいとリヴァルのデザイナーとなったリッカルドに勝負を挑み、当初は圧倒的実力差で敗北していたが、回を重ねる毎に飛躍的に成長し、最後には自力でリッカルドに勝てるまでに至っていた。

イギリス編集

パウエル親方
サヴィル・ロウ最高と言われ、世界一とも称されるウェストコート職人。そのウェストコートは「血が通っている」と言われるほどの出来映えを誇る。そのためにサヴィル・ロウで引き抜き合戦が起きたこともあり、貴族の調停によって、特にどこにも属さないサヴィル・ロウのご意見番的な立場となった。
馴染みの顧客が過去に自分の仕立てたウェストコートが遠因で事故死したことにショックを受け、一時は引退していたが、悠に触発される形でサヴィル・ロウに復帰。ギルレーズ・ハウス騒動では、ウォーレン卿の命を受けて悠を再びロンドンへと連れて行った。更に後年、後進国の富豪が金に物を言わせ休暇中のホテルを強襲してまで自分の注文をねじ込もうとするトラブルに遭い、単身悠の下へ逃亡ししばらくの間サルトを手伝っていた。
本家はイギリス海軍軍人の名家。悠のことを「ナポリタン」と呼ぶ。パウエル親方の指導を受けた経験から、この後悠は仕立ての分業仕事を請け負う際にウェストコートを担当するようになった。
ハリー・ベーコン
サヴィル・ロウの庶民向け老舗テーラー「ギルレーズ・ハウス」のサブ裁断師。ギルレーズ・ハウスの後継者と目される程の実力を持っていたが、先代のオーナーの死後、共同経営者となったチーフ裁断師と経営方針の違いから袂を分かち、ヒューイット卿の後押しを受けてギルレーズ・ハウス「新店」を立ち上げ、お家騒動を引き起こした。
サヴィル・ロウやギルレーズ・ハウスの将来を憂慮して先進的な方針を執っているが、先進的になり過ぎるあまり諸外国からも無節操に職人を掻き集める姿勢が批判を呼び、ナポリなど国外にまで騒動を波及させてしまった。ギルレーズ・ハウス騒動が終息した後は、エリックらとともに香港に渡った。
クラリッサとは顔見知りの友人同士で、彼女を「新店」側に引き抜こうとし、それが叶わぬとなると一転してジラソーレ・ロンドン支店を攻撃していた。その一方で、クラリッサを女性として意識している様子も見られた。
エリック・リヴァル
ギルレーズ・ハウス新店のチーフ裁断師。アラン・リヴァルの長男でセルジュの兄。
幼い頃からリヴァルの工房で修行を積んでいたが、過酷な修行を経たにも関わらず自分を全く認めようとしない父に嫌気が差し、フランスを出奔。イギリスに渡ってベーコンに拾われ、後にギルレーズ・ハウス新店のチーフ裁断師となった。「新店」の方針に全面的に賛同している訳ではないが、拾われた恩義に報いるべくリヴァルで培われた腕を振るう。ギルレーズ・ハウス騒動が終息した後は、ベーコンらとともに香港に渡り、新ブランドを立ち上げた。そういった立場から中国の特殊な服飾事情に詳しい。
ナポリ新旧派閥争いに乗じて中国企業によるヨーロッパ職人の引き抜きが起きた際には地元への忠告も兼ねた偵察に来たが、パリに着いて早々にアランに捕まってしまうなど、情けないシーンが多い。

フランス編集

アラン・リヴァル
フランスのモード服の大ブランド「リヴァル」の総帥。セルジュとエリックの父。
フランスの田舎の仕立て屋に生まれ、画家を目指してパリに移るも挫折、生活のために始めた服飾デザインの仕事が成功し、やがて現在の地位を築き上げた。貧しい生まれで挫折も経験し、更に服飾業界で様々な辛酸を舐め続けた経験から、激情的で嫉妬や劣等感などの負の感情が強い性格。様々な天賦の才能を持つ人間や良家の出身者に対して、必要以上に反感や対抗心を抱くことが多い。その対象はペッツオーリなど同業の商売敵だけでなく、実子であるセルジュにまで及ぶ。敵と見た相手を叩き潰す際は一切容赦せず、むしろ周囲が引くほど嬉々として相手を追い詰める。
そのような性格のためか、家庭や会社の教育方針は徹底したスパルタ方式で、特に所属する職人の4分の3が脱落すると言われる工房の厳しさは内外に知れ渡っており、セルジュとエリックにとって深いトラウマとなっている。また工房から独立した職人も、リヴァルの睨みが強過ぎるために業界で思うように活躍できず、そのことに対する批判も多い[3]
ジラソーレ社設立初期にエレナ達がモデルのアルバイトをしていた縁で、ジラソーレ社とは友好的な関係にある。ジラソーレ社とペッツオーリ社の提携によって一時関係が悪化しかけたが、悠の活躍によって元通り修復された。
経営方針は攻撃的で、常に新しいアイデアを求めそれを実践し続けている。「時計編」ではジラソーレが手掛けようとしていた「腕時計も含めたトータルコーディネート」企画を真似て、大ブランドの力を背景に無理矢理プロジェクトを進めたものの、職人側の事情を考慮しない無茶な注文が相次いだために倒産の危機を迎え、最終的にはベアトリーチェの奇策で難を逃れた。
家出したセルジュをどうにか連れ戻し工房入りさせようと画策していたが、セルジュが悠直伝のナポリ式の技術を確立させたためにパリ式への矯正が不可能になったと判断したことから、最後は悠への弟子入りを認めた。
耐え難い暗い感情が湧き上がると、チョコレートなど甘味を食べることである程度抑え込める。
マダム・ロスタン
フランスの高級紳士服ブランド「ロスタン」の創始者。90歳近い年齢になる老婦人で、フランスファッション界の長老格。イタリア・シチリア出身の針子で、嫁ぎ先のフランスで近所の子供達に作った服が評判となり、夫の協力でブランドを立ち上げ、今日の地位を築き上げた。
現在会社の実権は息子シャルルが握っているが、今なお業界に強い影響力を持っており、相談役的な立場で現場に関わることもある。同じイタリア人であるマリオのことも知っており、母子で悠をロスタンにスカウトしようとした。

