第九軍団のワシ』(だいきゅうぐんだんのワシ、The Eagle of the Ninth)は、1954年に出版されたローズマリー・サトクリフによる歴史冒険児童小説。ハドリアヌスの長城が築かれた後、紀元2世紀のブリタンニアを舞台とする。

第九軍団のワシ
The Eagle of the Ninth
著者 ローズマリー・サトクリフ
訳者 猪熊葉子
イラスト C・ウォルター・ホッジス
発行日 イギリスの旗 1954年
日本の旗 1972年7月10日
発行元 イギリスの旗 オックスフォード大学出版局
日本の旗 岩波書店
ジャンル 小説
イギリスの旗 イギリス
言語 英語
形態 上製本
ページ数 379
公式サイト www.iwanami.co.jp
コード ISBN 978-4-00-110829-3
ウィキポータル 文学
[ ウィキデータ項目を編集 ]
テンプレートを表示

サトクリフの初期にして代表的な作品であり、『銀の枝』、『辺境のオオカミ』、『ともしびをかかげて』、『落日の剣 真実のアーサー王の物語』、『夜明けの風』、『剣の歌 ヴァイキングの物語』、『シールド・リング ヴァイキングの心の砦』へ続く、エメラルドのイルカの紋章を受け継ぐローマ帝国およびブリテンの家族を描いた一連の作品の1作目にあたる。

あらすじ 編集

ブリトン人との戦で傷を負い退役したローマの軍人マーカス・フラヴィアス・アクイラは、彼が奴隷にしていたスコットランド人エスカとともに、かつて父が指揮を執り、ブリテン北部で消息を絶った第9軍団ヒスパナの行方を探る旅に出る。

着想 編集

本書の序文によると、物語は史料にある117年の第9軍団ヒスパナの失踪と、1866年のシルチェスター英語版近郊における翼のないワシの銅像の発掘に題材を得ている。銅像を所蔵するレディング博物館は「軍団のワシではないが、ローズマリー・サトクリフによってそのような名声を得た」としている[1]

翻案 編集

BBCは1977年にテレビドラマ[2]、1996年にオーディオブック[3]を製作している。

2011年、ケヴィン・マクドナルドが監督し、チャニング・テイタムがマーカス、ジェイミー・ベルがエスカを演じた映画『第九軍団のワシ』(The Eagle) が公開された。

参考文献 編集

  1. ^ Silchester Eagle” (PDF). Reading Museum Service. 2012年1月3日閲覧。
  2. ^ The Eagle of the Ninth”. インターネット・ムービー・データベース. 2012年1月3日閲覧。
  3. ^ Sutcliff, Rosemary (1996). The Eagle of the Ninth. BBC Audiobooks. ISBN 978-0563389200