第76回都市対抗野球大会(だい76かいとしたいこうやきゅうたいかい)は、2005年平成17年)8月22日から9月1日まで東京ドームで開催された都市対抗野球大会である。

概要

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  • 第74回大会を制した三菱ふそう川崎、同系列の三菱自動車岡崎が約1年のブランクを経て本大会に復帰した。また、前年王者の王子製紙は1年間活動を続け、初の「黒獅子エンブレムをつけて1年間活動したチーム」となり、エンブレムにつけられたマイナスイメージを払拭した。
  • 日本野球連盟推薦枠で単年で設けられた奈良地区からはミキハウスが初出場。しかし初戦で敗れ、その後本社のスポーツ活動の見直しから同年8月に廃部となった(2019年に活動再開)。
  • 阪和地区予選では、松下電器大阪ガスといった常連が軒並み姿を消し、実質活動2年目のクラブチームNOMOベースボールクラブが初出場を決めた。企業チームの流れを汲まないクラブチームの出場は第49回大会全足利クラブ以来27年ぶり。
  • 1回戦第5試合のデュプロ七十七銀行戦において、延長14回より大会史上初となるタイブレーク(1死満塁から再開する)が適用された。
  • 本大会では三菱ふそう川崎が1年間の空白を埋めるかのごとく圧倒的な力を見せつけ、決勝戦では神奈川地区第1代表決定戦と同じ顔合わせ(対日産自動車戦)となったが、これも退けて、チームのスローガン「Revival of FUSO」を見事に完結させた。

予選

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出場チーム

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出場枠 都市 チーム 出場回数
北海道 札幌市 JR北海道 7年ぶり4回目
東北第1 仙台市 七十七銀行 3年連続3回目
東北第2 仙台市 JR東日本東北 2年連続20回目
北信越 佐久市 TDK千曲川 初出場
北関東第1 鹿嶋市 住友金属鹿島 2年ぶり10回目
北関東第2 日立市 日立製作所 2年連続28回目
南関東第1 狭山市 ホンダ 2年連続20回目
南関東第2 さいたま市 日本通運 5年連続32回目
東京第1 東京都 NTT東日本 4年連続32回目
東京第2 調布市 シダックス 3年連続7回目
東京第3 東京都 JR東日本 2年ぶり9回目
神奈川第1 川崎市 三菱ふそう川崎 2年ぶり17回目
神奈川第2 横須賀市 日産自動車 2年連続26回目
神奈川第3 川崎市 東芝 3年連続28回目
東海第1 鈴鹿市 ホンダ鈴鹿 3年ぶり16回目
東海第2 春日井市 王子製紙 2年連続6回目
出場枠 都市 チーム 出場回数
東海第3 岡崎市 三菱自動車岡崎 2年ぶり5回目
東海第4 名古屋市 東邦ガス 2年ぶり4回目
東海第5 大垣市 西濃運輸 3年連続28回目
東海第6 浜松市 ヤマハ 2年連続29回目
京滋 京都市 日本新薬 5年連続23回目
奈良 広陵町 ミキハウス 初出場
阪和第1 大阪市 日本生命 3年連続47回目
阪和第2 大阪市 NTT西日本 4年連続18回目
阪和第3 大阪市 デュプロ 10年ぶり5回目
阪和第4 堺市 NOMOベースボールクラブ 初出場
兵庫 神戸市 三菱重工神戸 2年連続24回目
中国第1 広島市 三菱重工広島 5年ぶり9回目
中国第2 福山市 JFE西日本 2年ぶり2回目
四国 高松市 JR四国 4年ぶり5回目
九州第1 北九州市 JR九州 2年連続10回目
九州第2 長崎市 三菱重工長崎 2年ぶり13回目

試合

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1回戦

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1 2 3 4 5 6 7 8 9
NOMOベースボールクラブ 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1
JR東日本 0 0 2 0 0 0 4 0 X 6

勝:松井 敗:山本 本:中本(NOMOク)、中尾(JR東)

  • 第2試合(8月22日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
日立製作所 0 2 2 0 2 0 0 0 0 6
王子製紙 0 0 0 0 0 2 1 0 1 4

勝:荻野 敗:後藤 本:鈴木貴(日立)、鈴木賢(王子)

1 2 3 4 5 6 7 8 9
日産自動車 1 0 0 0 2 4 0 0 0 7
TDK千曲川 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

勝:三橋 敗:阿部正 本:梵(日産)

  • 第4試合(8月23日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
三菱重工長崎 0 0 0 0 0 2 0 1 0 3
NTT西日本 0 0 0 0 1 2 1 0 X 4