その他編集

お辰(おたつ)
東京都台東区の足袋職人の老婆。悠に裁縫の基礎を教え、紳士服の仕立ての道を奨めた師匠でもある。人間国宝を顧客に持ち、自身も勲章を授与されるほどの腕前を持っていたが、悠がイタリアに渡ってから脳卒中に倒れ、手に麻痺が残ってしまったため足袋職人を引退した。
悠がペッツオーリ青山店のアドバイザーをしていた際、日本人柔道選手のスーツに関する相談を悠に持ち込んだ。
ハンネス・オーネゲル
スイス・ジュウ渓谷の時計職人。その才能と実力は非常に高く、時計師としては若年にも関わらず、師匠の後押しを受けて独立時計師となり工房を構えている。人間性は極めて温厚かつ実直だが、人間関係に不器用な上に極度の口下手で、一方的な敵意を向けられたりすると、国支給の自動小銃を持ち出してその場を切り抜けようとしてしまうような極端な一面もある。
スポンサーだったジェロームの一人娘フランシーヌと期せずして駆け落ちする形になってしまい、結婚の許しを得るための課題として、ジラソーレ社と共同で腕時計も含めたジェロームのトータルコーディネートを担当。服との調和が取れるようデザインされた数々の腕時計を製作し、最後には伝統的な機械技術と近代精密技術の粋を集めた「マリー・アントワネットに匹敵する時計」を完成させ、ジェロームの許しを得てフランシーヌと結婚、同時にその名声が世界的に知られるようになった。
専門は全く違うが、職人として刺激を与え合える悠と互いに尊敬し合っている。

イタリア人編集

ナポリ編集

ベリーニ
ナポリ貴族。爵位伯爵。ナポリ屈指の実力者で、世界的な実業家でもあり、伝統文化の保護・育成にも尽力している。趣味は馬術で、大会に何度も入賞したことがある。
基本的には公明正大な人物で、誰に対しても分け隔てなく接し、それ故に野に埋もれていた傑物を見出すことがしばしばあるが、そのような人間性のために相手の欠点などを人前で辛辣に指摘することも多い。一方で激しい気性とプライドも持ち合わせ、半ば個人的な理由で強権を振るおうとする場面もまま見られる。
かつてマリオを庇護しようとしたことでマリオとの確執が生まれ、それによって図らずもマリオに対する圧力を業界にかけさせてしまったことがある。悠に対しては初対面時に本人の目の前で「独自性がない」「師匠の猿真似」と鋭く批判していたが、その後に結婚記念日用の一着を仕立てる依頼を完遂したことで成長を認め、評価を改めた。以来悠と一流の職人として交誼を結び、ペッツオーリ社のナポリ進出を機に、カモッラに対する借金の肩代わりと手切れ金の用意を申し出て、カモッラと悠との関係を清算する手筈を整えた。
カルロ・スパランツァーニ
トスカーナ貴族の末裔。爵位は男爵。悠から「殿下」と呼ばれている。留学経験があり、英語や日本語を始めとする12種類もの言語を使いこなす。
かつては裕福な生活を送っていたが、父の死去に伴って没落して市井に落ち、ニコラとともにナポリで貧しい生活を送っていた。ふとした偶然で悠と出会い、悠に仕立ててもらったスーツで大学の同窓会に出席。同じ同窓会に出席していたイザベッラとその父であるベリーニ伯に見初められ、伯の紹介で貿易会社へ入社、現在は商社マンとして世界中を飛び回る忙しい生活を送っている。またしばしばベリーニ伯の通訳を務め、最近では大型プロジェクトを手掛けることも多くなっている。
同窓会で出会って以来イザベッラと交際しているが、多忙な生活を送っていることなどからすれ違いになることが多く、それが原因でしばしばイザベッラと諍いを起こしている。
初登場時は世間知らずな面があり、没落後の生活がニコラの稼ぎでなく家の財産の残りで営まれていると思っていた。
ニコラ・ロンギ
カルロの秘書兼執事。悠らから「三太夫さん」と呼ばれている。3代に渡ってスパランツァーニ家に仕えており、家が没落した後は老骨に鞭打っての労働でカルロの生活を支えていた。幼少の頃から世話をしてきたカルロを孫のように見ている。
カルロや目上の人間に接する時以外は傲然としており、悠のサルトに依頼に訪れる度にアップで「ひかえおろう庶民!」と叫ぶのが定番となっている。
プレゼンティ
ナポリの場末で40年間開業しているピッツェリアの店主。店の看板にはスイカをモチーフにしたデザインのピッツァの絵が描かれ、「ドン・メローネ・ロッソ(スイカおじさんの店)」と呼ばれている。
悠やマリオ、ビアッジォらの馴染みで、「真正ナポリピッツァ協会」加盟店を上回ると言われるほどの腕を誇っていたが、店の立地が良くないことと両腕に入れ墨を彫っていたことから、近年は客の入りが芳しくなかった。しかし悠が入れ墨を覆い隠すシャツを仕立て、店のことを紹介したテレビ番組が好評だったことで客足が戻り、再びピッツァ職人として忙しい生活を送るようになった。ユーリアを始めとするジラソーレ社の面々も度々店を訪れている。
親分
カモッラの頭目の一人。名前は不明。マリオの馴染みの顧客で、マリオに対して莫大な債務を負わせていた。マリオが倒れた際、マリオの治療と引き換えに借金の引き継ぎを申し出た悠の腕前を認め、借用書の名義を全て悠に変更すると同時に、悠の馴染みの顧客となった。悠が日本に帰国していた時に、サルトを引き継いでいたラウラにモーニングを依頼したこともある。
クッカリーニ
クッカリーニ鞄店の元社長で、マリオの旧友。鞄職人の家の生まれで自身も職人だったが、父が金銭や納期にこだわらない仕事を続け家が困窮したため、父の仕事を管理するべく商人に転向。やがて実家を立て直したのみならず、支店をいくつも構える大商人となった。
会社経営からリタイアし隠居しようとナポリに帰郷した時に悠と出会い、悠の鞄に対する見識や特急仕事に激昂し、腕を見極める課題と称して鞄と仕立て服の調和するコーディネートの仕事を宛がい続けていた。やがて悠の実力を素直に認めるようになったが、悠との対決に刺激を受けたのか、隠居のつもりで帰って来たナポリに新しい支店を開き、自ら店長として収まり再び鞄販売に勤しむようになった。

