石平 (評論家)

石 平(せき へい、シー・ピン(中国語発音表記:Shi Ping)(1962年〈昭和37年〉1月30日[1] - )は、日本評論家[1]。主に日中問題・中国問題を評論している[2]中華人民共和国四川省成都市出身[2]2007年日本国籍を取得[2][3]。2008年4月より拓殖大学客員教授[2]

石 平
せき へい(シー ピン)
誕生 (1962-01-30) 1962年1月30日(55歳)
中華人民共和国の旗 中国
職業 作家評論家
言語 日本語
国籍 中華人民共和国の旗 中国日本の旗 日本
教育 北京大学哲学
最終学歴 神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了
活動期間 2002年 -
ジャンル 評論
主題 日中の政治経済外交問題
代表作 『なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか』
主な受賞歴 第23回山本七平賞
デビュー作 なぜ中国人は日本人を憎むのか』(2002年)
公式サイト www.seki-hei.com
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目次

人物編集

※以下、原則と表記。

生い立ち〜日本との関わり編集

1962年、中華人民共和国・四川省成都市で生まれる。1966年、文化大革命の最中に教師であった両親が大学から追放されて農場へ「下放」されたため、四川省の農村部で漢方医である祖父によって養育された。祖父は石に漢方医を継がせるべく、医者になるための教養として密かに「論語」を教えていたが、石が11歳の時に肺がんで死去[4]

中学校時代、ゴミ拾いの貧しい老婆が近所に住んでいて、いつも学校帰りの石少年ら子供たちに、笑顔で「勉強頑張ってね」と声をかけていたが、ある日突然その老婆がいなくなり、「反革命分子」として政府に逮捕されたことを知った[5]。数日後、老婆はトラックに乗せられ町中の市民に見せつけるため一巡させられた後、処刑場で銃殺された[5]。この老婆が「反毛主席」の大罪で処刑された理由が、ゴミ捨て場から拾った新聞紙(毛沢東の顔写真を印刷されていた)で大根を包んでいたからということをその後知った石少年は衝撃を受けた[5]

1980年9月に北京大学哲学部に入学し、1984年7月に卒業。北京大学在学中の1982年頃より、毛沢東暴政の再来を防ぐ目的で中国民主化運動に情熱を傾け始める。1988年4月に日本に留学し、日本語学校入学。文化大革命および1989年に勃発した天安門事件における中国共産党の党利党略ぶりへの憤怒と絶望感を抱き、「この国にはもはや用がない、何の愛着も義理も無い」と祖国である中華人民共和国との精神的決別に至った[5]。その一方、留学中の日本で、中国の古き時代の文化を守り発展させた日本文化に魅力を感じるようになり、孔子や論語の思想が日本の精神に生き続けていると感激し、次第に「愛日主義者」となっていった[4][6]。1995年に神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了(学位は未取得)。民間研究機関に勤務。

2002年(平成14年)初頭に中華人民共和国国内に広がる反日感情をレポートした書物を出し、論壇デビュー。以来、『正論』、『Voice』、『WiLL』などの保守論壇誌に論考を寄稿し、日中関係・中国問題などを論じている。また、フジテレビ・読売テレビ・テレビ朝日・TBSなどの中国関連ニュース番組・討論番組でコメンテーターを務めている。

日本へ帰化編集

2007年(平成19年)11月30日、日本に帰化[7]。2008年(平成20年)4月に拓殖大学客員教授に就任。夏には公式サイトを(#外部リンク)開設し、同時にまぐまぐ無料メールマガジンも発行開始した[8]

2009年(平成21年)3月より産経新聞で隔週連載コラム「石平のChina Watch」の連載を開始[9]。2009年8月14日、『私は「毛主席の小戦士」だった』の改題改訂版である『私はなぜ「中国」を捨てたのか』を刊行し、2010年(平成22年)末には10万部を突破するベストセラーとなった[10]

2011年(平成23年)3月5日、日本人女性と結婚大阪住吉大社にて神前結婚式を挙げる[11]東京披露宴も開催された[12]

2013年(平成25年)8月18日より、石平太郎名義でTwitterを開始し、2016年7月26日の時点で14万4500以上のフォロワーを得る[13]

2014年(平成26年)9月、著書『なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか』(PHP新書)で第23回山本七平賞を受賞。

活動・主張編集

中国問題に関する論評では、定番の政治問題・社会問題・外交戦略以外に、経済問題を取り上げることもある。

歴史認識編集

日本の教育については、「子供達に一方的に、日本は侵略国家だったと教えるのは止めるべきである。……道徳心愛国心を教えるのも当然だが、歴史教科書の記述は中立でなければならない」としている[14]

