第一管区海上保安本部

管区海上保安本部の1つ

第一管区海上保安本部(だいいちかんくかいじょうほあんほんぶ)とは、主に北海道地方のオホーツク海、ならびに北海道北方領土管轄範囲とする、海上保安庁管区海上保安本部の一つである。

第一管区海上保安本部
創設 1948年5月1日
所属政体 日本の旗 日本
所属組織  海上保安庁
部隊編制単位 管区海上保安本部
所在地 北海道 小樽市
担当地域 北海道地方 オホーツク海 北方領土
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略称は一管一管本部と称呼することもある)、英語表記は1st Regional Coast Guard Headquarters。本部は北海道小樽市港町にあり、下部組織として8つの海上保安部、8つの海上保安署・分室、航空基地3カ所を有する。管轄面積は国内最大である。

特徴 編集

ロシアとの間に広大な国境海域があり、ロシア国境警備隊による漁船の拿捕・銃撃が頻発していることから、特に、宗谷海峡北方領土周辺海域では、常に警備体制を敷いている。

その一方で、ロシア政府との協力関係も維持しており、サハリン油田開発における海洋汚染防除・麻薬拳銃密輸の水際阻止等で協力している。また、北海道周辺海域は世界的な好漁場であるため、中国や韓国の漁船が進出し、排他的経済水域内の違法操業や日本が定めた禁漁期に操業するなどのトラブルが多発している。その監視・取り締まり業務、沿岸海域の密漁監視にも力を入れている。

その他、冬期間の流氷監視及び砕氷船による航路啓開、函館航空基地所属ヘリによる奥尻島ヘリコプター救急津軽海峡泊発電所周辺海域における警備業務、北海道周辺(特に北太平洋)の広大な沖合海域におけるSAR協定に基づく捜索・救難業務等も、第一管区の大きな仕事である。

一管関連年表 編集

  • 1948年5月1日:海上保安庁発足とともに小樽海上保安本部として設置。管轄地域は北海道および周辺海域。
  • 1950年6月1日:第一管区海上保安本部に改編。
  • 1953年8月8日:ラズエズノイ号事件発生。領海侵犯したソ連船を銃撃戦のうえ、拿捕
  • 1953年10月1日:函館航空基地を開設。小樽海上保安部稚内警備救難署が稚内海上保安部に昇格。
  • 1954年9月26日:函館沖にて、洞爺丸事故発生。
  • 1956年:日ソ海難救助協定署名・発効。
  • 1963年4月1日:釧路海上保安部根室海上保安署が根室海上保安部に昇格。
  • 1965年4月1日:小樽海上保安部留萌海上保安署が留萌海上保安部に昇格。
  • 1966年5月:第十一進洋丸事件。国後島沖で、漁船・第十一進洋丸がソ連艇と接触、死亡事故発生、ソ連側に拿捕される。
  • 1967年:千歳航空基地を開設。
  • 1978年10月:釧路航空基地を開設。
  • 1990年8月28日:サハリン・ユジノサハリンスク空港までコンスタンチン君の救助飛行を実施。
  • 2022年4月23日:知床遊覧船沈没事故発生。

組織 編集

 
第一管区

廃止された事務所 編集

所属船艇・航空機 編集

巡視船・巡視艇 編集

合計:37隻

  • PLH ヘリコプター搭載大型巡視船:2隻
  • PL 大型巡視船:5隻
  • PM 中型巡視船:10隻
  • PS 小型巡視船:3隻
  • PC 大型巡視艇:5隻
  • CL 小型巡視艇:12隻
所属 巡視船 巡視艇 その他
PLH / PL PM PS PC CL
函館海上保安部 つがる(PLH02) おくしり(PM39) ゆきぐも(PC117) すずらん(CL170)
江差署 かむい(PS41)
瀬棚署 あかしあ(CL97)
小樽海上保安部 しれとこ(PL65) ほろべつ(PM98) すずかぜ(CL143)
えさん(PL89) やぐるま(CL120)
室蘭海上保安部 れぶん(PL72) えぞかぜ(CL167) 監視取締艇

ぽおらすたあ(SS36)

こざくら(CL166)
ちよかぜ(CL171)
苫小牧署 消防機能強化型

りゅうせい(PC56)

とまかぜ(CL18)
浦河署 うらづき(PC103)
釧路海上保安部 そうや(PLH01) いしかり(PM52) あさかぜ(CL172)
えりも(PL02)
広尾署 とかち(PM53)
留萌海上保安部 ちとせ(PM59) はまなす(CL96)
稚内海上保安部 りしり(PL11) もとうら(PM12) きたかぜ(CL76)
紋別海上保安部 だいせつ(PL61) そらち(PM57)
網走署 ゆうばり(PM11)
根室海上保安部 くなしり(PM37) さろま(PS02) きたぐも(PC118)
かりば(PS08)
花咲分室 ゆきかぜ(CL81)
羅臼署 てしお(PM15) かわぎり(PC120)

航空機 編集

一管は固定翼機3機、回転翼機7機を保有している。

所属 機型番号 + 通称 機体記号 機種
函館海上保安部(つがる搭載機) MH919 はいたか JA919A シコルスキー S-76D
釧路海上保安部(そうや搭載機) MH922 せきれい JA922B
千歳航空基地 MA723 おおわし1号 JA723A ボンバルディア DHC-8 Q300
MA724 おおわし2号 JA724A
MA727 おおわし3号 JA727A
函館航空基地 MH913 くまたか2号 JA913A シコルスキー S-76D
MH980 くまたか JA980A アグスタ AW139
釧路航空基地 MH904 しまふくろう2号 JA904A シコルスキー S-76C
MH909 しまふくろう JA909A
MH910 しまふくろう JA910A シコルスキー S-76D

外部リンク 編集