第15高射特科連隊(だいじゅうごこうしゃとっかれんたい、JGSDF 15th Antiaircraft Artillery Regiment)は、沖縄県島尻郡八重瀬町八重瀬分屯地に連隊本部が駐屯する、第15旅団隷下の高射特科部隊。

第15高射特科連隊
創設 1972年(昭和47年)8月1日
(第6高射特科群)
再編成 2014年(平成26年)3月26日
(第15高射特科連隊)
所属政体 日本の旗 日本
所属組織 陸上自衛隊
部隊編制単位 連隊
兵科 高射特科
(高射搬送通信中隊のみ通信科
所在地 沖縄県 島尻郡八重瀬町
編成地 朝霞
上級単位 第1混成団第15旅団
担当地域 沖縄島
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概要

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沖縄返還に伴う陸上自衛隊の高射部隊として編成された「第6高射特科群」が前身であり、2014年(平成26年)3月26日付で第15高射特科連隊に改編された[1]

連隊本部は沖縄県島尻郡八重瀬町八重瀬分屯地(旧・与座分屯地)に駐屯し、隷下の各中隊は八重瀬分屯地(本部管理中隊・高射搬送通信中隊)、知念分屯地(第1高射中隊)、勝連分屯地(第2高射中隊)、白川分屯地(第3高射中隊)、南与座分屯地(第4高射中隊)にそれぞれ駐屯している。

方面隊及び旅団防空任務を併せ持つ観点から、逐次装備を更新しており、2020年12月に03式中距離地対空誘導弾(改善型)の配備が開始され、2024年時点で最新の高射特科装備である対空戦闘指揮統制システム対空レーダ装置 JTPS-P25(本部管理中隊)、03式中距離地対空誘導弾(改善型)(第1、第2、第3高射中隊)、11式短距離地対空誘導弾(第4高射中隊)の4つの装備を運用する日本で唯一の高射特科部隊である。

なお、奄美群島第3高射特科群(福岡県)から部隊の一部(1個高射中隊)が、先島諸島第7高射特科群が移駐し、中距離防空を対処している。

沿革

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第6高射特科群

※編成(群本部、本部管理中隊、第323~第326高射中隊、第306高射搬送通信中隊、第107高射直接支援隊)
その後、アメリカ陸軍第30防空砲兵旅団(30th Air Defense Artillery Brigade)から基地施設の随時移管を受ける。
  • 1973年(昭和48年)
    • 1月30日:沖縄に移駐開始。
    • 2月23日:西部方面隊隷下に直轄部隊として編入。
    • 3月25日:移駐完了。
    • 4月13日:分屯地開設。
    1. 与座分屯地開設に伴い、第6高射特科群本部、本部管理中隊、第306高射搬送通信中隊、第107高射直接支援隊が駐屯開始。
    2. 知念分屯地開設に伴い、第325高射中隊が駐屯開始。
    • 4月16日:南与座分屯地開設に伴い、第326高射中隊が駐屯開始。
    • 5月1日:分屯地開設。
    1. コザ分屯地開設に伴い、第323高射中隊が駐屯開始。
    2. 勝連分屯地開設に伴い、第324高射中隊が駐屯開始。
    • 7月1日:防空任務の実働開始[2]
    • 10月16日:第1混成団隷下部隊として編入。
  • 1974年(昭和49年)4月11日:第323高射中隊が駐屯するコザ分屯地が白川分屯地と改称[3]
  • 2006年(平成18年)1月:第6高射特科群が駐屯する与座分屯地が八重瀬分屯地と改称。
  • 2010年(平成22年)3月25日:第1混成団が第15旅団へ改編され、隷下部隊となる。第107高射直接支援隊(八重瀬分屯地)を廃止し、整備部門を新編された第15後方支援隊高射直接支援中隊へ移管。
  • 2012年(平成24年)3月26日:第325高射中隊(知念分屯地:地対空誘導弾改良ホーク装備)を第341高射中隊(03式中距離地対空誘導弾装備)に改編。
  • 2013年(平成25年)3月26日:第324高射中隊(勝連分屯地:地対空誘導弾改良ホーク装備)を第342高射中隊(03式中距離地対空誘導弾装備)に改編。

第15高射特科連隊

  • 2014年(平成26年)3月26日:第6高射特科群を第15高射特科連隊に改編。
  1. 第341高射中隊(知念分屯地)を第1高射中隊(03式中距離地対空誘導弾装備)に改編。
  2. 第342高射中隊(勝連分屯地)を第2高射中隊(03式中距離地対空誘導弾装備)に改編。
  3. 第323高射中隊(白川分屯地)を第3高射中隊(03式中距離地対空誘導弾装備)に改編。
  4. 第326高射中隊(南与座分屯地)を第4高射中隊(11式短距離地対空誘導弾装備)に改編。
  5. 第306高射搬送通信中隊(八重瀬分屯地)を高射搬送通信中隊に改称。
  • 2020年(令和02年)12月:第1高射中隊(知念分屯地)が03式中距離地対空誘導弾(改善型)(中SAM改)へ装備転換[4]
  • 2021年頃:第2高射中隊(勝連分屯地)が03式中距離地対空誘導弾(改善型)(中SAM改)へ装備転換。
  • 2022年頃:第3高射中隊(白川分屯地)が03式中距離地対空誘導弾(改善型)(中SAM改)へ装備転換。
  • 2024年(令和06年)3月21日:勝連分屯地司令職を第2高射中隊長から第7地対艦ミサイル連隊長に移管[5]

