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電気素量 (でんきそりょう、: elementary charge)は、電気量単位となる物理定数である。陽子あるいは陽電子1個の電荷に等しく、電子の電荷の符号を変えた量に等しい。素電荷(そでんか)、電荷素量とも呼ばれる。一般に記号 e で表される。

電気素量
elementary charge
記号 e
1.602176634×10−19 C(正確に)
相対標準不確かさ ゼロ
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原子核物理学化学では粒子の電荷を表すために用いられる。現在ではクォークの発見により、素電荷の1/3を単位とする粒子も存在するが、クォークの閉じ込めにより単独で取り出すことはできず、素電荷が電気量の最小単位である。 素粒子物理学では、電磁相互作用ゲージ結合定数であり、相互作用の大きさを表す指標である。

目次

新しいアンペアの定義編集

2018年11月の第26回国際度量衡総会 (CGPM) で決議されたSI基本単位の再定義において、アンペア定義に電気素量を用いることとなった。2019年5月20日に施行された新定義では電気素量の値は不確かさを持たず、その値は正確に e = 1.602176634×10−19 C となった[1]

電気素量の計測実験編集

1897年 ジョン・タウンゼントの実験
電気分解によって生じる帯電した気体イオンの量と帯電量を測定し、電荷を算出した。
1898年 J.J. トムソンの実験
水蒸気をイオン化して、電流と水蒸気の質量から求めた。
1903年 ジョン・タウンゼントとH.A. ウィルソンの実験
水蒸気のイオンの電界中の落下速度から求めた。
1909年 ミリカンの油滴実験
油滴を使ったウィルソン実験を改良し、多くの誤差要因を排除した。当時の計測値は 1.592×10−19 クーロンだったとされる。

電磁気学の単位編集

電磁気学の単位系は、元来は何らかの幾何学的な配位において作用する電磁気的な力の大きさによって定義されており、電気素量との理論的な関係はない。 なお、1mol の電子の電気量は電気分解の法則で知られる 1Fd であり、電気素量にアボガドロ数 NA mol をかけたものである。

1 Fd = (NA mol) e =(6.02214076×1023) × (1.602176634×10−19 C) = 96485.3321233100184 C(正確に)

量子電気力学における電気素量編集

量子電気力学においては、ある時空点で電子が光子を放出したり吸収したりする確率振幅英語版の大きさが電気素量に対応する。ファインマン・ダイアグラムを用いることでその事がより明らかになる。

脚注編集

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  1. ^ A concise summary of the International System of Units, SI Table 1 The seven base units of the SI, BIPM, 2019-05-20

参考文献編集

  • R. A. ミリカン (1913). “On the Elementary Electrical Charge and the Avogadro Constant”. Phys. Rev. 2: pp.109-143. doi:10.1103/PhysRev.2.109. 
  • R. A. ミリカン (1911). “The Isolation of an Ion, a Precision Measurement of Its Charge, and the Correction of Stokes's Low”. Phys. Rev. (Series I) 32 (4): pp.349-397. doi:10.1103/PhysRevSeriesI.32.349. 
  • 西条敏美『物理定数とは何か-自然を支配する普遍数のふしぎ』講談社ブルーバックス〉、1996年10月。ISBN 4-06-257144-7

外部リンク編集