禁断の惑星

アメリカの映画作品

禁断の惑星』(きんだんのわくせい、Forbidden Planet)はアメリカ合衆国SF映画1956年メトロ・ゴールドウィン・メイヤーから公開された。監督はフレッド・M・ウィルコックス英語版、主な出演者はウォルター・ピジョンアン・フランシスレスリー・ニールセンなど。イーストマン・カラーシネマスコープを用いて撮影された。1950年代のSF映画の中でも傑作のひとつとされ[4]、現代SF映画の前身とされている。登場人物や孤立した舞台がウィリアム・シェイクスピアのテンペスト[5]と類似しており、プロットの一部に同作と対応する部分があるため、大まかな意味での翻案と見做されている。

禁断の惑星
Forbidden Planet
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監督 フレッド・M・ウィルコックス英語版
脚本 シリル・ヒューム英語版
原案 アーヴィング・ブロック
アレン・アドラー英語版
製作 ニコラス・ネイファック英語版
ナレーター レス・トレメイン英語版
出演者 ウォルター・ピジョン
アン・フランシス
レスリー・ニールセン
音楽 ベベ・アンド・ルイス・バロン英語版
撮影 ジョージ・J・フォルシー英語版
編集 フェリス・ウェブスター英語版
製作会社 MGM
配給 MGM
公開 アメリカ合衆国の旗 1956年3月15日
日本の旗 1956年9月8日[1][2]
上映時間 98分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $1,968,000[3]
興行収入 $2,765,000[3]
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『禁断の惑星』は後のSF映画で用いられる多数の要素を開拓した。SF映画として初めて人類が自ら作り上げた超光速宇宙船による恒星間移動を描き[6]地球から遠く離れた別星系の惑星のみを舞台とした最初の映画でもあった[7]ロボットのロビーは、足を付けただけの「ブリキ缶」ではないロボットとして映画に登場した最初期のキャラクターである。ロビーには明確な人格が与えられており、脇役として重要な役割を演じている[8]。SFに限らず、純粋な電子音楽(Bebe and Louis Barron提供)を初めて用いた画期的な作品でもあった。

第29回アカデミー賞ではアカデミー視覚効果賞にノミネートされた。

ストーリー編集

宇宙移民がはじまった2200年代。アダムス機長が率いる宇宙船C-57-D(日本語テレビ版では「アンドロメダ号」)は、20年前に移住しその後連絡を絶った移民団の捜索のために、アルタイル第4惑星(アルテア4)へ着陸する。アルテア4移民団の生き残りは、モービアス博士と、アルテア4で誕生した彼の娘であるアルティラのわずか2名と、モービアスが作り上げたロボット・ロビー英語版だけだった。

モービアスは捜索団に対して、アルテア4にはかつて、極度に発達した科学を創り上げ進化した「クレール人」が先住民族として存在したが、原因不明な理由で突然滅亡した、と告げる。そして移民団は正体不明の怪物に襲われ、自分たち2名と彼の妻(後に別の理由で死亡)以外は死んでしまったという。残ったモービアスは、クレール人の遺跡に残っていた巨大なエネルギーを生成する設備を分析・使用し、モービアス自身の能力を飛躍的に増進させていた。ロビーもその結果出来たものだ。さらに彼は、おそらくC-57-Dも怪物に襲われるだろうと予告し、一刻も早くこの星を離れるよう求める。そしてモービアスの言葉通りにふたたび現れた怪物はC-57-Dを襲撃、乗組員を殺害し始めた。しかしアダムスは、アルティラと恋仲となったこともあり、即時の離陸を拒否。モービアスとアルティアを、あるいはせめてアルティラだけでも、地球に連れ帰ろうとする。

いよいよ怪物の猛威が彼らに迫ったとき、クレール人の遺跡のエネルギーが最大出力に達していたことに気付いたアダムスは博士を問い詰める。そして彼は、怪物の正体が「イドの怪物」とでも呼ぶべき、モービアスの潜在意識、自我そのものだということを見破る。移民団やC-57-Dの乗組員を襲った怪物も、実は遺跡の装置によって増幅され具現化したモービアスの潜在意識(憎しみ)のなせるわざであった。そしてクレール人も、自分たちの潜在意識を制御しきれず、巨大なエネルギーでお互いに殺し合い、自滅したのだ。怪物はアダムスや博士達に襲いかかる。博士はロビーに攻撃するよう命じるが、元が主人である怪物を撃つことが出来ない。自らの心の暗黒面を正視したモービアスは、怪物の前に立ちふさがる。

