竪琴
複数の弦を上下方向に張り、各弦が固有の音を出す撥弦楽器の総称
竪琴(たてごと)は、複数の弦を上下方向に張り、各弦が固有の音を出す撥弦楽器の総称。西洋音楽に使うハープが代表的であるが、アジア各国などにも異なる種類のものがある。
各地の竪琴編集
- ハープ - 西洋音楽に用いられる竪琴の総称。アイルランドのアイリッシュ・ハープ(アイルランドの国章にも使われている)、スペインのアルパなど、地域性を持つ種類もある。
- 竪箜篌 - 中国の伝統楽器箜篌(くご)の内、竪置きのもの。朝鮮でも使用された。
- サウン・ガウ - 日本の小説、映画『ビルマの竪琴』で取り上げられているミャンマーの楽器。中国の箜篌の変形で、鳳首箜篌とも呼ばれる。
- 薩摩竪琴 - 昭和初期に、日本の鹿児島県で作られた楽器。中国の古筝、日本の筝と同じく、琴柱(ことじ)を持つ多弦のツィター属の楽器で、この位置を変えて調音するため、上記の各竪琴とは調音原理が異なる。金属弦(ピアノ線)を張っており、近年の中国の筝や沖縄県の琉琴に似るが、長さは筝の3分の2程度で、演奏時に立てて、弦の下部を右手だけで弾くという奏法の違いもある。指には爪をはめる。門付や行商の客集めのために街頭で使われた[1]。
- 奄美竪琴 - 昭和初期に薩摩竪琴を元に日本の鹿児島県奄美大島で作られた楽器で、長さは筝の3分の2から2分の1程度。演奏時に立てて、弦の下部を右手の爪やバチで弾き、左手は打楽器でリズムを取るのに使う。街頭での演奏の他、奄美のシマ唄の伴奏にも使われた。
脚注編集
- ^ 橋口敏美、橋口歌裕、『薩摩竪琴』、2000年、鹿児島、自費出版