『日本に来るまで南京大虐殺など一度も聞いたことがなかった。中国の小学校、中学校の教科書にも南京大虐殺なんて載ってませんでした。……蒋介石自身も抗議していない。日本留学から中国に帰ったとき、南京出身の大学のクラスメイトに、「親父さんかお祖父さんから、大虐殺の噂を聞いたことがあるか」と聞いたら、やはり「ない」と言っていました。中国では、歴史的な大虐殺が何度もありました。……そういう所を掘り返すと、たしかに人骨がいっぱい出てくるんです。面白いことに、二千年前の記述でも嘘じゃなくて、必ず出てくる。しかし、南京から何十万体の骨が出てきたなんて話、一つも聞いたことがない』と述べている[15]

文明論編集

著書『私は「毛主席の小戦士」だった』(2006年)の後半部分で独自の日中文明比較論を行い、皇室神道を「コア」とする日本の民族文化などを賞賛し、自らは日本を愛する「愛日主義者」であると宣言した[16][6]岡崎久彦産経新聞の「正論欄」で、石の日本観を「その日本理解の深さは明治以来の外国人哲学者の中でもトップクラス」だと評価し[17]入江隆則伊原吉之助も同じ「産経新聞・正論欄」にて石の「日本文明論」を評価している[18]

渡部昇一、岡崎久彦、葛西敬之山谷えり子北尾吉孝などとの対談集『論語道場』(2007年)などでは、「中国で生まれた孔子の論語の精神は、むしろ日本で一番よく理解されて生かされている」との見方を示し[19][20]、日本語における「敬語」の体系の奥深さについて触れつつ、「の心」の言語感覚が自然に身についている日本人の精神世界にこそ、「孔子様の思想と心情の真髄」が生きて受け継がれていると語っている[20]

その他編集

  • 2008年(平成20年)9月26日から10月2日までに台湾を訪問。台湾の民主主義を絶賛し、李登輝元総統にも会っている。李は石に対し、「あなたの本を読んで、感心していますよ」と言ったという[21]
  • 民主党政権が推進する日本における外国人参政権付与政策に反対している[22]靖国神社肯定[23]。‬‬
  • 韓国における反日感情を批判しており、石が家に帰ると、当初は韓国に興味の無かった妻からも、「平さん、何とかしてよ。本当に腹が立つよ」と毎日のように言われるという[24]
  • 在日韓国人辛淑玉さんは沖縄の反米軍基地運動に積極的に参加されている。しかし彼女が国籍を持つ韓国にも、米軍基地はあるはずである。もし米軍基地はすなわち「悪」なら、彼女はどうして韓国でも同じ運動をやらないのか、愚鈍の私にはさっぱりと分からないのである。」とTwitterで発言[25][26]

