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登山道

山岳における登山やトレッキングのために徒歩利用の用に供される歩道
登山道
登山道を登る登山者
登山道を進むMTB

登山道(とざんどう)とは、山岳における登山トレッキングのために徒歩利用の用に供される歩道[1]

登山目的にかかわらず、山中にある道全般をさす場合は山道(やまみち)と表現されうる。

概説編集

登山道の整備は自然環境の保全と適正利用の観点から必要最小限度にとどめられている[1]

登山道は一般に地形条件や気象条件が極めて厳しい環境に立地しており、その距離が長く傾斜もきつい場合もあるほか、岩稜をよじ登らなければ通ることができない箇所を含むこともある[1]。整備された登山道では、各段に石積みや横木、丸太階段などが設けられ、ルートによっては木材チップを敷き詰めるなどして歩きやすいようにしている箇所もある[2][3]。一方で花崗岩の露岩となっている箇所など滑りやすい地面となっている場所もある[4]

登山道にはそれぞれルート上の特性があり、例えば丸太階段のある箇所は比較的安全に歩くことができるが、歩幅や足の上げ幅が固定されてしまうため脚への負担は大きくなる[3]

ほとんど無整備で上級登山者 (登山家、探検家)向けに高山帯や岩稜部など地形の変化に富む経路に設定された登山道はバリエーションルートと呼ぶ[1]。尾根が鋭く切り立っているヤセ尾根(鎌尾根)に登山道が設けられることもあるが、上級者向けのコースとして設定されていることが多い[5]

なお、山地のほか、丘陵地、里地、海浜地などに自然観察や自然探勝を行うために整備された徒歩利用の用に供される歩道は探勝歩道といい登山道とは区別する場合がある[1]

高層湿原などを通る登山道には貴重な植物を利用者の踏圧から防ぐ植生保護等の目的で木道を設けているルートもある[1][5]

日本の登山道編集

管理者編集

登山道は、前述の一部公道を除き管理者が不明確になっている場合が多い[6]。これは登山道の多くが自然発生的に成立したものがほとんどであり、管理上のコストやリスクを特定の者(地方自治体を含む)が負うことが困難なためである(遊歩道内の倒木による事故では、2億円近い損害賠償が認められた事例がある[7])。このため道の修繕をはじめとした管理の実態は、地元の山小屋や愛好者の一部が匿名のまま自腹や寄付金により行っている場合が多い[8]

著名なルート編集

登山国道編集

車両が通れず、歩行者のみが通れるような登山道が国道になっているところもある(いわゆる酷道の一種)。このような登山国道は、地図上では、登山道部分が通常の道路と同じく線で描かれていたり、破線(点線国道)で描かれていたり、登山道部分が線・破線共に描かれていないなど、地図によって様々なパターンがある。現在登山国道の多くは将来、車道として開通する予定であるが、自然環境の保護(国道401号尾瀬部分など)や財政難などの理由により車道として開通する予定がないものもある。かつて国道289号甲子峠は登山道に国道標識があり、登山国道として有名であったが、2008年9月21日甲子道路が開通し、国道の指定がなくなったため国道標識は撤去された[9]

この他に都道府県道市町村道が登山道になっているものも全国的に存在する。

主な登山国道編集

ヨーロッパの登山道編集

著名なルート編集

出典編集

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  1. ^ a b c d e f 第3部 施設別技術指針 第1章 歩道”. 環境省. 2019年7月24日閲覧。
  2. ^ 大関義明『これで身につく山歩き100の基本』JTB、2004年、22頁
  3. ^ a b 大関義明『これで身につく山歩き100の基本』JTB、2004年、38頁
  4. ^ 大関義明『これで身につく山歩き100の基本』JTB、2004年、36頁
  5. ^ a b 大関義明『これで身につく山歩き100の基本』JTB、2004年、203頁
  6. ^ 八ケ岳登山道の管理責任は誰に-茅野市と管理署で論議(47Club 信州山小屋ネット2007年1月5日)
  7. ^ 1億9300万円賠償確定/奥入瀬渓流落枝訴訟(デイリー東北新聞社2009年2月6日)[リンク切れ]
  8. ^ 登山道整備協力呼び掛け、各山小屋に募金箱(信濃毎日新聞2005年8月3日)
  9. ^ 佐藤健太郎『ふしぎな国道』講談社〈講談社現代新書〉、2014年、21-24頁。ISBN 978-4-06-288282-8

関連項目編集