その他各地編集

マッシモ・ゼルビーニ
ジェノヴァの海運王・ゼルビーニ家の長男。コンスタンツェの兄。ゼルビーニ商会社長として、会長である父とともに会社の経営に携わっている。
その経営手腕と投資家としての才には定評があり、後にコンスタンツェに代わってジラソーレ社の筆頭株主となった。経営・投資方針は「守銭奴」、「銭ゲバ」とまで称されるほど(しかも本人もそれを否定していない)自己中心的かつ合理的で、将来性のある会社等を目ざとく見つけ出して投資を行う一方、投資価値がなくなったと判断した場合の見切りは極めて早い。ただしアゴスティ造船に関しては、家族ぐるみの付き合いや会社としての恩があることなどから、何かと世話を焼くことも多い。
悠の仕立ての力量を高く評価しており、自らの服の仕立てを含めて何度か仕事を依頼したことがある。
シモーネ・アゴスティ
ジェノヴァの造船業大手・アゴスティ造船の創業者の一人息子。甘やかされて育ったため傲慢で他人の迷惑を省みない性格になってしまい、金銭や資産でしか他人を評価しない。特に想像力が欠如しているとマッシモから指摘されている。事業の手腕もなく、父親から当てがわれた子会社を潰してしまっている。テンションも常に高く、マルコから「こち亀」のキャラクターになぞらえて「白鳥さん」と呼ばれている。
美しい女性と見るとすぐに口説こうとするが、「一定以上の生活レベルに達していない女性との関係は交際した内に入れていない」と公言し、基本的に格下と見下している他人との約束も守らないという最低男。家どうしの付き合いのあるコンスタンツェや、フランス服飾界でその名を知られるエレナに強引に言い寄っているが、コンスタンツェからは家族ぐるみで交際を拒絶され、エレナはチャールズも含んだ三つ巴の争いの末、勝負の舞台に立つことすら出来ず悠に取られた形になっている。この時も悠の邪魔をすることを思いつき「バッタもの(ロスタンのコピー品)を作れ」と注文を出したが、マダム・ロスタンのパーティ会場でバッタ物とバレて引っ立てられた。ただし、これは悠の仕立てがまずかったからではなく、むしろ逆だったが故[4]
窮地に陥る度に横柄な態度で悠に仕事を依頼し、それによって一時は状況が好転するものの、調子に乗り過ぎて最後には前より悪い状況を作り出してしまう。そのような状況に陥ると、海軍出身の父親から「帝王学を身に着けるため」などと称してイタリア軍に強制入隊させられており、海軍空軍陸軍のみならず軍警察にまで在籍していたが[5]、いずれもごく短期間で除隊し、その後も問題行動が収まらなかったため遂にはスペインのマグロ漁船に放り込まれてしまった。
エミリア・フォンターナ
ラウラの母でアンドレアの妻。ファッション誌「ヴェトリーナ」の記者。年齢に不相応なほど若々しい外見をしており、その行動力や体力はジュリアに勝るとも劣らない。娘と同様、極めて奔放な性格の自信家で、周囲を巻き込んで気ままに行動する場面が多く見られる。記者としての取材能力は高く、服飾に対する造詣も深い。
仕事熱心なあまり家族と別居し、家庭を顧みず仕事に打ち込み続けている。しかしラウラについては、将来を心配して大学への進学を奨め、その一方で職人としてのラウラの立場を尊重するなど、親としての一定の愛情を見せている。また夫・アンドレアに対しても、その気の小ささに辟易している様子は見られるものの、仕立ての技術については的確に評価しており、家庭を顧みず仕事に打ち込める環境を整えてくれたことに感謝し、現在でも夫婦として愛情を抱いている。
ラウラを一方的に振り回せる数少ない人間の一人であるが、ある意味ラウラ以上に周囲を振り回している。ラウラ幼少時の様々な写真(父親お手製のフリフリドレス姿やコスプレ写真)を常に持ち歩いており、ラウラを利用したい時はそれをネタにしている。
ボンピエリ
ミラノ貴族の末裔でもある服飾評論家。辛口な批評で知られ、かつて駆け出しのペッツオーリブランドを酷評して倒産寸前に追い込んだこともある。
