矢倉岳

神奈川県南足柄市の山

矢倉岳(やぐらだけ)は神奈川県南足柄市にある[1]標高870 mの山である。

矢倉岳
新松田駅付近から望む矢倉岳(2012年11月)
標高 870 m
所在地 神奈川県南足柄市
位置 北緯35度19分43秒 東経139度02分07秒 / 北緯35.32861度 東経139.03528度 / 35.32861; 139.03528座標: 北緯35度19分43秒 東経139度02分07秒 / 北緯35.32861度 東経139.03528度 / 35.32861; 139.03528
山系 足柄山地
矢倉岳の位置(日本内)
矢倉岳
矢倉岳
矢倉岳の位置(神奈川県内)
矢倉岳
矢倉岳
プロジェクト 山
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概要 編集

神奈川県西部の箱根山地丹沢山地の間に広がる足柄山地にある山で、金太郎伝説で知られる金時山(1,213 m)の北側に位置する。おにぎりを立てたような特徴的な山容をしており[2]足柄平野から足柄山地の山々を眺めた際にひときわ目立つため、一目でそれと分かる。

山頂部は平坦な裸地で、一角には木造の見晴台が設けられている[3]。足柄山地の独立峰的な山であるため360度の眺望があり、富士山、金時山や明神ヶ岳などの箱根山地の山々、丹沢山地、相模湾などを望むことができる。

矢倉岳と金時山の鞍部にある足柄峠を越える旅人を見張る櫓(やぐら)のような山容をしていることから、矢倉岳と呼ばれるようになったといわれている[2]

地質 編集

矢倉岳周辺の足柄山地の山々は南側に広がる箱根山地の一部として扱われることも多いが、地質的には金時山北西から北流する内川に沿って伸びる内川断層によって両山地は隔てられている。足柄山地の多くは約200 - 70万年前に形成された足柄群層と呼ばれる堆積岩の地層からできているが[4]、矢倉岳は足柄群層に貫入した石英閃緑岩によって構成されている[5]。現在の矢倉岳は貫入した石英閃緑岩体が隆起して浸食を受けた姿であり[5]、この貫入岩体は約100万年前に形成された比較的新しい深成岩とされている[4]

周辺の山 編集

山容 名称 標高m 矢倉岳からの
方角と距離km
山系 備考
  富士山 3,776  西 28.2 独立峰   日本最高峰
  不老山 928  北北西 8.4 丹沢山地
  大野山 723  北 6.5 丹沢山地
足柄山地
  鳥手山 665  北北東 2.2 足柄山地
  鷹落場 819  北 1.3 足柄山地
  矢倉岳 870   0 足柄山地
  足柄峠 759  西南西 2.4 足柄山地
  丸鉢山 962  南西 4.5 足柄山地
  金時山 1,213  南南西 5.1 足柄山地
箱根山地
日本三百名山
足柄山地の最高峰
  神山 1,438  南 10.6 箱根山地 日本三百名山
箱根山の最高峰
  明神ヶ岳 1,169  南南東 5.7 箱根山地
 県道78号御殿場大井線聖岳(ひじりだけ)白銀山(しろがねやま)明星ヶ岳(みょうじょうがたけ)明神ヶ岳(みょうじんがたけ)金時山(きんときやま)足柄峠(あしがらとうげ)鷹落場(たかおちば)富士山(ふじさん)三国山(みくにやま)鉄砲木ノ頭(てっぽうぎのあたま)不老山(ふろうざん)大野山(おおのやま)丹沢山地(たんざわさんち)松田山(まつだやま)小田急小田原線酒匂川橋梁足柄山地(あしがらさんち)箱根山地(はこねさんち)酒匂川(さかわがわ)酒匂川橋梁
小田急小田原線新松田駅付近より見た矢倉岳周辺の山々 (2012年11月撮影)

登山 編集

登山道 編集

 
足柄万葉公園 - 矢倉岳の登山道(2010年9月撮影)

登山道は矢倉岳東麓の矢倉沢から登るルートや南麓の地蔵堂からのルート、足柄万葉公園(足柄峠の北)からのルートなどがある。いずれのルートも登山口から山頂まで2時間前後と手軽に登れることから初心者やファミリー向けの低山として人気が高い。万葉公園はウメの季節(2月上旬 - 3月上旬)がおすすめである。[6]

登山口までのアクセス 編集

東麓および南麓登山口の矢倉沢、地蔵堂までは関本(大雄山駅前)よりバスが運行されている。関本へは大雄山線のほか、小田急線新松田駅からバスでアクセスすることもできる。

足柄万葉公園へは土休日限定(冬季は運休)で地蔵堂よりバスが運行されている。なお、関本からの直通バスも存在するが、運行本数は少ない。

関連画像 編集

脚注 編集

  1. ^ 『箱根 金時山・駒ヶ岳 2011年版 (山と高原地図 29)』 昭文社ISBN 978-4398757692
  2. ^ a b 『神奈川県の山』、山と渓谷社、2012年、ISBN 978-4-635-02363-4、p62-63
  3. ^ 『丹沢・箱根 日帰りハイキング』、実業之日本社、2005年、ISBN 4-408-00131-7、p134
  4. ^ a b 『神奈川の自然をたずねて』、築地書館、2003年、ISBN 978-4806712596 、p243-244
  5. ^ a b 足柄の地質の教材化に関する基礎的研究 - 2012年12月15日閲覧
  6. ^ 登山ルート・山旅スポット. “特徴別の登山コースが魅力 矢倉岳の登山ルート・難易度”. 山旅旅. 2020年10月8日閲覧。

参考文献 編集

関連項目 編集