過去の出演番組編集

著作編集

単著編集

  • 『なぜ中国人は日本人を憎むのか』 PHP研究所、2002年1月16日ISBN 4-569-62004-3
  • 『中国「愛国攘夷」の病理――吹き荒れる電脳ナショナリズム』 小学館〈小学館文庫〉、2002年6月。ISBN 4-09-402746-7
  • 『数字が証す中国の知られざる正体――「21世紀は中国の世紀」のウソを暴く』 日本文芸社、2002年9月。ISBN 4-537-25115-8
  • 『「日中友好」は日本を滅ぼす!――歴史が教える「脱・中国」の法則』 講談社〈講談社+α新書〉、2005年7月20日ISBN 4-06-272327-1
  • 『中国人だから見える日中の宿命』 扶桑社、2006年5月。ISBN 4-594-05159-6
  • 『私は「毛主席の小戦士」だった――ある中国人哲学者の告白』 飛鳥新社、2006年10月19日ISBN 4-87031-761-3
  • 『中国大虐殺史――なぜ中国人は人殺しが好きなのか』 ビジネス社、2007年11月。ISBN 978-4-8284-1401-0
  • 『論語道場 『論語』の教えが人生を教えてくれた』 致知出版社、2007年12月。ISBN 978-4-88474-797-8
  • 『これが本当の中国33のツボ――知っているようで知らない』 海竜社、2008年3月。ISBN 978-4-7593-1014-6
  • 石平 「中国史とは虐殺の歴史だ」『拉致と侵略の真実 教科書が教えない日本被害史 完全保存版』 西村幸祐 責任編集、オークラ出版〈OAK MOOK 199号 撃論ムック Vol.9〉、2008年3月。ISBN 978-4-7755-1143-5
    • 石平 「中国史とは虐殺の歴史だ」『日本被害史 世界でこんなに殺された日本人』 オークラ出版、2012年12月24日ISBN 978-4-7755-1980-6
  • 『中国「悪魔の辞典」』 小学館〈Clickシリーズ〉、2008年7月30日ISBN 978-4-09-387802-9
  • 『2010年 中国が牙をむく』 PHPパブリッシング、2008年11月。ISBN 978-4-569-70362-6
  • 『中国経済崩壊の現場――中国のメディアが語る』 海竜社、2009年1月。ISBN 978-4-7593-1051-1
  • 『中国大逆流――絶望の「天安門20年」と戦慄の未来像』 ベストセラーズ、2009年5月25日ISBN 978-4-584-13162-6
  • 『なぜ、日本人は日本をおとしめ中国に媚びるのか』 ワック〈Wac bunko B-114〉、2009年11月24日ISBN 978-4-89831-614-6
  • 『謀略家たちの中国――中国四千年の悲哀』 PHP研究所、2009年11月25日ISBN 978-4-569-77523-4
  • 『中国の経済専門家たちが語る ほんとうに危ない!中国経済』 海竜社、2010年9月。ISBN 978-4-7593-1151-8
  • 『日中をダメにした9人の政治家』 ベストセラーズ、2011年3月25日ISBN 978-4-584-13298-2
  • 『中国ネット革命』 海竜社、2011年5月。ISBN 978-4-7593-1183-9
  • 『中国人の正体』 宝島社、2011年6月17日ISBN 978-4-7966-8174-2
  • 『【中国版】サブプライム・ローンの恐怖』 幻冬舎〈幻冬舎新書 せ-1-1〉、2011年9月28日ISBN 978-4-344-98234-5
  • 『わが子に教えたい日本の心 武士道精神の源流』 PHP研究所、2012年3月13日ISBN 978-4-569-79518-8
  • 『中国――崩壊と暴走、3つのシナリオ』 幸福の科学出版、2012年5月30日ISBN 978-4-86395-201-0
  • 『中国人に負けない7つの方法』 宝島社、2012年7月11日ISBN 978-4-7966-9847-4
    • 『中国人の嘘にだまされない7つの方法』 宝島社〈宝島SUGOI文庫〉、2013年1月10日ISBN 978-4-8002-0509-4
  • 石平 「寄稿 中国から見た日本の天皇の不思議、そこに流れる知恵」『まんがと図解でわかる 天皇のすべて 日本人なら知っておきたい天皇のお仕事と歴史が理解できる!』 所功 監修、宝島社〈別冊宝島1910〉、2012年10月12日ISBN 978-4-8002-0163-8
  • 石平 「“すべてが中国である”という「中華思想」は、中国人以外誰も理解できない」『領土問題、私はこう考える! 孫崎享、山田吉彦、鈴木宗男ほか識者たちの提言』 畠山理仁 構成、集英社〈経営者の本棚〉、2012年11月26日ISBN 978-4-08-781516-0
  • 『尖閣問題。真実のすべて』 海竜社、2012年12月。ISBN 978-4-7593-1284-3 - 山田吉彦岡崎久彦との対談を収録。
  • 『日中新冷戦構造』 イースト・プレス〈イースト新書 003〉、2013年6月3日ISBN 978-4-7816-5003-6
  • 『「歪んだ経済」で読み解く中国の謎 習近平と中国は何を狙っている?』 ワニ・プラス〈ワニブックス|PLUS|新書 097〉、2013年6月8日ISBN 978-4-8470-6062-5
  • 『「全身病巣」国家・中国の死に方 蝕まれた虚像の大国が悲鳴を上げる』 宝島社、2013年10月21日ISBN 978-4-8002-1681-6
    • 『「全身病巣」国家・中国の死に方 蝕まれた虚像の大国が悲鳴を上げる』 宝島社〈宝島SUGOI文庫 Dせ-2-3〉、2014年9月4日ISBN 978-4-8002-2714-0 - 石 (2013d)に加筆・修正を行い改定。
  • 『なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか』 PHP研究所〈PHP新書〉、2013年11月16日ISBN 978-4-569-81621-0
  • 『なぜ中国人にはもう1%も未来がないのか』 徳間書店、2014年5月23日ISBN 978-4-19-863800-9
  • 『世界征服を夢見る嫌われ者国家中国の狂気 習近平体制崩壊前夜』 ビジネス社、2014年6月20日ISBN 978-4-8284-1757-8
  • 『中国崩壊カウントダウン 中国は崩壊の歴史を必ず繰り返す!』 宝島社、2014年7月14日ISBN 978-4-8002-2334-0 - 文献あり。
  • 『帰化人が見た靖国神社のすべて 日本人になった中国人 日本人は「靖国神社」にお参りしよう!』 海竜社、2014年8月。ISBN 978-4-7593-1383-3 - 年表あり。
  • 『なぜ中国は覇権の妄想をやめられないのか 中華秩序の本質を知れば「歴史の法則」がわかる』 PHP研究所〈PHP新書 979〉、2015年3月13日ISBN 978-4-569-82485-7
  • 『「死に体」中国の宿命』 宝島社〈宝島SUGOI文庫〉、2015年8月6日
  • 『暴走を始めた中国2億6000万人の現代流民』 講談社、2015年10月1日
  • 『習近平にはなぜもう100%未来がないのか』 徳間書店、2015年11月28日
  • 『なぜ中国はいつまでも近代国家になれないのか』 PHP研究所、2015年12月16日
  • 『韓民族こそ歴史の加害者である』 飛鳥新社、2016年5月7日。
  • 『偽装国家・中国の「歴史認識」』 宝島社〈宝島SUGOI文庫〉、2016年5月10日