ナポリ進出を画策するペッツオーリ社の急進派幹部の意向を受ける形でジラソーレ社を訪れ、ブランドとしての確たる方向性がないことを指摘し「ブランドの神話を見せろ」と注文、「女性が憧れる男性像」というジラソーレのコンセプトを確立させるきっかけを作った。
ペッツオーリ家とは個人的な付き合いがある。幼い頃のユーリアにも会ったことがあり、父に対して依怙地になる彼女に、ペッツオーリの本心の一端を語った。
ピエル・サントゥニオーネ
シチリア島コーサ・ノストラ、サントゥニオーネファミリーのドンの孫。フィギュア収集が趣味の大学生で、おたく気質が強く気が弱い。
悠が仕立て屋として独立したばかりの頃に、ドンの死去に伴って後継者として故郷に呼び戻された。その性格や言動からドンとしての力量を疑問視され、本人も祖父の後を継ぐことを嫌がっていたが、混乱に乗じて後継者となることを目論む武闘派の従兄弟ファウストの方針に表立って異を唱えたことで、ファウストと対立。その後、悠が仕立てた「先代の威光を再現した」スーツを纏うことで、まるで祖父が乗り移ったかのように貫禄がつき、ファミリーと地域の結束の前に孤立し追い詰められたファウストに永久追放を宣告、正式にファミリーのドンに就任した。
イレーネ・フリジメリカ
バーテンダーでユーリア達ジラソーレ創設メンバーとは大学の同期。バーテンダーとしての腕前は確かなようでヘルプのような形で個人の店やホテルのバーなどのバーテンダーを務めている。
外見は金髪セミロングで後ろ髪を一筋束ねておりメガネを着用。ヴィレッダ曰く「大地母神もかくやという見事さ」な爆乳の持ち主であり初登場時はそれに絡んでピンクレディばかり注文する客のせいでバーテンダーの先生からダメ出しを食らい自身のクビの危機という問題に直面、その対策の為に学生時代にルームメイトだったクラリッサを頼ってジラソーレナポリ本店を訪れた。一度はジラソーレでぴったりとフィットしたシャツを仕立ててもらうものの、ぴったりが逆に仇となってしまい再度ユーリアに相談するが問題点は恥ずかしくて言えず、ユーリアも聞けずとなるが、ちょうどジラソーレの仕事にヘルプで来た悠に相談してようやくわかった。オリベのアドバイスで再度シャツを仕立ててベストも新調した結果、シェイク時に爆乳が暴れるくらい揺れるという事がなくなり客もカクテルのほうを注目するようになってバーテンダーの先生からも認めてもらえるという結果になった。なお、仕立て後に悠も店を訪れたが「納品前に一度来てみるべきだったか…」とこぼしていた。
その後、『王様の仕立て屋〜サルトリア・ナポレターナ〜』のコート編にレギュラーとして再登場。ホテルのバーでマスターの代役を務めており、ホテルウーマン(クローク担当)のニナとコンビ的ポジションでニナが紛失した客の親父の形見のカシミヤバルマカーンコートを探すニナのアドバイザー的な役割をしていた。ジラソーレメンバーが訪れた際には酔っぱらって騒ぐニナを酒瓶でどつくという過激な一面もみせておりユーリア曰く「メガネキャラは時々恐ろしいな」
現在はナポリの店にいるようで時々悠がイレーネの店に飲みに訪れている。
ゾーエ・シャッカルーガ
大手ネット通販サイト「サービスジャングル」のイタリア支社長。ユーリアたちの大学同期だが、社会学者をしている父親の影響で学生時代は運動家を気どっていた。そのような立場から貴族家から飛び出したユーリアを同志と勧誘するが、目的がペッツオーリ社打倒のみと知ると一転してその活動を邪魔するようになる。卒業後は渡米し、サービスジャングル内で頭角を表した結果イタリア支社長となる。ネット通販を「消費者に平等に機会が与えられる」という観点から肯定している。
イタリア支店は服飾を主とした企業展開を行い自社ブランドとして「ナルチーゾ(水仙)」を立ち上げる。アパレル企業各社から腕利きをヘッドハンティングするが、その中にペッツオーリ社に転がり込んでいたリッカルドがいたことで、そのマイペースっぷりに振り回されることになる。

