都市対抗野球大会 > 第81回都市対抗野球大会

第81回都市対抗野球大会(だい81かいとしたいこうやきゅうたいかい)は、2010年平成22年)8月27日から9月7日まで東京ドームで行われた都市対抗野球大会である。

概要 編集

  • 前回大会は記念大会として出場チーム数が36チームとなったが、今大会は通常どおり32チーム出場となった。企業チーム数の減少と地域のレベル差を踏まえ、これまで1チームにつき5人まで補強選手の獲得が可能であったが、今大会から1チーム3人までと制限された。それでも補強選手不足は解消せず、南関東(4チーム)、京滋奈(2チーム)、兵庫(2チーム)は出場全チーム補強なし、単独チームでの戦いを余儀なくされた。
  • 予選では、それまで本戦への出場を何度も阻まれてきたチームが次々と初出場を決めた。石巻市日本製紙石巻新潟市バイタルネット大和高田市大和高田クラブ福岡市九州三菱自動車の4チームが初出場。初出場チームが4チームを数えるのは41年ぶり。一方で有力チームが予選敗退する波乱も起こり、前回大会の九州第1代表の沖縄電力が1次予選で敗退したのをはじめ、前回大会まで3年以上連続出場していたTDK富士重工業鷺宮製作所セガサミーJX-ENEOS(新日本石油ENEOSから改称)、パナソニックが2次予選で涙をのんだ。
  • さいたま市日本通運京都市日本新薬は危なげなく出場を決め、連続出場を10年の大台に乗せた。東海地区からは愛知県のチームが5チーム出場し、同一都道府県からの最多出場チーム数を記録した。
  • 本戦では前回大会優勝の狭山市Hondaと準優勝の豊田市トヨタ自動車がともに2回戦で敗れる中、コールドゲームが1試合も起こらない実力伯仲の試合が続いた。活発な打線を擁する川崎市東芝と豊富な投手力と継投を見せる北九州市JR九州が決勝で対戦し、東芝が3年ぶり7回目の優勝を果たした。JR九州は前年の日本選手権優勝に続く史上初の秋・夏連覇を目指したが、準優勝に終わった。橋戸賞は3試合に登板して2完封を記録した藤田卓史(東芝)が受賞した。
  • 2011年第82回東日本大震災により当初の予定を変更して10-11月に京セラドーム大阪で開催されることが決まり、そのうえで、2012年第83回から7月中旬-下旬の開催移行を予定していることから、8-9月開催はこれが事実上最後となった。

予選 編集

出場チーム 編集

出場枠 都市 チーム 出場回数
北海道 札幌市 JR北海道 6年連続9回目
東北第1 石巻市 日本製紙石巻 初出場
東北第2 仙台市 七十七銀行 4年連続7回目
北信越 新潟市 バイタルネット 初出場
北関東第1 日立市 日立製作所 3年連続31回目
北関東第2 鹿嶋市 住友金属鹿島 3年ぶり13回目
南関東第1 さいたま市 日本通運 10年連続37回目
南関東第2 狭山市 Honda 7年連続25回目
南関東第3 君津市 かずさマジック 7年ぶり8回目
南関東第4 千葉市 JFE東日本 2年ぶり19回目
東京第1 東京都 JR東日本 2年ぶり13回目
東京第2 東京都 東京ガス 2年連続14回目
東京第3 東京都 NTT東日本 2年連続35回目
神奈川第1 横浜市 三菱重工横浜 2年連続4回目
神奈川第2 川崎市 東芝 2年連続32回目
東海第1 豊田市 トヨタ自動車 2年連続15回目
出場枠 都市 チーム 出場回数
東海第2 名古屋市 東邦ガス 3年連続7回目
東海第3 豊川市 東海理化 3年連続4回目
東海第4 春日井市 王子製紙 4年連続10回目
東海第5 浜松市 ヤマハ 7年連続34回目
東海第6 名古屋市 三菱重工名古屋 2年ぶり20回目
京滋奈第1 京都市 日本新薬 10年連続28回目
京滋奈第2 大和高田市 大和高田クラブ 初出場
阪和第1 大阪市 NTT西日本 4年連続22回目
阪和第2 大阪市 日本生命 8年連続52回目
兵庫第1 神戸市 三菱重工神戸 4年連続28回目
兵庫第2 姫路市 新日本製鐵広畑 2年ぶり30回目
中国第1 東広島市 伯和ビクトリーズ 3年連続5回目
中国第2 広島市 三菱重工広島 2年連続13回目
四国 高松市 JR四国 2年ぶり8回目
九州第1 北九州市 JR九州 2年ぶり13回目
九州第2 福岡市 九州三菱自動車 初出場

