第80回都市対抗野球大会
第80回都市対抗野球大会(だい80かいとしたいこうやきゅうたいかい)は、2009年(平成21年)8月21日から9月1日まで東京ドームで行われた都市対抗野球大会である。
概要
編集- 世界的な景気低迷の影響から、シーズン前から日産自動車および日産自動車九州の今季限りでの活動停止、TDK千曲川の本社チームへの統合といった規模縮小のニュースが相次ぎ、本大会への波及が懸念されたが、主催者は80回記念の特例と、「大会を通じて社会人野球界を盛り上げたい」として、出場チーム数を4チーム増加させ36チームとした。東海地区からの7チーム出場は、1地区からの出場チーム数としては過去最多となった。
- このため、初日から3試合開催となり、2日目・10日目(準々決勝)は4試合が一挙開催された。
- 予選では、横須賀市・日産自動車が神奈川第3代表として本戦出場を決めたが、苅田町・日産自動車九州は九州予選で敗退した。横浜市・三菱重工横浜はクラブ化から企業チームへの再登録を経て13年ぶりに本戦出場を勝ち取った。また、浦添市・沖縄電力は九州予選を全勝、2度目の本戦出場を初の九州代表として勝ち取った。Hondaからは、活動中の3チーム(狭山・鈴鹿・熊本)が初めて勢ぞろいを果たした。
- 企業チームが減少する中で出場チームを増やしたことから、補強選手数は大幅に減少。11チームが補強なしで本戦に挑むこととなり、4チームが出場する神奈川・阪和両地区からは全チームが補強なしという事態となった。
- 本戦では、最後の大会に臨む日産自動車が粘りを見せて4強に食い込む中、強打の狭山市・Hondaと堅守の豊田市・トヨタ自動車が決勝に進出。大会史上初の自動車メーカー本社チーム同士の対戦となった決勝は、チャンスで打線をつなげたHondaに軍配が上がり、13年ぶり2回目の優勝を果たした。
- 今大会からタイブレークの導入要件が緩和され、試合時間に関係なく延長11回からタイブレークが適用された。これにより、従来6年間で1試合しか適用されなかったタイブレークが、今大会では4試合で適用された。
予選
編集→詳細は「第80回都市対抗野球大会予選」を参照
出場チーム
編集出場枠 | 都市 | チーム | 出場回数 |
---|---|---|---|
北海道 | 札幌市 | JR北海道 | 5年連続8回目 |
東北第1 | 仙台市 | JR東日本東北 | 3年ぶり22回目 |
東北第2 | 仙台市 | 七十七銀行 | 3年連続6回目 |
東北第3 | にかほ市 | TDK | 4年連続12回目 |
北信越 | 長野市 | NTT信越硬式野球クラブ | 2年ぶり19回目 |
北関東第1 | 太田市 | 富士重工業 | 4年連続22回目 |
北関東第2 | 日立市 | 日立製作所 | 2年連続30回目 |
南関東第1 | 狭山市 | Honda | 6年連続24回目 |
南関東第2 | さいたま市 | 日本通運 | 9年連続36回目 |
東京第1 | 東京都 | 鷺宮製作所 | 3年連続12回目 |
東京第2 | 東京都 | NTT東日本 | 3年ぶり34回目 |
東京第3 | 東京都 | セガサミー | 3年連続3回目 |
東京第4 | 東京都 | 東京ガス | 8年ぶり13回目 |
神奈川第1 | 横浜市 | 三菱重工横浜 | 13年ぶり3回目 |
神奈川第2 | 横浜市 | 新日本石油ENEOS | 3年連続44回目 |
神奈川第3 | 横須賀市 | 日産自動車 | 2年連続29回目 |
神奈川第4 | 川崎市 | 東芝 | 2年ぶり31回目 |
東海第1 | 豊田市 | トヨタ自動車 | 2年ぶり14回目 |
出場枠 | 都市 | チーム | 出場回数 |
---|---|---|---|
東海第2 | 名古屋市 | 東邦ガス | 2年連続6回目 |
東海第3 | 浜松市 | ヤマハ | 6年連続33回目 |
東海第4 | 岡崎市 | 三菱自動車岡崎 | 2年ぶり8回目 |
東海第5 | 豊川市 | 東海理化 | 2年連続3回目 |
東海第6 | 鈴鹿市 | Honda鈴鹿 | 2年ぶり19回目 |
東海第7 | 春日井市 | 王子製紙 | 3年連続9回目 |
京滋奈 | 京都市 | 日本新薬 | 9年連続27回目 |
阪和第1 | 門真市 | パナソニック | 4年連続45回目 |
阪和第2 | 大阪市 | NTT西日本 | 3年連続21回目 |
阪和第3 | 大阪市 | 日本生命 | 7年連続51回目 |
阪和第4 | 大阪市 | 大阪ガス | 2年ぶり19回目 |
兵庫 | 神戸市 | 三菱重工神戸 | 3年連続27回目 |
中国第1 | 東広島市 | 伯和ビクトリーズ | 2年連続4回目 |
中国第2 | 広島市 | 三菱重工広島 | 2年ぶり12回目 |
四国 | 高知市 | 四国銀行 | 2年ぶり14回目 |
九州第1 | 浦添市 | 沖縄電力 | 9年ぶり2回目 |
九州第2 | 大津町 | Honda熊本 | 6年ぶり5回目 |
九州第3 | 長崎市 | 三菱重工長崎 | 2年ぶり16回目 |
試合
編集組み合わせ抽選
編集- 今大会は、80回記念大会の特例として36チームで行われるため、1回戦の試合は4試合(8チーム)のみ。この1回戦は出場枠が増枠になった地域の最下位代表4チームが出場するものとする。