イギリス人編集

フレデリック・ウォーレン
イギリス王家の外戚に当たる貴族。世界的な実業家でもあり、サヴィル・ロウの保護に尽力している。
悠と直接対面する前に、あるパーティーの場で悠の仕事を目にしたことがある。その後、イタリア訪問中に起きたトラブルに際し、事態解決のためカルロが悠に引き合わせたのをきっかけに、その腕を見込んでイギリスに招待、サヴィル・ロウにスカウトしようとした。その後のギルレーズ・ハウス騒動では旧店を支持、悠を助っ人として再びサヴィル・ロウへ呼び寄せたり、様々な情報収集や対策の立案・実行を行った。パウエル親方の失踪騒動の際は、親方の居場所の隠蔽と件の富豪への対策に尽力していた。
チャールズ・エバンズ
イギリスの油田王。ウォーレン卿の縁戚にあたる。没落していた家を石油事業によって立て直したほどの経営手腕を誇り、紳士的な人間性も持っているが、一方で魅力的な女性と見るや即座に口説こうとするプレイボーイで、三度の離婚歴もある。
経営手腕と奔放な振る舞いは、若い頃の女性に関するトラウマに起因するもので、ラウラに振られたことによってトラウマから解放されたようだと本人も語っていたが、その後もプレイボーイぶりは変わらず、ラウラ以外にもエレナやクラリッサ、エミリアにまで言い寄っている。
ラルフ・ヒューイット
かつて植民地時代の香港で財を成したイギリス貴族・ヒューイット家の当主。前当主モルガンが香港で作った現地人の妾の子だが、本妻の子三人が全員早逝したため後継者として指名され、10歳の時に香港の貧民街からイギリスへと迎えられた。主に香港において実業家として活躍し、前当主の離婚騒動で傾いた家を一代で立て直した。顔立ちは東洋系だが瞳の色は青い。
香港において新ブランドを立ち上げるためにイギリス服飾界で実績を作ることを目論み、ベーコンの後押しを行ってギルレーズ・ハウス騒動を引き起こした。イギリス統治下時代の香港人としてのアイデンティティが強い。その出自とヒューイット家との複雑な関係から父との確執が噂されているが、互いに悪感情は抱いておらず回りくどい形ではあるが愛情すら窺わせている。

フランス人編集

クロード・ロワリエ
セルジュの友人のプロテニスプレーヤー。フランス屈指の強豪選手だが、暴力的・傍若無人な振舞いから「悪童」と呼ばれバッシングも多い。
自分のフォームや言動を頭ごなしに否定したコーチ達が全員クラシックスーツを着用していたことから、クラシックスーツに対して激しい嫌悪感を抱いていたが、悠の説得と仕立てによって克服、クラシックスタイルにも目覚めていった。その後、スポンサーだったジェロームの一人娘・フランシーヌに心を奪われ、時計に関する知識を身につけジェローム家に足繁く通い詰めていたが、フランシーヌの駆け落ちによって失恋、悪童ぶりを更に悪化させた。
ジェローム
フランス財界にその名を知られる、叩き上げの実業家。篤志家、腕時計コレクターとしても有名で、時計師のスポンサーにもなっている。50代目前になって生まれた、10歳以上歳の離れた妻との間の一人娘・フランシーヌを溺愛している。
フランシーヌがハンネスの下に家出した際、コンスタンツェの提案で、嫁取りの試験として「腕時計も含めたトータルコーディネート」をハンネスとジラソーレ社に課し、様々な機能を備えた腕時計を発注、課題全てをクリアしたハンネスとフランシーヌの結婚を認めた。
最終試験として課した「マリー・アントワネットに匹敵する時計」は、莫大な製作費がかかり世界中の資産家から集めた資金によって完成されたため、この時計についての立場は「所有者」ではなく「管理者」となっている。嫁取りの試験の後は事業を引退し隠居するつもりでいたが、最終試験の時計が世界的な話題となったためスポンサーから各国でのお披露目のオファーが殺到、事業から手を引いた後も多忙な毎日を送っている。
フランシーヌ・ジェローム
ジェロームの一人娘。コンスタンツェの友人。父から持ちかけられた見合いの話を嫌がり、スイスへ駆け落ちする形でハンネスの下へ家出、結果として欧州のみならず世界中を巻き込んだ「時計戦争」を引き起こし、最終的にはハンネスと結婚した。
お嬢様育ちでおっとりした性格だが意志が強く、対人関係が苦手なハンネスが仕事のみに打ち込めるよう陰日向に様々なサポートを続けた(ベアトリーチェから対人交渉術を、マルコから料理を習った)結果、やや攻撃的な人間性に変わった様子も見られた。

