発券(はっけん)とは、証券類を発行することである。

概要

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証券には有価証券証拠証券があるが、日常的に接する発券行為は金券乗車券宝くじなどの有価証券の場合が多い。証拠証券の発券で身近なものとしては、紙幣の発行がある。

情報技術の発達による影響

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発券はチケットや証書など形として残る物を渡していたが、情報技術(IT)の発達、インフラ設備が整ってきたことに伴い、電子情報としてのみ発券情報を記録し、電子情報のやりとりのみで決済等が行われたり(電子マネー)、実際にチケットを発行しない形体(チケットレス)が拡大している。電子決済やチケットレスの拡大は単なるコストの削減に留まらず、新たな市場が生まれるとして期待されている。

主な例

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日本銀行券の発券
紙幣の発行。なお、日本中央銀行である日本銀行は「発券銀行」と呼ばれている。
乗車券の発行
JRみどりの窓口における乗車券の発行。発券、発行という言葉にはこだわっていないのか、自動券売機自動定期券発売機と呼ばれている。
コンビニに設置されているマルチメディアキヨスク端末によるクーポン券などの発行。

その他

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  • 株券も有価証券のため発券する必要があるが、取引の合理化等の観点から「株券不発行制度」に移行する。詳細は株券#株券不発行制度と株券不発行の原則化有価証券のペーパーレス化を参照。
  • また、株式会社が上場廃止となった場合、商法によって発行済み株券を発券し、株主に渡さなければならないと定められている。このため、2006年に証券取引法違反の疑いで上場廃止となるライブドア(発行済み株式10億株)は、売買単位が1株だったこともあり(通常は100~1,000株が多い)、大量の株券を発券する必要に迫られた。

関連項目

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