(こく)とは、成熟した穀物種子の形態の一種で、からは外し取り、がついたままの穀粒を指す。から取ったものを稲穀(とうこく)、から取ったものを粟穀と呼ぶ。

がついたままで脱稃はしていないため保存性が良い。古代においては、倉庫に貯蔵する場合は穀であることが多かった。ただし種籾用には穂を付けて保管することも多かった(品種の区別を分かりやすくする目的などのため)。

中国北魏賈思勰が著した農書斉民要術』では穀は五穀の総称であるとしている。また「穀」という字が稷(=粟)を指すというのは正しくないが、世間(北魏統治下の華北)では主食である粟(稷)のことを穀と称しているとも記している[1][2]

出典 編集

  1. ^ 「穀、稷也、名粟。穀者、五穀之總名、非指謂粟也。然今人專以稷爲穀、望俗名之耳」(巻1「種穀」第3:原注)
  2. ^ 古賀登『両税法成立史の研究』雄山閣、2012年、235・523頁、ISBN 978-4-639-02208-4NCID BB09728395