アメリカ人編集

ジョン・ゴールドバーグ
ハリウッド映画監督。世界的なヒット作を数多く生み出してきた有名人である一方、完璧主義で極端に気難しい偏屈な性格のため、近年では関わりたがる関係者が少なくなっている。離婚騒動を抱えている。
1930年代アメリカを舞台にした新作映画の制作に行き詰まっていた時に、飛び込みで自分を売り込みに来たロドリーゴを主役へ、当時のアメリカの風俗を再現したスーツを仕立てた悠を衣装担当へと抜擢。撮影中に発生した世界同時不況でスポンサーが撤退し完成が危ぶまれたが、自身の財産を全て処分することで制作費を捻出し、最後は世界的な大ヒット作を完成させた。
エイミー・シェパード
アメリカ人女優。かつては天才子役として名を馳せていたが、マネージャーだった父ハロルドのスキャンダルで没落した。我儘な性格で、父親に対しては愛憎入り混じった複雑な感情を抱いている。
スポンサーの意向によって、関係者が忌避するゴールドバーグ映画のヒロイン役を宛がわれ、紆余曲折を経て完成した映画は大ヒット、女優として芸能界へ返り咲いた。
ジョー・ローリング
大手ステーキレストランチェーン「ロッキー・グリズリーズ」社長。イタリア進出を目指してジラソーレ・ニューヨーク支店に大口注文をして仕立てたスーツに身を固めてきたが、イタリアでの挨拶回りの最中に着替えた白シャツにツッコミを喰らってしまったのをきっかけに、悠の店にやってきた。以後、イタリア滞在中は悠に何度も相談を持ち込む。
イタリア進出の理由には学生時代に起きた「ある出来事」があった。

ジラソーレ社史(抄)編集

正確な年代は不明であるので、主要事項を時系列順に並べる。

起業・拡大編集

  • ユーリアを部長として、自作の服を露店で売る大学の服飾サークルとしてスタート。陸上界のホープの同窓生に服を仕立てて最初の実績とする。そしてサークルの面々(計12名)とフィレンツェで若者向けカジュアル服ブランドとして起業する。社長:ユーリア、副社長:マリエッタ、筆頭株主:コンスタンツェ。
  • 生地の仕入れルート確保、人脈作り、資金稼ぎのためにパリ支店の準備。そのためにソフィア、サンドラ、エレナがパリでリヴァルの専属モデルとしてアルバイト。
  • パリ支店開店。モデル3人が配属。その後、ロンドン、ニューヨークに支店を置く(開店順序は不明)。
  • 高級婦人服を扱うようになり、紳士服業界へも進出。その足がかりとしてナポリに進出。

ナポリ進出編集

  • 紳士服業界の拠点としてナポリ支店開店(第1巻)。
    • 重要拠点として創業メンバーの多くを投入し、社長も常駐して指揮を執る。それに伴いマリエッタが秘書としてユーリアに随行し、パリ支店のソフィアもナポリ店に配属する。サンドラが副社長に就任し、ベアトリーチェとともにフィレンツェ本店勤務に。
    • ナポリのサルトに圧力をかけて傘下に納め、早期にナポリを制圧する計画であったが、これに失敗する。当初予定していたナポリのサルトからの支援を受けられなくなったため、その分の負担が創業メンバーにかかり、彼女らはナポリ支店から離れられなくなる。
  • ラウラがナポリにやってきて半ば強引に入社する。(第4巻)
  • 地元のナポリ仕立てに対抗して、納期の早さを売りとして攻めの経営を行う。しかし、結果として自社工房の処理能力を越えた量の注文を受けるようになり、創業メンバーの残業が目立つようになる。
  • 悠がウォーレン卿により英国に招待されたのを切っ掛けに、ラウラがロンドン支店への出張を要求、送り出すもラウラと同行者のヴィレッタは行方不明となり、結局ロンドン支店と接触することなく帰国。(第5巻)
  • ラウラが、社の功労者に送るネクタイを題材とした勝負で悠に敗北、修行を理由に辞職。そのままジャンニ・ビアッジオに入門。(第6巻)
  • フィレンツェ本店がナポリ(=社長)に無断でペッツオーリ社との業務提携を進める(ジラソーレお家騒動、第9-10巻)。
    • ペッツオーリ社のフィレンツェ進出を危惧したサンドラとベアトリーチェが、ユーリアに無断で巡らした策謀が発端。
    • マッシモが筆頭株主となり、株主として経営に介入される可能性が発生(マッシモはフィレンツェ本店の副社長側の方針に賛同しているため、乗っ取りの可能性が出てくる)。
    • アンドレア経由でラウラからフィレンツェの思惑がナポリに伝わり、社長派は対策を迫られる。
    • ヴィレッダの計略によってベリーニ家が大株主となる。株主権限でヴィレッダ、ラウラ、イザベッラが幹部して送り込まれるが、ナポリ店は彼女らを開発第二課として隔離。
    • 業務提携に関する意思決定を売り上げ競争の結果で行うことになる。フィレンツェに紳士服向けの第二支店を置き、アンナと開発第二課を配属。
    • フィレンツェ本店が競争に勝利。ペッツオーリ社との業務提携が決まる。以後、本社はナポリに移転し、第二支店と統合したフィレンツェ本店は一支店となる。開発第二課はそのままフィレンツェ支店に配属。