- それぞれの地区第1代表で出場権を得た14チームは原則2回戦からの出場とするが、特定シードを希望する場合は1回戦からでもよい。
- 1回戦と2回戦の試合の順番は必ずしもトーナメント表の左側から順番に行うとは限らず、組み合わせ決定後に試合の順番を指定する。
- 勝ち上がりチームは1回戦から3回戦までは基本的に連戦を認めず、少なくとも中1日以上の休養をとってから次の試合に臨む。
1回戦
編集- 第1試合(8月21日)
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Honda熊本 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 6 |
TDK | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 |
- 第2試合(8月21日)
- 第3試合(8月21日)
- 第4試合(8月22日)
2回戦
編集- 第1試合(8月22日)
- 第2試合(8月22日)
- 第3試合(8月22日)
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | R | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
大阪ガス | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 6 |
NTT信越硬式野球クラブ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 1 | 0 | 4 |
- 第4試合(8月23日)
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | R | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ヤマハ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1 | 3 |
富士重工業 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 |
- 第5試合(8月23日)
- 第6試合(8月23日)
- 第7試合(8月24日)
- 第8試合(8月24日)
- 第9試合(8月24日)
- 第10試合(8月25日)
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
三菱重工長崎 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 3 |
日本新薬 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 1x | 4 |
- 第11試合(8月25日)
- 第12試合(8月25日)
- 第13試合(8月26日)
- 第14試合(8月26日)
- 第15試合(8月26日)
- 第16試合(8月27日)
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | R | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
三菱重工神戸 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 4 |
パナソニック | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 3 |
3回戦
編集- 第1試合(8月27日)
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
トヨタ自動車 | 1 | 0 | 4 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0 | 9 | 17 |
日本新薬 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 |
- 第2試合(8月27日)
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
NTT西日本 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 |
東京ガス | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | x | 3 |
- 第3試合(8月28日)
- 第4試合(8月28日)
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | R | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
大阪ガス | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 3 |
