絵手紙(えてがみ)とは、手紙の一種で「絵のある手紙をかき(書き・描き)送る」ものである。「絵のある手紙」自体は古くからあるものだが、「絵手紙」というジャンルが確立されたきっかけは、書道家小池邦夫1978年から1979年にかけて、文化出版局美術雑誌『季刊 銀花』の綴じ込み企画として、6万枚の直筆絵手紙を発表したことによる[1]。現在は中高年層を中心に趣味の一環として広まっている。素朴で民衆的な書画としての趣味であるが、手紙であることから郵便趣味(郵趣)の一種とも言える。

概要編集

 
狛江郵便局の「絵手紙メモリアルポスト」
「絵手紙発祥の地 狛江」と由来解説のプレートがある

最初から絵や文を印刷して市販される絵葉書(ポストカード)とは違い、絵と文章を自分でかくものである。また、モノクロ写真に色を塗って仕上げた「手彩色絵葉書」とも異なる。

道具は書道日本画で用いる、着色には顔彩画仙紙はがきを使用する。はがきに野菜など身近なものをかき、絵手紙を送る相手に最も伝えたい気持ちを短い言葉で添える。小池邦夫は絵手紙について「モットーは『ヘタでいい・ヘタがいい』。テクニックよりも飾らずに自分の味を表現すること」と語る[1][2]

郵政民営化前の郵政省時代、郵便局の「ふみの日記念イベント」で、小池が狛江郵便局に講師として招かれ「絵手紙教室」を初めて開催したことを発端として[1]、小池が在住する東京都狛江市では町おこしの一環として2007年から「絵手紙発祥の地 狛江」を掲げ、絵手紙を市の文化事業に取り入れている[2][3]小田急線狛江駅前の排気筒や狛江郵便局のポストには小池邦夫の絵手紙モニュメントが飾られ[3]、狛江市のコミュニティバスこまバス」にも小池邦夫による「絵手紙発祥の地 狛江」のラッピングが施されていた(その後「こまえ子育てネット」ラッピングに変更)。市内でも絵手紙の講習会や愛好会が活動し、市役所や駅構内、商店街などに市民の手になる四季折々の絵手紙が掲示されている。小池は「日本絵手紙協会」会長として、狛江市が立ち上げた「『絵手紙発祥の地 狛江』実行委員会にも参画している[1]

なお、日本絵手紙協会は「絵手紙」を商標として登録出願したが、識別能力を有しないとして却下されている[4][5]

脚注編集

  1. ^ a b c d ちっちゃなはがきにおっきな夢込めて 小池邦夫氏 日本絵手紙協会会長 67歳 狛江市在住 Web東京民報、2010年2月8日、2019年11月19日閲覧。
  2. ^ a b 「絵手紙発祥の地 - 狛江」ご案内 狛江市公式サイト
  3. ^ a b 街に、人生に、絵手紙の彩り 狛江 朝日新聞デジタル東京版、2018年6月21日、2019年11月19日閲覧。
  4. ^ 審判1999-12216 - 商標判例データベース
  5. ^ 平成 12年 (行ケ) 353号 審決取消請求事件 - 商標判例データベース

関連項目編集

外部リンク編集