本店移転後編集

  • ペッツオーリ社との業務提携によってパリ支店とリヴァルとの関係が悪化する(「パリ編」第12-13巻)
    • 解決のため開発第二課をパリへ派遣するも失敗。追って派遣した悠の働きでリヴァルとの関係回復。
    • パリ支店強化のため、一時的にソフィア、サンドラをパリへ派遣。恒例のファッションショーにて新たなビジネスモデルを確立する。
  • 開発第二課をナポリ本店へ異動。以後、開発第二課を緊急時に各支店へ派遣するヘルプ(遊撃隊)とする。
  • ナポリ本店の仕事量が限界に達し、ラウラは辞表を提出。
  • ギルレーズ・ハウスを発端とするロンドン服飾業界の騒動にロンドン支店が巻き込まれる(「ギルレーズ・ハウス編」第16-18巻)。
    • 復職したラウラを含む開発第二課をロンドンに派遣し、さらに悠も赴く。
    • 騒動は終結し、ロンドン支店は希少な生地を確保してロンドン服飾界に存在をアピールする。開発第二課をナポリへ戻す。
  • ニューヨーク支店強化のため、優良な職人の確保を狙って、フェデリカがナポリ訪問(「アメリカ編」第20-23巻)。
    • フェデリカがユーリアに無断で開発第二課(及び悠、マルコ、セルジュ、ロドリーゴ)を連れてアメリカへ戻る。ナポリは再三に渡って職人の返還を迫る。
    • 日本産のデニムとパンツについて調べるため、悠達は日本へ。ナポリからの職人返還要求を拒否し、かつベアトリーチェから逃げるため、フェデリカと開発第二課、ロドリーゴはアメリカ国内でバカンス(「第2次日本編」第22巻)。
    • 世界的な大不況の影響で仕事が減り、経営状態が急激に悪化する。しかし、協賛したハリウッド映画へのグッズ独占販売で勢いを盛り返す。
  • 有名評論家ボンピエリからブランドの神話(コンセプト)を問われる(「ボンピエリのスーツ編」第24巻)。
    • ジラソーレ社の対抗的態度を不愉快に思うペッツオーリ社幹部が依頼した横槍役として、ボンピエリがジラソーレ社にやって来る。
    • 「女性が憧れる男性(恋人、夫、父親)像の提案」をコンセプトとして立て、ボンピエリに認められる。
  • ヘルプでナポリに来たクラリッサが悠に弟子入り志願し、そのまま留まる(「紳士服地編」第26-27巻)。
    • イギリスで通用する生地を求めるという目的もあり、生地探しが始まる。
    • 高級フランネルをイギリス支店の看板とすることが決まり、クラリッサはイギリスへ戻る。
  • コンスタンツェをきっかけとして「腕時計を含めたトータルコーディネート」のプロジェクトが始まる(「腕時計編」、29巻-30巻)。
    • ジラソーレの話を聞きつけたアランが、自分も企画を温めていたと主張して「腕時計を含めたトータルコーディネート」を始めてしまう。
    • エミリアが介入。ジラソーレ側の企画をヴェトリーナ誌で取り上げることで、リヴァル社に先んじていることを世間に表明する。
    • ラウラ、悠がこの件に関わっていることを知って(ラウラには伏せていた)イギリスに行き、クラリッサを巻き込み自分もやろうとする。ウォーレン卿達にブリストル公を紹介される。この頃、リヴァル社の企画が顧客要望の超インフレ化により頓挫しかけていたので、リヴァル社から溢れた客がジラソーレ社に殺到しないよう、ブリストル公を実用的にコーディネイトすることでインフレを沈静化させ、結果的にリヴァル社を救済する。
    • 突貫でフランシーヌのウェディングドレスを作り、企画完了。
  • ペッツオーリ社がついにナポリにも進出するという情報が入る。(「エスコート編」、32巻)
    • ユーリア、ペッツオーリ社に対抗しようとするが、方法は無作法かつ無茶なものばかりで社員を呆れさせ、マリエッタに止められる。エミリアから、ペッツオーリとユーリアの関係を邪推する未発表のゴシップ記事を見せられる。
    • あらぬ誤解を世間に広めないため、ベアトリーチェの発案で悠が受けた依頼と絡め、ペッツオーリとジラソーレのコラボ企画を行う。
    • 和解しかけたペッツオーリとユーリアだったが、ペッツオーリは敢えてユーリアに敵対する言葉を放つ。
  • ペッツオーリ社、ナポリに進出(「サルトリア・ナポレターナ」1巻)
  • 守旧派と革新派の争いが本格化。ペッツオーリ社が守旧派であるという理由で当初の方針を撤回、革新派に付くことをユーリアが宣言、モデリストとしてリッカルド・サントリヨを起用する。
    • しかし、リッカルドが仕事を放棄して放浪したり、アンドレアによる妨害工作に対して革新派が非協力的だったりしたため、革新派を名乗りながら守旧派に応援を頼むなど、対応に苦慮する。
    • やがて中国企業が職人の引き抜きに動き出し、対決どころではなくなる。
  • ベアトリーチェ、悠とクッカリーニの対決を耳にする。
    • ジラソーレ社なりの鞄のスタンスを確立するため、悠とクッカリーニの対決に密かに介入し、彼等のアイディアを吸収する。
  • ベアトリーチェ、パウエル親方のトラブルを知り、これを解決してベリーニ伯爵の覚えを良くするために、全社を挙げて策を練り、トラブル解決の一翼を担う。

