眠る女
ヨハネス・フェルメールによる絵画
『眠る女』(ねむるおんな、オランダ語: Slapend meisje)は、オランダの画家、ヨハネス・フェルメールによる作品。
概要編集
- 制作年代:1657年ごろ[1]
- 技法:カンヴァス、油彩
- サイズ:87.6×76.5 cm[1]
- 所蔵:メトロポリタン美術館(アメリカ合衆国、ニューヨーク)
- 来歴:デパート経営者のベンジャミン・アルトマンが1908年に購入。1913年にメトロポリタン美術館に遺贈。
解説編集
フェルメールによる、室内の女性を描いた作品としては、最も初期のものとされる。画中にあるライオンの頭部の飾りのついた椅子、東洋風の絨毯、白いワイン入れなどは、以後のフェルメールの作品にしばしば登場する。テーブルの上の2つのワイングラス(1つは倒れている)は、女が酒に酔って眠り、家庭の主婦としての勤めをおろそかにしていることを暗示している。テーブルの上の果物の鉢も性的な堕落を示唆するものである。女の背後の壁に掛けられた絵は、暗くてよく見えないが、キューピッドが仮面(虚偽の愛)を踏み付けている様子がわずかに見える。女の背後の開けっぱなしのドアの向こうには隣の部屋が見える。X線写真によると、絵のこの部分には犬(やはり性的なものを示唆する)と、一人の男が描かれていたが、後に画家によって塗りつぶされたことが明らかになっている[2]。
脚注編集
- ^ a b “A Woman Asleep at Table by VERMEER, Johannes”. www.wga.hu. 2021年6月11日閲覧。
- ^ “A Maid Asleep”. www.metmuseum.org. 2021年6月11日閲覧。
参考文献編集
- Liedtke, Walter A. 『Vermeer and the Delft School』Metropolitan Museum of Art、2001年。ISBN 978-0-87099-973-4 。