相鉄不動産株式会社(そうてつふどうさん、: SOTETSU REAL ESTATE Co.,Ltd.)は、大手私鉄系、相鉄グループ不動産会社。相鉄グループの不動産事業の整理により過去に同名の法人が複数存在しており[2]、現在の法人は3代目である。

相鉄不動産株式会社
SOTETSU REAL ESTATE Co., Ltd.
種類 株式会社
市場情報 非上場
本社所在地 日本の旗 日本
220-0004
神奈川県横浜市西区北幸二丁目9番14号
相鉄本社ビル7階
設立 2009年平成21年)4月10日
業種 不動産業
法人番号 9020001061238 ウィキデータを編集
事業内容 マンション開発事業,一戸建て開発事業,賃貸マンション事業,再開発・マンション建替事業,リゾート事業・その他各種施設の運営
代表者 取締役社長 杉原正義
資本金 1億円
売上高 287億3100万円
(2023年3月期)[1]
営業利益 34億2400万円
(2023年3月期)[1]
経常利益 34億9600万円
(2023年3月期)[1]
純利益 19億9800万円
(2023年3月期)[1]
総資産 577億3300万円
(2023年3月期)[1]
主要株主 相鉄ホールディングス株式会社(100%)
外部リンク http://www.sotetsufudosan.co.jp/
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概要 編集

初代 編集

荒れ地であった横浜駅西口の開発と不動産管理・商業施設の運営を目的として、相模鉄道の全額出資により1955年(昭和30年)8月22日に設立。西口は同社により『総合繁華街 横浜センター』と命名され横浜ローラースケート場をはじめ、アーケード形式の横浜駅名品街(現在は相鉄ジョイナスの敷地の一部)・高島屋ストアー(現在の髙島屋横浜店)・相鉄文化会館(初代 現在は相鉄ジョイナスの敷地の一部)・相鉄ビル(現在の横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズの場所)などを開業。また横浜高島屋(髙島屋に吸収合併)・横浜精養軒(相鉄ローゼンに吸収合併)・相高(相鉄ローゼンに吸収合併)・横浜ステーシヨンビル(旧 横浜シァル、のちにJR東日本に譲渡)などを設立。当初の目的を果たしたとして、1962年(昭和37年)9月1日に相模鉄道(現 相鉄ホールディングス)に吸収され消滅。なお不動産以外の事業は、同日に相模鉄道から相鉄興業(現在の相鉄ローゼン)に事業譲渡された。[3]

二代目 編集

相模鉄道沿線の住宅地の開発・販売を目的として、1979年(昭和54年)12月12日 に設立。

三代目 編集

相鉄グループの持ち株会社化準備のための事業整理に伴い、2010年(平成22年)1月1日相鉄アーバンクリエイツが相鉄不動産(2代目)を吸収合併したうえで、相鉄不動産に商号変更。 2005年平成17年)4月相模鉄道株式会社(現 相鉄ホールディングス)の事業持株会社制への移行に伴い、旧開発事業本部が分社化した。その後、2010年(平成22年)1月1日付で相鉄アーバンクリエイツと合併し、合併の際に相鉄不動産(2代目)は消滅会社となった(面的開発整備事業が相鉄アーバンクリエイツへ)。不動産分譲業、居住系賃貸業、別荘業に関しては、2009年(平成21年)4月13日に設立された相鉄都市開発株式会社が、2010年(平成22年)1月1日付で吸収分割により承継し、相鉄不動産(3代目)に商号変更を行った。現在は相鉄ホールディングスの100%子会社である。

不動産事業のうち、レジデンシャル系に特化し、分譲を得意とする。神奈川県を中心とした環境創造型大規模マンション開発が主力である。2009年首都圏マンション供給ランキングは545戸で22位【神奈川県内マンション供給数では463戸で4位】(週刊住宅社調べ)。伝統的に相鉄沿線の住宅地開発、土地区画整理を手がけてきたが、近年は、沿線外の住宅供給も多い。

分譲事業以外では、栃木県那須高原において別荘分譲地「相鉄の那須」や、コテージ「アルカディア」の運営も行っている。また高齢者施設賃貸事業として、2007年(平成19年)5月に介護付有料老人ホーム「ライフコミューン希望が丘」を開業させている。最近では、賃貸マンション事業を本格化させ、居住系賃貸業のウェートを増しつつある。

沿革 編集

相鉄グループの沿線開発・横浜駅西口開発と密接なかかわりがあるため、それも併せて記述する[3][4]