試合 編集

1回戦 編集

1 2 3 4 5 6 7 8 9
NTT西日本 0 0 2 0 0 1 0 0 0 3
東京ガス 4 0 0 0 0 0 2 1 X 7

勝:榎田 敗:山本 本:村上(東ガス)

1 2 3 4 5 6 7 8 9
住友金属鹿島 0 0 0 0 1 0 0 0 1 2
九州三菱自動車 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1

勝:平井 敗:幸松

  • 第3試合(8月28日)-延長10回
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
トヨタ自動車 0 0 0 2 0 0 0 0 0 3 5
三菱重工神戸 0 0 0 2 0 0 0 0 0 0 2

勝:佐伯 敗:守安 本:池田(三菱神戸)、的場、坂田(以上トヨタ)

  • 第4試合(8月28日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
Honda 1 2 0 1 0 1 0 0 3 8
JR四国 0 0 0 1 3 0 0 1 0 5

勝:佐藤 敗:岩井 本:妹尾(JR四国)

1 2 3 4 5 6 7 8 9
かずさマジック 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
伯和ビクトリーズ 0 3 1 0 0 1 0 0 X 5

勝:七條 敗:本多 本:池永、星野、内山(以上伯和)

  • 第6試合(8月29日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
日本生命 0 3 0 0 1 0 0 0 0 4
JR東日本 0 0 2 0 0 5 0 0 X 7

勝:斎藤貴 敗:佐川 本:岩下(日生)、宮崎(JR東)

  • 第7試合(8月29日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
新日本製鐵広畑 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1
JFE東日本 0 0 2 1 0 0 0 0 X 3

勝:須田 敗:梶本 本:尾張(JFE東)

1 2 3 4 5 6 7 8 9
日本通運 0 1 5 0 0 0 0 0 0 6
日本新薬 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

勝:牧田 敗:田中

  • 第9試合(8月30日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
ヤマハ 0 0 0 0 0 3 0 1 0 4
日本製紙石巻 1 0 0 0 0 1 0 0 0 2

勝:広岡 敗:久古 本:マガリャエス、嶋岡(以上ヤマハ)、阿部博(日本製紙)、佐藤(ヤマハ)

  • 第10試合(8月30日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
日立製作所 0 0 0 0 0 0 1 1 0 2
JR九州 1 0 1 0 1 0 0 1 0 4

勝:米藤 敗:伊波 本:野口、藤島(以上JR九)

1 2 3 4 5 6 7 8 9
三菱重工名古屋 0 0 0 0 1 0 1 0 0 2
JR北海道 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

勝:中根 敗:武藤 本:山田、石塚(以上三菱名古屋)

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
王子製紙 0 0 0 0 2 0 0 0 0 0 0 2
三菱重工横浜 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 1x 3

勝:瀧優 敗:杉本 本:青山眞(王子)、渡部(三菱横浜)

  • 第13試合(8月31日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
東海理化 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
東芝 0 0 0 0 0 2 0 0 X 2

勝:藤田 敗:川脇

1 2 3 4 5 6 7 8 9
東邦ガス 0 1 0 0 0 1 0 0 0 2
三菱重工広島 2 0 0 0 0 4 0 3 X 9

勝:鮫島 敗:水田 本:白川(東邦)、松井、戎(以上三菱広島)

  • 第15試合(9月1日)-延長11回(※11回からタイブレーク)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
バイタルネット 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
大和高田クラブ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1x 1

勝:米倉 敗:田中

  • 第16試合(9月1日)-延長11回(※11回からタイブレーク)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
七十七銀行 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1
NTT東日本 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1x 2

勝:黒田 敗:小林

2回戦 編集

  • 第1試合(9月2日)-延長11回(※11回からタイブレーク)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
住友金属鹿島 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 4 5
伯和ビクトリーズ 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1

勝:平井 敗:七條

  • 第2試合(9月2日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
三菱重工名古屋 1 0 0 0 0 0 0 1 0 2
ヤマハ 0 0 0 2 5 0 0 0 X 7

勝:広岡 敗:高木

  • 第3試合(9月2日)-延長11回(※11回からタイブレーク)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
東芝 0 0 0 0 2 1 3 0 0 0 2 8
JR東日本 2 0 0 1 0 0 3 0 0 0 0 6

勝:木戸 敗: 本:十九浦(JR東)、工藤、安達(以上東芝)、澤(JR東)

1 2 3 4 5 6 7 8 9
JFE東日本 3 0 0 0 0 0 0 0 0 3
三菱重工広島 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1

勝:須田 敗:長谷川

  • 第5試合(9月3日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
三菱重工横浜 0 0 1 0 0 2 0 0 0 3
大和高田クラブ 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1

勝:瀧優 敗:池邉 本:田城、渡部(以上三菱横浜)

