紀元前9世紀

紀元前900年から紀元前801年までの100年間
紀元前862年から転送)

(きげんぜんきゅうせいき)は、西暦による紀元前900年から紀元前801年までの100年間を指す世紀

千年紀: 紀元前1千年紀
世紀: 前10世紀 - 紀元前9世紀 - 前8世紀
カルタゴ建設。伝承ではフェニキアテュロスの王女ディードーが故国を離れて女王となって建設したと伝わる。画像はジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーの歴史画「カルタゴを建設するディドー英語版」(ロンドン・ナショナル・ギャラリー蔵)。
ニムルドの繁栄。アッシリアアッシュル・ナツィルパル2世により造営された都で、宮殿遺跡としても保存状態がよい。画像はメトロポリタン美術館所蔵のラマッス英語版(人頭有翼牡牛)像。ニムルドでは宮殿などの入り口を守護するものとしてラマッスの巨大な像が建てられていた。
西周の宣王。父の厲王が流謫の果てに死んだのちに王となり中興の英主と呼ばれた。画像は異民族の玁狁を討った虢季子白を称えて宣王が作らせた銘文が残る「虢季子白盤(中国国家博物館蔵)」。
レフカンディ英語版遺跡。暗黒時代のギリシアにあってもエウボイア島近辺では復興の兆しが見え始めた。その代表的な遺跡がレフカンディで、画像はこの地から出土したケンタウロス像(エレトリア考古学博物館蔵)。
チャビン文化。南米アンデス地域の最も古い神殿文化で、紀元前1200年頃から紀元前300年頃まで続いた。画像はその代表であるペルーのワリ郡にあるチャビン・デ・ワンタル遺跡で、紀元前900年代から紀元前500年代がその最盛期であった。

出来事 編集

紀元前900年代 編集

紀元前880年代 編集

紀元前870年代 編集

  • 紀元前877年頃 - 西周で厲王が即位。即位後間もなく厲王は南国服子の討伐を行い、記念に宗周鐘中国語版が作られる。
  • 紀元前876年頃 - ジムリのクーデターが失敗し、オムリイスラエル王国の王となる(オムリ朝の成立)。
  • 紀元前870年頃 - イスラエル王国のオムリがティルツァからサマリアへ遷都する。

紀元前860年代 編集

紀元前850年代 編集

紀元前840年代 編集

  • 紀元前843年頃 - アラム系ダマスクスの王ハザエル王が即位。
  • 紀元前842年頃 - 北イスラエル王ヨラムを倒したイエフが王となり、バアル神信仰を禁止する。
  • 紀元前841年
    • 厲王が国人に追放され、中国語版(山西省霍県)に亡命する。
      • 周王の不在により共和政治が行われる( - 紀元前828年)。『史記』の年表はこの年より始まる。
    • アッシリア王シャルマネセル3世が北イスラエル王イエフを屈服させる(→紀元前825年)。

紀元前830年代 編集

  • 紀元前833年頃 - ウラルトゥ王サルドゥリ1世がアルザシュクンからトゥシュパ(ヴァン)に遷都する。
  • 紀元前830年頃 - アラム人の王ハザエルがペリシテ人の都市ガト(テル・アル・サフィ遺跡)を陥落させる。

紀元前820年代 編集

  • 紀元前828年 - 周の厲王が死去し、宣王が即位する(周の中興)。
  • 紀元前827年 - シャルマネセル3世の王子アッシュール・ダイン・アピルが反乱を起こしアッシリアが一時弱体化。
  • 紀元前825年頃
  • 紀元前823年 - 周の宣王の重臣尹吉甫が所有した「兮甲盤」の銘文はこの年のもの。
  • 紀元前822年 - 周の宣王の命を受け秦仲西戎を討伐するが敗死する。
    • 宣王は秦仲の子の荘公を西垂大夫として西戎を攻めさせ撃破させる。荘公は犬丘中国語版に本拠を置く。

紀元前810年代 編集

  • 紀元前818年 - エジプトで第22王朝の弱体化とともに王族ペディバステトが独立し23王朝が始まる。
  • 紀元前816年 - 周の宣王が虢季子白に命じて洛河の北方にて玁狁を攻撃。
    • 「虢季子白盤(北京中国国家博物館蔵)」が鋳造される。虢季子白が玁狁に勝利したことを称えた銘文が残る。
  • 紀元前814年 - 現在のチュニスの近くの港にフェニキア人によってカルタゴが建設される。
  • 紀元前812年 - 晋の献侯が死去。その墓に「晋侯蘇編鐘(上海博物館蔵)」が副葬された。

紀元前800年代 編集

人物 編集

中国 編集

  • 懿王(在位前900年 - 前892年) - の第7代王
  • 厲王(在位前857年 - 前842年) - 周の第10代王
  • 宣王(在位前842年 - 前782年) - 周の第11代王
  • 共伯和(紀元前9世紀) - 周の諸侯で厲王が逃亡し宣王が即位するまでの間に政務を執った
  • 尹吉甫(紀元前9世紀) - 周の王臣で詩人・宣王に仕え『詩経』詩編をまとめる

西アジア 編集

北アフリカ 編集

関連項目 編集