日産自動車 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2x | 4 |
- 第5試合(8月28日)
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | R | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
日立製作所 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | 5 |
七十七銀行 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 3 |
- 第6試合(8月29日)
- 第7試合(8月29日)
- 第8試合(8月29日)
準々決勝
編集- 第1試合(8月30日)
- 第2試合(8月30日)
- 第3試合(8月30日)
- 第4試合(8月30日)
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
東芝 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 |
Honda | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | x | 4 |
準決勝
編集- 第1試合(8月31日)
- 第2試合(8月31日)
決勝
編集- 決勝(9月1日)
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Honda | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 4 |
トヨタ自動車 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
- (Hondaは13年ぶり2回目の優勝)
表彰選手等
編集表彰 | 選手 | 所属チーム(補強選手の本来の所属チーム) | |
---|---|---|---|
橋戸賞 | 筑川利希也(投手) | Honda | |
久慈賞 | 佐野比呂人(内野手) | トヨタ自動車 | |
若獅子賞 | 須田幸太(投手) | Honda(JFE東日本) | |
榎田大樹(投手) | 東京ガス | ||
村尾賢吾(内野手) | 日立製作所 | ||
首位打者賞 | 長野久義(外野手) 打率.579 |
Honda | |
打撃賞 | 松田孝仁(捕手) | 東京ガス | |
小野賞 | 東京ガスチーム | ||
大会優秀選手 | 投手 | 筑川利希也 | Honda |
須田幸太 | Honda(JFE東日本) | ||
大谷智久 | トヨタ自動車 | ||
黒田信広 | NTT東日本 | ||
石田祐介 | 日産自動車 | ||
榎田大樹 | 東京ガス | ||
岡本洋介 | ヤマハ | ||
比嘉幹貴 | 日立製作所 | ||
捕手 | 佐伯亮 | Honda | |
二葉祐貴 | トヨタ自動車 | ||
上田祐介 | NTT東日本 | ||
松田孝仁 | 東京ガス | ||
一塁手 | 的場寛一 | トヨタ自動車 | |
三沢慶幸 | 東芝 | ||
二塁手 | 田浦英仙 | Honda(JFE東日本) | |
佐野比呂人 | トヨタ自動車 | ||
佐藤二朗 | ヤマハ | ||
三塁手 | 多幡雄一 | Honda | |
田中幸長 | トヨタ自動車 | ||
平野宏 | NTT東日本 | ||
中村良憲 | 日立製作所 | ||
遊撃手 | 薄井康博 | ヤマハ | |
村尾賢吾 | 日立製作所 | ||
藤原将太 | 東芝 | ||
外野手 | 長野久義 | Honda | |
荻野貴司 | トヨタ自動車 | ||
吉浦貴志 | 日産自動車 | ||
荒川正志 | NTT東日本(明治安田生命) | ||
指名打者 | 岡野勝俊 | Honda | |
村山修次 | 日立製作所 |
表彰 | 選手 | 所属チーム(補強選手の本来の所属チーム) | |
---|---|---|---|
10年連続出場 | 松本卓(内野手) | 富士重工業(住友金属鹿島) | |
四之宮洋介(内野手) | 日産自動車 | ||
林尚克(外野手) | 王子製紙(硬式野球クラブ 東海REX) | ||
岩本達也(内野手) | 大阪ガス | ||
応援団コンクール | 最優秀賞 | 東京ガス | |
優秀賞 | NTT東日本 | ||
敢闘賞 | 日立製作所 | ||
特別賞 | Honda |
式典
編集- 通常は開幕戦の前に全出場チームを集めた開会式として前回優勝チームからの黒獅子旗(優勝旗)・トロフィーなど持ち回り賞品の返還、選手宣誓などを行うが、今回は初日から3試合開催される都合上全チーム参加の式典は行わず、前回優勝チーム・新日本石油ENEOSから持ち回り賞品の返還、第80回記念功労者表彰など最低限の式典を行うことで開会式に代えた。
関連項目
編集- 第36回社会人野球日本選手権大会 - 同年11月12日から11月22日にかけて開催された社会人野球日本選手権大会。