  • 第6試合(9月3日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
東京ガス 0 1 0 0 0 0 0 3 0 4
Honda 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2

勝:榎田 敗:武藤

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
日本通運 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1
JR九州 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1x 2

勝:濱野 敗:牧田

  • 第8試合(9月4日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
トヨタ自動車 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
NTT東日本 3 0 0 0 0 0 4 0 X 7

勝:福井 敗:佐竹 本:岩本、高尾(以上NTT東)

準々決勝 編集

  • 第1試合(9月4日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
住友金属鹿島 1 1 2 0 0 0 0 0 0 4
ヤマハ 0 0 0 1 0 1 0 1 0 3

勝:小出 敗:前橋 本:二村(住金鹿島)、嶋岡(ヤマハ)

1 2 3 4 5 6 7 8 9
東芝 0 1 4 3 0 0 0 0 0 8
JFE東日本 0 0 1 0 1 0 0 0 1 3

勝:藤田 敗:杉本 本:大河原、藤原、池辺(以上東芝)

  • 第3試合(9月5日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
東京ガス 0 2 0 0 0 0 0 0 0 2
三菱重工横浜 0 2 2 0 0 1 0 0 X 5

勝:亀川 敗:小高 本:松田(東ガス)

  • 第4試合(9月5日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
NTT東日本 0 0 0 1 0 0 0 1 1 3
JR九州 2 0 0 0 0 0 0 0 2x 4

勝:濱野 敗:黒田 本:高尾、上田(以上NTT東)

準決勝 編集

1 2 3 4 5 6 7 8 9
東芝 1 0 0 1 0 0 0 0 0 2
住友金属鹿島 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

勝:新垣 敗:石田 本:井関(東芝)

  • 第2試合(9月6日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
JR九州 0 0 1 2 5 0 0 0 0 8
三菱重工横浜 0 0 0 0 1 2 0 0 0 3

勝:岡田 敗:瀧優 本:瀧諒(三菱横浜)

決勝 編集

1 2 3 4 5 6 7 8 9
JR九州 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
東芝 1 0 1 0 0 0 0 0 X 2

勝:藤田 敗:濱野
(東芝は3年ぶり7回目の優勝)

表彰選手等 編集

表彰 選手 所属チーム(補強選手の本来の所属チーム)
橋戸賞 藤田卓史(投手) 東芝
久慈賞 濱野雅慎(投手) JR九州
若獅子賞 安達了一(内野手) 東芝
小島脩平(内野手) 住友金属鹿島
五十嵐大典(外野手) 三菱重工横浜
首位打者賞 中野滋樹(捕手)
20打席17打数8安打 打率.471
JR九州
打撃賞 池邉啓二(外野手) 東芝(JX-ENEOS
小野賞 JR九州チーム
大会優秀選手 投手 藤田卓史 東芝
濱野雅慎 JR九州
米藤太一
石田祐介 住友金属鹿島
平井英一 住友金属鹿島(富士重工業
亀川裕之 三菱重工横浜
須田幸太 JFE東日本
榎田大樹 東京ガス
捕手 井川良幸 東芝
中野滋樹 JR九州
高安健至 三菱重工横浜
一塁手 高尾佳之 NTT東日本
二塁手 小島脩平 住友金属鹿島
坂上真世 三菱重工横浜
佐藤二朗 ヤマハ
三塁手 嶋岡孝太 ヤマハ
佐々木大輔 東京ガス
遊撃手 安達了一 東芝
田中マルシオ敬三 JR九州
外野手 松永隆太 東芝
大河原正人
下田貴之 JR九州(熊本ゴールデンラークス
五十嵐大典 三菱重工横浜
高橋孝典 ヤマハ
尾張友紀 JFE東日本
北道貢 NTT東日本
指名打者 池邉啓二 東芝(JX-ENEOS)
表彰 選手 所属チーム(補強選手の本来の所属チーム)
10年連続出場 阿部博明(内野手) 日本製紙石巻(TDK
鈴木良二(内野手) 七十七銀行(JR東日本東北
松村幸雄(投手) JFE東日本
松尾知之(捕手) ヤマハ
松本洋介(捕手) 三菱重工名古屋(西濃運輸
阪本一成(外野手) 東海理化(西濃運輸)
青山眞也(内野手) 王子製紙(JR東海
田中大介(投手) 日本新薬
藤谷大樹(内野手)
保田裕久(内野手)
小林世拓(外野手)
大崎有倫(内野手) 伯和ビクトリーズ(JFE西日本
10年連続出場監督表彰 神長英一 日本通運
応援団コンクール 最優秀賞 住友金属鹿島
優秀賞 東京ガス
敢闘賞 NTT東日本
特別賞 東芝

関連項目 編集

外部リンク 編集