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岩手県一関市で市内全家庭で用いられている緊急告知FMラジオ受信機
FM ASMO(一関コミュニティFM)を受信し緊急告知放送を待機中
熊本市で用いられている緊急告知FMラジオ受信機
NHK熊本FM(85.4MHz)を受信しつつ、熊本シティエフエム(79.1MHz)の緊急告知放送を待機中)
ケーブルテレビ(JCN船橋習志野;現ジェイコム船橋習志野)で用いられていた緊急告知FMラジオ受信機

緊急告知FMラジオ(きんきゅうこくちエフエムラジオ)は、FM放送又はケーブルテレビにより伝送されるDTMF信号により、待機状態にある受信機を起動し、放送される緊急情報を伝えるシステム、又はその受信機。本項では、同様の目的で自然音を利用した起動信号を用いるComfis方式(コムフィスほうしき)についても述べる。

目次

概要編集

緊急告知放送の前に所定の始動用DTMF信号を送信し、これにより待機状態の受信機を起動させ、災害等による緊急情報の放送を行う。放送終了後は停止用のDTMF信号を送信し、受信機を待機状態に戻す[1]。平成23年3月末現在、全国25を超える市町村で9万台以上が普及している[2]。 ケーブルテレビにおいては、緊急告知FMラジオを運用しているコミュニティ放送の再放送(いわゆる再送信)によるもののほか、自主放送として運用しているものがある。

緊急警報放送との違い編集

類似のシステムとして緊急警報放送があるが、緊急告知FMラジオとは次の点で異なる。

  • 緊急警報放送は電波法施行規則第2条第1項第84号の2で規定する緊急警報信号を使用し、信号の技術的条件や運用手順が法令に定められているが、緊急告知FMラジオの信号や運用は法令に規定されていない。
  • 緊急警報放送は地域符号として地域共通符号(全国向け情報)、広域符号(各広域圏向け情報)及び県域符号(各都道府県向け情報)しか定められておらず、都道府県より狭い地域単位で受信機を起動することができないが、緊急告知FMラジオは市町村内の特定地域のみ受信機を起動することができるグルーピング機能がある[7]
    • グルーピング機能の例として、大分県由布市では市内全域向けの放送のほか、合併前の旧自治体毎(湯布院町庄内町挾間町)にグルーピングして運用している。(ゆふいんラヂオ局
    • グルーピング機能を用い、行政情報・学校情報(臨時休校・途中下校など)といった、聴取者の選択に応じ起動させる情報を放送している例(Hits FM)もある[8]
  • 緊急警報放送はテレビNHK-BSを含む)及びラジオにより全国をカバーしているが、緊急告知FMラジオはFM放送及びケーブルテレビのそれぞれ一部事業者でしか行われていない。
  • 緊急警報放送用受信機は一般に販売され、放送波の届く全国で使えるのに対し、緊急告知FMラジオは市町村又は放送事業者からの貸与や支給、期間や数量を限定した販売でしか入手できず、転居や一時滞在の際など、利用したくてもすぐには利用できないことがある。
  • 緊急警報放送用受信機は法令に基づく規格のため、国内で転居してもそのまま利用できるのが一般的だが、緊急告知FMラジオは受信周波数が対応局に固定されており[9]、また、符号が異なることによりたまたま転居先の対応局が同じ周波数を使用していても動作しない場合がある。ただし、緊急警報放送用受信機でも受信周波数が固定されている機種もある。
  • 受信周波数が固定されている場合、コミュニティ放送のケーブルテレビによる周波数変換再放送(いわゆる再送信)には対応できない(同一周波数再放送には対応可能)。
  • 緊急警報放送と緊急告知FMラジオの両方を運用している例(FMながおか)があり、両者を区別せず「緊急告知FMラジオ」と案内している場合もある。

市町村防災行政無線等との関係編集

  • 地域によっては、市町村防災行政無線および、全国瞬時警報システム(Jアラート)と連動して緊急告知FMラジオが運用される場合がある。
  • 緊急告知FMラジオと同様の目的で、市町村防災行政無線や地域コミュニティ用無線局の戸別受信機(一般のラジオの機能を併せ持つこともある。)[10]を住民に頒布している市町村がある[11]無線呼び出しを併用した戸別受信機[12][13]も開発されている。

沿革編集

  • 2005年10月11日 - 倉敷市の本庁・支所をフィールドとしたテスト放送を実施。
  • 2005年11月15日 - FMくらしき倉敷ケーブルテレビが共同開発のプレスリリースを発表。
  • 2006年5月24日 - 倉敷市が購入した424台のラジオを市内の福祉施設や保育園・幼稚園などに貸与[14]
  • 2006年 - 長岡市内のモデル地区に配備[15]
  • 2006年8月 - FMくらしきと倉敷ケーブルテレビの公募による結果、愛称を「こくっち」とする[16]
  • 2009年2月15日 - 武蔵野三鷹ケーブルテレビ(現:ジェイコム武蔵野三鷹)などJCNグループ局において、緊急地震速報サービスを順次導入(JCNがJ:COMと合併した2014年4月時点で未導入の局もあった。なお、導入済みの局についても2014年5月31日に受付を終了したが、既存加入者には引き続きサービスを提供している)。

