第58回カンヌ国際映画祭
第58回カンヌ国際映画祭(だい58かいカンヌこくさいえいがさい)は、2005年5月11日から5月22日にかけて行われた。コンペティション部門では13の国から来た20の作品が賞を競った。
パルム・ドールを受賞したのはダルデンヌ兄弟の『ある子供』で、1999年『ロゼッタ』に続いて2度目の受賞となった。
審査委員長はエミール・クストリッツァが務めた。
日本からは、内田けんじ監督の『運命じゃない人』が批評家週間へ出品され、フランス作家協会賞(脚本賞)、最優秀ヤング批評家賞、最優秀ドイツ批評家賞、鉄道員賞(金のレール賞)の計4賞を受賞した。
受賞結果
編集- パルム・ドール:『ある子供』(ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ)
- グランプリ:『ブロークン・フラワーズ』(ジム・ジャームッシュ)
- 審査員賞:『青红』(ワン・シャオシュアイ)
- 監督賞:ミヒャエル・ハネケ(『隠された記憶』)
- 男優賞:トミー・リー・ジョーンズ(『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』)
- 女優賞:ハンナ・ラズロ(『フリー・ゾーン 〜明日が見える場所〜』)
- 脚本賞:ギレルモ・アリアガ(『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』)
- カメラ・ドール:ミランダ・ジュライ(『君とボクの虹色の世界』)、Vimukthi Jayasundara(『Sulanga Enu Pinisa』)
- ある視点賞:『ラザレスク氏の死』(クリスティ・プイウ)
審査員
編集コンペティション部門
編集- 審査委員長
- エミール・クストリッツァ(ユーゴスラビア/監督)
- 審査員
ある視点部門
編集- 審査委員長
- アレクサンダー・ペイン(アメリカ/監督)
- 審査員
- ベッツィ・ブレア(アメリカ/俳優)
- エドゥアルド・アンティン(アルゼンチン/批評家)
- ジュヌヴィエーヴ・ウェルコム(フランス/ジャーナリスト)
- ジル・マルシャン(フランス/監督)
ショート映画部門・学生映画部門
編集- 審査委員長
- エドワード・ヤン(台湾/監督)
- 審査員
- シャンタル・アケルマン(ベルギー/監督)
- コリン・マッケイブ(イギリス/プロデューサー)
- シルヴィー・テステュー(フランス/俳優)
- ユースリー・ナスラッラー(エジプト/監督)
上映作品
編集コンペティション部門
編集題名 原題 |
監督 | 製作国 |
---|---|---|
ヒストリー・オブ・バイオレンス A History of Violence |
デヴィッド・クローネンバーグ | アメリカ合衆国 |
バッシング | 小林政広 | 日本 |
バトル・イン・ヘブン Batalla en el cielo |
カルロス・レイガダス | メキシコ フランス ドイツ ベルギー |
ブロークン・フラワーズ Broken Flowers |
ジム・ジャームッシュ | アメリカ合衆国 |
隠された記憶 Caché |
ミヒャエル・ハネケ | フランス オーストリア ドイツ イタリア |
アメリカ、家族のいる風景 Don't Come Knocking |
ヴィム・ヴェンダース | ドイツ アメリカ合衆国 フランス |
フリー・ゾーン 〜明日が見える場所〜 Free Zone |
アモス・ギタイ | イスラエル ベルギー フランス スペイン |
映画館の恋 극장전 |
ホン・サンス | 韓国 |
エレクション 黒社会 |
ジョニー・トー | 香港 |
Kilomètre Zéro | ヒネル・サレーム | フランス イラン フィンランド |
ある子供 L'enfant |
ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ | ベルギー フランス |
ラストデイズ Last Days |
ガス・ヴァン・サント | アメリカ合衆国 |
レミング Lemming |
ドミニク・モル | フランス |
マンダレイ Manderlay |
ラース・フォン・トリアー | デンマーク スウェーデン オランダ フランス ドイツ |
描くべきか、愛を交わすべきか Peindre ou faire l'amour |
アルノー・ラリユー ジャン=マリー・ラリユー |
フランス |
青红 (Shanghai Dreams) |
ワン・シャオシュアイ | 中国 |
13歳の夏に僕は生まれた Quando sei nato non puoi più nasconderti |
マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ | イタリア フランス イギリス |
シン・シティ Sin City |
フランク・ミラー ロバート・ロドリゲス |
アメリカ合衆国 |
メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬 The Three Burials of Melquiades Estrada |
トミー・リー・ジョーンズ | アメリカ合衆国 |
秘密のかけら Where the Truth Lies |
アトム・エゴヤン | カナダ イギリス |
百年恋歌 最好的時光 |
ホウ・シャオシェン | 台湾 |
ある視点部門
編集題名 原題 |
監督 | 製作国 |
---|---|---|
Cinema Aspirins & Vultures | マルセロ・ゴメス | ブラジル |
Delwende | S・ピエール・ヤメオゴ | ブルキナファソ フランス |
エリ・エリ・レマ・サバクタニ | 青山真治 | 日本 |
Falscher Bekenner | クリストフ・ホッホホイスラー | ドイツ |
Havana Blues | ベニト・サンブラノ | スペイン キューバ フランス |
Jewboy | トニー・クラウイッツ | オーストラリア |
Joan | コーネル・ムンドルッツォ | ハンガリー ドイツ |
ラザレスク氏の死 Moartea domnului Lăzărescu |
クリスティ・プイウ | ルーマニア |
フィルム・マン Le Filmeur |
アラン・カヴァリエ | フランス |
ぼくを葬る Le Temps qui reste |
フランソワ・オゾン | フランス |
Lower City | セルジオ・マチャド | ブラジル |
Marock | ライラ・マラクシ | フランス |
Nordeste | フアン・ソラナス | スペイン ベルギー フランス アルゼンチン |
サングレ Sangre |
アマト・エスカランテ | メキシコ フランス |
Schläfer | ベンヤミン・ハイゼンベルク | オーストリア ドイツ |
Sulanga Enu Pinisa | ヴィムクティ・ジャヤスンダラ | スリランカ フランス |
キング 罪の王 The King |
ジェームズ・マーシュ | アメリカ合衆国 |
ダーク・ホース Voksne mennesker |
ダグール・カウリ | デンマーク アイスランド |
Yek shab | ニキ・カリミ | イラン |
Yellow Fella | イヴァン・セン | オーストラリア |
Zim and Co. | ピエール・ジョリヴェ | フランス |
弓 |
キム・ギドク | 韓国 |
特別招待作品
編集- オペレッタ狸御殿 - 鈴木清順
- キスキス,バンバン - シェーン・ブラック
- クロッシング・ザ・ブリッジ - ファティ・アーキン
- スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐 - ジョージ・ルーカス
- 戦場のアリア - クリスチャン・カオリン
- マッチポイント - ウディ・アレン
- ミッドナイトムービー - スチュアート・サミュエルズ
- Avenge But One of My Two Eyes - アヴィ・モグラビ
- C'est past tout a fait la vie dont j'avais reve - ミシェル・ピッコリ
- Chromophobia - マーサ・ファインズ
- Darshan - l'Etreinte - ヤン・クーネン
- Kirikou et le Fétiche Égaré - ミッシェル・オスロ、ベネディクト・ガルップ
- Les Artistes du Theatre Brule - リティー・パニュ
- The Power of Nightmares - アダム・カーティス
外部リンク
編集- Festival de Cannes - カンヌ映画祭 公式サイト(フランス語、英語)
- Cannes Festival - 2005年の記録(英語)
- Cannes Festival - 2005年の記録(フランス語)