笑う警官 (マルティン・ベック)
『笑う警官』(わらうけいかん)は、ペール・ヴァールーとマイ・シューヴァル共著によるスウェーデンの警察小説「マルティン・ベックシリーズ」の第4作[2]である。
笑う警官 Den skrattande polisen | ||
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著者 |
ペール・ヴァールー マイ・シューヴァル | |
訳者 | 高見浩 | |
発行日 |
1968年 1972年(文庫) | |
発行元 |
アドバドロス社[1] 角川書店、角川文庫 | |
ジャンル | 警察小説・ミステリー | |
国 | スウェーデン | |
言語 | 日本語 | |
形態 |
上製本 文庫 | |
ページ数 |
432(文庫) | |
前作 | バルコニーの男 | |
次作 | 消えた消防車 | |
コード |
ISBN 4-04-252002-2(文庫) | |
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高見浩訳の翻訳の原書は、アラン・ブレア(Alan Blair)訳、パンテオン・ブックス(Pantheon Books)の英語版「The Laughing Policeman」[3] 。日本での出版に際し、角川書店が版元に支払った料金は、前金で200ドル。当初は文庫本としてシリーズ1作目の『ロゼアンナ』から刊行されたが、本作の売り上げが一番良く、途中から単行本に切り替えられた[4]。
あらすじ
編集1967年11月13日23時3分、ストックホルムとソルナの市境で路線バスが道路から外れて停止する。通報を受けたパトカーが駆けつけると、瀕死の1人を除き乗車中の全員が死亡していた。現場に到着したマルティン・ベックは、被害者の中に部下のオーケ・ステントルムが含まれていることを知る。
目撃者も存在せず、被害者のほぼ全員が死亡しているため、誰がどのような理由で狙われたのかも分からず、捜査は各被害者の背景を調べるところから始まった。地方からも応援を頼み捜査を続けるうち、被害者の何人かは裏に後ろ暗い事情を抱えていることが判明したが、その中に1人だけ身元不明の被害者がいた。
その一方、事件当時に非番だったステントルムは、ある未解決事件の独自調査を単独で行っていたことが判明する。
登場人物
編集- マルティン・ベック警視
- ストックホルム警察殺人課主任。
- レンナルト・コルベリ警部
- ストックホルム警察殺人課捜査員。
- グンヴァルド・ラーソン警部
- ストックホルム警察殺人課捜査員。
- フレドリック・メランデル警部
- ストックホルム警察殺人課捜査員。
- エイナール・ルン刑事
- ストックホルム警察殺人課捜査員。
- オーケ・ステントルム刑事
- ストックホルム警察殺人課捜査員。尾行が特技。
- ペール・モーソン警部
- マルメ警察。地方からの応援。捜し物の名手。
- ウルフ・ノルディン警部
- スンツヴァル[5]警察。地方からの応援。
- オーサ・トーレル
- ステントルムの恋人。旅行代理店に勤務。
- アルフォンス・シュベーリン
- 被害者中唯一の生存者。
映画
編集→詳細は「マシンガン・パニック」を参照
脚注
編集- ^ 『最後の角川春樹』、2021年11月発行、伊藤彰彦、毎日新聞出版、P276
- ^ この作品群は個々の作品が独立しており、「続き物」ではないが、登場人物たちの生活は続いており、ベックと家族の関係は第一作から徐々に変わっていく。著者たちは、10作全体でひとつの「犯罪小説」を書いたと言っている。
- ^ 1922年、イギリスの歌手、チャールズ・ジョリーが、チャールズ・Penroseという偽名で抱いたシングルレコード曲のタイトル。ミュージックホール向けの歌。YouTubeで聞くことができる。作品中でベックが家族からのクリスマスプレゼントとしてこれをもらった。https://www.youtube.com/watch?reload=9&v=hI1nPd7hezM 高見浩訳のp@162-163 に出てくる。2019年6月29日閲覧
- ^ 『最後の角川春樹』、2021年11月発行、伊藤彰彦、毎日新聞出版、P276
- ^ 本書では「スンドスヴァル」と表記。