勝:齊藤 敗:知花 本:伊藤(三菱長崎)、梶原(NTT西)

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
デュプロ 1 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2 8
七十七銀行 0 1 0 0 0 0 0 1 2 0 0 0 0 2 3x 9

勝:相澤 敗:加藤 本:北川、小町(以上七十七銀)

1 2 3 4 5 6 7 8 9
三菱重工神戸 0 0 0 0 0 2 2 0 0 4
JR九州 0 0 0 0 0 1 2 0 2x 5

勝:藤岡 敗:西川 本:下迫、草野(以上JR九)、吉田(三菱神戸)

  • 第7試合(8月24日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
シダックス 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1
三菱自動車岡崎 0 0 0 1 0 1 0 0 X 2

勝:山之内 敗:武田 本:堤(三菱岡崎)

  • 第8試合(8月24日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
ヤマハ 0 1 0 1 0 0 0 0 0 2
ホンダ 0 2 0 3 0 4 0 0 X 9

勝:松村 敗:石井 本:田浦(ホンダ)、星川(ヤマハ)

1 2 3 4 5 6 7 8 9
JR北海道 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1
三菱ふそう川崎 0 1 0 3 2 0 0 0 X 6

勝:徳丸 敗:星野 本:西郷2、池辺(以上ふそう)

  • 第10試合(8月25日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
ホンダ鈴鹿 0 0 3 0 0 0 0 0 2 5
JR東日本東北 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

勝:高宮 敗:福家 本:宮川(鈴鹿)

  • 第11試合(8月25日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
東芝 0 0 0 1 1 0 0 1 0 3
ミキハウス 0 0 2 0 0 0 0 0 0 2

勝:磯村 敗:天沼

1 2 3 4 5 6 7 8 9
東邦ガス 2 0 1 0 0 0 0 0 0 3
日本通運 0 0 0 5 1 0 0 1 X 7

勝:濱元 敗:菊地 本:山崎(日通)

  • 第13試合(8月26日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
日本生命 5 0 0 0 1 1 0 1 0 8
JR四国 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

勝:土井 敗:岩井

  • 第14試合(8月26日)-7回コールド
1 2 3 4 5 6 7
NTT東日本 2 1 3 0 0 1 3 10
三菱重工広島 0 0 0 0 0 0 0 0

勝:安達 敗:岡崎 本:平野、向後、飯塚、高尾(以上NTT東)

1 2 3 4 5 6 7 8 9
JFE西日本 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1
住友金属鹿島 1 0 0 0 2 0 0 0 X 3

勝:金子 敗:陶山 本:林(鹿島)

  • 第16試合(8月27日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
西濃運輸 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1
日本新薬 0 0 0 0 0 0 0 0 2x 2

勝:子池 敗:田中 本:永野(西濃)

2回戦

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  • 第1試合(8月27日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
日立製作所 0 2 0 0 0 3 0 0 0 5
JR東日本 1 0 0 1 1 0 1 0 0 4

勝:小出 敗:松井 本:中尾、市場、良島(以上JR東)、神谷(日立)

1 2 3 4 5 6 7 8 9
日産自動車 0 1 1 0 4 0 0 5 0 11
NTT西日本 0 0 0 0 2 0 0 2 0 4

勝:高崎 敗:松尾 本:吉浦、村上、梵(以上日産)、西田、田原(以上NTT西)

  • 第3試合(8月28日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
JR九州 0 0 2 1 0 1 0 0 0 4
七十七銀行 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1

勝:小松聖 敗:海老澤 本:藤島(JR九)

  • 第4試合(8月28日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
三菱自動車岡崎 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
ホンダ 0 0 0 4 0 0 2 0 X 6

勝:坂本 敗:山之内 本:岡野武(ホンダ)

  • 第5試合(8月28日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
三菱ふそう川崎 0 4 3 0 0 1 1 0 0 9
ホンダ鈴鹿 0 0 2 0 0 0 5 0 0 7

勝:栂野 敗:白倉 本:植山、根岸、池辺(以上ふそう)

1 2 3 4 5 6 7 8 9
東芝 0 0 0 0 0 1 1 0 0 2
日本通運 0 0 1 0 0 1 1 0 X 3

勝:岡田 敗:磯村 本:山根、山崎、下窪(以上日通)、安田(東芝)

  • 第7試合(8月29日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
日本生命 0 0 0 0 0 0 2 0 0 2
NTT東日本 1 1 0 0 1 0 0 0 X 3

勝:岡崎 敗:山田

  • 第8試合(8月29日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
住友金属鹿島 1 0 0 0 0 3 2 1 0 7
日本新薬 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

