紳士録
紳士録(しんしろく)とは、官僚、大企業の役員、芸術家など著名人のうち、存命で活躍している人物の情報を掲載した本を指す。人名録、人名事典の一種。
概要編集
生年月日と出身地、最終学歴はもちろん、刊行時点での居住地、場合によっては家族情報や趣味などの個人情報が記されていることもある。「Who's Who」や「人名年鑑」とされていることもある。福沢諭吉が提案した。
日本の図書館で常備されている紳士録は、興信データが1903年から2009年まで出版していた『人事興信録』と交詢社(現・交詢社出版局)が1889年から2007年4月(第80版で休刊[1])まで隔年で出版していた『日本紳士録』である。掲載料は無料[1]であるが、詐欺グループが掲載料や解除料を要求する紳士録商法が続いており、詐欺や恐喝で逮捕者も出ている[1]。
国際的な紳士録としては、アメリカのNew Communications inc.による『Marquis Who's Who』等がある。
日本紳士録編集
1889年に福沢諭吉の提唱で設立された社交団体「交詢社」が納税額を基準に著名人約2万3000を掲載して発行を始めた[2]。巻末には東京を中心とした職業別姓名録なども付された[3]。3年後には東京横浜に京阪その他を含めた約3万3000人を収録して第二版を出版[2]、以後版を重ねた。高山樗牛は所得税が基準では紳士と謳ったところで高利貸しや博徒も入っており、国民の拝金根性を露呈するものとして批判した[4]。
1971年からは「交詢社出版局」が編集を続け、2000年ごろには掲載14万人に達したが、2005年に紳士録などを利用した大型詐欺事件が摘発され、同年個人情報保護法の施行もあって掲載希望者が減り、2007年に第80版を最後に無期休刊となった[1]。