福羽いちご(ふくばいちご)はイチゴの品種名[1][2]。日本で開発されたイチゴの品種としては最初のものであり、とちおとめあまおうとよのかさちのかといったイチゴの品種の先祖にあたる[1][2]

福羽いちご
福羽いちご(新宿御苑温室 展示)
オランダイチゴ属 Fragaria
オランダイチゴ F. × ananassa
交配 ゼネラル・シャンジー
開発 新宿植物御苑 (現新宿御苑) 福羽逸人
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イチゴが日本に伝わって来たのは、江戸時代の終わり頃であったが、食用ではなく観賞用であり普及しなかった[2]。明治時代になると、アメリカやヨーロッパから様々な品種のイチゴが日本に入って来たが、輸入した苗は輸送中に枯れてしまうことが多く、うまく育たなかった[3]

福羽逸人は新宿植物御苑(現新宿御苑)でフランスのイチゴ品種「ゼネラル・シャンジー」から10年以上をかけて開発を行い、1899年に新品種「福羽いちご」として発表した[1][3][4]。福羽いちごは皇室献上用であり御苑イチゴ御料イチゴとも呼ばれていた[1]

1919年には一般市場での栽培が許可されるようになり、福羽いちごは日本中で人気となった[3]。甘さも香りも強い福羽いちごは1960年代までは高級品種として人気であった[5]

テレビ番組『ザ!鉄腕!DASH!!』では新宿DASHの企画の一環として新宿御苑から福羽いちごの苗10株をわけてもらい、これを育成。80株に増やしている(2021年時点)[4]。番組で育成した福羽いちごの果実は身は赤々としているが、いびつな形が特徴で、甘さも香りも強いものであった[4]

出典 編集

  1. ^ a b c d 「福羽イチゴ」展を開催しています”. 新宿御苑 (2020年2月11日). 2022年7月25日閲覧。
  2. ^ a b c 国産第1号は新宿御苑生まれ!『福羽苺』と言います。【鈴木杏樹のいってらっしゃい】”. ニッポン放送 (2021年2月3日). 2022年7月25日閲覧。
  3. ^ a b c イチゴ品種改良に成功 福羽 逸人(津和野町出身)”. 山陰中央新報デジタル (2018年8月22日). 2022年7月25日閲覧。
  4. ^ a b c 新宿DASH ~福羽イチゴと新宿虫-1グランプリ!~”. 日本テレビ (2021年6月20日). 2022年7月25日閲覧。
  5. ^ 『図説果物の大図鑑』マイナビ出版、2016年、154頁。ISBN 9784839953843