緊急告知FMラジオを運用している放送事業者編集

配列は放送の種類(県域放送コミュニティ放送臨時災害放送ケーブルテレビ)別、総務省#総合通信局の組織順、都道府県コード順とし、同一都道府県内の事業者は北から南、東から西の順とした。また、かっこ内の市町村名は放送事業者の所在地に限らず、緊急告知FMラジオの情報を提供したり受信機を配布したりしているものを併記する。

県域放送編集

東北編集

信越編集

コミュニティ放送編集

北海道編集

東北編集

関東編集

信越編集

北陸編集

東海編集

近畿編集

中国編集

四国編集

九州編集

臨時災害放送編集

コミュニティ放送局を一時休止して開設された臨時災害放送局は省略。

東北編集

ケーブルテレビ編集

関東編集

信越編集

北陸編集

東海編集

中国編集

九州編集

受信機メーカー編集

Comfis方式編集

Comfis方式(コムフィスほうしき)とは、緊急告知FMラジオと同様の目的で、始動用にDTMF信号でなく自然音を利用することにより、起動時間の短縮を図った方式。ワキヤ技研が開発し[26]FMながおかが緊急警報放送及び緊急告知FMラジオとともに運用。同局エリア内の小千谷市が各世帯に対応受信機を配布している[27]。また、豊橋市においても、2012年9月からエフエム豊橋豊橋ケーブルネットワークによる同一周波数再放送を含む。)を受信できるComfis方式受信機「豊橋防災ラジオ」の販売が始まり、9月30日には実際に運用された[28]。 なお、Comfisは日本キャステムの登録商標である。

脚注編集

  1. ^ 「緊急告知用ラジオ(実用新案登録第3118188号)」『登録実用新案公報』、日本国特許庁、2006年1月26日。
  2. ^ 災害時はコミュニティメディアの出番 (pdf)”. FMくらしき. 2012年8月6日閲覧。
  3. ^ 緊急告知ラジオの有償頒布”. 東京都中央区. 2012年8月6日閲覧。
  4. ^ 緊急地震速報”. ジャパンケーブルネット. 2014年5月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年8月6日閲覧。
  5. ^ 熊本市電力対策方針 (pdf)”. 熊本市. p. 37 (2012年8月9日). 2012年8月15日閲覧。
  6. ^ TimeTable (PDF)”. FM八女. 2013年4月11日閲覧。
  7. ^ これらはあくまでも仕様であり、実装では必ずしも対応していない。転居に伴う変更洩れなど設定ミスによる不起動の懸念から、緊急警報放送では地域符号にかかわらず動作する(地域符号を設定できない)受信機がほとんどであり、また、緊急告知FMラジオでもグルーピング機能を用いず電波の届く範囲全域で起動させることが多い。
  8. ^ 高山防災ラジオのご案内”. 飛騨高山テレ・エフエム. 2013年5月26日閲覧。
  9. ^ 緊急告知FMラジオ用のチューナーのほか周波数を変えられるもうひとつのチューナーを搭載することにより対応局以外の受信も可能な機種もあるが、その場合でも緊急告知FMラジオ用チューナーの周波数は固定されており、他の周波数では緊急告知が動作しない。
  10. ^ 安心・安全防災ラジオ (PDF)”. リズム電子工業. 2013年4月11日閲覧。
  11. ^ 例えば、岡谷市三島市蒲郡市
  12. ^ 茅ヶ崎市独自の周波数帯を使用した新型防災ラジオを開発しました”. 茅ヶ崎市 (2013年6月3日). 2013年9月17日閲覧。
  13. ^ 地域情報配信サービス”. 東京テレメッセージ. 2013年9月17日閲覧。
  14. ^ 山陽新聞 2006年5月25日付け
  15. ^ 読売新聞 2006年6月4日付け
  16. ^ 山陽新聞 2006年8月30日付け
  17. ^ http://www.fm-akita.co.jp/urgent_fm/ 命を守るラジオ 【緊急告知エフエムラジオ】 - エフエム秋田公式
  18. ^ 「市報にいがた」 (PDF)”. 新潟市 (2013年4月7日). 2013年4月11日閲覧。
  19. ^ 新潟市との「災害時における放送要請に関する協定」について”. エフエムラジオ新潟 (2012年9月26日). 2013年4月11日閲覧。
  20. ^ 「広報かねがさき」 (PDF)”. 金ケ崎町 (2013年2月). 2013年4月11日閲覧。
  21. ^ 緊急告知FMラジオの運用を開始 (PDF)”. 群馬県昭和村. 2012年10月12日閲覧。
  22. ^ 緊急告知FMラジオ起動試験放送”. エフエム新津 (2011年11月17日). 2012年10月12日閲覧。
  23. ^ 東日本大震災に際し開設された臨時災害放送局の開設状況(平成25年9月1日現在) (PDF)”. 総務省. 2013年9月17日閲覧。
  24. ^ おおふなとさいがいエフエム”. 大船渡市. 2013年4月11日閲覧。
  25. ^ 東日本大震災に際し開設された臨時災害放送局の開設状況(平成25年4月1日現在) (PDF)”. 総務省. 2013年4月11日閲覧。
  26. ^ 平成22年度長岡市フロンティアチャレンジ補助金事業事例集 (PDF)”. 長岡市商工部工業振興課. p. 7. 2012年8月6日閲覧。
  27. ^ 「市報おぢや」平成24年5月25日号お知らせ版 (PDF)”. 小千谷市役所. p. 2. 2012年8月6日閲覧。
  28. ^ 読売新聞 2012年10月25日付け

関連項目編集

外部リンク編集