編成・駐屯地

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編成
  • 第15高射特科連隊本部
  • 本部管理中隊「15高-本」:対空戦闘指揮統制システム、対空レーダJTPS-P‐25
  • 第1高射中隊「15高-1」:03式中距離地対空誘導弾(改善型)
  • 第2高射中隊「15高-2」:03式中距離地対空誘導弾(改善型)
  • 第3高射中隊「15高-3」:03式中距離地対空誘導弾(改善型)
  • 第4高射中隊「15高-4」:11式短距離地対空誘導弾
  • 高射搬送通信中隊「15高-通」
駐屯地

整備支援部隊

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第6高射特科群

  • 第107高射直接支援隊「107高直支」(八重瀬分屯地):1972年 (昭和47年)8月1日から2010年 (平成22年)3月24日まで。
  • 第15後方支援隊高射直接支援中隊「15後支-高直支」(八重瀬分屯地):2010年 (平成22年)3月25日から2014年 (平成26年)3月25日まで。
    • 第1直接支援小隊(白川分屯地):第323高射中隊を支援。
    • 第2直接支援小隊(勝連分屯地):第324高射中隊を支援。2013年(平成25年)3月26日から第342高射中隊を支援。
    • 第3直接支援小隊(知念分屯地):第325高射中隊を支援。2012年(平成24年)3月26日から第341高射中隊を支援。
    • 第4直接支援小隊(南与座分屯地):第326高射中隊を支援。

第15高射特科連隊

  • 第15後方支援隊高射直接支援中隊「15後支-高直支」(八重瀬分屯地)[6]2014年 (平成26年)3月26日から
    • 第1直接支援小隊(知念分屯地):第15高射特科連隊第1高射中隊を支援。
    • 第2直接支援小隊(勝連分屯地):第15高射特科連隊第2高射中隊を支援。
    • 第3直接支援小隊(白川分屯地):第15高射特科連隊第3高射中隊を支援。
    • 第4直接支援小隊(南与座分屯地):第15高射特科連隊第4高射中隊を支援。

主要幹部

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官職名 階級 氏名 補職発令日 前職
第15高射特科連隊長
兼 八重瀬分屯地司令
1等陸佐 池戸雅浩 2022年12月23日 陸上自衛隊教育訓練研究本部
歴代の第15高射特科連隊長
(1等陸佐・八重瀬分屯地司令兼補)
氏名 在職期間 出身校・期 前職 後職
01 藤田英俊 2014年03月26日 - 2014年12月18日 防大31期 第6高射特科群長
兼 八重瀬分屯地司令
東部方面総監部情報部長
02 安孫子一 2014年12月19日 - 2016年07月31日 防大36期 陸上幕僚監部運用支援・情報部
情報課武官業務班長
自衛隊京都地方協力本部
03 久保勝裕 2016年08月01日 - 2017年12月19日 防大38期 陸上幕僚監部人事部募集・援護課
総括班長
陸上幕僚監部人事教育部
募集・援護課長
04 島守英次 2017年12月20日 - 2019年12月19日 防大33期 陸上幕僚監部監理部総務課
監理班長
東部方面総監部監察官
05 内村直樹 2019年12月20日 - 2022年12月22日 防大39期 陸上自衛隊高射学校作戦評価室長 陸上総隊司令部監察官
06 池戸雅浩 2022年12月23日 - 防大44期 陸上自衛隊教育訓練研究本部勤務

第6高射特科群廃止時の編成・駐屯地

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編成
  • 第306高射搬送通信中隊「306高搬通」
駐屯地