怪物は消滅したが、モービアスは虫の息となる。彼は遺跡の自爆装置を作動させ、アルテア4もろとも滅びる道を選ぶ。アダムス機長は、アルティラとロビーを伴ってC-57-Dに戻り、生き残ったクルーとアルテア4から離脱する。そしてアルテア4が爆発するのを確認すると、父の死を嘆くアルティラを抱きしめ、我々は神ではないことを教えてくれたモービアスの名は銀河を照らす灯台となるだろうと語る。

キャスト編集

役名 俳優 日本語吹替
テレビ朝日版1 テレビ朝日版2
エドワード・モービアス博士 ウォルター・ピジョン 大木民夫 森山周一郎
アルティラ・モービアス アン・フランシス 田原久子
ジョン・J・アダムス機長 レスリー・ニールセン 小林修
ドク・オストロウ ウォーレン・スティーヴンス英語版 原田一夫 大塚周夫
ジェリー・ファーマン ジャック・ケリー英語版 山田康雄 広川太一郎
クイン リチャード・アンダーソン 家弓家正
クック アール・ホリマン 愛川欽也
ボースン ジョージ・ウォレス英語版
グレイ ボブ・ディックス英語版

作品の評価編集

Rotten Tomatoesによれば、批評家の一致した見解は「『テンペスト』を印象的なセットとシームレスな特殊効果で翻案した『禁断の惑星』で、シェイクスピアは豪華な宇宙の待遇を受けている」であり、46件の評論のうち高評価は96%にあたる44件で、平均点は10点満点中8.2点となっている[9]

ロビー・ザ・ロボット編集

登場するロボットロビー・ザ・ロボット英語版」は、SFに登場するロボットのひとつのモデルを確立した。『宇宙家族ロビンソン』のフライデーや「スター・ウォーズシリーズ」のR2-D2は、ロビーの直系の子孫であると言ってもよい(ロビーとフライデーのデザインはどちらもロバート・キノシタが担当したものである)。ロビーはその後『続・禁断の惑星 宇宙への冒険』(原題は『THE INVISIBLE BOY』)、『トワイライト・ゾーン』『アダムスのお化け一家』など多数の作品にゲスト出演した。多くの玩具が発売されており、また「主役の補佐をするマスコット的なロボットの存在」という設定において日本のアニメ特撮にも大きな影響を与えたとされる。[要出典]

「ロビー」の描写は、1950年に発表されたアシモフの『われはロボット』に登場するロボット工学三原則の影響を受けており、これは“「怪物を止めよ」というモービアス博士の命令を受けたロビーが放電しながら機能停止してしまう”というシークエンスにて表現されている。イドの怪物はモービアスの潜在意識を具現化したものであったため、「怪物を止める」にはモービアス博士を殺すしか方法がなかったからである。

関連作品編集

映像商品編集

  • ワーナー・ホーム・ビデオより、国内盤DVDが繰り返し発売されている。定価690円のシリーズにもラインナップされたが、その後1,500円に再値上げしている。

音楽商品編集

脚注編集

[脚注の使い方]

注釈編集

  1. ^ 再放送1978年6月28日『水曜ロードショー

出典編集

  1. ^ 禁断の惑星 - allcinema
  2. ^ 禁断の惑星 - KINENOTE
  3. ^ a b (英語) The Eddie Mannix Ledger, Los Angeles: Margaret Herrick Library, Center for Motion Picture Study 
  4. ^ Booker, M. Keith (2010). Historical Dictionary of Science Fiction Cinema. Metuchen, New Jersey: Scarecrow Press, Inc. 978-0-8108-5570-0, p. 126.
  5. ^ Wilson, Robert Frank (2000). Shakespeare in Hollywood, 1929–1956. Madison, New Jersey: Fairleigh Dickinson University Press. 0-8386-3832-5. p. 10.
  6. ^ "Forbidden Planet: Ultimate Collector's Edition from Warner Home Video on DVD, Special Edition". Whv.warnerbros.com. 2015年1月16日閲覧
  7. ^ Ring, Robert C (2011). Sci-Fi Movie Freak. Iola, Wisconsin: Krause Publications, a division of F+W Media. 978-1-4402-2862-9.
  8. ^ "Robby, the Robot" Archived June 29, 2011, at the Wayback Machine.. The Robot Hall of Fame (Carnegie Mellon University). Retrieved: January 16, 2015.
  9. ^ Forbidden Planet (1956)” (英語). Rotten Tomatoes. 2021年2月15日閲覧。

外部リンク編集