書誌情報編集

サルト・フィニート関連書籍一覧編集

  1. 2004年01月05日発売 ISBN 978-4088593999[6]
  2. 2004年04月02日発売 ISBN 978-4088594125[6]
  3. 2004年07月02日発売 ISBN 978-4088594309[6]
  4. 2004年10月04日発売 ISBN 978-4088594422[6]
  5. 2005年02月04日発売 ISBN 978-4088594859[6]
  6. 2005年05月02日発売 ISBN 978-4088595054[6]
  7. 2005年08月04日発売 ISBN 978-4088595207[6]
  8. 2005年11月04日発売 ISBN 978-4088595412[6]
  9. 2006年03月03日発売 ISBN 978-4088595597[6]
  10. 2006年05月02日発売 ISBN 978-4088595740[6]
  11. 2006年08月04日発売 ISBN 978-4088595924[6]
  12. 2006年11月02日発売 ISBN 978-4088596044[6]
  13. 2007年01月04日発売 ISBN 978-4088596198[6]
  14. 2007年05月02日発売 ISBN 978-4088596419[6]
  15. 2007年08月03日発売 ISBN 978-4088596594[6]
  16. 2007年11月02日発売 ISBN 978-4088596792[6]
  17. 2008年02月04日発売 ISBN 978-4088596877[6]
  18. 2008年05月02日発売 ISBN 978-4088597041[6]
  19. 2008年08月04日発売 ISBN 978-4088597195[6]
  20. 2008年11月04日発売 ISBN 978-4088597393[6]
  21. 2009年02月04日発売 ISBN 978-4088597560[6]
  22. 2009年05月01日発売 ISBN 978-4088597737[6]
  23. 2009年08月04日発売 ISBN 978-4088597874[6]
  24. 2009年11月04日発売 ISBN 978-4088598055[6]
  25. 2010年02月04日発売 ISBN 978-4088598222[6]
  26. 2010年04月30日発売 ISBN 978-4088598376[6]
  27. 2010年07月02日発売 ISBN 978-4088598468[6]
  28. 2010年11月04日発売 ISBN 978-4088598604[6]
  29. 2010年12月29日発売 ISBN 978-4088598697[6]
  30. 2011年04月04日発売 ISBN 978-4088598819[6]
  31. 2011年07月04日発売 ISBN 978-4088598888[6]
  32. 2011年11月04日発売 ISBN 978-4088587738[6]
  • 大河原遁(原案協力・監修:片瀬平太)『王様の仕立て屋〜サルト・フィニート〜The Special Edition』集英社〈ジャンプ・コミックス・デラックス〉全4巻
    • 単行本ジャンプ・コミックス・デラックス版から抜粋したテーマ別の選集。
  1. The Special Edition 1 ナポリ発スーツ革命〜着ごこち世界一の紳士服〜 2008年8月4日発売 ISBN 978-4088597249
  2. The Special Edition 2 ビジネス必勝服装術〜できる男のVゾーン〜 2008年9月4日発売 ISBN 978-4088597317
  3. The Special Edition 3 体型カバーの魔法〜見た目アップの隠し技〜 2008年10月3日発売 ISBN 978-4088597362
  4. The Special Edition 4 モテる男の法則〜美女を射止める紳士の装い〜 2008年11月4日発売 ISBN 978-4088597423

サルトリア・ナポレターナ関連書籍一覧編集

  1. 2012年05月18日発売 ISBN 978-4-08-879343-6[7]
  2. 2012年10月19日発売 ISBN 978-4-08-879450-1[7]
  3. 2013年03月19日発売 ISBN 978-4-08-879543-0[7]
  4. 2013年07月19日発売 ISBN 978-4-08-879621-5[7]
  5. 2013年10月18日発売 ISBN 978-4-08-879715-1[7]
  6. 2014年03月19日発売 ISBN 978-4-08-879762-5[7]
  7. 2014年07月18日発売 ISBN 978-4-08-879876-9[7]
  8. 2014年12月19日発売 ISBN 978-4-08-890066-7[7]
  9. 2015年03月19日発売 ISBN 978-4-08-890138-1[7]
  10. 2015年7月17日発売 ISBN 978-4-08-890238-8[7]
  11. 2015年11月19日発売 ISBN 978-4-08-890280-7[7]
  12. 2016年02月19日発売 ISBN 978-4-08-890368-2[7]
  13. 2016年04月19日発売 ISBN 978-4-08-890408-5[7]

脚注編集

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  1. ^ 実際にはマリオの教えを受けた職人には他に後述のペッツオーリとリッカルドがいるが、ペッツオーリは客分扱い、リッカルドは除名扱いで「弟子」とはみなされていない。
  2. ^ 子供の頃にカモッラの銃撃戦に巻き込まれており、その際に自分をかばって負傷した人物は今でも障害を抱えているなど、客観的に見ても当然の理由ではあった。
  3. ^ しかし、逆の見方をすれば「脱落するまでは徹底的に扱いてくれる非常に面倒見のいい性格」だとペッツオーリには評されている。
  4. ^ 明らかにロスタンの仕立てを再現されているが、スタッフの記憶にない品物だった。ロスタン社長は「これだけの仕事ができる職人なら、うちにほしい」と仲裁に来たアランに詰め寄っていた。
  5. ^ このことで「自分自身が軍隊に関わりたくない」という理由で反戦運動に被れた言動を行うようになる。
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af サルト・フィニートの発売日については外部リンク「集英社マンガネット S-MANGA.net - 王様の仕立て屋〜サルト・フィニート〜 - 全巻リスト」を参照。
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m サルトリア・ナポレターナの発売日については外部リンク「集英社マンガネット S-MANGA.net - 王様の仕立て屋〜サルトリア・ナポレターナ〜 - 全巻リスト」を参照。

外部リンク編集