勝:阿部 敗:子池 本:橋本(鹿島)

準々決勝

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1 2 3 4 5 6 7 8 9
日立製作所 0 2 0 0 0 0 0 2 0 4
日産自動車 2 1 1 1 0 1 0 1 X 7

勝:三橋 敗:比嘉 本:小山、吉浦(以上日産)、神谷(日立)

  • 第2試合(8月30日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
JR九州 0 0 0 2 0 0 0 1 0 3
ホンダ 0 0 0 1 0 0 0 0 1 2

勝:川崎 敗:大田

  • 第3試合(8月30日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
日本通運 0 1 0 0 0 0 0 1 0 2
三菱ふそう川崎 1 0 0 0 0 0 0 2 X 3

勝:谷村 敗:濱元 本:新保、佐々木(以上ふそう)、澤村(日通)

  • 第4試合(8月30日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
NTT東日本 4 3 0 0 1 0 0 0 0 8
住友金属鹿島 0 0 0 0 2 0 0 1 4 7

勝:木村 敗:金子 本:有馬、北道(以上NTT東)、池内(鹿島)

準決勝

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1 2 3 4 5 6 7 8 9
日産自動車 1 0 0 0 1 0 0 0 0 2
JR九州 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

勝:石畝 敗:小松聖

  • 第2試合(8月31日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
NTT東日本 0 0 0 0 0 3 0 0 0 3
三菱ふそう川崎 1 5 0 0 4 0 0 0 X 10

勝:栂野 敗:安達 本:池辺、植山(以上ふそう)

決勝

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1 2 3 4 5 6 7 8 9
日産自動車 0 1 0 0 2 0 0 0 0 3
三菱ふそう川崎 1 1 1 0 0 1 0 2 X 6

勝:岩﨑 敗:畑山 本:新保(ふそう)、小山(日産)
(三菱ふそう川崎は2年ぶり3回目の優勝)

表彰選手

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表彰 選手 所属チーム(補強選手の本来の所属チーム)
橋戸賞 植山幸亮(内野手) 三菱ふそう川崎
久慈賞 梵英心(内野手) 日産自動車
若獅子賞 池邉啓二(外野手) 三菱ふそう川崎(新日本石油ENEOS
岩﨑哲也(投手) 三菱ふそう川崎(三菱重工横浜硬式野球クラブ
首位打者賞 梵英心(内野手)
打率.524
日産自動車
打撃賞 小山豪(内野手) 日産自動車
小野賞 垣野多鶴(監督) 三菱ふそう川崎
大会優秀選手 投手 岩﨑哲也 三菱ふそう川崎(三菱重工横浜硬式野球クラブ)
三橋直樹 日産自動車
小松聖 JR九州
川崎雄介 JR九州(ホンダ熊本
荻野忠寛 日立製作所
坂本保 ホンダ
捕手 高根澤力 三菱ふそう川崎
中原慎一 日産自動車
一塁手 西郷泰之 三菱ふそう川崎
小山豪 日産自動車
山根陽介 日本通運
二塁手 佐々木勉 三菱ふそう川崎
三船貴徳 JR九州
三塁手 植山幸亮 三菱ふそう川崎
玉城一 NTT東日本
松本卓 住友金属鹿島
遊撃手 梵英心 日産自動車
高浦孝仁 住友金属鹿島
外野手 池邉啓二 三菱ふそう川崎(新日本石油ENEOS)
吉浦貴志 日産自動車
飯塚智広 NTT東日本
佐川竜朗 日本通運
下窪陽介
鈴木貴光 日立製作所
金子洋平 ホンダ
指名打者 三垣勝巳 三菱ふそう川崎
平野宏 NTT東日本
神谷譲二 日立製作所(富士重工業
宮川智光 ホンダ鈴鹿
表彰 選手 所属チーム(補強選手の本来の所属チーム)
10年連続出場 佐藤茂徳(外野手) 七十七銀行(NTTグループ東北マークス
馬場満裕(投手) 住友金属鹿島(富士重工業)
渡辺敦(外野手) 日産自動車
藤田貢(投手) 王子製紙
青山正克(内野手) 王子製紙(一光
田原隆三郎(内野手) NTT西日本(松下電器
坂本健二(投手) 日本生命(大阪ガス
下野敦司(内野手) 日本生命
井上大(外野手) NOMOベースボールクラブ(松下電器)
応援団コンクール 最優秀賞 日立製作所
優秀賞 日産自動車
敢闘賞 NTT東日本
特別賞 三菱ふそう川崎
敢闘賞 住友金属鹿島

関連項目

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外部リンク

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