歴代の第6高射特科群長

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歴代の第6高射特科群長(1等陸佐)
(1973年4月13日から2006年1月5日の間 与座分屯地司令兼補)
(2006年1月6日から2014年3月25日の間 八重瀬分屯地司令兼補)
氏名 在職期間 出身校・期 前職 後職
01 笠井溢三 1972年08月01日 - 1974年03月15日 陸士57期 東部方面総監部 陸上自衛隊高射学校研究部長
02 山田精一 1974年03月16日 - 1975年07月15日 海兵75期 第6高射特科群副群長 統合幕僚会議事務局第3幕僚室勤務
03 後藤清 1975年07月16日 - 1977年07月31日 52I 第2高射団本部高級幕僚
→1976年1月1日 1等陸佐昇任
練馬駐とん地業務隊
04 畑學 1977年08月01日 - 1979年07月31日 香川大学
昭和30年卒
陸上幕僚監部第5部勤務 陸上自衛隊高射学校第1教育部長
05 陸井益三 1979年08月01日 - 1981年07月31日 防大1期 陸上自衛隊業務学校勤務 陸上自衛隊高射学校学校教官
06 井原康夫 1981年08月01日 - 1983年07月31日 明治大学 陸上自衛隊高射学校勤務 自衛隊徳島地方連絡部
07 馬来基成 1983年08月01日 - 1985年08月07日 防大1期 陸上自衛隊高射学校学校教官 陸上自衛隊高射学校学校教官
08 竹上宗利 1985年08月08日 - 1987年07月31日 防大3期 陸上自衛隊高射学校研究員 陸上自衛隊高射学校学校教官
09 大浦誠哉 1987年08月01日 - 1989年07月31日 香川大学
昭和35年卒
陸上自衛隊高射学校研究員 陸上自衛隊幹部学校学校教官
10 井本敏夫 1989年08月01日 - 1992年03月15日 防大11期 陸上幕僚監部付 東北方面総監部人事部長
11 若松三千男 1992年03月16日 - 1994年11月30日 防大10期 陸上幕僚監部監理部総務課
監理班長
陸上自衛隊幹部学校主任教官
12 林茂 1994年12月01日 - 1996年12月15日 防大9期 陸上自衛隊高射学校研究部長 陸上自衛隊幹部学校主任教官
13 江口幸一 1996年12月16日 - 1999年08月01日 防大15期 陸上幕僚監部教育訓練部訓練課
評価班長
自衛隊千葉地方連絡部
14 藤井宏 1999年08月02日 - 2001年03月31日 防大18期 第1高射特科団本部高級幕僚 第1高射特科団本部勤務
15 片渕雅晴 2001年04月01日 - 2003年03月31日 防大20期 第2高射特科団本部高級幕僚 東千歳駐屯地業務隊長
16 保松秀次郎 2003年04月01日 - 2005年03月27日 防大24期 陸上幕僚監部防衛部研究課
研究班長
統合幕僚会議事務局第3幕僚室
教育訓練調整官
兼 教育訓練班長
17 内村純博 2005年03月28日 - 2007年03月27日 防大23期 北部方面総監部人事部人事課長 陸上自衛隊研究本部主任研究開発官
18 藤田浩和 2007年03月28日 - 2009年03月23日 防大28期 陸上幕僚監部教育訓練部
教育訓練課制度班長
東部方面総監部人事部長
19 田渕忠史 2009年03月24日 - 2011年04月18日 防大30期 情報本部勤務 陸上自衛隊研究本部主任研究開発官
20 中村浩之 2011年04月19日 - 2012年12月04日 防大29期 陸上幕僚監部人事部人事計画課
予備自衛官室長
自衛隊福島地方協力本部
藤田英俊 2012年12月04日 - 2014年03月25日 防大31期 統合幕僚監部運用部運用第2課
国際協力室長
第15高射特科連隊長
兼 八重瀬分屯地司令

主要装備

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廃止(改編)部隊

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  • 第124特科大隊「124特」:1972年(昭和47年)7月31日廃止。
  • 第107高射直接支援隊「107髙直支」:2010年(平成22年)3月24日廃止。第15後方支援隊高射直接支援中隊へ改編。
  • 第325高射中隊「325髙中」:2012年(平成24年)3月25日廃止。第341高射中隊(03式中距離地対空誘導弾)に改編。
  • 第324高射中隊「324高中」:2013年(平成25年)3月25日廃止。第342高射中隊(03式中距離地対空誘導弾)に改編。
  • 第6高射特科群本部及び本部管理中隊「6高群-本」:2014年(平成26年)3月25日廃止。第15高射特科連隊に改編。
  • 第323高射中隊「323高中」:2014年(平成26年)3月25日廃止。第3高射中隊(03式中距離地対空誘導弾)に改編。
  • 第326高射中隊「326高中」:2014年(平成26年)3月25日廃止。第4高射中隊(11式短距離地対空誘導弾)に改編。
  • 第341高射中隊「341高中」:2014年(平成26年)3月25日廃止。第1高射中隊に改編。
  • 第342高射中隊「342高中」:2014年(平成26年)3月25日廃止。第2高射中隊に改編。
  • 第306高射搬送通信中隊「306高搬通」:2014年(平成26年)3月25日廃止。高射搬送通信中隊に改称。

歴代主要装備

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脚注

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  1. ^ 防衛省組織令等の一部を改正する政令(平成26年政令20号) (PDF) (平成26年1月31日公布、防衛省HP)
  2. ^ 第071回国会 内閣委員会 第22号 昭和四十八年七月十七日 議事録
  3. ^ 駐屯地司令及び駐屯地業務隊等に関する訓令の一部を改正する訓令(昭和49年4月11日陸上自衛隊訓令第25号)
  4. ^ 陸自が新型の地対空誘導弾を公開 「中SAM改」を国内で初配備 沖縄の分屯地で | 沖縄タイムス+プラス ニュース”. 沖縄タイムス+プラス. 2021年4月16日閲覧。
  5. ^ 防衛省発令(1佐職人事)2024年3月21日付
  6. ^ 自衛隊の施設別状況”. p. 329-332. 2023年9月9日閲覧。[リンク切れ]

関連項目

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外部リンク

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