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立山火山(たてやまかざん)は、飛騨山脈(北アルプス)立山連峰西斜面にある活火山富山県に属する。

立山(弥陀ヶ原)火山
奥大日岳から望む弥陀ヶ原を通る立山有料道路、その稜線の左から室堂山、国見岳、天狗山、右奥に薬師岳(1994年10月10日撮影)
奥大日岳から望む弥陀ヶ原を通る立山有料道路、その稜線の左から室堂山、国見岳、天狗山
標高 国見岳 : 2,621 m
所在地 富山県中新川郡立山町
位置 北緯36度34分16秒
東経137度35分23秒
山系 飛騨山脈
種類 成層火山
Project.svg プロジェクト 山
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なお、立山三山(富士ノ折立、大汝山、雄山)は火山ではないため、混同を避けて弥陀ヶ原火山(みだがはらかざん)とも呼ばれる。

目次

概要編集

室堂平から、弥陀ヶ原、美女平と続くなだらかな斜面と立山カルデラ、そして鷲岳鳶山を含んだ五色ヶ原が立山火山である。

かつて成層火山があったものが、弥陀ヶ原と五色ヶ原を分ける立山カルデラの侵食が進んで山頂部が失われていったと考えられている[1]

主な火山活動は、地獄谷と周辺での硫気活動、温泉などである。

形成史編集

22万年前から火山活動を始め、安山岩デイサイト溶岩で2,800 - 3,000 mほどの火山体を形成した。その後、侵食カルデラが成長し、山体が弥陀ヶ原と五色ヶ原に分断された。侵食カルデラの中では多数の爆裂火口が形成されたと考えられているが、その痕跡はまだ発見されていない[2]

  • 第1a期 - 約22-20万年前。湯川谷火山類の噴出。火口位置は鳶山より南方?[3]
  • 第1b期 - 約15-10万年前。主に五色ヶ原を形成する溶岩が噴出された。火口位置は鷲岳の北西-北が中心で、龍王岳獅子岳に西側に高さ2,800 mを超える成層火山が形成された[3]
  • 第2期 - 約10万年前。"称名滝"火砕流堆積物(噴出量約10km3)の噴出。この火砕流堆積物は、下部に弱溶結の軽石流である芦峅寺火砕流堆積物と、上部に強溶結のスコリア流である称名滝火砕流堆積物に分けられる[4]。火口位置は室堂平五色ヶ原の中間付近? 弥陀ヶ原・五色ヶ原などの火砕流台地を形成[3]。また、侵食が始まった。
  • 第3期 - 約9-4万年前。火山活動の溶岩流で天狗平が形成され、天狗山、国見岳を形成する溶岩が噴出した。火口位置は室堂山南方付近。2,800 - 3,000 mの火山体が形成された[3]。以後、マグマ噴火は発生しておらず、水蒸気噴火のみとなる。
  • 第4期 - 約4万年前より現在。室堂平周辺のミクリガ谷や地獄谷などの爆裂火口群を形成、地獄谷類質テフラ層が堆積[3]

有史以降の主な活動は以下のとおり。

火山リスク編集

 
剱岳の早月尾根上部から望む地獄谷の噴気活動(2014年8月2日)

「立山は国が監視、観測体制の充実の必要があるとする四十七の火山に含まれていない」ため、「火山性地震」などの測定データがなく[6]、火山リスクの科学的判断はされていない状態。

ただ、土地の管理者である環境省による地獄谷での火山性ガスの計測はなされている。近年はそのガス濃度が高まり、2012年より地獄谷は立ち入り禁止が続いている。室堂から雷鳥平へ続く遊歩道では、特に地獄谷からのガスの風下に近いハイマツが茶色に枯れている個所が増加している[7]。 そのため、環境省は遊歩道沿いのガス計測ポイントを増やした。また、遊歩道のう回路の計画もされている [8]

例えば、2013年5月度の火山概況(気象庁)では以下の通りであった。

東北地方太平洋沖地震(2011年3月11日)以降、弥陀ヶ原周辺では地震活動が活発な状態となり、2011年10月から11月には、さらに活発化しました。その後、周辺の地震活動は低下しつつも継続しています。一方、弥陀ヶ原近傍の地震は少ない状態で経過しました。立山地獄谷では以前から熱活動が活発に継続しており、この付近では火山ガスが高濃度になることありますので、注意してください。[9]

また、2014年8月度の火山概況(気象庁)では以下の通りである。

弥陀ヶ原[噴火予報(平常)]弥陀ヶ原近傍の地震は少ない状態で経過しました。立山地獄谷では以前から熱活動が活発に継続しており、この付近では火山ガスが高濃度になることがありますので、注意してください [10]

立山カルデラ編集

立山カルデラは、立山火山が侵食されてできた、東西6.5 km, 南北5 kmの侵食カルデラである。大規模な砂防工事が行われている。

脚注編集

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  1. ^ 2000年、富山市での中野俊の講演より
  2. ^ 立山カルデラ博物館展示等
  3. ^ a b c d e 中野俊, 奥野充, 菊川茂 (2010年). “立山火山”. 地質学雑誌 116 (Supplement): 37-48. doi:10.5575/geosoc.116.S37. https://www.jstage.jst.go.jp/article/geosoc/116/Supplement/116_Supplement_S37/_article/references/-char/ja/ 2017年10月21日閲覧。. 
  4. ^ 濁川暁・野上景子・石崎泰男 (2013年). 立山火山第2期噴出物(“称名滝”火砕流堆積物)の地質. https://doi.org/10.18940/vsj.2013.0_120 2017年10月21日閲覧。. 
  5. ^ 中野俊, 伊藤順一 (1998年). “立山火山の噴火記録”. 火山 43 (3): 123-126. doi:10.18940/kazan.43.3_123. https://doi.org/10.18940/kazan.43.3_123 2017年10月21日閲覧。. 
  6. ^ 立山は低い噴火可能性 火山活動は年々活性化 中日新聞(CHUNICHI Web)[リンク切れ]
  7. ^ 立山地獄谷周辺に生育するハイマツの生存に及ぼす火山性ガスの影響 (PDF)
  8. ^ 立山連峰・地獄谷、火山ガス噴出広がる 立ち入り禁止2年 日本経済新聞 2014/4/21
  9. ^ 月間火山概況 気象庁
  10. ^ 月間火山概況 気象庁

参考文献編集

関連項目編集

外部リンク編集