白馬童子』(はくばどうじ)は、1960年にNET(現・テレビ朝日)系列で放映されたテレビ時代劇作品。本項ではこれをもとにした劇場版映画作品、漫画作品についても記述する。

巌竜司原作、仲木睦監督。主演:山城新伍。制作:東映モノクロ

概要 編集

時の将軍落胤である浪人、葵太郎が、事件が起こるたびに白装束に身を包み、白毛の愛馬「流れ星」にまたがった白馬童子となり、名刀・日輪丸を抜いて得意の「電光二刀流」で悪人たちを退治しながら、長崎から江戸を目指して東へ旅を続ける物語。

前番組『風小僧』で主演を務めた山城新伍が本作品でも引き続き主演[1]し、当時の子供たちを中心に大きな人気を集めて高視聴率を獲得した。本作品は俳優・山城の当たり役にして代表作となった。

テレビ版 編集

テレビ版は、長崎が舞台の『南蛮寺の決斗』に始まり、おおよそ1か月1編のペースで9編が製作された。スポンサーは前期が三洋電機、後期が永谷園一社提供であり、主演の山城自ら生CMに出演したこともあった。

放送前期は東映京都撮影所で撮影が行われたが、第二東映の設置などからテレビ時代劇の製作が実質上困難となり、後期は東映大泉撮影所で行われた[2]

1960年1月26日に30.0%の視聴率(世帯)を記録した[3]

最終回のエンディングでは、スーツ姿の山城が他の出演者、スタッフらと一緒に、視聴者へ向けてのあいさつをして番組を締めくくった。

放送期間中にはコミカライズ作品の雑誌連載のほか、テレビ版の一話『南蛮寺の決斗』をもとにした劇場版映画も製作された(後述)。

出演者(テレビ版) 編集

スタッフ(テレビ版) 編集

  • 原作 - 巌竜司
  • 企画 - 吉邊恒生、佐藤正道、野坂和馬
  • 脚本 - 村松道平、高田宏治、結城三郎、田辺虎男
  • 撮影 - 森常次、中町武
  • 照明 - 前田光秋、蛭間茂信
  • 録音 - 平太郎、大家忠男
  • 美術 - 前田清、鳥居塚誠一
  • 編集 - 河合勝巳、山口一喜
  • 音楽 - 吉田栄治、谷口浩
  • 擬斗・殺陣 - 谷俊夫、三島良二
  • 進行 - 松宮孝雄、竹内源三郎
  • 助監督 - 渡辺成男
  • 監督 - 仲木睦

主題歌 編集

  • 『白馬童子』(作詞:仲木睦、作曲:浜口庫之助、歌唱:高野政次、合唱:コロムビア児童合唱団
    • 第1編『南蛮寺の決斗』では別の主題歌が流れていた。第2編『逆襲嵐ヶ原』から用いられ、最初はコロムビア児童合唱団のみの歌によるバージョンが使われていた。

放映リスト 編集

  • 南蛮寺の決斗(1960年1月)
  • 逆襲嵐ヶ原(1960年2月)
  • 鉄火面の恐怖(1960年3月)
  • 厳島の決闘(1960年4月)
  • 悪魔の秘薬(1960年5月)
  • 黒風党の逆襲(1960年6月)
  • お坊主変化(1960年7月)
  • お化け白蝶(1960年8月)
  • 怪盗乱舞(1960年9月)

劇場版 編集

白馬童子 南蛮寺の決斗 編集

1960年3月29日公開。

出演者(劇場版第1作) 編集

スタッフ(劇場版第1作) 編集

  • 製作 - 第二東映
  • 原作 - 巌竜司  
  • 企画 - 吉邊恒生
  • 脚本 - 村松道平、高田宏治
  • 撮影 - 森常次
  • 照明 - 原田政重
  • 録音 - 平太郎
  • 美術 - 前田清
  • 音楽 - 吉田栄治
  • 監督 - 仲木睦

白馬童子 南蛮寺の決斗 完結篇 編集

1960年4月12日公開。

出演者(劇場版第2作) 編集

  • 葵太郎/白馬童子 - 山城新伍
  • 雪江 - 水木淳子
  • 夕香里 - 春海洋子
  • 小助 - 神木眞壽雄
  • 忠助 - 山本順大
  • 近眼半次郎 - 南方英二
  • 長崎屋 - 五里兵太郎
  • コープス - 青柳竜太郎
  • 奉行 - 月形哲之介

スタッフ(劇場版第2作) 編集

  • 製作 - 第二東映
  • 原作 - 巌竜司  
  • 企画 - 吉邊恒生
  • 脚本 - 村松道平、高田宏治
  • 撮影 - 森常次
  • 照明 - 前田光秋
  • 録音 - 平太郎
  • 美術 - 前田清
  • 音楽 - 吉田栄治
  • 監督 - 仲木睦

漫画版 編集

テレビドラマ放送と同時期に2誌で漫画版が連載された。

映像ソフト化 編集

2016年7月13日にベストフィールドよりデジタルリマスター版のDVD-BOXが発売された。劇場版2作および、テレビ版5~12話を収録。

脚注 編集

  1. ^ 全怪獣怪人』 上巻、勁文社、1990年3月24日、41頁。ISBN 4-7669-0962-3。C0676。 
  2. ^ 以降1964年2月に東映京都テレビプロダクションが設けられるまで東映製作のテレビ時代劇は全て大泉で撮影が行われた。
  3. ^ 全国朝日放送株式会社総務局社史編纂部 編『テレビ朝日社史 : ファミリー視聴の25年』全国朝日放送、1984年2月1日、366頁。NDLJP:12276014/448 
  4. ^ テロップ上においては『白馬童子: ?』と表記されていた。
NET 火曜日19:00 - 19:30枠
前番組 番組名 次番組
白馬童子
極楽劇場
(→均ちゃん劇場
→均ちゃんのドドンパ大将)