前史 編集

初代 編集

  • 1952年(昭和27年)11月28日 - 相模鉄道がスタンダード・バキューム・オイル(現 エクソンモービル)から横浜駅西口の約2万5千㎡の土地を買収。
  • 1953年(昭和28年)12月 - 相模鉄道社内に当社の前身となる企画室が設置され、横浜駅西口の開発計画の一部として横浜センターの建設を立案。
  • 1955年(昭和30年)8月22日 - 横浜駅西口の開発を目的として、相模鉄道によって相鉄不動産株式会社(初代)を設立。
  • 1956年(昭和31年)4月2日 - 横浜駅名品街が開業。映画館 第1劇場・第2劇場を開館。相鉄横浜駅内に相鉄食堂を開店。
  • 1957年(昭和32年)
    • 4月1日 - 横浜駅名品街の第1次拡張部分が開業。
    • 4月12日 - 髙島屋との共同出資で、株式会社横浜高島屋(1995年に高島屋に吸収合併)を設立。
    • 8月27日 - 精養軒・日本麦酒(現 サッポロビール)・相模鉄道との共同出資で、横浜精養軒(現 相鉄ローゼン)を設立。
    • 9月21日 - 相鉄文化会館(現在は相鉄ジョイナスの一部)が開業。会館内に映画館 第1劇場(後の相鉄映画劇場)・相鉄地下劇場と、寄席 相鉄演芸場を開館。
  • 1958年(昭和33年)
    • 3月14日 - 旭区万騎が原の用地を買収し、神奈川県と共同で戸建て住宅中心の万騎が原団地を開発。
    • 9月19日 - 横浜駅名品街の第2次拡張部分が開業。映画館 第3劇場を開業。
  • 1959年(昭和34年)
    • 4月6日 - 相模鉄道・高島屋との共同出資で、株式会社相高(現 相鉄ローゼン)を設立。
    • 10月1日 - 相鉄会館(高島屋の部分)を建設し、横浜高島屋(現 高島屋横浜店)の第一期部分が開店。
  • 1961年(昭和36年)
  • 1962年(昭和37年)
    • 9月1日 - 相模鉄道が相鉄不動産株式会社(初代)を吸収。物品販売業・飲食店業・映画館業・遊技場業・広告業などを、相鉄興業(現 相鉄ローゼン)に譲渡。

相模鉄道直営化 編集

二代目 編集

三代目 編集

  • 2009年(平成21年)
    • 4月1日 - 相鉄都市開発株式会社を設立。
    • 5月27日 - 株式会社相鉄アーバンクリエイツ及び相鉄不動産株式会社の合併について合併契約書調印。
    • 6月22日 - 合併契約書承認株主総会にて合併期日を2010年(平成22年)1月1日(合併登記同年1月4日)。合併方式は相鉄アーバンクリエイツを存続会社とし、相鉄不動産を消滅会社とする吸収合併とする旨決定。
  • 2010年(平成22年)1月1日 - 会社分割により、相鉄都市開発株式会社に不動産分譲業・居住系賃貸業・別荘業を譲渡し、相鉄都市開発が相鉄不動産(3代目)に商号変更。相鉄不動産(2代目)は、相鉄アーバンクリエイツに吸収され消滅。
  • 2014年(平成26年)4月1日 - 相鉄不動産販売の、一戸建て住宅分譲業を授受。

不動産ブランド 編集

自社分譲マンション・一戸建てのブランドとして「グレーシア (GRACIA)」シリーズを展開[6]。「グレーシア」は「grace」を用いた造語。

タワーマンションとしてはグレーシアタワーズ所沢、グレーシアタワー三鷹、グレーシアタワー二俣川、グレーシアタワーズ海老名がある。ほか大規模なものに、グレーシアシティ横濱いずみ中央、グレーシアシティ川崎大師河原、グレーシアガーデンたまプラーザ、グレーシア緑園都市ガーデンプレミア(2008年グッドデザイン賞受賞)、グレーシアスクエア綱島、グレーシアブランシェ横浜山手(2005年グッドデザイン賞受賞)、グレーシア横濱ベイ、グレーシアシティ立川など多数。

また、賃貸マンションブランドとして「KNOCKS(ノックス)」を展開している。

土地区画整理事業 編集

いずみ野線延伸に伴い、大規模な宅地造成を図るため、土地区画整理事業の手法を用いてきた。土地区画整理組合の業務代行を行い、先買地や保留地などを優良な宅地化し販売してきた。なお、2010年1月1日以降同事業は、相鉄アーバンクリエイツが事業承継。同社が造成した住宅地は以下のとおり。

  • 「湘南みずき」=「香川・下寺尾特定土地区画整理組合」
  • 「早川城山」=「早川特定土地区画整理組合」
  • 「緑園都市」=「中川第一土地区画整理組合」
  • 「いずみ中央」=「いずみ中央土地区画整理組合」

など多数。住宅地開発も早川城山住宅地ブランニューヴィレッジ(神奈川県綾瀬市早川城山)他多数。

脚注 編集

  1. ^ a b c d e 相鉄不動産株式会社 第14期決算公告
  2. ^ 相鉄グループ100年史』 相鉄ホールディングス 、2018年12月、276-277ページ
  3. ^ a b 相鉄不動産七年史編纂員『相鉄不動産七年史』 相鉄不動産、1962年、1 - 15・103 - 111ページ
  4. ^ 相鉄グループ100年史』 相鉄ホールディングス 、2018年12月、376-394ページ
  5. ^ a b 相鉄グループ100年史』 相鉄ホールディングス 、2018年12月、99ページ
  6. ^ 一戸建ては「グレーシアライフ (GRACIA Life)」として展開。

外部リンク 編集