共著・編著・共編著編集

翻訳編集

  • 胡鞍鋼 『かくて中国はアメリカを追い抜く――胡錦濤-温家宝体制の戦略』 PHP研究所、2003年6月23日ISBN 4-569-62865-6

脚注編集

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  1. ^ a b 評論家 石平”. 覚悟の瞬間. 株式会社enjin. 2015年9月19日閲覧。
  2. ^ a b c d 石 平”. 人名事典. 株式会社 PHP研究所. 2015年9月19日閲覧。
  3. ^ 【石平のChina Watch】天津事故に見た習近平体制の綻び”. 産経ニュース. 株式会社産経デジタル (2015年8月27日). 2015年9月19日閲覧。
  4. ^ a b 石平「第4章 日本で出会った論語と儒教の心」(石2009c, pp. 144-189)
  5. ^ a b c d 石平「私は『毛沢東の戦士』だった」(石2009c, pp. 16-60)
  6. ^ a b 石平「第5章 わが安息の地、日本」(石2009c, pp. 194-237)
  7. ^ 石平「新版まえがき」(石2009c, pp. 3-6)
  8. ^ チャイナウォッチML
  9. ^ 石平. “石平のChina Watch”. MSN産経ニュース. 2014年1月25日閲覧。
  10. ^ 月刊『WiLL』2011年2月号の152ページの広告欄。同誌の同年5月号171ページの広告欄には、12万部突破と報じている。
  11. ^ 無料メールマガジン・石平(せきへい)のチャイナウォッチ、2011.05.27 No.127号。
  12. ^ 無料メールマガジン「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成23年7月19日・通巻第3368号。
  13. ^ liyonyon
  14. ^ (石 2011a) [要ページ番号]
  15. ^ 渡部昇一、石平「一体どこが「侵略」だというのか」、『歴史通』11号(2011年3月号)、ワック、2011年3月、 146-163頁。
  16. ^ 「第五章 私が見惚れたこの『美しい国』日本」(石 2006b, pp. 182-222)
  17. ^ 産経新聞「正論欄」[いつ?]
  18. ^ 産経新聞「正論欄」[いつ?]
  19. ^ (石 2007c) [要ページ番号]
  20. ^ a b 「第四章 日本で学んだ論語と儒教の心」(石 2006b, pp. 134-179)
  21. ^ 石平「台湾はやはり中国ではなかった」、『WiLL』48号(2008年12月号)、ワック・マガジンズ、 214-219頁。
  22. ^ YouTube - ‪石平先生のメッセージ‬‏‬‏ http://www.youtube.com/watch?v=14yhl1zvi0g
  23. ^ 評論家 石平氏提言 - ‪ニコニコ動画 http://www.nicovideo.jp/watch/sm4879844
  24. ^ 西村幸祐 共著『「反日」の敗北』の40頁。
  25. ^ 2017年1月31日のツイート
  26. ^ 辛淑玉氏の「若者は死ね 年寄りは捕まれ」の沖縄基地反対運動について 百田尚樹氏や松井一郎・大阪府知事が語る ガジェット通信 2017.02.07

外部リンク編集